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我が国の難民認定申請及び迅速処理手続に関する質問主意書

参議院 第192回 第58号お答えすることは困難 ×4趣旨が明らかではない ×3

提出者
参議院
提出日
2016年12月13日
内閣転送 2016年12月14日
答弁書受領日
2016年12月22日
提出から9日
答弁の項目数
14
質問 2,633字/答弁 3,857字

質問本文

一 我が国の難民認定申請

1 難民認定申請の受理・不受理について

平成五年四月二十七日の参議院内閣委員会において、増島俊之総務庁行政管理局長は、行政手続法第七条の立法趣旨について「許認可の握りつぶし、いわゆる握りつぶし的なことにつきましては、まさにこの行政手続法で、この申請が行政庁の事務所に到達したときには遅滞なく当該申請の審査を開始しなければならないという旨を規定しておりまして、また申請が形式上の要件に適合しない場合には、申請の補正を求めるか、あるいは許認可等を拒否するのかを申請者に速やかに明らかにすべきだ、そういうことを規定することを予定しているわけでございます」と述べている。しかし、難民認定申請手続には同法の適用がないため、難民認定申請書の受理を拒否したり、申請書を受け取った上で正式に申請書を受理するまでは申請がなされていないとの取り扱いが行われていたりする可能性がある。そこで、以下質問する。

(1) 難民認定申請は原則として本人のみ行うことができると運用されている趣旨を明らかにされたい。

(2) 難民認定申請者が申請書を提出した際に、受理を拒否することがあるのか。ある場合、過去五年間の難民認定申請処理件数と申請書の受理を拒否した件数を年ごとに示されたい。

(3) 難民認定申請者が申請書を提出し、これを担当官が受け取ったにもかかわらず、申請がなされていないとの取り扱いが行われていることがあるのか。ある場合、過去五年間でそのような取り扱いをした件数を年ごとに示されたい。

(4) 前記一の1の(2)及び(3)のような事実がある場合、行政手続法第七条が難民認定申請に適用されないことが原因であると思われるが、見解を示されたい。

難民認定申請手続における不受理、留保、返戻を防止するため、行政手続法第七条と同様の規定を出入国管理及び難民認定法に置くことや、難民認定申請手続についても部分的に行政手続法の適用対象とすることなどの法改正を行う必要があるのではないか、見解を示されたい。また、難民認定申請手続における不受理、留保、返戻が行われないよう、運用を改善する取り組みを行う意思はあるのか。意思がある場合、取り組む内容を具体的に示されたい。

2 未成年者の難民認定申請について

未成年者の難民認定申請は成年者に比してより困難を伴うことが想定されるが、我が国における難民認定申請手続における未成年者の難民認定申請件数やその取り扱い等の実情はまったく不明である。そこで、以下質問する。

(1) 過去五年間の未成年者の難民認定申請件数とその年齢別内訳を年ごとに示されたい。また、いわゆる保護者のいない未成年者の難民認定申請件数も年ごとに示されたい。

(2) 未成年者の難民認定申請について、成年者の難民認定申請と取り扱いを異にしている点があれば、その具体的内容を示されたい。

(3) 未成年者の難民認定申請の取り扱いを定めた事務処理要領等は存在するか明らかにされたい。存在する場合、その名称を示されたい。

3 難民認定申請手続、審査請求手続の代理について

難民認定申請者には弁護士等による法的支援が不可欠であるが、その現状について、以下質問する。

(1) 難民認定申請者に弁護士等の代理人がつくことを望ましいと考えるか、見解を明らかにされたい。また、難民認定申請手続を弁護士等が代理することは法律上禁じられているか明らかにされたい。禁じられている場合、その理由を示されたい。

(2) 代理人が難民認定申請手続を行うことが法律上可能である場合、過去五年間の代理による難民認定申請手続の件数を年ごとに示されたい。

(3) 過去五年間の審査請求手続(異議申立て手続を含む。)を代理人が行った件数を年ごとに示されたい。その際、代理人を弁護士が務めた件数及び行政書士が務めた件数も併せて示されたい。

