Kurage 質問主意書アシスト

ことばで探す › 衆議院 第164回

犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律案に関する再質問主意書

衆議院 第164回 第366号

提出者
民主党・無所属クラブ
提出日
2006年6月15日
内閣転送 2006年6月16日
答弁書受領日
2006年6月22日
提出から7日
答弁の項目数
11
質問 1,461字/答弁 2,830字

質問本文

近年における犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化の状況にかんがみ、国際的な組織犯罪の防止対策は緊急を要するものとなっている。しかしながら、第百六十三回国会に政府から提出された、犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律案は、提案理由となっている国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約(TOC条約)及びサイバー犯罪に関する条約の国内法制化の為のものであると説明されているが、我が国の国内法の基本原則を逸脱し、国民の自由、権利を著しく狭め、侵害する懸念があるものである。よって当該条約の締結を名目とした国内立法化については慎重を期する必要があるものと考えられる。

従って、次の事項について質問する。

1 次に掲げる規定の「目的」の意義の異同について、説明されたい。

(1) 条約第2条(a)の「目的」

(2) 条約第5条(a)(�@)の「目的」

(3) 条約第5条1(a)(�A)柱書きの「目的」

(4) 条約第5条1(a)(�A)bの「目的」

2 条約第5条1(a)(�A)により、各号に掲げる活動に積極的に参加する個人の行為を犯罪化する場合、「組織的な犯罪集団の目的及び一般的な犯罪活動」又は「特定の犯罪を行う意図」のいずれかを認識していれば足りるということか。

3 条約第5条1(a)(�A)の「一般的な犯罪活動」とは、「犯罪活動」のうちどのような場合を指しているのか。具体例を示しつつ説明されたい。

4 条約第5条1(a)(�A)の「犯罪活動」に「参加」するとはどのような行為態様を指すのか。具体例を示しつつ説明されたい。

また、「犯罪活動」に参加することと「犯罪集団」に参加することは異なるのか。もし異なるのであれば、どの点が異なるかを具体例を示しつつ説明されたい。

5 条約第5条1(a)(�A)の犯罪活動に「積極的に参加する」とは、どの程度の状態を指しているのか。「積極的」な参加と「消極的」な参加とはどこで区別をするのか。具体例を示しつつ説明されたい。

6 条約第5条1(a)(�A)bの「その他の活動」とは何か、組織的な犯罪集団のおよそすべての行為が含まれるのか。「犯罪活動」と対比しつつ説明されたい。

7 条約第5条1(a)(�A)の「一般的な犯罪活動」を認識しながら「その他の活動」に参加するとはどのような場合か、及び「特定の犯罪活動を行う意図」を認識しながら「その他の活動」に参加するとはどのような場合かについて、具体例を示しつつ説明されたい。

8 条約第5条1(a)(�A)bの「自己の参加が当該犯罪集団の目的の達成に寄与することを知っているとき」とは、どのような場合か。「組織的な犯罪集団のその他の活動」のうち、どのような場合が適用の対象から外れるのか。具体例を示しつつ説明されたい。

9 政府は、条約を国内法化するに当たり、参加罪を採用していないが、その根拠は何か。条文の文言を踏まえつつ説明されたい。

10 条約を批准している国のうち、参加罪を採用している国はどこか。その国においては、参加罪とされる犯罪の構成要件はどのようなものか。

11 条約第5条1(b)の「重大な犯罪の実行を組織し、指示し、ほう助し、教唆し若しくは援助し又はこれについて相談する」とは、どのような意味か。それぞれの行為類型について、共同正犯・教唆犯・幇助犯が含まれるのか、及び予備・陰謀・共謀・参加は含まれるかを明確にしつつ、その意味を説明されたい。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

