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科学の振興、学問の自由、私立学校法案に関する質問主意書
参議院 第6回 第21号
質問本文
一、湯川博士がノーベル賞を授与された際、われわれは博士の業績を国際的な誇りとし、ますますその研究を伸ばすために努力しなければならないと考える。然るに現在京大湯川研究室では、国立学校設置法のために、研究員の半数が削られようとしており、又、研究費の不足のために満足な研究も行えない事情にある。これは単に湯川研究室のみに止まらず、むしろ全国の大学の各研究室に見られる一般的現象である。われわれはこの状態を深く憂慮している。政府は、予算措置によつて、この窮状を救う意志ありや否や。
二、大学教授をその思想或いは政党所属を理由として罷免することは、学問、思想、研究の自由をふみにじり且つ研究、教育、文化の進歩に重大なる脅威を与えるものである。このことは既に日本学術会議の声明、東京大学学長南原繁氏の声明等に明らかにされたところである。然るに、山梨大学、弘前大学、東京科学博物館等においては、単に思想、政党所属を理由として職員、教授、研究者の罷免が実施されている。かかる不当な処分に対して、政府は如何なる見解を持たれるか、又如何なる措置を講ぜられるや。
三、現在国会に上程を噂されている私立学校法案は、私学への僅かな国庫補助を理由として、大巾な官僚統制を私学に加える性格の法案であるといわれており、そのため、私学関係者に大きな不安を与えている。かかる法案はその影響の及ぶところ広く且つ深いものがあると考えられるが故に、政府はその起草を民主的な委員会に委託して広く世論を反映させるべきであると考えられるが、政府の見解如何。
以上のことは、我国現在並びに将来の文化、教育の運命を決する重大な事柄である。政府当局の責任ある答弁を要求する。
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政府答弁書
一、科学の振興に対しては、政府としても最も力を注ぎ、特に研究者の大半を擁する大学の経常的研究費である講座研究費と、重点的に主要研究を行わせる科学研究費等の増額に努めている。
また、国立学校設置法における教職員の定員は行政機関職員定員法の規定するところに従つて定めたものであつて、その算定基礎は昭和二十三年十一月一日の現在員を基準として教官系職員については欠員のある場合もこれを整理していないし、事務系職員については欠員の二分の一を減じている。従つて国立学校設置法によつて実人員の減少はないのである。
ただ個々の研究室においては研究面の発展に伴い現在以上に研究員を増加し研究費を増額する必要があるものもあるのであつて、これらについては、研究の上、予算的措置を講じて行きたいと考えておる。
二、思想学問の自由は憲法の保障するところであつて、これが守られねばならないことはいうまでもないが、学園が政治的中立を守り、秩序を保持することは最も大切なことである。従つて学園において一党一派に偏した言動をもつて学園の中立性を破り、学生生徒を扇動して学園の秩序を乱すがごとき者に対しては、これを厳重に措置するのが当然である。各大学における最近の措置はこの方針のもとに慎重且つ合法的に行われていると考える。すなわち教育基本法その他の法令に従つて行われており、憲法違反や思想の弾圧では決してないと考える。
次に政治活動と学問の研究とは論理的に区別できる筈であり、真理の探求とその結果の発表という学問活動が政治活動の制限によつて必然的に束縛される理由はない。ただ学問の研究に名を借りて一党一派に偏ずるような政治活動をなすことが問題であつて、たとえ学者の行動であつても、これは許されないのが当然である。
三、私立学校法案は、現在、国会において審議中であり、また、教育刷新審議会の建議の線に沿い、かつ、私立学校代表者の意見を十分きいて起草されたものであるから、今改めてその起草を特別に設けられた委員会に委託するという考えはない。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。