Kurage 質問主意書アシスト

ことばで探す › 衆議院 第190回

TPP協定案に関税撤廃の除外規定がないことにより生じる影響等に関する質問主意書

衆議院 第190回 第186号趣旨が明らかではない ×1

提出者
無所属
提出日
2016年3月11日
内閣転送 2016年3月16日
答弁書受領日
2016年3月22日
提出から11日
答弁の項目数
5
質問 1,636字/答弁 1,313字

質問本文

去る三月八日、政府は、環太平洋連携協定(TPP)の承認案と、関連十一法の改正事項を提出し、今国会での協定承認と法案成立を目指すことを明らかにした。

TPPについては、昨年十月の大筋合意の際に、国民や国会に十分な説明や議論を行わないまま、一方的に合意に向けた取り組みを進めたことから、国民の顰蹙を買ったところである。政府は、今回、またしても同様に強引に進めようとしていることに対して、国民から批判や疑問の声が相次いで挙がっている。

しかも今回は、米国やカナダ等TPP推進国さえ、国内での議論の目途すら立たない中での取り組みであることから、極めて突出した動きとして驚きを持って受け止められており、なぜ日本だけが今国会中の承認を目指さなければならないかという素朴な疑問が巻き上がっている。

また、農産物重要五項目の関税を守るとした国会決議は、関税の完全撤廃が免れたことからかろうじて遵守された形となっているが、これとてTPP協定案に関税撤廃の除外規定がないことや、安価な輸入肉や糖等に調整金を課して畜産農家やサトウキビ農家の赤字補填を行う経営安定対策や糖価調整対策等の制度の維持が輸入の拡大に伴い危ぶまれていることからすれば、いつ吹っ飛んでもおかしくない状況下にある。

しかし、政府は、このような疑問や指摘に対して十分対応しようとしていない。このため、農家の不安は依然として解消されていない。また政府の試算に対してもあまりにも恣意的で楽観的すぎるとの指摘や批判が高まっている。さらに、多くの国民から政府はもっと丁寧に議論を積み重ねて、慎重に進めるべきであるとの指摘や批判が相次いでいる。

そこでお尋ねする。

一 米国やカナダ等TPP推進国においては、国内での議論の目途すら立たない状況であると承知している。なぜTPP推進国さえ国内の議論が進まないのかその理由を明らかにされたい。

二 政府は七月初めまでにTPP協定の承認を目指していると承知しているが、TPP交渉参加国毎に、承認時期の見通しを明らかにされたい。

三 政府が七月初めまでにTPP協定の承認を目指す理由は何か。巷では夏の参議院選挙でのTPPの焦点化を避けたいとの思惑があると噂されているが事実か。

四 政府は昨年十二月に、TPPにより農林水産物の国内生産額は最大二千百億円減少するものの、日本全体の国内総生産(GDP)は約十三兆六千億円拡大するとの試算を公表したと承知している。これに対し巷では極めて恣意的であり、お手盛りで楽観的過ぎるとの批判がある。この批判に対して政府はどう考えるか。

五 去る二月三日の衆議院予算委員会において、福島伸享委員がTPP協定案の中に「関税撤廃のための再協議に関する規定」や「関税撤廃の期間を繰り上げるための協議を求める規定」が存在することを指摘したと承知している。福島伸享委員の指摘のとおりTPP協定案にこの規定二つが存在していることは事実か。この規定二つが条約案に盛り込まれた理由は何か。

六 TPP協定案の中に「関税撤廃のための再協議に関する規定」や「関税撤廃の期間を繰り上げるための協議を求める規定」が存在するならば、協定が発効した後の七年後に他の加盟国から求めがあれば、日本は全ての関税に対し再協議、または期間を繰り上げて再協議しなければならないことになる。そうなると全農産物で関税が撤廃されることになると思われるが、政府の認識と考えはどうか。

七 質問六に関連して、識者は、「関税撤廃のための再協議に関する規定」他一件の規定に基づき、農産物重要五項目の関税も結局、再協議で関税撤廃を前提に協議され、長期的には順次関税撤廃されていくことになると指摘しているが、政府の認識と考えはどうか。