1について

国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約(以下「本条約」という。)第二条(a)にいう「目的」は、「組織的な犯罪集団」を定義するに当たって、集団が一体として行動する場合の目的に着目したものであり、具体的には、「金銭的利益その他の物質的利益を直接又は間接に得るため一又は二以上の重大な犯罪又はこの条約に従って定められる犯罪を行うこと」と規定されている。また、本条約第五条1(a)(�@)にいう「目的」は、同条1(a)(�@)に規定する行為を犯罪とする場合における「合意」の対象となる犯罪の目的を規定したものであり、具体的には、「金銭的利益その他の物質的利益を得ることに直接又は間接に関連する目的」と規定されている。そして、同条1(a)(�A)柱書及び同条1(a)(�A)bにいう「目的」は、同条1(a)(�A)に規定する行為を犯罪とする場合における「参加」の対象となる活動を行う「組織的な犯罪集団」の目的を規定したものである。

2について

本条約第五条1(a)(�A)に規定する行為を犯罪とする場合においては、組織的な犯罪集団の「目的及び一般的な犯罪活動」を認識している場合又はその「特定の犯罪を行う意図」を認識している場合のいずれの場合をも犯罪とすることが義務付けられると解される。

3について

本条約第五条1(a)(�A)にいう「一般的な犯罪活動」とは、ある特定の組織的な犯罪集団が行っている犯罪活動一般を意味すると解される。その具体的な内容は、個々の組織的な犯罪集団により異なる。

4について

本条約第五条1(a)(�A)aは、組織的な犯罪集団の目的及び一般的な犯罪活動又は特定の犯罪を行う意図を認識しながら、組織的な犯罪集団の犯罪活動に積極的に参加する個人の行為を犯罪とすることを求めているところ、そのような「犯罪活動」に「参加」するとは、当該犯罪活動に関与することと考えられるが、その具体的な内容は、個々の組織的な犯罪集団や犯罪活動により異なる。

また、組織的な犯罪集団の犯罪活動に参加することと組織的な犯罪集団に参加することは、前者が活動に着目したものである一方、後者は集団に着目したものである点で異なる。

5について

本条約第五条1(a)(�A)にいう組織的な犯罪集団の犯罪活動に「積極的に参加する」とは、当該犯罪活動に一定の程度で関与することを意味すると解されるが、これに当たるか否かは、参加の態様等を踏まえ、個別具体の事例に則して判断されるべきものと考えられる。

6について

本条約第五条1(a)(�A)bにいう「その他の活動」とは、同条1(a)(�A)aにいう「犯罪活動」以外の活動全般をいい、「組織的な犯罪集団のその他の活動」に「積極的に参加する個人の行為」を犯罪とすることが義務付けられるのは「当該個人が、自己の参加が当該犯罪集団の目的の達成に寄与することを知っているときに限る」ものとされている。

7について

「一般的な犯罪活動」を認識しながら「その他の活動」に参加するとは、ある特定の組織的な犯罪集団が行っている犯罪活動一般を認識しながら、6についてで述べた活動に参加することを意味すると解される。また、「特定の犯罪を行う意図」を認識しながら「その他の活動」に参加するとは、組織的な犯罪集団の特定の犯罪を行う意図を認識しながら、6についてで述べた活動に参加することを意味すると解される。いずれにせよ、その具体的な内容は、個々の組織的な犯罪集団や活動の内容等により異なる。

8について

「自己の参加が当該犯罪集団の目的の達成に寄与することを知っているとき」とは、ある個人が「組織的な犯罪集団のその他の活動」に積極的に参加することによって、自己の参加が当該犯罪集団の目的の達成に一定の貢献をすることとなることを知っているときを意味すると解される。また、ある個人が「組織的な犯罪集団のその他の活動」に積極的に参加した場合であっても、当該個人が、自己の参加が当該犯罪集団の目的の達成に寄与することを知らないときは、このような参加を犯罪とすることが義務付けられていないと解される。いずれにせよ、その具体的な内容は、個々の組織的な犯罪集団の目的や参加の態様等により異なる。

