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地方単独事業としての自治体の子どもの医療費に対する公費負担事業に関する質問主意書

衆議院 第180回 第269号

提出者
自由民主党・無所属の会
提出日
2012年5月25日
内閣転送 2012年5月30日
答弁書受領日
2012年6月5日
提出から11日
答弁の項目数
11
質問 2,054字/答弁 2,469字

質問本文

地方自治体においては、子どもの医療費に対する公費負担事業を地方単独事業として実施しており、都道府県の基準に市町村が上乗せをする事例も多い。国の公的医療保険制度においては、義務教育就学前までの医療費は、全国一律で二割の自己負担となっているところ、国民にとっては、子どもの医療費に対する実際の自己負担は居住地によって異なるのが現実である。このことに関し、鳩山内閣は、内閣衆質一七三第一一四号において、「地方単独事業に係るものであり、各地方公共団体において、地域の実情を踏まえて判断されるべきものであると考える」との見解を示している。その後、子どもの医療費に対する公費負担事業は全国的に拡充され、発足当初の「乳幼児等医療費助成」という枠組みを超えて、義務教育就学後の子どもも対象とする自治体が増えている。一方、社会保障・税一体改革により地方消費税の引き上げが予定され、その増収分を充てるべき地方単独事業の範囲について、平成二十三年十二月に集中的に開催された「国と地方の協議の場」では、「制度として確立された」という判断基準を子どもの医療費に対する公費負担事業にどのように適用するかは、現時点では明らかにされていないところである。このような事態の推移を踏まえ、野田内閣としての現状認識と見解を、以下十二項目にわたり質問する。

一 平成二十一年四月一日現在で厚生労働省が把握している「乳幼児等医療費に対する公費負担事業実施状況」によれば、都道府県における通院費への実施状況は、対象年齢が「三歳未満から七歳未満」が十三県、「就学前」が三十一県、「十二歳年度末まで」が二県、「十五歳年度末まで」が一県であったが、同じ年齢区分で直近の時点で把握しているところを伺う。

二 一の調査で、都道府県における入院費への実施状況は、対象年齢が「三歳未満から七歳未満」が五県、「就学前」が三十三県、「十二歳年度末まで」が五県、「十五歳年度末まで」が四県であったが、同じ年齢区分で直近の時点で把握しているところを伺う。

三 一の調査で、市区町村における通院費への実施状況は、対象年齢が「三歳未満から六歳未満」が百五、「就学前」が九百八十、「十二歳年度末まで」が三百六十五、「十五歳年度末まで」が三百四十六、「十八歳年度末まで」が四であったが、同じ年齢区分で直近の時点で把握しているところを伺う。

四 一の調査で、市区町村における入院費への実施状況は、対象年齢が「六歳未満」が四十五、「就学前」が七百二十一、「十二歳年度末まで」が五百十四、「十五歳年度末まで」が五百十六、「十八歳年度末まで」が四であったが、同じ年齢区分で直近の時点で把握しているところを伺う。

五 一の調査で、都道府県における所得制限の実施状況は、「なし」が十四県、「あり」が三十三県、一部自己負担の実施状況は、「なし」が十県、「あり」が三十七県であったが、同じ区分で直近の時点で把握しているところを伺う。

六 五に関連し、市区町村における所得制限及び一部自己負担の実施状況は、一の調査では示されていなかったが、直近の時点で把握しているところを伺う。

七 自治体の子どもの医療費に対する公費負担事業の現状について、「地方単独事業に係るものであり、各地方公共団体において、地域の実情を踏まえて判断されるべきものであると考える」との見解は理解するものの、その自治体に居住する国民の間の平等の観点からは疑問であり、対象の開きには自ずと一定の限度を法的に設けるべきものと思うが、内閣の見解を伺う。

八 公的医療保険制度を所管する国とすれば、義務教育就学前までの医療費は、全国一律で二割、就学後は三割の自己負担を原則としているところ、所得制限や一部自己負担を求めるべきと思うが、内閣の見解を伺う。

九 今回の消費税引き上げの国と地方の配分割合を決める際に用いた社会保障に関する地方単独事業の中に、自治体の子どもの医療費に対する公費負担事業はどのように位置付けられているのか、伺う。

十 地方交付税における基準財政需要額において、自治体の子どもの医療費に対する公費負担事業は、どの程度認められているのか、伺う。

十一 以前より、総務委員会での質問においても指摘しているように、平成二十三年末に開催された国と地方の協議の場及び社会保障・税一体改革分科会の議事録の一部が内閣官房のホームページで刻刻としてアップされず、五月に入りようやく公開されたが、それぞれに何が問題であったのか原因を伺う。

十二 十一に関し、政府職員が年末の会議の議事録取りまとめに五カ月後までも従事していたとすれば、公務の能率の面でも疑問である。また、国民への周知、出席された方の地方への配慮を考えるとき、メンバーの発言を忠実に記録するのであれば、今後は速記を外部委託する等の事務改善を図るべきと考えるし、要約するのであれば、会議終了後期限を決めて提出させるなりの工夫が必要と考える。内閣の見解を伺う。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

お尋ねについては、厚生労働省の調査によれば、平成二十三年四月一日現在、通院費の公費負担を行う対象年齢(以下「通院費対象年齢」という。)を、三歳未満、四歳未満、五歳未満又は六歳未満のいずれかとしている都道府県数は十、義務教育就学前としている都道府県数は二十八、九歳の年度末まで又は十二歳の年度末までのいずれかとしている都道府県数は六、十五歳の年度末までとしている都道府県数は三である。

