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特別会計の改革及び積立金・剰余金の活用に関する質問主意書
衆議院 第164回 第47号
質問本文
我が国の財政状況は主要先進国の中でも最悪の状況にあることは、最早説明を要しない。国及び地方を合わせた長期債務残高は、平成一八年度末には七七五兆円、対GDP比率は一五〇・八%に達しようとしている。毎年度の国債発行額は、平成一〇年度以降三〇兆円を超え、国債依存度も近年四割を超える状況が続いてきた。一般会計のプライマリーバランスは依然一〇兆円を超える赤字であり、このような赤字財政をいつまでも続けていくことができないことは明白である。
小泉内閣も構造改革を掲げ、政府系金融機関や特別会計の改革にようやく取りかかろうとしているが、現状は尻抜けだらけの不完全な改革に終わろうとしている。特に、特別会計の改革については、平成一五年一一月に財政制度等審議会から、特別会計の見直しについて報告書が提出されて以降、毎年度そのフォローアップ報告書が出されてきた。政府は平成一八年度予算編成に併せて特別会計の改革を含む行政改革の重要方針を閣議決定したが、政府の特別会計に対する改革の基本的姿勢は定まっておらず、単なる数合わせに終わろうとしている。こうした観点から、以下、特別会計の現状及び政府がこれから行おうとしている改革、併せて一八年度予算において採られた積立金・剰余金の活用について質問する。
一 道路整備、港湾整備、空港整備、治水及び都市開発資金融通の五つの特別会計を統合して、一つの特別会計にしようとしているが、統合する特別会計には勘定を設ける考えはあるのか示されたい。
現在の特別会計を各勘定として存続させるのであれば、これらの特別会計を統合する意味はないのではないか。公共事業を行う特別会計は、一般に一般会計からの繰入割合が高く、特別会計で事業を行う意義が薄いと言われている。なぜ、一般会計に統合しないのか、その理由を示されたい。
二 産業投資特別会計の社会資本整備勘定を廃止することは当然であるが、産業投資勘定も既に各方面からその歴史的使命は終了したと指摘されており、廃止するのが当然と考える。今回、産業投資勘定を廃止ではなく、財政融資資金特別会計に移管する方針を示している理由を示されたい。
三 平成一八年度予算では、財政融資資金特別会計、外国為替資金特別会計、産業投資特別会計、電源開発促進対策特別会計、農業経営基盤強化措置特別会計の五つの特別会計から積立金・剰余金一三・八兆円を他の特別会計及び一般会計に繰り入れ、財政健全化に役立たせるとしている。特別会計にある積立金・剰余金の活用については、平成一七年一〇月一二日の衆議院財務金融委員会において私が指摘した所であるが、当時谷垣財務大臣は私のこの提案を拒否された。しかるに、一八年度予算において前記五つの特別会計の積立金・剰余金を他の特別会計及び一般会計に繰り入れ、活用することにした理由は何か。一〇月一二日の財務金融委員会での私の活用提案との関連で、その理由を明示されたい。
四 平成一八年度予算において電源開発促進対策特別会計から五九五億円を一般会計に繰り入れることとしており、財務省が予算編成後に作成した「特別会計の見直しについて」(平成一七年一二月 財務省主計局)においても、特別会計改革の具体的成果として説明されている。しかし、電源開発促進対策特別会計から一般会計への繰入五九五億円については、「平成十八年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案」の第三条第2項において、後日一般会計から同特別会計に返済する旨の規定が置かれており、事実上同特別会計からの借り入れ金である。なぜ、電源開発促進対策特別会計から一般会計に繰り入れる五九五億円だけを後日返済することにしたのかその理由を明示されたい。
併せて、一般会計に返済する場合、この間の利子分の扱いはどのようになるのか、明示されたい。
右質問する。
政府答弁書
一について
道路整備特別会計、港湾整備特別会計、空港整備特別会計、治水特別会計及び都市開発資金融通特別会計の五つの特別会計については、地方公共団体や民間事業者からの負担金、借入金などがあり、受益と負担の対応関係等を明確化しつつ、無駄を排除するとの観点から、これらの特別会計を平成二十年度までに統合することとしたものである。