9について

お尋ねの参加罪について、本条約第五条1(a)(�A)は、組織的な犯罪集団の目的及び一般的な犯罪活動又は特定の犯罪を行う意図を認識しながら、「組織的な犯罪集団の犯罪活動」に積極的に参加する個人の行為だけでなく、「組織的な犯罪集団のその他の活動」についても、自己の参加が当該犯罪集団の目的の達成に寄与することを知っている場合には、これに積極的に参加する個人の行為を犯罪とすることを義務付けているが、我が国においては、後者のように、必ずしも特定の犯罪との結び付きのない活動に参加する行為自体を直接処罰する規定の例がなく、そのような法整備を行うことについては慎重な検討を要するものと考えられる。

これに対して、同条1(a)(�@)は、「重大な犯罪を行うことを一又は二以上の者と合意すること」を犯罪とすることを義務付けているところ、このように特定の犯罪を実行することの合意を処罰の対象とすることについては、刑法(明治四十年法律第四十五号)第七十八条の内乱陰謀の罪や爆発物取締罰則(明治十七年太政官布告第三十二号)第四条の爆発物使用の共謀の罪など、特定の犯罪行為を陰謀し又は共謀する行為を処罰する規定があり、我が国の法制との整合性があると考えられる。

このようなことから、政府としては、お尋ねの参加罪ではなく、本条約第五条1(a)(�@)に規定する行為を犯罪とする法整備を行うことが適当であると考えたものである。

10について

他国がいわゆる参加罪を定めているかどうかについて、政府として必ずしも網羅的にその詳細を承知しているわけではないが、本条約の締約国のうち、いわゆる参加罪を定めている国としては、例えば、フランスがあると承知している。フランスでは、一又は数個の重罪又は五年以上の拘禁刑で処罰される軽罪の準備のために結成された集団又はなされた謀議はすべて、その準備が一又は数個の客観的行為によって特徴付けられている場合は、凶徒の結社とされ、それへの参加が犯罪とされているものと承知している。

11について

本条約第五条1(b)にいう「重大な犯罪の実行を組織し、指示し、ほう助し、教唆し若しくは援助し又はこれについて相談すること」とは、その行為の態様に応じて、重大な犯罪の実行に一定の関与をすることを意味する。それぞれの行為類型は、具体的な事案や当該行為者の役割の内容等に応じて、我が国でいう共同正犯、教唆犯又は幇助犯に該当すると考える。なお、お尋ねの「予備・陰謀・共謀・参加」については、その意義が必ずしも明らかでないため、一概にお答えすることはできない。

衆議院の原文

似た質問主意書

件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。

提出 2006年6月2日 平岡 秀夫(民主党・無所属クラブ) 答弁 2006年6月13日
衆議院 第164回 第300号
提出 2006年11月22日 平岡 秀夫(民主党・無所属クラブ) 答弁 2006年12月1日
衆議院 第165回 第173号
提出 2003年4月24日 首藤信彦(民主党・無所属クラブ) 答弁 2003年5月16日
衆議院 第156回 第63号
提出 2017年5月9日 福島 みずほ 答弁 2017年5月19日
参議院 第193回 第104号
提出 2008年6月12日 藤末健三 答弁 2008年6月20日
参議院 第169回 第156号

件名の語が重なる質問主意書

提出 2017年4月4日 逢坂 誠二(民進党・無所属クラブ) 答弁 2017年4月14日
衆議院 第193回 第195号趣旨が明らかではない ×1
提出 2017年3月28日 逢坂 誠二(民進党・無所属クラブ) 答弁 2017年4月7日
衆議院 第193回 第171号趣旨が明らかではない ×1
提出 2017年3月17日 丸山 穂高(日本維新の会) 答弁 2017年3月28日
衆議院 第193回 第139号趣旨が明らかではない ×1
提出 2017年1月24日 逢坂 誠二(民進党・無所属クラブ) 答弁 2017年2月3日
提出 2010年8月4日 福島 みずほ 答弁 2010年8月20日
参議院 第175回 第19号
提出 2009年2月6日 喜納 昌吉 答弁 2009年2月17日
参議院 第171回 第32号

この論点で次の質問を書くなら

アシストで並べる