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地方公務員の給与削減に関する質問主意書
衆議院 第177回 第202号お答えすることは困難 ×4趣旨が明らかではない ×1検討してまいりたい ×1仮定の質問 ×4
質問本文
平成二十三年五月二十二日の朝日新聞四面に、「地方も給与削減を」との記事(以下「本記事」という。)が掲載された。これは地方交付税という地方固有の貴重な収入にかかわる事項について、表面的には地域主権を謳っている民主党政権が、中央からの一方的な押し付けで削減を強要する可能性を示すものであり、「地方に厳しい民主党政権」という本質を示したものであると認識する。
これを踏まえて、次の事項について質問する。
一 本記事中に、「少なくとも地方交付税、義務教育費国庫負担金の国費負担を下げるべきだ」と野田財務大臣が閣僚懇談会で発言したとあるが、事実かお聞かせいただきたい。また、事実であれば、野田財務大臣の発言は、財務省の見解と理解するが、それでいいのかお聞かせいただきたい。
二 地方公共団体へ交付する地方交付税の総額や、義務教育にかかる経費の国庫負担の割合については、それぞれ法律により規定されていると理解しているが、事実関係をお聞かせいただきたい。また、これらに関し法律に規定している内容をお教えいただきたい。また野田財務大臣の主張する地方公共団体の交付税削減及び義務教育費国庫負担率の引き下げを実現するために改正が必要な法律の関係条項及び改正内容を網羅的にお教えいただきたい。
三 いわゆる三位一体の改革に際し、義務教育費国庫負担率の引き下げが行われたときに、国庫負担率が二分の一から三分の一への引き下げが行われると国が義務教育に対する責任を果たせなくなる旨の主張を文部科学省が行っていたと承知しているが、三分の一からさらに引き下げる場合、国の責任を果たすことが可能かお教えいただきたい。
四 仮に、地方交付税の交付額が下げられた場合、地方公共団体は地方公務員の給与を連動して下げなければならないのかお教えいただきたい。例えば地方交付税の減額分を地方公務員の給与の削減ではなく、投資的経費削減で穴埋めする場合は国からの指示に従わなかったとして法令違反に当たるのかお教えいただきたい。またその場合に補助金や特別交付税の減額や起債の制限等、何らかのペナルティが科せられる可能性があるのであれば、その具体的な内容をお教えいただきたい。
五 地方交付税の減額分を投資的経費削減で穴埋めするなどした場合、地方経済、ひいては我が国経済に深刻な影響を与えうると考えるが、政府の見解をお教えいただきたい。また、地方交付税の減額を受けて地方公務員の給与削減を行うことが地域経済に与える影響についても併せてお教えいただきたい。
六 義務教育に係る経費は、学級編成基準等が国により定められていることにより、地方公共団体の裁量により左右できる部分が少ないのではないかと考えるが、政府の見解をお聞かせいただきたい。仮にそうだとすれば、国の負担割合を引き下げることは単に国の負担の地方への転嫁に過ぎず、また逆に地方公共団体の裁量に基づく部分が大きいので、その部分を無駄だとして削減することを意図するのであれば、大変厳しい財政状況下での地方公共団体の懸命な取組みを踏みにじる暴挙であると考えるが、政府の見解をお聞かせいただきたい。
七 本記事中に「国がやったから自治体も一律何%下げろなんて全く愚策」との片山総務大臣の記者会見でのコメントが掲載されているが、この発言の事実関係及び片山総務大臣の現在の認識に関してお教えいただきたい。また、本記事中に菅総理は「まずは国が国家公務員の給与を下げることだ」と周囲に語っているとあるが、その事実関係及び菅総理は、地方交付税の交付額の減少あるいは義務教育費国庫負担率の引き下げを考えているのかいないのか、二者択一でお答えいただきたい。
八 これまで、地方公共団体は職員の給与削減等の歳出削減努力を惜しまず行い、かなりの成果を挙げていると認識するが、本年四月一日時点において地方公共団体独自に職員の給与削減(給与カット)を行っている地方公共団体名及び給与削減の内容を網羅的にお教えいただきたい。また総務省としてはこのような義務的経費に属する職員給与を独自に削減せざるを得ない地方公共団体が少なからず存在する地方財政の現況についてどう認識されているかお教えいただきたい。
九 財政制度等審議会では頻繁に「地方にはまだ無駄があり、地方交付税を削減すべき」との議論がなされているが、財務省の現在の地方財政の状況に対する認識をお教えいただきたい。
十 東日本大震災後、国は多くの被災地及び被災者支援策を講じているが、東日本大震災が大津波等による直接的な被災がなかった他の地域、特に西日本に対して与えた経済・社会的な影響とそれによる地域経済の落ち込みに対する政府の見解をお聞かせいただきたい。直接的な被害がなかった地域の余力を奪ってしまっては日本全体が沈没してしまう大恐慌となってしまう。地方公務員の給与削減を意図した地方交付税の削減により、全国の地域経済等を落ち込ませるのではなく、逆にこうした地域に経済対策を講じ、経済成長の牽引役を担ってもらうことにより、日本経済全体を回復に戻すことが必要であると考えるが、政府の見解をお聞かせいただきたい。二次補正以降の補正予算に、直接的な被災地以外の地域に対する経済対策を盛り込むことを考えておられるかについてもお教えいただきたい。
右質問する。
政府答弁書
一について
御指摘の事実はない。
二について
「地方公共団体へ交付する地方交付税の総額」については、地方交付税法(昭和二十五年法律第二百十一号)第六条等において、地方交付税の総額を規定している。
公立義務教育諸学校の教職員の給与費については、義務教育費国庫負担法(昭和二十七年法律第三百三号)第二条において、国はその経費の三分の一を負担すると規定している。
