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障害児教育に関する質問主意書

衆議院 第162回 第1号

提出者
民主党・無所属クラブ
提出日
2005年1月21日
内閣転送 2005年1月26日
答弁書受領日
2005年2月1日
提出から11日
答弁の項目数
4
質問 842字/答弁 1,890字

質問本文

社会のノーマライゼーションの前提はインクルージョン教育の推進にあると考える。障害の有無に関わらず分け隔てられることなく教育を受ける環境を整備することは、国の責務である。インクルージョン教育の実現は、障害児だけでなくいわゆる健常児にも望ましいことである。

従って、次の事項について質問する。

一 国連で表明されている障害児教育に対するわが国の対応について

(1) 障害者が普通学校に通えるよう政府の責任が明記された内容を含む一九九三年に国連で採択された「障害者の機会均等化に関する基準規則」に対するわが国の見解と国内における具体的対応について答弁されたい。

(2) 一九九四年にユネスコ(国際連合教育科学文化機関)で採択されたサマランカ宣言は、「統合教育」を原則とし、「就学には本人、保護者の意思を尊重すること」や「教育環境の整備に最大限努力すること」とされている。このサマランカ宣言の精神をわが国は具体的にどのように生かしているといえるのか、政府の見解を答弁されたい。

二 前記の国連における「障害者の機会均等化に関する基準規則」や「サマランカ宣言」およびわが国の障害者基本法における障害児教育に対しての理念と教育現場における実情との関係について

前記のようにわが国は、障害のある子どもたちが分け隔てなく、地域の学校で健常児とともに育つことを基本理念としているはずである。しかし、学校教育法施行令では、その第二二条の三や第二九一号通知によって「分離教育」が横行しているのが現状である。国の方針と矛盾する上に、障害を理由に一方的に分け隔てを助長する学校教育法施行令や第二九一号通知は改正されるべきだと考えるが、政府の見解を答弁されたい。

三 保護者、本人の意思の尊重について

障害児教育については「原則通常学校」と、保護者や本人の意思によって「例外的に盲、聾、養護学校および特殊学級」とし、保護者、本人の選択を可能とするよう改めるべきと考えるが、政府の見解を答弁されたい。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一の(1)について

平成五年に第四十八回国際連合総会において採択された「障害者の機会均等化に関する標準規則」(以下「規則」という。)は、障害のある人々に対する教育に関し、障害のない人々と統合された環境における機会均等の原則を提言する一方で、特殊教育が障害のある子供の一部にとっては現時点で最も適切な教育形態と考えられる例もあることを認めていると理解している。なお、規則は、我が国を含めた国際連合加盟国に対して法的拘束力を有するものではない。

我が国においては、児童生徒等の障害の状態に応じて、一人一人の能力を最大限に伸ばし、障害のある児童生徒等が自立し、社会参加するために必要な力を培うため、盲学校、聾学校若しくは養護学校又は特殊学級等において、一人一人のニーズに応じた適切な教育を行っている。

一の(2)について

平成六年にスペインのサラマンカにおいて開催された「特別なニーズ教育に関する世界会議」において採択された「サラマンカ宣言」(以下「宣言」という。)は、障害のある子供を含めた特別な教育的ニーズを有する子供に対する統合教育の必要性を提唱している。また、宣言と併せて採択された「特別なニーズ教育に関する行動の枠組み」においては、可能な限り、親による子供の教育形態の選択が認められるべきことが示されるとともに、比較的少数の障害のある子供にとっては、特殊学校や特殊学級が最も適切な教育を引き続き提供するであろうとされている。なお、宣言も、各国に対して法的拘束力を有するものではない。

我が国においては、社会のノーマライゼーションの進展等を踏まえ、一人一人のニーズに応じた教育的支援の充実を図るため、平成十四年に学校教育法施行令(昭和二十八年政令第三百四十号)を改正し、障害のある児童生徒の就学について、その障害の状態等に照らし、小学校又は中学校において適切な教育を受けることができると市町村教育委員会が認める場合には、小学校又は中学校に就学させることができるとする認定就学制度を創設するとともに、「障害のある児童生徒の就学について」(平成十四年五月二十七日付け十四文科初第二百九十一号初等中等教育局長通知。以下「通知」という。)を発出し、就学する学校の決定に際しては、保護者の意見を聴くよう、各都道府県教育委員会等を指導したところである。

二について

障害者基本法(昭和四十五年法律第八十四号)は、第十四条第一項において、国及び地方公共団体は、障害者が、その年齢、能力及び障害の状態に応じ、十分な教育が受けられるようにするため、教育の内容及び方法の改善及び充実を図る等必要な施策を講ずべきことを規定するとともに、同条第三項において、国及び地方公共団体は、障害のある児童及び生徒と障害のない児童及び生徒との交流及び共同学習を積極的に進めることによって、その相互理解を促進すべきことを規定している。

障害のある児童生徒等の教育については、一の(1)についてで述べたとおり、その障害の状態に応じて、一人一人の能力を最大限に伸ばし、障害のある児童生徒等が自立し、社会参加するために必要な力を培うため、盲学校、聾学校若しくは養護学校又は特殊学級等において、一人一人のニーズに応じた適切な教育を行っている。また、障害のある児童生徒等と障害のない児童生徒等の相互理解を推進するため、学習指導要領等において、障害のある児童生徒等と障害のない児童生徒等との交流の機会を設けるよう配慮することとしている。

学校教育法施行令第二十二条の三及び通知は、障害のある児童生徒等が、その障害の状態に応じて十分な教育を受けることができるようにすることを目的として、前者については盲学校、聾学校又は養護学校に就学することが適当と考えられる障害の程度を規定したものであり、また、後者については障害のある児童生徒の就学について留意すべき事項を各都道府県教育委員会等に対し通知したものであり、障害者基本法の規定に反するものではなく、現時点において改正する必要があるとは考えていない。

三について

障害のある児童生徒の小学校若しくは中学校又は盲学校、聾学校若しくは養護学校への就学については、障害の状態を把握した上で、児童生徒の自立と社会参加のために適切な教育が行われるよう、市町村教育委員会が総合的に判断することとしている。その際には、一の(2)についてで述べたとおり、保護者の意見を聴くことに留意することとしているところであり、現時点において障害のある児童生徒の就学に係る規定を改正する必要があるとは考えていない。

衆議院の原文

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