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引揚開拓民の入植についての質問主意書
参議院 第5回 第72号
質問本文
引揚開拓民の入植について第五回国会の施政方針演説に対し質問し、その本年度計画についての政府の方針は一応明らかにされたが、更にこれについて今日迄の実績及び本年の計画の完全実施のために次の質問をする。
一、終戦後の新規入植の実績について
イ、国内の一般入植者の数、開墾面積、経費(政府融資額及び補助額並びに入植のために政府の必要とした経費の内訳と金額)及び落伍者の数と落伍の理由
ロ、引揚開拓民入植者の数、開墾面積、経費(政府融資額及び補助額並びに入植のために政府の必要とした経費の内訳と金額)及び落伍者の数と落伍の理由
二、本年度引揚開拓民一〇、〇〇〇戸の入植を実現するとのことであるが、過去の例に徴すると、各県においては農林省の指令と反して、ともすると在来県民の二・三男の入植を優先せしめる傾向が強かつた。これでは何年しても引揚開拓民は入植完了しないので、本年度は特にこの点に留意し、一〇、〇〇〇戸入植は引揚開拓民に限定するよう格別の指令を発する等の措置を講ずる必要あること当然のことであるが、政府にその準備ありや
三、本年入植し得ない六、五〇〇戸の引揚開拓民の積極的救済について何等かの準備ありや
四、引揚開拓民に対しては勿論であるが、その他在来農戸のために例えば但馬牛の如き特産地帯に対して家畜の預托制度を設けることは最も有効なる政策であるが、政府は、預托制度を実施する考えはないか
五、入植者に対する現物貸与の現行方法は、合理的でないものがある。例えば青森県の如きは炭酸カルシウムの特産地であるにかかはらず、その給供を東京から行つているが、かくて炭カルは青森、東京間の往復の運賃をその配給価格に編入される。又東北六県及び北海道の馬橇等の如きは夫々現地で生産することが技術と経験からしても合理的であり有利であるにもかかはらず、これを東京等にて製作して発送するために途中運送経費や破損を生じている現状である。これらの不合理は直ちに訂正する必要があるが、本年度の実施方針を承りたい。
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政府答弁書
一、終戦後の新規入植の実績について
1.
入植者の数
一六三、八五九戸
(二三年一二月末現在)
内引揚開拓民
二二、五二八戸
(二三年一〇月二〇日現在)
2.
入植者開墾面積
十五万六千町歩
(二四年二月末現在)
内引揚開拓民分
二万町歩
(但し、概数とする。)
3.
経 費
政府融資額
三十七億五千万円
内引揚開拓民分
約五億円
(但し、概数とする。)
開墾補助額
三十三億五千万円
内引揚開拓民分
三億七千万円
(但し、概数とする。)
その他
約 五十一億五千万円
合 計
約 一二二億五千万円
4.
落伍者数
二五、六四五戸
(二三年一二月末現在)
(内引揚開拓民の数は不明)
5. 落伍の理由
終戦直後の混乱期に入植した者の中には落伍した者が多かつたが、昭和二十二年度以降は慎重な選衡を実施して入植せしめる方針をとつているので、落伍者も激減している。落伍の理由とみとめられるのは次のようなものである。
1 開拓営農の困難に基因するもの
2 開拓営農の意思薄弱又は身体の虚弱によるもの
3 家庭的事情によるもの(生計の不安、世帯主の死亡等)
二、本年度においては、新規入植者を引揚開拓民のみに限定することは、その後の関係方面の意向により困難と思われる。
三、本年度入植し得ない引揚開拓民の積極的救済については、明年度において考慮したい。
四、開拓者に対しては、現在政府の家畜預託制度は実施されていないが、これに代るべきものとして、融資制度が採られている。それは開拓者に家畜を預托することは比較的危険も多いので、開拓者に対する営農融資金の一部を現物にかえて貸付ける方法を講じているが、五年据置十五ケ年償還の条件はむしろ極めて有利であると考えている。この方法は牛、馬に限つており、比較的廉価で購入容易な他の中小家畜については営農融資金の現金部分を以て適宜購入させるように指導している。
五、入植者に対する現物貸与の現行方法について、
1.炭カルの例
青森県に導入する炭カルを東京から持つて行く、とあるが、そういう事実は全然ない。青森県における昭和二十三年度の特殊融資(開拓者融資金のうち現物で斡旋融通しているものをいう。)炭カル需要に対する割当量は、一、三〇三屯(一〇〇%)であり、その出荷工場は青森県北日本石灰株式会社二〇〇屯、岩手県の東北炭カル株式会社一、一〇三屯である。前者の工場において一〇〇%出荷することができなかつたのは、工場立地その他の条件から見て時期的にこれ以上の出荷能力がないので、後者に出荷させたわけであり、炭カル工場は各農地事務局の区域毎にあるので大体地区単位に需給が出来るものと考えている。
2.馬橇の例
これも亦東京から輸送した事実は全然ない。東北、北海道に送付した橇は、函館の全ゴム車輌株式会社と青森県の佐々木農機株式会社の製作にかかるもので、同会社と需要者との間には、型その他については打合せ済のものである。
以上のように目下のところ不合理な点はないものと確信しているが、なお今後とも研究を加えて、この制度の適切な運営を図りたい。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。