二 難民認定申請の迅速処理手続

二〇一五年九月十五日、法務大臣は、第五次出入国管理基本計画を策定し、同日、法務省入国管理局は、真の難民の迅速かつ確実な庇護を推進するため、難民認定制度の運用の見直しの概要を公表した。同日に改正された難民認定事務取扱要領は、効率的な審査の実現のためとして、難民認定申請案件を「難民条約上の難民である可能性が高い案件、又は、本国が内戦状況にあることにより人道上の配慮を要する案件」(A案件)、「難民条約上の迫害事由に明らかに該当しない事情を主張している案件」(B案件)、「再申請である場合に、正当な理由なく前回と同様の主張を繰り返している案件」(C案件)及び「上記以外の案件」(D案件)の四種類に振り分け、特にB案件とC案件については申請から三か月以内に告知まですると示している。

また、難民認定申請の迅速処理手続は、他の難民条約締結国でも導入されているところであるが、例えば、イギリスでは迅速処理案件の審査でも日本の難民認定率より高い認定割合で難民認定がされており、スウェーデンでは迅速処理の審査過程で通常案件に戻される案件があり、効率性を重視するあまりに真の難民が不認定にされることのないような仕組みが確保されているところである。そこで、我が国の難民認定申請の迅速処理手続について、以下質問する。

1 案件を振り分ける運用が開始された日を示されたい。

2 どのような過程を経て案件を振り分けているのか具体的に示されたい。

3 B案件、C案件及びD案件に振り分けられた案件のうち、難民認定された事例があれば、その件数を示されたい。

4 難民調査官によってB案件又はC案件への振り分けが確認された後に、A案件又はD案件に振り直された事例があれば、その件数を示されたい。

5 案件を振り分ける運用を開始してから二〇一六年十一月末日までに振り分けた案件について、A案件、B案件、C案件及びD案件の件数をそれぞれ示されたい。その際、二〇一五年における難民認定申請件数の上位十か国(ネパール、インドネシア、トルコ、ミャンマー、ベトナム、スリランカ、フィリピン、パキスタン、バングラデシュ、インド)については、国ごとの件数をそれぞれ併せて示されたい。

6 難民認定申請案件の振り分けは、真の難民を迅速かつ確実に庇護することがその趣旨であると思われるが、現在、迅速かつ確実に難民認定制度が運用されていると考えるか、見解を示されたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一の1の(1)について

難民認定申請の手続を定めた出入国管理及び難民認定法施行規則(昭和五十六年法務省令第五十四号。以下「施行規則」という。)第五十五条は、難民の認定を申請しようとする外国人は、原則として、申請書等を地方入国管理局に出頭して提出しなければならない旨規定している。このような申請書等の提出を含めた難民認定手続においては、申請者本人が出頭して手続を行うことを原則としているところ、その理由は、申請内容の信ぴょう性を慎重に審査する必要があり、難民の地位に関する条約(昭和五十六年条約第二十一号。以下「難民条約」という。)第一条の規定又は難民の地位に関する議定書(昭和五十七年条約第一号)第一条の規定により難民条約の適用を受ける難民の要件に関する事情について、申請者本人からその体験を聴取することが不可欠であるためである。

一の1の(2)及び(3)について

お尋ねの「難民認定申請者が申請書を提出した際に、受理を拒否すること」及び「難民認定申請者が申請書を提出し、これを担当官が受け取ったにもかかわらず、申請がなされていないとの取り扱い」の意味するところが必ずしも明らかではないが、本邦にある外国人から、出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号。以下「入管法」という。)第六十一条の二第一項の申請があったときは、当該申請に係る申請書を必ず受理して審査している。

一の1の(4)について

一の1の(2)及び(3)についてでお答えしたとおり、本邦にある外国人から、入管法第六十一条の二第一項の申請があったときは、当該申請に係る申請書を必ず受理して審査していることから、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第七条と同様の規定を入管法に設けたり、難民認定手続を行政手続法の適用対象とするために同法を改正したりする必要はなく、また、難民認定申請の受理手続に係る運用を変更する必要はないものと考えている。

