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完全自動走行に向けた国家戦略特区プロジェクトに関する質問主意書

参議院 第190回 第15号お答えすることは困難 ×2趣旨が明らかではない ×1承知していない ×3個別の事案 ×1

提出者
参議院
提出日
2016年1月14日
内閣転送 2016年1月18日
答弁書受領日
2016年1月22日
提出から8日
答弁の項目数
7
質問 2,150字/答弁 1,265字

質問本文

昨年、「官民ITS構想・ロードマップ二〇一五~世界一安全で円滑な道路交通社会構築に向けた自動走行システムと交通データ利活用に係る戦略~」(以下「構想」という。)が発表され、この構想に基づく、「完全自動走行に向けた国家戦略特区プロジェクト」(以下「特区」という。)も発表されている。

しかし、構想においては技術的な記述が中心であり、自動走行の法的位置づけや事故時の責任については、ほとんど触れられていない。特区における公道実証実験においても、これらが不明確なまま行われるのではないかと危惧している。自動走行システムは、今後の自動車開発、製造及び販売並びに自動車保険等に大きな影響を与えると考える。日本が世界に先駆けて完全自動走行システムを実現するためには、法整備を早急に行うことが必要と考えるため、以下、質問する。

一 特区では、神奈川県湘南エリア、仙台市荒浜地区及び名古屋市を対象としているが、それぞれの実験開始時期と実験地区の詳細を明らかにされたい。また、他地域での実験を計画していれば、併せて明らかにされたい。

二 昨年十月一日に、内閣府によって特区の説明(以下「説明」という。)が行われた。説明で使用されたロボットタクシー株式会社(以下「ロボットタクシー社」という。)の資料では、自動走行サービス実証実験の安全対策について、「自動走行車には実証実験担当者が2名乗車」と記載され、「「運転者」が運転席に座り、緊急時に対応を実施。加えて「オペレーター」が同乗しシステム監視や周辺状況の確認など、追加で安全を確保」とある。実験担当者二名について、両者又は一方の者が、道路交通法(以下「道交法」という。)第二条第一項第十八号及び道路交通に関する条約(以下「条約」という。)第四条に規定される「運転者」に該当するか、それぞれ明らかにされたい。とくに、条約第八条第五項では、「運転者は、常に、車両を適正に操縦し」とあり、第十条では「車両の運転者は、常に車両の速度を制御していなければならず」と定められているが、実験では緊急時以外は対応しないわけであり、「常に」に該当しないため、運転者とみなされないという解釈もある。これを踏まえて政府の見解を明らかにされたい。

三 説明で使用された内閣府の資料では、現在議論されている条約の改正案の第八条第六項として、「運転者によるオーバーライドが可能であり、又は機能を停止できるときは、第5項及び第10条に適合するものとみなす」とある。これを裏返せば、現状の条約では、「運転者によるオーバーライドが可能であり、又は機能を停止できるときであっても、第五項及び第十条に適合しない」と考えられるが、政府の見解を明らかにされたい。とくに、説明で使用されたロボットタクシー社の資料では、オーバーライド・緊急停止ボタンが安全対策とされているため、この状態では現在の条約に違反するという解釈がある。これを踏まえて政府の見解を明らかにされたい。

四 前記二及び三に関連して、わが国の特区制度が国際条約に優先することがあり得るという解釈でよいか、政府の見解を明らかにされたい。

五 特区における実証実験で交通事故が発生した場合について、

(一) 実証実験担当者が周囲の交通状況の監視や操作を行う必要があると整理され、自動走行システムにオーバーライドが可能だったケース

(二) 実証実験担当者が周囲の交通状況の監視や操作を行う必要があると整理され、自動走行システムにオーバーライドが不可能だったケース

(三) 実証実験担当者が周囲の交通状況の監視や操作を行う必要がないと整理され、自動走行システムにオーバーライドが可能だったケース

(四) 実証実験担当者が周囲の交通状況の監視や操作を行う必要がないと整理され、自動走行システムにオーバーライドが不可能だったケース

以上の四ケースについて、運転者及びオペレーターの責任の所在はどうなるのか、それぞれ明らかにされたい。また、運転者及びオペレーター以外(運転者及びオペレーターの管理者、自動走行システム開発者、自動走行システム運用者並びに車両保有者等)の責任の所在についても、併せて明らかにされたい。

