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化学物質過敏症の現状及び特にクレオソート油に起因する化学物質過敏症に関する質問主意書
衆議院 第169回 第471号お答えすることは困難 ×2承知していない ×1
質問本文
近年、化学物質に対する過敏症の存在が幅広く認識されるようになってきたが、その診断や治療、また予防のための化学物質の規制等には課題が山積している。
医療機関を受診してもなかなか診断がつかない、適切な治療方法がない、労働災害の申請をしてもなかなか認められない、事業者が同症を発生させた場合になかなか責任を認めない、一端発症すると日常生活も困難になるが何らの支援も受けることができないなど、当事者は多くの困難に直面している。
なかでも、住宅リフォーム業者が木材の防虫、防腐を目的として使用する「クレオソート油」により、居住者が化学物質過敏症を発症した事例も存在している。
政府においてもシックハウス対策など様々な取組を進めてきているが、再度そのような取組を包括的に検討すべき時期にきていると考える。
そのような観点から以下の諸点について質問する。
一 我が国における化学物質過敏症の現状に対する政府の認識は如何。
二 我が国における化学物質過敏症の診断または治療にあたる医療機関の体制の整備状況は如何。
三 労働現場における化学物質過敏症の予防のための体制の整備状況は如何。
四 欧州連合(EU)では、木材の防虫、防腐を目的として使用されてきた「クレオソート油」に含有している化学物質の発癌性を重く見て、クレオソート処理木材を一般消費者向けに販売することを禁止し、工業用や業務用であっても建築物内部等に使用することを禁止する指針を出し、加盟国は国内法の整備を進めている。我が国においても、その発癌性とともに化学物質過敏症を引き起こすおそれがあることから、その販売や使用自体を禁止すべきではないかとの意見があるが政府の見解は如何。
五 建築基準法の改正により、室内VOC(揮発性有機化合物)に対する規制の強化がなされているが、建築確認申請を要しない小規模のリフォーム工事等の場合にはこうした対策が十分になされていないとの指摘がある。政府の現状の認識は如何。
六 労災認定において化学物質過敏症により申請されている事例は過去五年間で何件あり、労災であることが認められた事例は何件存在するか。また労災認定における化学物質過敏症に対する対応の方針は如何。
右質問する。
政府答弁書
一及び二について
いわゆる化学物質過敏症については、極めて微量の非常に身近な物質により不定愁訴様の症状を来す、アレルギー疾患的な特徴と中毒的な要素を兼ね備えた後天的な疾患群であると一部の研究者が指摘していることは承知しているが、その病態や発症機序について未解明な部分が多く、医学的に確立された定義や診断基準は存在せず、現段階では確立された疾病の概念になっていないと認識しており、その現状並びに診断及び治療に当たる医療機関の体制の整備状況についてお答えすることは困難である。
三について
一及び二についてで述べたとおり、いわゆる化学物質過敏症については、その病態や発症機序について未解明な部分が多く、予防的措置を講ずることが困難であるため、労働安全衛生関係法令においても、それを事業者に義務付けていないところであり、また、事業者の事業場における自主的な取組についても把握していない。
四について
お尋ねの「一般消費者向けに販売すること」の禁止については、有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律(昭和四十八年法律第百十二号)第四条第一項の規定に基づき、家庭用品であるクレオソート油について、これに含まれるベンゾ[a]ピレン、ベンゾ[a]アントラセン及びジベンゾ[a・h]アントラセンの含有量について一定の基準を定めるとともに、同法第五条の規定により当該基準に合致しない家庭用品の販売等を禁止しているところである。
また、「建築物内部等に使用すること」の禁止については、建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第二十八条の二の規定に基づき、クロルピリホスを添加した建築材料の使用が禁止され、ホルムアルデヒドを発散する建築材料の使用が制限されているところである。
関係業界団体によると、一般的に、建築物においては、クレオソート油の木材保存剤は使用されていないとのことであるが、今後、速やかに、その使用の実態を把握するとともに、クレオソート油に含有される化学物質についての新たな科学的知見も踏まえ、必要な措置を講じてまいりたい。
五について
四についてで述べたとおり、建築基準法第二十八条の二の規定に基づき、クロルピリホスを添加した建築材料の使用が禁止され、ホルムアルデヒドを発散する建築材料の使用が制限されているところであり、これらの規制に違反して建築物の修繕等がなされた場合には当該建築物は同法違反の建築物となる。特定行政庁において、御指摘の「建築確認申請を要しない小規模のリフォーム工事等」において、このような修繕等が行われていること又はこのような建築物が存在することを認知した場合には、同法第九条第一項の規定に基づき、当該建築物の工事施工者や所有者等に対して、当該違反の是正措置を講ずることを命ずる等適切な措置が講じられるべきものと考えている。また、地方公共団体及び財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターにおいて、建築物の修繕等を含めた住宅に関する相談窓口を設置しており、建築物の修繕等の際に揮発性有機化合物を用いた建築材料により心身に何らかの有害な影響を受けた疑いがある方については、当該窓口に相談いただいているところであり、これによっても違法な建築物の修繕等の実態等の把握が可能となると考える。
六について
お尋ねについては、厚生労働省として把握している限りでは、平成十五年度から平成十九年度までの間において、労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)による保険給付に係る請求書(以下「請求書」という。)の傷病の部位及び傷病名欄に「化学物質過敏症」と記載されているものは十四件であり、そのうち支給決定された件数は零件である。
一及び二についてで述べたとおり、いわゆる化学物質過敏症については、その病態や発症機序について未解明な点が多く、現段階では確立された疾病の概念になっていないことから、保険給付の対象とはしていないところである。
なお、請求書の傷病の部位及び傷病名欄に「化学物質過敏症」と記載されて請求されたものであっても、調査の結果、当該疾病が平成八年労働省告示第三十三号(労働基準法施行規則別表第一の二第四号の規定に基づく厚生労働大臣が指定する単体たる化学物質及び化合物(合金を含む。)並びに厚生労働大臣が定める疾病)に示されているものに該当し、かつ、業務に起因することが明らかとなれば、保険給付の対象となる。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。