ことばで探す › 衆議院 第189回
商品先物取引法における不招請勧誘禁止緩和に関する再質問主意書
衆議院 第189回 第182号お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×1
質問本文
経済産業省及び農林水産省は、平成二十七年一月二十三日に商品先物取引法施行規則の一部を改正する省令(以下「本省令」という。)を定めた。
本省令は、商品先物取引法施行規則第一〇二条の二を改正して、顧客が六十五歳未満で一定の年収若しくは資産を有する者である場合に、顧客の理解度を確認するなどの要件を満たした場合を例外とする規定を、不招請勧誘の禁止の例外として盛り込んだものであるが、消費者保護の観点からはそぐわないと考える。
従って、次の事項について再質問する。
一 勧誘を要請しない顧客に対しても、訪問や架電をし、当該顧客が省令第一〇二条の二第二号及び第三号の条件を満たすかどうか判明しない間になされたセールストークを含む実質的な勧誘は、法第二一四条第九号が禁止する不招請勧誘に該当するのか。セールストークを含む実質的な勧誘がなされた後に、当該顧客が当該条件を満たさないことが判明した場合は、当該実質的な勧誘は法第二一四条第九号が禁止する不招請勧誘に該当するのか。
二 省令第一〇二条の二第三号につき、年金が生計に占める割合、年収、金融資産の確認につき、本省令は顧客による内訳申告書の提出を求めるに過ぎず、客観的な収入資産証明書類の提出を求めるものではない。年金額を証明する公的書類、金融機関の口座残高証明書や源泉徴収票、確定申告書類(写しを含む)の提出を求めるべきと考えるがどうか。
三 契約締結後十四日間の熟慮期間を確保することについて、海外商品市場における先物取引の受託等に関する法律に設けられた同種の規制が委託者保護のために機能したという認識か。その根拠は何か。また、監督指針の改正案�U−四−三−一(五)�Fロ(�C)では、十四日間の熟慮期間中に顧客からの求めがない限り、当該顧客への情報提供等の顧客への接触を行うことは適当でない、とするが、顧客からの求めがあったか否かを主務省はどのように確認するのか。
四 一年以内の投資上限額を年収と保有金融資産の合計額の三分の一とするのはなぜか。ハイリスク取引に投資できる金額として過大にすぎると考えるがどうか。また、投資上限額の設定の制度は、むしろ、商品先物取引業者において投資上限額を大きくさせるために、顧客に年収や保有金融資産を過大に申告させる動機ともなりかねないと考えるがどうか。
五 本省令第一〇二条の二第三号ハ(三)の「当該商品先物取引業者が当該取引を自己の計算においてしたものとみなすこと」という規定における「当該取引」とは何をさすか。当該顧客との間の全取引を指すという理解でよいか。
六 契約締結後の熟慮期間の確保、投資上限額の設定及び違反があった場合に商品先物取引業者の計算においてしたものとみなすとする制度は、新たな取引類型の創設であり、これらにより通常取引の一つとして、委託者保護を図ることが特に必要な取引に該当しない取引類型になるとすれば、それは本来、政令で定められるべきものであると考えるがどうか。
七 本省令は、二〇一三年六月十四日に閣議決定された規制改革実施計画を受けて見直しを行ったとするものであるが、同計画では「行為規制については、垣根を取り払い横断的に市場環境を整備するとの基本的な考え方の下で、関係法令を整備する。」とされている。しかし、総合取引所で適用される金融商品取引法における商品先物取引の不招請勧誘禁止の例外は、実質的には当該金融商品取引業者等に口座を開設している者及び当該金融商品取引業者と商品先物取引契約を締結している者(自社顧客)に限定されている(金融商品取引業等に関する内閣府令第一一七条第八号の二)。なお、自社顧客以外に対しては、勧誘受諾意思確認のための訪問又は電話を禁止することにより、実質的に不招請勧誘を禁止している。
他方、本省令は、他社との契約者に対しても、訪問し、又は電話をかけて契約締結を勧誘する行為を容認するというものである。