統合後の勘定区分については、適切な措置を今後検討することとしている。
二について
産業投資特別会計産業投資勘定(以下「産投勘定」という。)は、産業の開発及び貿易の振興を目的とし、民間だけでは十分にリスクを負えない分野を対象として、政策的に投資資金の配分を行うとの財政的な資源配分機能を果たしてきている。
具体的な投資対象については、社会経済情勢の変化に応じて見直しを行ってきたところであり、現在は、都市再生・地域再生等の大規模プロジェクトや中小企業金融分野の証券化等新たな金融手法の普及等のリスクを伴う分野を対象としている。このように、民間だけでは十分にリスクを負えない分野は引き続き存在すると考えられることから、こうした分野に対し投資資金の配分を行うため、産投勘定の業務を引き続き実施する必要がある。
また、産投勘定における投資と財政融資との一覧性を確保することを可能とする等の効果が見込まれることから、産投勘定の業務は、平成二十年度までに、財政融資資金特別会計に移管して実施することとしたものである。
なお、その後、民間での対応等を勘案の上で、一定期間経過後、産投勘定自体の在り方を、その存否も含め検討することとしている。
三について
特別会計の剰余金及び積立金については、現下の厳しい財政状況を踏まえ、財政の健全化に貢献するよう、それらの必要性等につき点検を行った。その結果、平成十八年度予算において、合計十三兆八千三百十二億円の剰余金及び積立金を活用することとしている。
財政融資資金特別会計における金利変動準備金については、財政融資資金特別会計法(昭和二十六年法律第百一号)第七条及び財政融資資金特別会計の損益計算の方法等に関する訓令(平成十二年大蔵省訓令第五号)第三条の規定に基づき総資産の千分の百に相当する額を上限として計上することが適当であるとしてきたが、平成十八年度においては、特別会計改革及び資産・債務改革をできるだけ早期に予算に反映させ、併せて国債残高抑制の要請に対応することとし、同特別会計の総資産の減少が当面継続することを踏まえれば、総資産に対する金利変動準備金の割合の考え方を維持しつつも、同準備金の一部を同特別会計に生じた損失の補填以外の目的に活用することができると判断して、同特別会計から十二兆円を国債整理基金特別会計に繰り入れ、国債残高の圧縮に充てることとしている。
外国為替資金特別会計においては、同特別会計の健全性の維持及び一般会計の厳しい財政事情を総合的に勘案し、財政の健全化に貢献するため、平成十七年度に生じると見込まれる剰余のうち一兆六千二百二十億円を一般会計に繰り入れることとしている。
産業投資特別会計、電源開発促進対策特別会計及び農業経営基盤強化措置特別会計においては、歳出を厳しく見直した結果として剰余が生じる見込みとなったことから、財政の健全化に貢献するため、産業投資特別会計から千二百二億円、電源開発促進対策特別会計から五百九十五億円、農業経営基盤強化措置特別会計から二百九十五億円をそれぞれ一般会計に繰り入れることとしている。
四について
平成十八年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案(以下「特例公債法案」という。)第三条第一項の規定による電源開発促進対策特別会計から一般会計への繰入金については、一般会計の収支の改善に寄与するため一時的に余剰資金の有効活用を図る観点から行うものであるが、その財源である電源開発促進税は電源開発促進税法(昭和四十九年法律第七十九号)第一条に規定する費用(以下「特定費用」という。)に充てるため課することとされていることから、最終的には特定費用に充てる必要がある。このため、電源開発促進対策特別会計から一般会計への繰入金相当額に達するまでの金額を、後日、一般会計から同特別会計に繰り入れる規定を設けている。
また、特例公債法案第三条第一項の規定による繰入れがなかったとした場合に電源開発促進対策特別会計において生じていたと見込まれる運用収入に相当する額については、後日、一般会計から同特別会計に繰り入れる規定を設けていない。
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