二について

お尋ねについては、厚生労働省の調査によれば、平成二十三年四月一日現在、入院費の公費負担を行う対象年齢(以下「入院費対象年齢」という。)を、四歳未満又は六歳未満のいずれかとしている都道府県数は二、義務教育就学前としている都道府県数は二十六、九歳の年度末まで又は十二歳の年度末までのいずれかとしている都道府県数は十一、十五歳の年度末までとしている都道府県数は八である。

三について

お尋ねについては、厚生労働省の調査によれば、平成二十三年四月一日現在、通院費対象年齢を、四歳未満、五歳未満、五歳の年度末まで又は六歳未満のいずれかとしている市町村(特別区を含む。以下同じ。)数は三十五、義務教育就学前としている市町村数は六百二十二、七歳未満、七歳の年度末まで、八歳の年度末まで、九歳未満、九歳の年度末まで、十歳の年度末まで、十一歳の年度末まで又は十二歳の年度末までのいずれかとしている市町村数は三百九十三、十四歳の年度末まで又は十五歳の年度末までのいずれかとしている市町村数は六百五十六、十六歳未満、十六歳の年度末まで又は十八歳の年度末までのいずれかとしている市町村数は四十一である。

四について

お尋ねについては、厚生労働省の調査によれば、平成二十三年四月一日現在、入院費対象年齢を、六歳未満としている市町村数は四、義務教育就学前としている市町村数は三百四十五、七歳未満、七歳の年度末まで、八歳の年度末まで、九歳未満、九歳の年度末まで、十歳の年度末まで、十一歳の年度末まで又は十二歳の年度末までのいずれかとしている市町村数は四百五十二、十四歳の年度末まで又は十五歳の年度末までのいずれかとしている市町村数は九百三、十六歳未満、十六歳の年度末まで又は十八歳の年度末までのいずれかとしている市町村数は四十三である。

五について

お尋ねについては、厚生労働省の調査によれば、平成二十三年四月一日現在、医療費の公費負担を行う対象者について、所得制限を設けていない都道府県数は十四、設けている都道府県数は三十三である。また、医療費の公費負担を行う際に、一部自己負担を求めていない都道府県数は八、求めている都道府県数は三十九である。

六について

お尋ねについては、厚生労働省の調査によれば、平成二十三年四月一日現在、医療費の公費負担を行う対象者について、所得制限を設けていない市町村数は千二百四十九、設けている市町村数は四百九十八である。また、医療費の公費負担を行う際に、一部自己負担を求めていない市町村数は九百十一、求めている市町村数は八百三十六である。

七及び八について

公的医療保険制度では、通常は三割である医療費の自己負担割合を義務教育就学前の子供については二割とし、子供が病気になっても安心して医療を受けることができるようにしている。医療費の一部負担金等は、医療を受ける者と受けない者との公平を確保するとともに、適正な受診を促す観点から求めているものであるが、地方公共団体が地方単独事業により更なる自己負担の軽減を図ることについては、各地方公共団体において、地域の実情を踏まえて判断されるべきものであると考えている。

九について

引上げ分の消費税収の国と地方の配分割合を定める前提とした、社会保障給付における国と地方の役割分担の整理に当たり、地方単独事業の定量的な整理を行う過程において、お尋ねの事業については、全国的に行われているものを役割分担の基礎となる地方単独事業費の積算の対象とすることが適当であることから、義務教育就学前の子供について行われているものを当該積算の対象としたところである。

十について

お尋ねの事業に要する経費については、普通交付税の基準財政需要額に算入していない。

十一について

国と地方の協議の場(以下「協議の場」という。)については協議の場における協議の概要を記載した報告書(以下「国会報告書」という。)及び議事録を、社会保障・税一体改革分科会(以下「分科会」という。)については議事録を、それぞれ作成し、いずれも公表前に各議員に対して照会を行い、記載内容の確認及び協議が調った事項として記載する内容の調整を行っている。照会は、国会報告書及び分科会の議事録については二回、協議の場の議事録については一回行っているが、平成二十三年十一月及び十二月は協議の場及び分科会が相次いで開催されたことから、各議員に対して多数回にわたり照会を行う必要があったため、国会報告書並びに協議の場及び分科会の議事録の内閣官房のホームページへの掲載に平成二十四年五月までの期間を要したものである。

十二について

協議の場及び分科会の速記録の作成については、これまでに開催された全ての会合について外部委託している。十一についてで述べたとおり、平成二十三年十一月及び十二月は協議の場及び分科会が相次いで開催されたことから、各議員に対して、国と地方の協議の場に関する法律(平成二十三年法律第三十八号)により遅滞なく国会に提出しなければならないとされている国会報告書の照会を先行し、その後、議事録の照会を行ったものである。平成二十四年四月十六日に開催された協議の場平成二十四年度第一回臨時会合の国会報告書及び議事録については、それらの照会を併せて行うことにより照会作業の効率化を図ったところである。今後とも、国会報告書並びに協議の場及び分科会の議事録については、各議員に対する照会を速やかに行うこと等により、迅速な公表に努めてまいりたい。

衆議院の原文

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