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公共事業体が発注する事業における最低賃金並びに社会保険に関する質問主意書

衆議院 第156回 第133号

提出者
社会民主党・市民連合
提出日
2003年7月22日
内閣転送 2003年7月23日
答弁書受領日
2003年8月29日
提出から38日
答弁の項目数
3
質問 889字/答弁 1,661字

質問本文

近年、公共事業体が発注する事業に於いて最低賃金割れの落札の実態がある。又、社会保険はおろか労働保険にも加入せず入札に参加している事業者の実態がある。このような実態を放置することは出来ない為、以下質問する。

一 地方自治体・公共事業体が発注する外部委託事業の中で、ビルメンテナンス・清掃・警備などのようにそのほとんどが人件費で占められるような事業がある。このような事業の場合、最低賃金すら支払えないような落札価格がいくつかの地方自治体・公共事業体での入札において生じている。ビルメンテナンス・清掃・警備等の入札は、地方自治法施行令第百六十七条の十第二項では「工事又は製造その他について」「あらかじめ最低制限価格を設けて、予定価格の制限の範囲内で最低の価格をもつて申込みをした者を落札者とせず、予定価格の制限の範囲内の価格で最低制限価格以上の価格をもつて申込みをした者のうち最低の価格をもつて申込みをした者を落札者とすることができる。」となっているが、これは最低制限価格を設けなくても良いという事なのか。

少なくとも最低賃金を支払えるような最低制限価格の設定が必要だと考えるが如何か、述べられよ。

二 社会保険はおろか労働保険にも加入せず事業活動を行なっている事業者がある。今日のように、社会保険料の減収がある中でこのような、未適用企業を放置しているのは非常に問題である。

不況の中、公共事業体が発注する事業に入札参加する事業者の中には、経費を抑える為、加入する義務を負う、労働保険・社会保険に未加入のまま参加している事業者の存在が見受けられる。本来、強制加入が原則であれば、未加入の未適用企業の存在は許されないと考えるが、如何か、述べられよ。未適用企業については指導しか出来ないのか。強力な罰則を設けるつもりはないのか。少なくとも公共事業体が発注する事業には参加できないようにすべきではないかと考えるが如何か、述べられよ。

三 地方自治体が社会保険や労働保険の加入を条件とした、入札参加資格を条例化すること、もしくは規則をつくることは法的に可能かどうか、述べられよ。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

御指摘の「ビルメンテナンス・清掃・警備等の入札」を含め、普通地方公共団体が一般競争入札により工事又は製造その他についての請負の契約を締結しようとする場合においては、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百三十四条第三項ただし書及び地方自治法施行令(昭和二十二年政令第十六号)第百六十七条の十第二項の規定により、最低制限価格を設けることができることとされているが、この最低制限価格は、普通地方公共団体の長が当該契約の内容に適合した履行を確保するため特に必要があると認めるときに設けることができるものであって、必ずしも設けなければならないものではない。また、最低制限価格の水準については、普通地方公共団体の長が個々の契約の内容に応じて適切に設定すべきものであると考える。

なお、地方公共団体の物品等又は特定役務の調達手続の特例を定める政令(平成七年政令第三百七十二号)の規定が適用される調達契約については、同令第九条の規定により、地方自治法施行令第百六十七条の十第二項の規定は適用されないこととされているため、最低制限価格を設定することはできないこととされている。

二について

健康保険及び厚生年金保険(以下「社会保険」という。)においては、法人事業所で常時従業員を使用するもの及び所定の事業を行う個人の事業所で常時五人以上の従業員を使用するものが、適用事業所となる。

社会保険の適用事業所となった場合において、当該事業所の事業主がその旨の届出を行わない場合は、十万円以下の過料に処される。さらに、健康保険の適用事業所の事業主が被保険者の資格の取得等に関する事項を届け出ていない場合は、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処され、また、厚生年金保険の適用事業所の事業主が被保険者の資格の取得等に関する事項を届け出ていない場合は、六月以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処される。

労働者災害補償保険及び雇用保険(以下「労働保険」という。)においては、農林水産業の一部を除き、労働者を雇用する事業はすべて適用事業となる。

労働保険の適用事業の事業主は、保険関係の成立の届出義務が課されているが、当該届出を行っていない場合を含め、当該事業主が労働保険料を納付しなかった場合には、納付しなかった労働保険料のほか、その十パーセントを追徴金として徴収することとしている。また、労働者災害補償保険においては、事業主が故意又は重過失により保険関係の成立の届出等を行っていない期間中に事故が生じ保険給付がなされた場合には、事業主から、労働保険料のほか保険給付に要した費用の一部を徴収することとしている。さらに、雇用保険においては、事業主が被保険者の資格の取得等に関する事項を届け出ていない場合は、六月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処される。

政府としては、公共事業体が発注する事業に参加する事業所であるか否かにかかわらず、すべての事業所について、今後とも社会保険及び労働保険の適用の適正化に努めてまいりたい。

三について

普通地方公共団体の長は、地方自治法施行令第百六十七条の五第一項の規定により、同令第百六十七条の四に定めるもののほか、必要があるときは、一般競争入札に参加する者に必要な資格として、あらかじめ、契約の種類及び金額に応じ、経営の規模及び状況を要件とする資格を定めることができることとされている。また、同令第百七十三条の二の規定に基づき、同令及びこれに基づく総務省令に規定するものを除くほか、普通地方公共団体の財務に関し必要な事項は、当該普通地方公共団体の規則でこれを定めることができることとされている。社会保険又は労働保険に加入していることは、同令第百六十七条の五第一項の「経営の状況」を判断するための要素となり得ることから、普通地方公共団体の長は、必要があるときは、社会保険又は労働保険に加入していることを条件とすることを一般競争入札の参加者の資格に関する事項として、規則により定めることは可能である。

衆議院の原文

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