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国家公務員の天下りに関する質問主意書

衆議院 第155回 第27号

提出者
民主党・無所属クラブ
提出日
2002年12月2日
内閣転送 2002年12月4日
答弁書受領日
2002年12月13日
提出から11日
答弁の項目数
7
質問 1,789字/答弁 1,259字

質問本文

天下りの規制については、公正な行政の執行等を担保するためにも厳しく行うべきものであるが、一方で、個人の職業選択の自由を制限する承認基準は基本的人権の制限に関わるものとして、明確かつ公正に行われる必要があると考えられる。

私は先般の衆議院特殊法人等改革に関する特別委員会において、国家公務員の天下りの規制に関し質問したが、答弁に不明瞭な点があるため、次のとおり質問する。

一 十一月十一日に開催された特殊法人等改革に関する特別委員会での私との質疑において、石原行政改革担当大臣は、人事院の再就職承認件数が十二年から十三年にかけて増加していることを例に出し、「人事院の基準をクリアしたら、人事院はその基準をクリアしているものを人数が増えるから減らしますということはできないわけでございますので、内閣が承認基準を政令で定めて承認制度の運用について総合調整を行い、所管大臣は内閣が定めた承認基準に基づいて、内閣の総合調整のもとに再就職の承認を行う」旨答弁しているが、政府が考える再就職の承認基準とは、どういうものなのか。

二 一で引用した答弁からは、その年の天下りの件数が多ければ、前年よりも少なくなるよう、承認基準に合致しても一部の再就職の承認をしない、又は、その年の天下り希望人数の多寡によって承認基準を上下させるという、総量規制的な考えがあると推察されるが、政府の考え方として、毎年の天下りの総数を制限することを考えているのか。

三 十一月十一日及び十一月十三日の答弁からすると、石原大臣は、現在の人事院の承認制度の下で、十二年から十三年にかけて再就職承認の件数が増えたことの責任が、人事院に帰するものであると考えているようであるが、これはどのような論理に基づくものか。

四 委員会での答弁からは、政府は、人事院承認から大臣承認へ移行することにより、天下り件数は減ると言っていると理解しているが、大臣承認制に移行すれば減少するという根拠は何か、伺いたい。

五 十一月十三日の答弁で、石原大臣は「人事院は、営利企業への再就職でいろいろな批判があるのに対して、有効な手だてを打たれてこなかった」旨答弁している。大臣の言われる「有効な手だて」とは、どのようなものを想定しているのか、具体的にお示しいただきたい。

六 十一月十三日及び十八日の質疑において、石原大臣は、大臣承認制では「内閣が責任を持って高い高い承認基準を設け」、「承認基準は厳しく」と答弁しており、一方、十一月十三日の委員会質疑において、人事院の再就職承認数が「七十人が十人になるならば信用いたします」「そちらの(大幅に減らす)方向を目指していることは、言うまでもございません」と答弁されたことから、私は、「政府は、七十人を十人以下にする覚悟だ」と受け取っている。新しく作成される承認基準を適用した場合、平成十三年の天下り数は十人以下になると考えられる厳格な基準について、現時点の未確定案で結構なので、示されたい。

七 承認基準やディスクロージャーの基準についての案が未だに示されていないのは、国民の理解を得るためにも問題があると考えるが、このことについての見解を示されたい。

八 通常国会の参議院行政監視委員会での続訓弘議員に対する答弁において、石原大臣は、「天下りの承認も大臣に任せるんじゃなくて内閣が責任を持って行える仕組みを考えていきたいと考えております」と答弁している。この答弁は、十一月十三日の私に対する答弁とは明らかに異なっているが、いつ、いかなる理由・経緯で政府の方針が変更されたものか、ご説明願いたい。

九 石原大臣は、再就職について、「国民の信頼が得られるルールを確立する」旨、常々国会答弁の中で述べており、福田官房長官も十一月十三日の委員会で「国民が信頼するような、そういうルールを確立するということが大事だと思っております。」、「国民の信頼を確保し得るルールをつくる」等答弁された。一方、私が委員会で十九の社説を一覧表として提示したとおり、全国紙各社はすべて大臣承認制の導入に反対しており、また、二十一世紀臨調をはじめ、多くの有識者もこれについては反対の意見を表明している。そのような世の中の意見に反して大臣承認制を採ることが、どうして国民の信頼を得ることとなるのか、ご説明願いたい。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一、六及び七について

職員の営利企業への再就職(以下単に「営利企業への再就職」という。)に係る承認基準については、「公務員制度改革大綱」(平成十三年十二月二十五日閣議決定)に基づき、各府省の権限・予算等を背景とした押し付け的な再就職を認めない等の観点に立ち、真に個人の能力を活用して行われる再就職を阻害することのないよう留意しつつ、不承認とすべき権限・予算関係を明確に列挙するなど、厳格かつ明確な基準として定めることとしている。

承認基準の内容や承認案件に係る公表の実施方法については、現在、公務員制度改革の具体化作業の中で検討を進めているところであり、平成十五年中を目標に国会に提出することとしている国家公務員法の改正案の審議において、承認基準等の考え方についても御説明申し上げることになると考えている。

二について

「その年の天下り希望人数の多寡によって承認基準を上下させる」ことにより、毎年の営利企業への再就職に係る承認の総数を制限するようなことは考えていない。

三について

御指摘の石原国務大臣の答弁は、現行の人事院による営利企業への再就職に係る承認制度の下で、客観的事実として、平成十三年は平成十二年と比べて承認件数が増えたことを述べたものである。

四について

平成十四年十一月十一日及び十一月十三日衆議院特殊法人等改革に関する特別委員会における福田内閣官房長官及び石原国務大臣の営利企業への再就職に関する答弁は、内閣が、厳格かつ明確な承認基準を政令で定め、承認制度の運用について必要な総合調整を行うとともに、各府省の大臣等が、承認基準にのっとって承認を行い、承認案件を公表することなどにより、国民の信頼を確保し得るルールを確立し、営利企業への再就職の適正化に取り組む趣旨を述べたものである。

五について

お尋ねの「有効な手だて」とは、営利企業への再就職の適正化に向けた有効な方策という趣旨で述べたものである。政府としては、具体的には、(一)内閣が、厳格かつ明確な承認基準を政令で定め、承認制度の運用について必要な総合調整を行い、(二)各府省の大臣等が、承認基準にのっとって承認を行い、承認案件を公表し、(三)人事院が、承認基準についての意見の申出及び承認事務の実施状況についての改善勧告を行う、(四)さらに、新たに再就職後の行為規制を設け、違反行為に対しては罰則等を含め制裁措置の導入を図るなど、二重三重の仕組みを採ることとしている。

八について

平成十四年七月八日参議院行政監視委員会における御指摘の答弁は、内閣が厳格かつ明確な承認基準を定め、各府省における承認制度の運用について必要な総合調整を行うという趣旨を申し上げたものであり、「公務員制度改革大綱」に基づく政府の方針を変更したものではない。

九について

営利企業への再就職については、「公務員制度改革大綱」に基づき、事前・事後のチェックを通じて総合的に適正化を図る仕組みとすることが、国民の信頼を確保し得るルールを確立することになると考えている。

衆議院の原文

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