ことばで探す › 衆議院 第180回
「独立行政法人の制度及び組織の見直しの基本方針」に関する質問主意書
衆議院 第180回 第41号
質問本文
独立行政法人の見直しについては、鳩山内閣の下で、「独立行政法人の抜本的な見直しについて」(平成二十一年十二月二十五日閣議決定)により、それまでの「独立行政法人整理合理化計画」(平成十九年十二月二十四日閣議決定、以下「合理化計画」という。)が凍結された。次いで、「抜本改革の第一段階」として「独立行政法人の事務・事業の見直しの基本方針」(平成二十二年十二月七日閣議決定、以下「旧基本方針」という。)が定められ、さらに検討作業が進められた結果、今般の「独立行政法人の制度及び組織の見直しの基本方針」(平成二十四年一月二十日閣議決定、以下「新基本方針」という。)に至ったものと理解する。この間、平成二十三年五月二十七日付け質問第二一〇号において、旧基本方針の中で、合理化計画から後退したと受け取られかねない事項については、菅内閣の見解を伺ったところである。ここに、新基本方針の閣議決定を受けて、改めて合理化計画からの主たる変更点を中心に、「行政の継続性」の観点も含め、野田内閣の認識及び見解について、以下十七項目にわたり質問する。
一 新基本方針冒頭では、独立行政法人制度創設から十年以上が経過する中で、平成二十一年十二月以降の閣議決定について触れているが、制度創設時点から平成二十一年十二月以前に至る期間における独立行政法人の見直しに係る主な閣議決定を示されたい。
二 合理化計画に定められた事項は、平成二十一年十二月二十五日時点で「当面凍結し、独立行政法人の抜本的な見直しの一環として再検討する」とされたところであるが、新基本方針の策定作業に際し、合理化計画に定められた事項は、総体としてどのように反映されたのか、伺う。
三 新基本方針において、合理化計画の取り扱いは何ら触れられていないが、「行政の継続性」の観点に立って、合理化計画は引き続き凍結されているのか、廃止されたのか、内閣法制局の見解を伺う。また、廃止するのであれば、明示的な閣議決定が必要と考えるが、いかがか。
四 独立行政法人の監事の任期を延長することとされたが、平成二十年当時に内閣から提出され、廃案となった「独立行政法人通則法の一部を改正する法律案」(以下、「旧改正法律案」という。)においても、監事の任期延長が盛り込まれていたところである。当時の考え方と新基本方針との違いを伺う。
五 独立行政法人の評価主体を府省評価委員会及び政策評価・独立行政法人評価委員会から主務大臣に変更し、これらについて、制度所管府省に設置する第三者機関が点検することとされているが、制度所管府省は総務省以外も想定されているのか、伺う。
六 五に関し、旧改正法律案においても、評価機関の独立行政法人評価委員会への一元化が盛り込まれていたところである。当時の考え方と新基本方針との違いを伺う。
七 国民生活センター、酒類総合研究所及び教員研修センターの三法人は、「必要な定員・予算を確保した上で」、当該法人の機能を国に移管することとされているが、結果として移管先省庁における国家公務員の純増になるのか、確認する。また、三法人の現時点の役職員数をそれぞれ伺う。
八 統計センターについて、合理化計画では平成二十一年度に非公務員化するとされていたが、新基本方針では、「職員の身分等について検討」するとされている。両者の違い及び方針変更の理由を伺う。
九 日本万国博覧会記念機構について、合理化計画では、「大阪府とともに検討し、納得が得られれば、平成二十二年度までに独立行政法人としては廃止する」とされ、旧基本方針では、「大阪府との協議が整った時以降実施」とされていたが、新基本方針では、「大阪府との財産関係の整理に関する協議が整うことを前提に、法人を廃止」するとされている。状態が膠着しているような印象を受けるが、協議終結に向け、内閣として積極的に努力する方針であるのか、確認する。
十 国立病院機構について、合理化計画では、「非公務員化について、平成二十年度中に結論が得られるよう」にとされていたが、新基本方針では、「職員の非公務員化に伴う問題の解決に向けた所要の調整を行う」とされている。内閣として、非公務員化する趣旨であるのか、確認する。併せて、「非公務員化に伴う問題」の具体的な内容及び実施時期の見通しを伺う。
十一 農林水産消費安全技術センターについて、合理化計画では非公務員化について、「現中期目標期間終了時に改めて検討対象とする」とされ、先の内閣衆質一七七第二一〇号では「今後、必要に応じ改めて検討することとしている」との答弁があったが、新基本方針では何ら言及されていない。内閣として、非公務員化しない趣旨であるのか、確認する。併せて、この間において検討はなされたのか、また、非公務員化しない理由を伺う。
十二 日本貿易保険について、合理化計画では全額政府出資の特殊会社に移行することとされ、先の内閣衆質一七七第二一〇号では「特別会計の枠組みの在り方における新たな制度設計の中で、貿易保険の利用者に不便が生じないようにしつつ、その在り方について全般的な見直しを行うこととしている」との答弁があったが、新基本方針では合理化計画と同じく「全額政府出資の特殊会社に移行する」とされている。同じ方針となったのであれば、早期に実行すべきと考えるが、内閣の方針を伺う。