六 特区における実証実験で交通事故が発生した場合について、同乗する住民モニターに責任は及ぶことは原則としてないという理解でよいか、明らかにされたい。

七 説明で使用されたロボットタクシー社の資料では、レベル四の公道サービス開始時期について、東京オリンピック・パラリンピックを目標としているように読めるが、これは正しいか、政府の見解を明らかにされたい。

八 構想では、レベル四の市場化期待時期について、「2020年代後半以降」とされ、「世界最先端のITSを、2020年東京オリンピック・パラリンピックにおいてショーケースとして海外に対して提示、プレイアップする」とも記述されている。構想における、「市場化期待時期」、「ショーケース」の意味を明らかにされたい。またこれは、特区の実験結果をオリンピック・パラリンピックに向けて東京地区に活用し、そこから全国に拡大したうえで、海外に展開していくという理解でよいか、併せて明らかにされたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

お尋ねの「実験開始時期」については、神奈川県湘南地区において平成二十八年二月に、仙台市荒浜地区において平成二十七年度末までに、それぞれ開始される予定であると承知しており、名古屋市における開始時期は把握していない。なお、お尋ねの「実験地区の詳細」については、その意味するところが必ずしも明らかではないため、お答えすることは困難である。

また、お尋ねの「他地域での実験」については、把握していない。

二について

お尋ねの「実験担当者」のうち運転者席に乗車している者については、実証実験のための車両の運転操作の一部を自動走行システムに委ねているが、自動走行システムが安全に作動しているか確認し、必要に応じて、自ら運転操作をすべき立場にあると承知しており、道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第二条第一項第十八号に規定する「運転者」及び道路交通に関する条約(昭和三十九年条約第十七号)第四条に規定する「運転者」に該当するものと解している。

三について

御指摘の「運転者によるオーバーライドが可能であり、又は機能を停止できる」自動走行システムを有する車両について、運転者が、当該車両を適正に操縦するとともに、当該車両の速度を制御し、また、適切かつ慎重な方法で運転するときは、道路交通に関する条約第八条5及び第十条の規定に整合的であると考えている。

四について

二について及び三についてで述べたとおり、今回の実証実験は、道路交通法及び道路交通に関する条約に従って行われるものである。

五及び六について

国家戦略特別区域内における実証実験であるか否かにかかわらず、自動走行システムに関する実証実験において交通事故が発生した場合の民事上の責任については、自動車損害賠償保障法(昭和三十年法律第九十七号)等が適用され、原則として同法第三条の自己のために自動車を運行の用に供する者が損害を賠償する責任を負うものと考えられる。

また、当該者以外の者の責任については、故意又は過失の有無等、個別具体的な事情により判断されるものであり、一概にお答えすることは困難である。

七について

御指摘のロボットタクシー株式会社が作成した資料において、「レベル四の公道サービス開始時期について、東京オリンピック・パラリンピックを目標としている」旨が表されているかについては、政府として把握していない。

八について

お尋ねの「官民ITS構想・ロードマップ二〇一五」(平成二十七年六月三十日高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部決定)における「市場化期待時期」とは、自動走行システムの市場化に関して官民が各種施策を取り組むに当たって共有する共通の努力目標の時期を意味し、「ショーケース」とは、世界最先端の高度道路交通システム(ITS)を海外に対して示す機会とすることを意味している。

また、御指摘の記述は、自動走行システムの実用化・実証を含む高度道路交通システム全般について述べたものであるが、今回の実証実験の結果そのものを想定して記載されたものではない。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×2趣旨が明らかではない ×1承知していない ×3個別の事案 ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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