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GPIFの年金積立金の運用姿勢に関する質問主意書

衆議院 第192回 第14号お答えすることは困難 ×2趣旨が明らかではない ×6仮定の質問 ×1

提出者
民進党・無所属クラブ
提出日
2016年9月27日
内閣転送 2016年10月3日
答弁書受領日
2016年10月7日
提出から10日
答弁の項目数
9
質問 1,763字/答弁 2,220字

質問本文

年金積立金管理運用独立行政法人(「GPIF」という。)は、厚生年金保険法および国民年金法の規定に基づき、厚生労働大臣から寄託された積立金の管理及び運用を行うことを目的としている。またGPIFは、収益を国庫に納付することで、厚生年金保険事業および国民年金事業の運営の安定に資することとされている。

しかしながら、二〇一五年八月のいわゆるチャイナショック以来、株式市場の下落傾向は続いており、GPIFは二〇一五年度に五兆数千億円の運用損失を出し、二〇一〇年度以来、五年ぶりに赤字となったという報道は記憶に新しい。これは政府が二〇一四年十月からGPIFの年金積立金の株式市場での運用割合を増やしたことの影響が大きいとの指摘がある。

このような結果を受け、国民には将来の年金支給額が減額されるのではないかという不安が広がっている。塩崎恭久厚生労働大臣は、平成二十八年六月二十八日の記者会見で、「短期的な変動に伴う評価損というのは当然あり得るわけでありますが、私達は短期的な、日々の動きに注目しているわけではなくて、長い目で見て、年金受給者にとって必要な資金を確保できるかどうかという観点でやっています。」と説明するものの、株式市場では依然として株安傾向が続いており、政府の年金積立金の運用方針には疑義があるので、以下質問する。

一 GPIFにおける年金積立金の運用について、資金の規模とそれぞれの運用種別について具体的に示されたい。

二 年金積立金の運用について、「運用益を確保すると同時に運用のリスクを低減させるため」に、「運用先や運用方式についてどのような組み合わせをする方針」を持っているのか。政府の見解を示されたい。

三 GPIFは、「名目賃金上昇率+一.七%」という目標運用利回りを想定しているのか。政府の見解を示されたい。

四 GPIFは、五年平均、あるいは十年平均の年金積立金の運用利回りの目標をどの程度に想定しているのか。市場の動向によって、目標利回りが得られない場合、どのような対策をしようと考えているのか。政府の見解を示されたい。

五 GPIFは平成二十六年十月から国内外株式での運用を五十%に倍増したが、平成二十七年八月のチャイナショック以来、依然として株安が続いている。かかる判断は現時点でも正しかったと考えているのか。かかる判断の評価について、政府の見解を示されたい。

六 今後、株式市場の下落傾向が長期的に続き、GPIFの年金積立金に大きな損失が生じた場合でも、将来の年金給付が減少することはないと政府は明言できるのか。政府の見解を示されたい。

七 購入した株式はどこかの時点で売却して利益を確定しなければならない。この利益確定にともない、市場にGPIFの保有する株式が売りに出た場合、当然、その市場価格は下落する。また、年金積立金の運用利回りが悪い場合、その損失の穴埋めなどのために保有株式の売却の必要に迫られ、さらに大量の株式の売却が迫られることになるが、一方で、市場価格の下落を加速させる要因となる。GPIFは保有株式の出口戦略についてどのように考えているのか。政府の見解を示されたい。

八 年金積立金の運用について、GPIFは日常的にどのような評価機関を持っているのか。週一回会議を行い運用状況の報告をするなどの会合を持っているのか。また受益権者である国民にはどのような形で情報公開が行われているのか。政府の取り組みを示されたい。

九 GPIFの年金積立金の運用について、多くの国民が大きな不安を持っている。政府はこの不安を払しょくするために十分な努力をしているのか。多くの国民は政府の取り組みが不十分であり、将来の年金額に影響を及ぼすと感じている。このような国民の不安に対して、政府はどのような取り組みをしているのか、具体的に示されたい。

十 GPIFの年金積立金の運用先を国内株式とする場合、その運用資金の規模の大きさから、GPIFが日本の上場企業の事実上の大株主になり得る。特に、その時の政権の意向で運用積立金の運用量を倍増させるなどした場合、日本の株式市場に大きな影響を与える。このような行為は、結果として、日本の株式市場を歪めることにはならないのか。政府の見解を示されたい。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