十三 製品評価技術基盤機構について、合理化計画では非公務員化について、「現中期目標期間終了時に改めて検討対象とする」とされ、先の内閣衆質一七七第二一〇号では「今後、必要に応じ改めて検討することとしている」との答弁があったが、新基本方針では何ら言及されていない。内閣として、非公務員化しない趣旨であるのか、確認する。併せて、この間において検討はなされたのか、また、非公務員化しない理由を伺う。
十四 空港周辺整備機構について、合理化計画では「独立行政法人以外での形態を含めた組織の在り方について検討を行い、平成二十二年度までに結論を得る」こととされ、先の内閣衆質一七七第二一〇号では、大阪国際空港事業本部を廃止し、「福岡空港の周辺環境対策については、国管理空港の民営化等も含めた運営の在り方についての検討結果を受けて、福岡空港の運営全体の在り方の検討を行う中で、実施主体の検討を行う」との答弁があった。新基本方針では、「福岡空港につき民間委託等を行うこととなる際に」、「新たな空港運営主体に移管する方向で検討する」とされ、一定の前進を見ているものと理解するが、内閣として、実施時期の見通しを伺う。
十五 海上災害防止センターについて、合理化計画を受けて、旧基本方針では平成二十四年度以降、「油等防除の確実な実施のために必要な枠組みを維持しつつ、実施主体は公益法人などの民間主体とする」とされていたが、新基本方針では、「これに向けた法整備を可及的速やかに進める」と、特に早急な実施の意思を示したものと理解する。ついては、法案の国会への提出時期の見通しを伺う。
十六 駐留軍等労働者労務管理機構について、合理化計画では非公務員化について、「現中期目標期間終了時に改めて検討対象とする」とされ、先の内閣衆質一七七第二一〇号では「今後、必要に応じ改めて検討することとしている」との答弁があったが、新基本方針では何ら言及されていない。内閣として、非公務員化しない趣旨であるのか、確認する。併せて、この間において検討はなされたのか、また、非公務員化しない理由を伺う。
十七 合理化計画の閣議決定から四年余、また、その凍結の閣議決定から二年余が経過した現時点で、新基本方針の内容には、合理化計画と変わらないものも見受けられ、結果として措置が遅れた部分があるように思われる。改めて、「行政の継続性」の立場に立って、合理化計画に対する野田内閣としての評価を伺う。
右質問する。
政府答弁書
一について
お尋ねの期間における独立行政法人の見直しに係る閣議決定としては、「今後の行政改革の方針」(平成十六年十二月二十四日閣議決定)、「行政改革の重要方針」(平成十七年十二月二十四日閣議決定)、「独立行政法人整理合理化計画の策定に係る基本方針」(平成十九年八月十日閣議決定)、「独立行政法人整理合理化計画」(平成十九年十二月二十四日閣議決定。以下「整理合理化計画」という。)、「独立行政法人等の役員人事に関する当面の対応方針について」(平成二十一年九月二十九日閣議決定)、「独立行政法人の契約状況の点検・見直しについて」(平成二十一年十一月十七日閣議決定)等がある。
二について
「独立行政法人の制度及び組織の見直しの基本方針」(平成二十四年一月二十日閣議決定。以下「本基本方針」という。)の策定に当たっては、整理合理化計画の考え方も踏まえつつ、現行の独立行政法人制度と全ての独立行政法人の組織の在り方について抜本的かつ一体的な見直しを行ったところである。
三について
政府としては、整理合理化計画は、「独立行政法人の抜本的な見直しについて」(平成二十一年十二月二十五日閣議決定。以下「抜本的な見直し」という。)により凍結されているところであり、これを廃止するためには、新たな閣議決定によることが必要であると認識している。
四について
第百六十九回国会に提出した「独立行政法人通則法の一部を改正する法律案」(以下「旧法案」という。)においては、監事の機能を強化するため、監事の任期を、任命後四年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する財務諸表についての主務大臣の承認の時までとすることとされていたところである。
本基本方針においては、監事の機能強化の一環として、監事の任期を延長することとされたところであるが、具体的な任期については、現在検討を行っているところである。
五及び六について
旧法案においては、独立行政法人の業績評価の内容及び質の統一性を確保するとともに、その客観性、厳格性を高めるため、内閣全体として一元的な評価機関により評価する仕組みに改め、主務省に置かれる独立行政法人評価委員会及び総務省に置かれる政策評価・独立行政法人評価委員会を廃止し、新たに総務省に独立行政法人評価委員会を設置することとされていたところである。
本基本方針においては、政策の責任主体たる主務大臣が目標を設定するものの、自ら評価を行わないという現行制度を見直し、政策実施機関としての法人の役割が的確に果たされるよう、主務大臣による実効的で一貫性のある目標・評価の仕組みを構築するため、業績評価の主体を独立行政法人評価委員会及び政策評価・独立行政法人評価委員会から主務大臣に変更するとともに、主務大臣が行う法人の中期目標の設定や中期目標期間の業績評価等の中立性及び公正性を確保するため、業績評価等について国民目線から点検を行う第三者機関を制度所管府省に設置することとされたところである。
