ことばで探す › 衆議院 第162回
裁量行政の排除に関する質問主意書
衆議院 第162回 第68号
質問本文
本来、行政は法による支配を受け、法律の授権なしに行政機関が立法作用を営むことは許されない。重要事項を法律に明記せず、政省令に委ねることは典型的な裁量行政であり、厳に慎むべきものである。
「小泉改革宣言 自民党政権公約二〇〇三」(以下「自民党マニフェスト」という。)では、裁量行政の排除という項目で「国民の活動に対する行政の制約は必ず法律によって明らかに」することが公約されている。小泉内閣の裁量行政排除への姿勢について、以下質問する。
一 自民党マニフェストでは「国民の活動に対する行政の制約は必ず法律によって明らかにし、行政の裁量を厳格化するため、国会において立法するに当たっての方針を決定します。」と明記されているが、小泉内閣ではこの方針を既に決定し明らかにしたのか、お示しいただきたい。
二 一について、仮に未だ決定していないのであれば、いつまでに決定するお考えか。
三 今国会の重要議案である郵政民営化関連六法案の全条文の中で、政省令が出てくる箇所は二三四と膨大で、その多くが政令(省令)で定めるとされている。例えば、議論の大きな焦点である郵便局の設置基準は総務省令で定めるとされているが、このように国民にとっての重要な事項を政省令に委ねることは、自民党マニフェストで書かれた「裁量行政の排除」という公約と矛盾するものと考えるが、小泉総理のお考えはいかがか。
四 郵政民営化関連法案では、郵便貯金銀行と郵便保険会社の預入限度額は政令で定めるとされている。本年一月二七日の衆議院予算委員会での質疑で、規模の縮小をしなければ金融が乱れるのではないかという懸念について総理に見解を質したところ、総理からは「現在自体、既に民業圧迫しているんです(中略)御指摘のような不安を解消するために、いろいろ今制度設計しております」との答弁があった。総理も現在の規模が民業圧迫になっているとの認識であるならば、郵貯・簡保の規模に関わる重要事項については、行政の裁量に委ねることなく、法案に明記する必要があったのではないかと考えるが、総理のお考えはいかがか。
右質問する。
政府答弁書
一及び二について
御指摘の「小泉改革宣言 自民党政権公約二〇〇三」の箇所は、法律による行政の重要性、また、法律で行政に裁量を認める場合であっても当該裁量の範囲を厳格に規定することの重要性にかんがみ、裁量行政を排除する見地から、国会における立法に当たっての自由民主党としての方針を決定することを明らかにしたものと承知している。本件に関し、政府として、何らかの方針を決定したという事実はない。
三について
法律から政省令への委任については、例えば、手続的な事項、技術的な事項、事態の推移に応じ臨機に措置しなければならないことが予想される事項などについて、従来から政省令への委任が行われてきているところである。
郵政民営化関連法律案の政省令への委任事項についても、このような従来から政省令への委任事項とされてきている事項の範囲を超えるものではなく、同種の他の法律と比べてみた場合も、格別、政省令への委任が多いわけではない。
なお、郵便局の設置基準については、日本郵政公社法(平成十四年法律第九十七号)においても、同法第二十条第一項の規定により総務省令に委任されているところである。
四について
郵政民営化法案においては、郵便貯金銀行及び郵便保険会社については、移行期間経過後は、一般の銀行及び生命保険会社と同様、自由な経営を行わせることとしているが、移行期間中は、業務内容等に対する制限を行い、日本郵政株式会社が保有する郵便貯金銀行及び郵便保険会社の株式の処分等により国の関与の度合いが低減していくこと等に応じ、段階的に制限を緩和することとしている。
郵便貯金銀行の預入限度額及び郵便保険会社の保険金額等の限度額についても、このような考え方に基づき、事態の推移に応じ、段階的に引き上げることができるよう、政令で定めることとしたものである。
なお、政令の制定に当たっては、郵政民営化委員会の意見を聴取の上、透明・公正な手続の下、定めることができるようにしている。
似た質問主意書
件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。