お尋ねの「資金の規模とそれぞれの運用種別」の意味するところが必ずしも明らかではないが、年金積立金管理運用独立行政法人(以下「GPIF」という。)の平成二十七年度末の運用資産額の合計は約百四十兆六千二百七十一億円であり、その運用資産額の内訳は、国内債券約五十二兆八千十億円、国内株式約三十兆五千八百九億円、外国債券約十八兆九千三百八十八億円、外国株式約三十一兆七百十四億円及び短期資産約七兆二千三百五十一億円である。

二及び三について

お尋ねの「「運用益を確保すると同時に運用のリスクを低減させるため」に、「運用先や運用方式についてどのような組み合わせをする方針」」の意味するところが必ずしも明らかではないが、厚生労働省においては、平成二十七年四月一日に定めた中期目標の中で、GPIFに対して、長期的に積立金の実質的な運用利回り(積立金の運用利回りから名目賃金上昇率を差し引いたものをいう。)一・七パーセントを最低限のリスクで確保することを目標とし、この運用利回りを確保するよう、基本ポートフォリオを定め年金積立金の管理を行うこと、年金積立金については分散投資による運用管理を行うこと等を求めている。

四について

GPIFにおいては、基本ポートフォリオの策定に際してはその想定運用期間を二十五年としており、お尋ねの「五年平均、あるいは十年平均の年金積立金の運用利回りの目標」は想定していないものと承知している。また、御指摘の「目標利回り」の意味するところが必ずしも明らかではないが、それが「五年平均、あるいは十年平均の年金積立金の運用利回りの目標」を意味するのであれば、GPIFは当該運用利回りの目標を想定していないことから、お答えすることは困難である。

五について

GPIFは、平成二十八年三月に、直近(平成二十八年二月)までの経済・市場データを織り込み、長期的な運用利回り等の試算や将来の積立金の見込みに関するシミュレーションを行って、基本ポートフォリオの定期検証を実施した。その結果、金利低下の影響等により、国内債券の期待リターン低下の影響は見られるが、現行の基本ポートフォリオは効率的で、おおむね目標利回りを満たしていること及び現行の基本ポートフォリオを策定した時と比較して、運用残高が年金財政で必要とされる積立金水準を下回るリスクが低下し、必要な積立金水準を確保できる見通しが高まったことを確認し、現行の基本ポートフォリオを変更する必要はないとの結論に至っているものと承知している。

六について

お尋ねについては、仮定の質問であることからお答えすることは差し控えたい。

七について

お尋ねの「保有株式の出口戦略」の意味するところが必ずしも明らかではないが、それがGPIFの保有する資産の売却の時期、方法等を意味するのであれば、GPIFにおいては市場その他の民間活動に与える影響に留意して、これらを公表していないと承知しているためお答えすることは困難である。

八について

お尋ねの「評価機関」の意味するところが必ずしも明らかではないが、GPIFには、経済又は金融に関して高い識見を有する者その他の学識経験を有する者からなる運用委員会が設置されており、同委員会によって年金積立金の管理及び運用に関する業務の実施状況が監視されている。また、GPIFは、毎年度年金積立金の運用状況を記載した業務概況書の作成及び公表並びに四半期ごとの年金積立金の運用状況の公表をしている。なお、厚生労働省としても、必要に応じて運用状況についてGPIFから報告を徴するとともに、独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)に基づいて毎年度厚生労働大臣がGPIFの業務の実績についての評価等を行っている。

九について

年金積立金の運用については、適切な情報を分かりやすく丁寧に説明を行っていくことが必要である。このため、GPIFでは、ホームページ等を活用した広報活動を展開している。さらに本年度から保有している債券及び株式の銘柄の全面開示に踏み切るなど、情報の開示について積極的に取り組んでいるものと承知している。政府としても、中期目標においてGPIFに国民に対する情報公開・広報活動の充実を求めるとともに、年金積立金の運用に関する広報や、年金積立金の運用に関係する審議会における審議内容等について情報開示を行うなどの取組を進めている。

十について

お尋ねの「その時の政権の意向で運用積立金の運用量を倍増させるなどした場合、日本の株式市場に大きな影響を与える。このような行為は、結果として、日本の株式市場を歪めることにはならないのか」の意味するところが必ずしも明らかではないが、年金積立金の管理及び運用に当たっては、厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)及び国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)において専ら被保険者の利益のために、長期的な観点から、安全かつ効率的に行うことにより、将来にわたって、年金事業の運営の安定に資することを目的として行う旨が定められている。また、年金積立金管理運用独立行政法人法(平成十六年法律第百五号)第二十条第二項において、年金積立金の運用が市場その他の民間活動に与える影響に留意すべき旨が定められており、GPIFにおいて市場への影響に留意しつつ被保険者の利益となるように運用が行われているものと承知している。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×2趣旨が明らかではない ×6仮定の質問 ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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