したがって、本省令は横断的な規制の整備という観点を充足しないと考えるがどうか。
八 本省令の附則第二条第二項は、この省令の施行後、商品先物取引業者による勧誘の実態が著しく委託者の保護に欠ける状況にあると認めるときは、速やかに所要の措置を講ずるものとする、とする。
しかし、商品先物取引法第二一四条第九号が不招請勧誘の禁止の例外として省令に委任しているのは、「委託者等の保護に欠け、又は取引の公正を害するおそれのない行為」である。法は「委託者等の保護に欠け」と定めるのに対し、本省令の附則で「著しく委託者の保護に欠け」とするのは、法律の定める要件を省令の附則で書き直すものである点で問題ではないか。
九 附則にいう「著しく委託者の保護に欠ける状況にあると認めるとき」とはどのような場合を指すのか。また、その場合に行う「所要の措置」というのはどのようなものか。本省令の廃止を含むと理解してよいのか。
十 省令第一〇二条の二第二号及び第三号の条件を満たすような顧客でも、これまで商品先物取引により被害を受けてきた事実がある。本省令は仮にその運用が適正になされたとしても、これまでにも被害を受けてきたことがあっても一定の条件を満たす顧客への不招請勧誘による契約締結を認める点において、消費者保護の視点に逆行するものと考えるが如何。
十一 本省令の改正が商品先物取引の活性化を図るとして、事業者等のかかわることに関し定めることを主たる目的としても、商品先物取引を行う消費者そのものへの配慮が明示されていないものと考える。事業者等の営利活動の手法が根本的に変わることのない限りは、消費者とりわけ高齢者等の商品先物取引そのものを深く理解しない人々が、その活動の対象となり被害におよぶという事例は生ずるものと考える。消費者を保護する施策や対策をどのように講じうるものかを示していただきたい。
右質問する。
政府答弁書
一について
御指摘の「セールストークを含む実質的な勧誘」の意味するところが必ずしも明らかでないが、お尋ねについては、先の答弁書(平成二十七年三月二十日内閣衆質一八九第一二七号)一及び二についてでお答えしたとおり、商品先物取引業者は、商品取引契約の締結の勧誘の要請をしていない顧客に対し、当該勧誘に先立って他社での取引経験の有無等の商品取引契約を締結することができる条件の説明を行い、当該顧客が当該条件を満たすか否か確認することは認められるが、当該顧客が当該条件を満たさないことが判明したにもかかわらず勧誘を行った場合には、商品先物取引法(昭和二十五年法律第二百三十九号。以下「法」という。)第二百十四条第九号の規定に違反することとなる。
二について
商品先物取引法施行規則の一部を改正する省令(平成二十七年農林水産省・経済産業省令第一号。以下「改正省令」という。)による改正後の商品先物取引法施行規則(平成十七年農林水産省・経済産業省令第三号。以下「新省令」という。)第百二条の二第三号ロにおいて、商品先物取引業者が顧客の年収や金融資産等について書面により確認し、かつ、これを十年間保存することを条件として行う勧誘行為を、法第二百十四条第九号に規定する「委託者等の保護に欠け、又は取引の公正を害するおそれのない行為」に該当するものとして定めた趣旨は、口頭により確認するだけでは委託者の保護に欠けるおそれがあると考えたからであり、お尋ねのような書類に限定して当該確認及び当該保存を行うこととする必要はないと考えている。
三について
新省令第百二条の二第三号ハ(1)に規定する十四日以内の期間(以下「熟慮期間」という。)は、顧客が商品先物取引を行うかどうかについて、契約の締結後に再考する期間を確保するためのものであるが、平成二十三年一月一日に廃止された海外商品市場における先物取引の受託等に関する法律(昭和五十七年法律第六十五号)第八条第一項に規定する期間のみと比較されるべきものではなく、年齢に関する要件、年収や金融資産に関する要件、新省令第百二条の二第三号イ(3)(�@)に規定する「法第二百十七条第一項第一号から第三号までに掲げる事項について適切な理解をしていること」の確認に関する要件及び新省令第百二条の二第三号ハ(2)の投資上限額の設定に関する要件等の重層的な顧客保護に関する要件と相まって、委託者保護に資するものであると考える。