また、お尋ねの「野田財務大臣の主張する地方公共団体の交付税削減及び義務教育費国庫負担率の引き下げを実現するために改正が必要な法律の関係条項及び改正内容」については、一についてで述べたとおり、お尋ねの前提となっている事実はないため、お答えすることは困難である。
三について
義務教育費国庫負担率を「三分の一からさらに引き下げる場合」を前提とした仮定の御質問にお答えすることは差し控えたいが、義務教育費国庫負担金は、公立義務教育諸学校の教職員の給与費について、国がその三分の一を負担することにより、教育の機会均等とその水準の維持向上について、国が一定の責任を果たしているものと認識している。
四について
地方公共団体の職員の給与については、地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第二十四条の規定により、生計費並びに国及び他の地方公共団体の職員並びに民間事業の従事者の給与その他の事情を考慮して、当該地方公共団体の条例で定めることとされている。
また、「地方交付税の交付額が下げられた場合」を前提とした仮定の御質問にお答えすることは差し控えたいが、一般論として申し上げれば、地方交付税は使途の定めのない一般財源であり、国は、その交付に当たり、条件を付け、又は使途を制限してはならないとされていることから、国は、地方公共団体に対し、地方交付税の交付に当たり、特定の支出の削減を義務付けることはできない。
五について
「地方交付税の減額」を前提とした仮定の御質問にお答えすることは差し控えたいが、一般論として申し上げれば、地方公共団体による投資的経費や地方公務員給与の削減は地域経済に対して何らかの影響を与える要因になり得るものと考えているが、一方で、削減により確保した財源の活用については、様々な対応が考えられるため、全体として地域経済に対してどのような影響を与えるかについては、一概に申し上げることは困難である。
六について
御指摘の「地方公共団体の裁量により左右できる部分が少ない」の意味するところが必ずしも明らかではないが、公立義務教育諸学校の教職員に係る人件費については、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律(昭和三十三年法律第百十六号)による学級編制の標準等に基づく教職員定数を算定の基礎としているところである。
また、義務教育費国庫負担金について「国の負担割合を引き下げること」を前提とした仮定の御質問にお答えすることは差し控えたい。
七について
平成二十三年五月二十日の記者会見において、片山総務大臣は、「国がこうやったから自治体も一律現状から何パーセント下げろなんてことを仮にやるとしたら、それはもう全く愚策なのですよね。」との発言をしている。総務省としては、この発言のとおり、地方公共団体に対して、今後、国会において法案の御審議をお願いすることとしている国家公務員の給与の引下げ(以下「国家公務員給与引下げ」という。)と同様の引下げを要請することは考えていない。
また、菅内閣総理大臣が「周囲に語っ」たとされる記事の部分については、政府として、その事実関係の有無について申し上げる立場にはない。さらに、地方公共団体の職員の給与については四についてで述べたとおりであり、お尋ねの「地方交付税の交付額の減少あるいは義務教育費国庫負担率の引き下げ」を手段とすることを含め、国家公務員給与引下げと同様の引下げを地方公共団体に強制することは考えていない。
八及び九について
平成二十三年四月一日現在の地方公共団体における独自の給与削減措置の状況については、調査中であり、現時点でお答えすることは困難である。
なお、総務省が実施した「平成二十二年度給与削減措置の状況調」によれば、平成二十二年四月一日現在において、全地方公共団体の五十八・九パーセントに当たる千五十九団体が、独自に何らかの給与削減措置を実施しており、当該措置による影響額は、二千百八十八億円である。お尋ねの「地方公共団体名及び給与削減の内容」を網羅的にお答えすることは困難であるが、例えば、島根県においては、一般職の給料について部次長級(九級及び八級)十パーセント、課長級(七級及び六級)八パーセント、その他の職員(五級から一級)六パーセントの削減、管理職手当について部次長級(九級及び八級)二十五パーセント、課長級(七級及び六級)二十パーセントの削減等を実施している。
総務省としては、地方財政は、地方税収が十分に確保されない中にあって社会保障関係費の増加や公債費が依然高水準であることなどにより、極めて厳しい状況にあるものと認識している。このような中、多くの地方公共団体においては、人事委員会等の勧告水準を下回る水準とする独自の給与削減措置を行い、自主的に財政健全化などの改革の取組を実施している。
また、地方財政が厳しい状況にあるという認識については、財務省も同様である。
十について
東日本大震災により、企業の生産活動の面では、原材料や資機材の供給不足などにより操業に支障が生じる一方、需要面では、消費者マインドの冷え込みや自粛ムードにより消費が減少するなど、被災地以外においても影響がみられている。
政府としては、「政策推進指針〜日本の再生に向けて〜」(平成二十三年五月十七日閣議決定)に基づき、経済循環を早期に修復するなど、東日本大震災がもたらした制約を順次、確実に克服するとともに、新たな成長を実現する取組を強化し、日本経済の潜在的な成長力を回復するよう取り組むこととしており、平成二十三年度第二次補正予算については、講ずるべき施策の必要性・緊急性など、その中身や時期を見極めつつ検討してまいりたい。
この答弁書に出てくる定型句
お答えすることは困難 ×4趣旨が明らかではない ×1検討してまいりたい ×1仮定の質問 ×4
語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。
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