八 TPP協定が発効した後に、畜産農家やサトウキビ農家の赤字補填を行う経営安定対策や糖価調整対策等の現行制度を維持することは可能なのか。そしてそれは政府として保証出来るか。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一及び二について

政府としては、我が国以外の環太平洋パートナーシップ(以下「TPP」という。)協定交渉参加国の国内の議論についてお答えする立場にないが、昨年十一月のTPP首脳会合において、十二箇国の首脳は、TPP協定の早期発効を目指すことを確認している。

三について

TPP協定は、アジア太平洋地域に、自由、民主主義、基本的人権、法の支配といった普遍的価値を共有する国々と共に、二十一世紀にふさわしい新たな経済ルールを作り、人口八億人、世界経済の四割近くを占める広大な経済圏を生み出すものであり、安倍内閣の「成長戦略の切り札」となるものである。政府としては、TPP協定を早期に発効させ、その効果を実現させることが極めて重要であると考えており、我が国が率先して動くことで、早期発効に向けた機運を高めていきたいと考えている。このため、TPP協定及び環太平洋パートナーシップ協定の締結に伴う関係法律の整備に関する法律案(以下「整備法案」という。)について本年三月八日に閣議決定し、今国会に提出したところである。

四について

昨年十二月二十四日に内閣官房が公表した「TPP協定の経済効果分析」においては、農林水産物への影響については、個別品目ごとに精査し積み上げ、この結果を、一般均衡モデル(いわゆるGTAPモデル)に組み入れている。その上で、TPP協定の広範な合意内容及び生産性向上や労働供給増の効果を含めた成長メカニズムを明らかにする必要があることを踏まえ、包括的な分析を行ったものである。

五から七までについて

TPP協定には、本年二月三日の衆議院予算委員会において福島伸享委員が指摘した第二・四条3及び同協定附属書二−Dの日本国の関税率表の一般的注釈9の規定がある。

外交上のやり取りの詳細について明らかにすることは、相手国との関係もあり差し控えたいが、TPP協定に限らず、経済連携協定では、見直し・再協議に関する規定が設けられることは一般的であると認識している。TPP協定において、これらの規定は、あくまでも要請に基づき協議することを定めるものである。

いずれにしても、TPP協定交渉は、関税だけではなく、多くの分野について同時並行で交渉を行い、全体の分野を通じたバランスに配意し、ぎりぎりのところで合意に至ったものであり、TPP協定発効後に何らかの協議を行う場合であっても、このような経緯を十分踏まえ、慎重な対応を行うことが必要であると考えており、我が国の国益を害するような合意をすることはない。

八について

御指摘の「現行制度」が具体的に何を指すのか必ずしも明らかではないが、TPP協定発効後の畜産農家及び甘味資源作物農家の経営安定に向けては、例えば、肉用子牛生産安定等特別措置法(昭和六十三年法律第九十八号)に基づく生産者補給金等の交付及び砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律(昭和四十年法律第百九号)に基づく価格調整に関する措置を引き続き実施していくこととしており、また、肉用牛肥育経営安定特別対策事業及び養豚経営安定対策事業についても、法律に基づく措置として実施するため、整備法案に所要の規定を設けたところである。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

趣旨が明らかではない ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

似た質問主意書

件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。

提出 2018年3月5日 逢坂 誠二(立憲民主党・市民クラブ) 答弁 2018年3月13日
提出 2015年6月30日 仲里 利信(無所属) 答弁 2015年7月10日
衆議院 第189回 第298号個別の事案 ×1
提出 2016年3月17日 玉木 雄一郎(民主・維新・無所属クラブ) 答弁 2016年3月29日
衆議院 第190回 第198号
提出 2016年3月31日 岡本 充功(民進党・無所属クラブ) 答弁 2016年4月8日
衆議院 第190回 第231号

この論点で次の質問を書くなら

アシストで並べる