また、熟慮期間中に顧客から求めがあったかどうかについては、御指摘の「商品先物取引業者等の監督の基本的な指針」において、「外務員は、熟慮期間・・・中の顧客に対し、顧客自らの意思で商品先物取引を行うか否か判断することを促す観点から、顧客からの求めがない限り、当該顧客への情報提供等の顧客への接触を行うことは適当でない。」としているところであり、顧客から寄せられた苦情及び相談並びに報告徴収及び立入検査により得られた個々の情報に基づいて確認するものと考えている。
四について
新省令第百二条の二第三号ハ(2)で、投資上限額を設け、その額を顧客の年収と保有金融資産額との合計額の三分の一以下としている趣旨は、商品先物取引により顧客に損失が生じたとしても、顧客の日常生活に必要な資金が確保されるようにするためであり、お尋ねのように「過大にすぎる」とも「動機ともなりかねない」とも考えていない。
五について
お尋ねの「当該取引」については、商品先物取引業者が新省令第百二条の二第三号ハ(3)(�@)から(�B)のいずれかに該当する場合に行った法第二条第三項各号に掲げる取引に該当する先物取引を指している。
六について
御指摘の「新たな取引類型」については、その意味するところが必ずしも明らかではないため、お答えすることは困難であるが、新省令第百二条の二第二号及び第三号の規定は、法第二百十四条第九号に規定する「委託者等の保護に欠け、又は取引の公正を害するおそれのない行為」に該当する勧誘行為を定めたものである。
七について
「規制改革実施計画」(平成二十五年六月十四日閣議決定。以下「閣議決定」という。)における御指摘の「行為規制については、垣根を取り払い横断的に市場環境を整備するとの基本的な考え方の下で、関係法令を整備する。」との文言については、いわゆる総合取引所における商品関連市場デリバティブ取引に係る行為規制について記載したものであり、御指摘の金融商品取引業等に関する内閣府令(平成十九年内閣府令第五十二号)第百十七条第一項第八号の二の規定は、これを受けて定められたものである。一方、改正省令は、閣議決定で「勧誘等における禁止事項について、顧客保護に留意しつつ市場活性化の観点から検討を行う」とされたことを受け、法に規定する勧誘規制の見直しを行ったものである。
八及び九について
新省令第百二条の二第二号又は第三号に規定する勧誘については、法第二百十四条第九号に定める「委託者等の保護に欠け、又は取引の公正を害するおそれのない行為」に該当するものとして定めたものである。改正省令附則第二条第一項では、改正省令の施行後一年を目途として、改正省令の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講じることを規定しており、改正省令附則第二条第二項の規定は、改正省令の施行後一年を経過しない期間において、仮に、商品先物取引業者による新省令の規定に違反するような勧誘行為が多発すること等により勧誘の実態が委託者の保護に欠けると認める場合にあっては、新省令の見直しを含め、速やかに所要の措置を講ずるという主務大臣の取るべき対応を定める趣旨であって、法第二百十四条第九号に規定する不当な勧誘行為の内容を変えるものではない。
十及び十一について
経済産業省及び農林水産省としては、改正省令に係るパブリックコメントに寄せられた意見等の趣旨を踏まえ、年齢等のほか、年収や保有金融資産額等の観点からも商品先物取引業者が商品取引契約の締結について勧誘することができる顧客を限定するなど、当該パブリックコメントに付した案よりも更に顧客の保護を図った上で、改正省令を定めたところである。改正省令は重層的な委託者保護の仕組みを導入しているが、委託者の保護のため必要がある場合等は、適時適切な措置を講じていく考えである。
似た質問主意書
件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。