一の2の(1)について

難民認定申請を受理した時点での当該申請者の年齢が①零歳、②一歳、③二歳、④三歳、⑤四歳、⑥五歳、⑦六歳、⑧七歳、⑨八歳、⑩九歳、⑪十歳、⑫十一歳、⑬十二歳、⑭十三歳、⑮十四歳、⑯十五歳、⑰十六歳、⑱十七歳、⑲十八歳、⑳十九歳である場合の難民認定申請数を平成二十三年から平成二十七年までの年ごとにお示しすると、次のとおりである。

平成二十三年 ①三十二人 ②六人 ③七人 ④七人 ⑤四人 ⑥三人 ⑦四人 ⑧三人 ⑨零人 ⑩一人 ⑪一人 ⑫二人 ⑬三人 ⑭二人 ⑮二人 ⑯六人 ⑰七人 ⑱七人 ⑲十四人 ⑳三十五人

平成二十四年 ①三十一人 ②七人 ③十一人 ④十二人 ⑤六人 ⑥五人 ⑦三人 ⑧六人 ⑨零人 ⑩五人 ⑪八人 ⑫二人 ⑬四人 ⑭五人 ⑮四人 ⑯十人 ⑰十二人 ⑱二十一人 ⑲二十七人 ⑳四十八人

平成二十五年 ①五十一人 ②十五人 ③二十四人 ④八人 ⑤十八人 ⑥九人 ⑦七人 ⑧六人 ⑨七人 ⑩四人 ⑪十一人 ⑫六人 ⑬五人 ⑭八人 ⑮十三人 ⑯七人 ⑰二十二人 ⑱二十二人 ⑲三十一人 ⑳四十八人

平成二十六年 ①九十四人 ②二十九人 ③二十六人 ④二十人 ⑤十五人 ⑥十七人 ⑦十二人 ⑧十七人 ⑨十三人 ⑩十人 ⑪六人 ⑫八人 ⑬七人 ⑭七人 ⑮十一人 ⑯十三人 ⑰二十六人 ⑱二十八人 ⑲五十二人 ⑳六十人

平成二十七年 ①八十五人 ②二十六人 ③三十三人 ④二十三人 ⑤十六人 ⑥十七人 ⑦二十一人 ⑧十六人 ⑨十人 ⑩十五人 ⑪二十一人 ⑫八人 ⑬九人 ⑭十一人 ⑮十一人 ⑯十五人 ⑰二十四人 ⑱三十一人 ⑲五十人 ⑳百二十人

お尋ねの「いわゆる保護者のいない未成年者」からの難民認定申請数については、統計をとっておらず、お答えすることは困難である。

一の2の(2)について

難民認定事務取扱要領(平成十七年五月十三日付け法務省管総第八百二十三号法務省入国管理局長通知)においては、申請者が十六歳に満たない者であるときは、当該申請者に交付する難民認定申請受付票への写真の貼付を省略することができること並びに申請者が十六歳に満たない者であるとき又は疾病その他の事由により自ら出頭できないときは、当該申請者の父、母、配偶者、子又は親族が申請者に代わって申請を行うことができること及び出頭した当該申請者の父、母、配偶者、子又は親族に対して難民認定証明書又は難民不認定処分の通知書を交付することができることを記載している。また、同要領においては、同一家族のうち同伴する未成年者については、申請者ごとに作成することとされている事案概要書において、父母と同一の事項についての記載を省略することができること並びに申請者が未成年者で親、兄弟姉妹、配偶者、子、祖父母等がいない場合は、事案概要書の「在日親族」及び「在外親族」には、事実上の保護者を記載することを記載している。さらに、同要領においては、幼少等により十分に事理を弁識し得ないと認められる申請者から事情聴取を行うときは、父、母、配偶者、子、親族又は事実上の保護者を立ち会わせることができることを記載している。

