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有害生物・野生鳥獣被害等に関する質問主意書
衆議院 第174回 第495号
質問本文
日本の基幹産業である農林水産業は、地方にとっての生活基盤であり、日本の自給率はもとより、国民の食卓に安心、安全な食品を提供する上でも重要な産業である。
しかし、近年の経済不況に加え、地方財政を支えてきた公共事業が、新政権によるマニフェスト実現の財源確保のために見直しとなり、より一層、地方経済を疲弊させ、地方自治体の財政をも脆弱化させている。
その様な中において、農業、水産業に多大なる影響をおよぼす野生鳥獣及び有害生物の大型クラゲ、トド等の被害が深刻な状況となっている。本州最北端の津軽海峡に面し漁業を基幹産業とした人口二千五百人余りの青森県佐井村においては、大型クラゲの被害として、平成二十一年七月から平成二十二年二月までにおいて、七千九百十九万千円、トド被害については、平成十八年から平成二十一年までの四年間において、一億千八百六十三万六千円となっている。更に、猿、熊、カモシカなどの野生鳥獣による被害も、平成十九年度から平成二十一年度において八百二万四千円となっており、大型クラゲ及びトド等、有害生物及び野生鳥獣による被害総額は、二億五百八十五万千円に上っている。
今後も被害の増大が予想され、農林水産業者の生活基盤が脅かされるとともに、地域経済に大きな打撃となると予想される。
このことから、国としてより一層の抜本的かつ速やかな対応、発生原因の徹底追及などのシステムの構築と対策が必要であると考える。
これらを踏まえ、次の事項について質問する。
一 大型クラゲの国際的な発生原因の究明と根絶が急務であるが、日中韓による大型クラゲ国際共同調査はどこまで進んでいるのか。また、発生原因の究明、具体的な根絶方法は見出されているのか。
二 農作物被害対策の鳥獣被害防止総合対策交付金の事業実施主体が地方公共団体であるのに対し、有害生物漁業被害防止総合対策事業の実施主体は民間団体で、約十九億円の対策費が計上されている。地方公共団体における大型クラゲ、トド等の有害生物漁業被害対策費の負担が増大してきている現状に対し、国は、市町村への交付金制度を充実させるべきと思うが、どのように考えているのか。
三 トド被害対策としてのトド採捕について、現在、青森県佐井村においては四頭を上限とする駆除対策がなされている。国として、トド被害について、実際の被害状況を調査、把握し、被害地域に対する採捕頭数の対策等について各関係団体と協議を行っているのか。また、採捕頭数を増やすべく要望には速やかな対応ができるのか。
四 ニホンザルの被害対策について、二〇〇九年度における青森県下北半島に生息するニホンザル一斉調査では、五十一群(約一千八百六十一頭)であり、毎年増頭傾向にある。(地元の方々の話では、下北半島に生息する猿は二千頭を超えるとのこと。)その中において第二次特定鳥獣保護管理計画に基づいて実施されているニホンザルの捕獲は、被害レベルの高い群れの増加率から算定される個体調整(いわゆる、まびき)で実施されている。しかし被害拡大の抑制につながるか疑問であり、抜本的な問題解決にはなっていないのが現状である。このことから、国として群れ捕獲を含めた有効的な捕獲方法を検討しているのか。また、第三次特定鳥獣保護管理計画において、どのような対策を考えているのか。
五 現在、青森県庁内におけるニホンザル被害対策に関する担当部署は、自然保護課、文化財保護課、食の安全安心推進課と多岐に分かれており、このことが被害の情報収集や被害対策の遅れにつながっていることが予想される。国として、被害地域の県庁内にニホンザル被害対策室として一元化するべく指導する考えはないのか。
六 ニホンザル被害対策として、効果が期待され、全国的に普及が進んでいるモンキードッグの導入について、国として今後促進するための支援策は考えているのか。
右質問する。
政府答弁書
一について
我が国は、中華人民共和国及び大韓民国と共同で、平成十六年より東シナ海等における大型クラゲ発生状況等に関する情報交換、大型クラゲに係る国際シンポジウムの開催等を実施するとともに、中華人民共和国と共同で、平成二十二年五月中旬より東シナ海及び黄海の中華人民共和国沿岸において、大型クラゲの発生初期の状況について調査を実施し、これらを通じて発生原因等の究明に努めているところである。
二について
有害生物による漁業被害の防止対策については、地方公共団体の裁量の下で、自主的に取組を進めることとされたところであるが、大型クラゲ、トド等の広域にわたり漁業被害を発生させる有害生物については、複数の都道府県にまたがった対策が必要となることから、国から全国漁業協同組合連合会等の民間団体に対し助成する有害生物漁業被害防止総合対策事業(以下「本件事業」という。)により被害防止対策を実施しているところである。
なお、平成二十二年度予算においては、大型クラゲ等の有害生物による被害防止対策の強化を図るため、本件事業の予算額を増額したところである。
三について
トドによる漁業被害に関しては、関係団体を通じて被害状況を把握するとともに、関係団体と協議を行った上で、本件事業による被害防止対策を行っているところである。なお、トドの採捕頭数については、環境保全の観点から、国がトドを人為的に死亡させることが許容される上限頭数を科学データに基づき計算し、関係道県に示しており、これを参考に関係道県の漁業調整委員会が採捕頭数を設定していると承知している。
四について
鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律(平成十四年法律第八十八号)第七条に基づき、都道府県知事は、鳥獣の生息の状況その他の事情を勘案して長期的な観点から当該鳥獣の保護を図るため特に必要があると認めるときは、当該鳥獣の保護のための管理(以下「保護管理」という。)に関する計画(以下「特定鳥獣保護管理計画」という。)を策定することができることとされている。
国においては、特定鳥獣保護管理計画の策定及び実施に当たって参考となるよう、適切な保護管理を推進するための有効な捕獲方法等の対策を定めた技術的なガイドラインを策定しており、青森県下北半島に生息するニホンザルに係る具体的な捕獲方法等の対策については、同ガイドラインも参考にしつつ、青森県知事が適切に対応するものと考えている。
五について
国としては、青森県における組織の在り方は青森県が自ら点検・検討することが適当と考えており、指導する考えはない。
六について
お尋ねの「モンキードッグの導入」については、平成二十二年度予算の鳥獣被害防止総合対策交付金において、犬を活用した追払い等の被害防止対策の取組を支援しているところである。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。