なお、第三者機関を設置する制度所管府省については、現在検討を行っているところである。
七について
お尋ねの点については、御指摘の三法人の機能の国への移管に際し、必要に応じて定員の増減等の審査が行われるものであり、現時点で定員に係る措置が定まっているものではない。また、御指摘の三法人の平成二十四年二月一日現在の常勤の役職員数は、独立行政法人国民生活センターが役員四名及び職員百二十八名、独立行政法人酒類総合研究所が役員二名及び職員四十三名、独立行政法人教員研修センターが役員二名及び職員四十二名である。
八について
独立行政法人統計センターについては、国と連携を図りつつ、国の統計に係る製表事業等を確実かつ正確に実施することが求められているものであるが、整理合理化計画において非公務員化することとされた経緯も踏まえ、引き続き役職員の身分について検討を行い、早急に結論を得る予定である。
九について
独立行政法人日本万国博覧会記念機構については、廃止に向け、今後とも大阪府との間の財産関係の整理に関する協議が整うよう最大限努力してまいりたい。
十について
本基本方針においては、平成二十六年四月に新たな法人制度及び組織に移行することを目指して必要な措置を講じることとされており、独立行政法人国立病院機構については、固有の根拠法に基づき設立される法人とするまでに、職員の処遇に係る制度設計等国家公務員の身分に関連した制度等に関する課題を整理した上で、職員の非公務員化に伴う問題の解決に向けた所要の調整を行うこととしている。
十一について
独立行政法人農林水産消費安全技術センターについては、品質に関する表示の基準が定められた農林物資や飼料の製造業者への立入検査など、停滞が許されず、かつ、公権力の行使を伴う事務・事業を実施していること、本基本方針において「国の判断と責任の下で、国と密接な連携を図りつつ、確実・正確な執行に重点を置いて事務・事業を行う法人」(以下「行政執行法人」という。)とすることとされたこと等を踏まえ、引き続き役職員の身分について検討を行っているところである。
十二について
独立行政法人日本貿易保険の全額政府出資の特殊会社への移行については、「特別会計改革の基本方針」(平成二十四年一月二十四日閣議決定)において、貿易再保険特別会計を廃止し、独立行政法人改革の結果である新法人としての日本貿易保険に移管するものとし、平成二十五年の通常国会に法案を提出することとされていることを踏まえ、新たな貿易保険制度の設計を行った上で、貿易再保険特別会計の廃止等を実施するための法律案と併せて、同年の通常国会に所要の法律案を提出する予定である。
十三について
独立行政法人製品評価技術基盤機構については、国際条約に基づく査察への対応や消費生活用製品安全法(昭和四十八年法律第三十一号)に基づく製品事故の原因究明など、停滞が許されず、かつ、高度な公平性・中立性が要求される事務・事業に加え、立入検査業務といった公権力の行使を伴う事務・事業を実施していること、本基本方針において行政執行法人とすることとされたこと等を踏まえ、引き続き役職員の身分について検討を行っているところである。
十四について
平成二十三年七月二十九日に公表された「空港経営改革の実現に向けて(空港運営のあり方に関する検討会報告書)」においては、おおむね平成三十二年度中を目途に国が管理する空港全ての経営改革を実現することを基本目標として、平成二十六年度以降順次民間委託等を進めるよう提言されているところであり、独立行政法人空港周辺整備機構については、今後この提言を踏まえた改革を進めていく中で、福岡空港の周辺環境対策を新たな空港運営主体に移管する方向で検討を行っていくこととしている。
十五について
独立行政法人海上災害防止センターの解散及びこれに伴う指定法人制度の創設に係る法律案については、平成二十四年二月下旬に国会に提出する予定である。
十六について
独立行政法人駐留軍等労働者労務管理機構については、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約(昭和三十五年条約第六号)に基づく我が国の責務を果たすため、停滞が許されない事務・事業を実施していること、本基本方針において行政執行法人とすることとされたこと等を踏まえ、引き続き役職員の身分について検討を行っているところである。
十七について
お尋ねの点については、抜本的な見直しにおいて、「従来の独立行政法人の改革は抜本的な見直しとして徹底されたものとは言い難く、国民の不信感は払拭されていない。」とされているところである。政府としては、こうした認識の下、全ての独立行政法人の全事務・事業及び全資産を見直して「独立行政法人の事務・事業の見直しの基本方針」(平成二十二年十二月七日閣議決定)を策定し、これに基づく取組を着実に進めるとともに、今般、現行の独立行政法人制度と全ての独立行政法人の組織の在り方について抜本的かつ一体的に見直しを行い、本基本方針を策定したところであるが、これらの策定に当たっては、整理合理化計画の考え方も踏まえつつ、検討を行ったところである。
似た質問主意書
件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。