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天皇誕生日を日本のナショナル・デーとしていることに関する質問主意書
衆議院 第102回 第28号
質問本文
衆議院議長 坂田道太 殿
天皇誕生日を日本のナショナル・デーとしていることに関する質問主意書
従来から世界各国は、それぞれ一年のうち一日を国の記念日(ナショナル・デー)として定め、国内での行事のほか、特に在外公館では年に一度の最大の行事として、駐在国の要人、外交団などを招いて祝賀行事を行つていると聞く。
日本においては、このナショナル・デーは、戦前からの慣行に従い天皇誕生日(四月二十九日)をあてているといわれるが、このことについて以下のとおり質問する。
一 ナショナル・デーを定めて特別の行事を行うことは国際的な慣習のように思われるが、政府はこのナショナル・デーというものが、国内的及び対外的にいかなる意義をもつものと理解しているか。
また、これは国際的には、いつ頃からの慣習なのか。
二 諸外国においては、その国のナショナル・デーにはどのような行事が行われているか。
三 日本政府は、外国政府あるいは在京大使館に対し、四月二十九日を日本のナショナル・デーとする旨の通報を行つているか。行つているとすれば、どのように通報しているのか。
四 日本の在外公館においては、ナショナル・デーにどのような行事を行つているか。
五 日本国内において、外務省及び皇居ではどのようなナショナル・デーの行事を行つているか。
六 右の四及び五以外に、日本はナショナル・デーの行事を行つているか。行つていれば、それはどのような行事か。
七 右の四〜六の行事に要する費用はいくらか。過去五年間の各年度について明らかにされたい。
八 天皇誕生日を日本のナショナル・デーとしている法的根拠及び理由は何か。
九 天皇誕生日を日本のナショナル・デーとするようになつたのは、いつ頃からか。
十 外務省の資料によれば、四月二十九日をナショナル・デーと定めた経緯は次のようなものとされている。
すなわち、一九五二(昭和二十七年)年十二月の次官会議の席上、外務省よりのナショナル・デーに関する質問に対し、宮内庁より「外国に対する日本のナショナル・デーは従前どおり天皇誕生日とする」旨の回答があり、これによつて戦前からの慣行をそのまま受け継いで、今日まで天皇誕生日を日本のナショナル・デーとしてきた、という。
これは事実か。
十一 日本のナショナル・デーについて、政府は国民に対して、どのように周知させてきたか。
十二 外国の例を見ると、大部分の国が独立記念日、革命記念日など、現在の民主主義体制が成立した日をもつてナショナル・デーにあてていることがわかる。例えば、西側主要国のうちの先進国首脳会議(サミット)参加国について見れば、次のとおりである。
アメリカ 七月四日(独立記念日)
イギリス 六月の第二水曜日(女王の誕生日は四月二十一日)
フランス 七月十四日(フランス革命記念日)
西ドイツ 五月二十三日(西ドイツ基本法公布の日)
イタリア 六月二日(共和国宣言記念日)
カナダ 七月一日(カナダ自治領成立の日)
日本は一九四七(昭和二十二年)年の日本国憲法の施行によつて、明治憲法下での天皇主権を改め、新たに国民主権の民主主義国家として生まれかわつた。このことから考えれば、戦後の日本においては、ナショナル・デーは民主主義国日本の出発の日である憲法記念日(五月三日)をもつてあてるべきだつたと私は考える。
政府の考えはどうか。
十三 右のような理由から、今後適当な機会に日本のナショナル・デーを、天皇誕生日(四月二十九日)ではなく、憲法記念日(五月三日)に定め直すべきだと考えるが、政府の考えはどうか。
右質問する。
政府答弁書
一について
ナショナル・デーは、主として外国との関係において相互に国家と国民の繁栄等を祝し合う日と考えられているが、その慣習が国際的に始まつた時期は明らかでない。
二について
ナショナル・デーには、その国の特定の祝日が充てられるのが通常であるので、一般的には、国内において当該祝日に関連した行事が行われ、国外において在外公館長の主催によるレセプションが行われている。
三について
四月二十九日が日本のナショナル・デーであることについては、外国政府に対して在外公館から文書等により通報しており、また、本邦においても外務省発行の外交団リストにその旨を記載している。
四について
在外公館においては、その国の政界、官界及び財界の要人、報道関係者、外交団並びに在留邦人等を招待してレセプションを行つており、任国における重要な外交活動の場の一つと認識している。
五について
四月二十九日には、外務大臣主催により、在京大使等及び我が国の関係者を招待してレセプションを行つている。
なお、皇居においては、ナショナル・デーとしての行事は行われていない。
六について
政府としては行つていない。
七について
御質問の費用は、次のとおりである。
昭和五十六年 六千三百万円
昭和五十七年 六千三百万円
昭和五十八年 六千万円
昭和五十九年 六千三百万円
昭和六十年(集計中)
八から十までについて
天皇誕生日を日本のナショナル・デーとする法令の規定はなく、長い間慣行として行われているものであるが、それが始まつた時期、経緯等は必ずしも明らかでない。
十一について
政府としては、特に国民に周知するための措置はとつていない。
十二及び十三について
政府としては、天皇誕生日を日本のナショナル・デーとしていることは現行の憲法下においても定着しているので、これを変更することは考えていない。
右答弁する。
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