一の2の(3)について

お尋ねの「未成年者の難民認定申請の取り扱いを定めた事務処理要領等」に相当すると考えられるものとしては、一の2の(2)についてで述べた難民認定事務取扱要領がある。

一の3の(1)について

お尋ねの「難民認定申請者に弁護士等の代理人がつくこと」の意味するところが必ずしも明らかではないが、従来から、申請者から委任を受けた弁護士が難民認定手続に関与することを認めており、例えば、同弁護士が申請者の主張を法的な観点から整理した意見書等を提出した場合は、これを受領して審査の資料とするなどしているところである。

難民認定申請の代理については、施行規則第五十五条第三項は、「外国人が十六歳に満たない者であるとき又は疾病その他の事由により自ら出頭することができないときは、当該外国人の父若しくは母、配偶者、子又は親族がその者に代わつて申請を行うことができる」と規定している。このとおり、申請者本人が自らの事情を十分かつ適切に主張することができない場合等や自ら地方入国管理局又は地方入国管理局支局に出頭することができない場合は、例外的に、父若しくは母、配偶者、子又は親族のように、申請者本人の体験等を最も知り得る立場にある者については難民認定申請の代理が認められている一方で、その他の者については難民認定申請の代理が認められていない。

一の3の(2)及び(3)について

お尋ねのような形での統計をとっておらず、お答えすることは困難である。

二の1について

案件の振り分けに関する規定の新設を含む難民認定事務取扱要領の一部改正について定めた「難民認定事務取扱要領の一部改正について(通達)」(平成二十七年九月十五日付け法務省管総第三千二百四十七号法務省入国管理局長通達)は、平成二十七年九月十五日付けで発出されており、同通達が地方入国管理局及び地方入国管理局支局に到着し次第、新設された当該規定に基づく運用を実施することとされている。

二の2について

難民認定事務取扱要領においては、地方入国管理局又は地方入国管理局支局において申請を受け付けたときは、首席審査官に指名された振り分け担当者が、申請書等の記載内容等により、速やかに案件の振り分けを行うことを記載している。

二の3について

B案件、C案件又はD案件に振り分けられた案件のうち、平成二十八年九月末までに当該案件に係る申請者が難民認定された案件の数は、零件である。

二の4について

お尋ねの「難民調査官によってB案件又はC案件への振り分けが確認された後」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、振り分け担当者によってB案件又はC案件への振り分けが行われた後に改めてA案件又はD案件に振り分けられた案件の件数については、統計をとっておらず、お答えすることは困難である。

二の5について

お尋ねの件数については、案件を振り分ける運用を開始した時点からの統計はとっておらず、お答えすることは困難であるが、統計をとり始めた平成二十八年四月から同年八月末までに振り分けられた案件は、A案件が二件、B案件が千五百二十六件、C案件が二百九十二件、D案件が二千九百五十一件である。

また、これらの①A案件、②B案件、③C案件、④D案件の件数をお尋ねの難民認定申請者の国籍ごとにお示しすると、次のとおりである。

ネパール ①零件 ②九十二件 ③八十三件 ④五百十一件

インドネシア ①零件 ②六百一件 ③二十一件 ④百九十五件

トルコ ①零件 ②八十四件 ③六十六件 ④二百七十六件

ミャンマー ①零件 ②三十二件 ③二件 ④百九十七件

ベトナム ①零件 ②四百六十三件 ③五十三件 ④四十七件

スリランカ ①零件 ②八件 ③十三件 ④三百四十三件

フィリピン ①零件 ②二百二十六件 ③四件 ④三百二十八件

パキスタン ①零件 ②零件 ③八件 ④九十三件

バングラデシュ ①零件 ②零件 ③八件 ④百一件

インド ①零件 ②二件 ③六件 ④百九十八件

二の6について

難民認定制度の運用においては、案件の内容を早期に見極め、案件の内容に応じた適正な審査を実施することにより、真に庇護を求める者を迅速かつ確実に保護することに努めている。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×4趣旨が明らかではない ×3

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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