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新型コロナウイルス感染症の水際対策の法的根拠等に関する質問主意書

衆議院 第204回 第183号お答えすることは困難 ×8承知していない ×1

提出者
国民民主党・無所属クラブ
提出日
2021年6月10日
内閣転送 2021年6月16日
答弁書受領日
2021年6月22日
提出から12日
答弁の項目数
12
質問 3,720字/答弁 2,966字

質問本文

現在、政府は、新型コロナウイルス感染症の水際対策を強化するため、出国前検査証明書の提示、入国時の検査、検疫所が確保する宿泊施設等での待機、公共交通機関の不使用などの誓約書の提出などを行っているとしている。それぞれの事実関係および法的根拠について質問する。

一 出国前検査証明書の提示について

1 現在、検疫所は、我が国への入国者に対し、出国前検査証明書の提示を求めている。出国前検査証明書の提示は、入国者の法的義務なのか、協力事項にとどまるのか、根拠条文とともに明らかにし、あわせて提示を拒否した事例の有無、件数および日本人帰国者の内訳を示したうえで、提示拒否への対応を説明されたい。

2 厚生労働省サイトの「水際対策の抜本的強化に関するQ&A」には、「令和三年三月十九日より、検査証明書を提出できない方は、検疫法に基づき、日本への上陸が認められません。」と記されている。この「検査証明書を提出できない方」には、日本人帰国者が提出した検査証明書を検疫官が無効と判断した場合も含まれるのか。また、検査証明書の不提出、または証明書の無効により、上陸を拒否する場合、その措置の根拠条文は何か。

3 検査証明書の不提出、または証明書の無効により、日本人帰国者が出発地の外国に送還された事例があると報道されている。そうした事由により上陸を拒否した件数、出発地の外国に送還した件数、およびそれぞれの日本人帰国者の内訳を明らかにされたい。また、出発地の外国に送還された日本人帰国者がいる場合、当該外国で問題なく受け入れられ、その後、無事帰国を果たしているのか、根拠条文とともに明らかにされたい。

4 3の事例のうち、出発地の外国に送還された日本人帰国者がいる場合の送還措置は、我が国が批准している「市民的及び政治的権利に関する国際規約(自由権規約)」の第十二条4「何人も、自国に戻る権利を恣意的に奪われない」との規定に抵触する可能性があり、送還ではなく空港で留め置き、検査を行うこともできたのではないかと考えられる。当該措置が適法、適切であったと言えるのか、明らかにされたい。

5 3の措置を行ったことがある場合、行政手続法第十二条ないし第三十一条に基づく所定の手続きがとられているのかどうか、行政指導に従わなかったことを理由とする不利益な取扱いを禁止する同法第三十二条第二項に違反していないと言えるのか、明らかにされたい。

二 入国時の検査について

1 現在、我が国への入国者に対し、新型コロナウイルスの検査を実施しているが、入国時の検査は、入国者の法的義務なのか協力事項にとどまるのか、根拠条文とともに明らかにされたい。

2 入国者が1の検査を拒否した事例において、送還、宿泊施設での待機要請、または停留処分その他の措置は行政手続法第十二条ないし第三十一条に基づく所定の手続きがとられているのかどうか、行政指導に従わなかったことを理由とする不利益な取扱いを禁止する同法第三十二条第二項に違反していないと言えるのか、明らかにされたい。

3 入国者が1の検査を拒否した事例において、2のいかなる措置もとらず、検査を実施しないまま入国を認めたことがある場合は、その件数、および日本人帰国者の内訳を、そのような対応をとった理由とともに明らかにされたい。

三 宿泊施設での待機について

1 現在、検疫所は、我が国への入国者に対し、入国後十四日間の自宅等での待機を求めるとともに、一部の国、地域に過去十四日間滞在歴がある者については、検疫所が指定する宿泊施設で三日間ないし十日間の待機を求めているが、宿泊施設の待機は、入国者の法的義務なのか、協力事項にとどまるのか、根拠条文とともに明らかにされたい。

2 入国者が1の要請を拒否した事例がある場合、どのように対応したか。送還、停留処分その他の措置(不利益な取扱いを含む)を行ったことがある場合は、根拠条文とともにそれぞれの件数、および日本人帰国者の内訳をお示しいただきたい。また、それらの措置をとらず、対象者に宿泊施設での待機もさせないまま、入国を認めたことがある場合は、その件数および日本人帰国者の内訳、そのような対応をとった理由についても、明らかにされたい。

3 2の措置は行政手続法第十二条ないし第三十一条に基づく所定の手続きがとられているのかどうか、行政指導に従わなかったことを理由とする不利益な取扱いを禁止する同法第三十二条第二項に違反していないと言えるのか、明らかにされたい。

四 誓約書の提出について

1 現在、検疫所は、我が国への入国者に対し、十四日間の公共交通機関の不使用、自宅等での待機、健康状態の報告、位置情報の保存・提示、接触確認アプリの導入について誓約書の提出を求めているが、誓約書に記載された誓約事項及び誓約書の提出は、入国者の法的義務なのか、協力事項にとどまるのか、根拠条文とともに明らかにされたい。

2 入国者が誓約書の提出を拒否した事例、および全部または一部に同意しない意思を示して誓約書を提出した事例がある場合、どのように対応したか。公表、停留処分その他の措置(不利益な取扱いを含む)を行ったことがある場合は、それぞれの件数、および日本人帰国者の内訳を明らかにされたい。これらの措置もとらず、入国を認めたことがある場合は、その件数、および日本人帰国者の内訳も明らかにされたい。そのような対応をした理由についても、明らかにされたい。

3 2の措置を行ったことがある場合、当該措置は行政手続法第十二条ないし第三十一条に基づく所定の手続きがとられているのかどうか、行政指導に従わなかったことを理由とする不利益な取扱いを禁止する同法第三十二条第二項に違反していないと言えるのか、明らかにされたい。

五 停留について

1 検疫法は、検疫法第二条第二号に掲げる感染症に感染したおそれのある者について、検疫所長が、合理的に必要と判断される限度において停留させることができ、その場合、検疫所長が指定する宿泊施設内に収容する方法により停留させることができるとする(検疫法第十四条第一項第二号、第十六条第二項)。ここにいう「感染症に感染したおそれのある者」とは「感染症の患者と接触した者」をいうとの政府答弁がある(第百六十九回国会参議院厚生労働委員会、平成二十年四月二十四日)が、この見解に変更はないか。もし変更したのであれば、いつ、どのような形で変更されたのか、明らかにされたい。

2 1の見解に変更がないのであれば、入国者が提示した出国前検査証明書による陰性証明が有効と判断され、かつ、入国時の検査で陰性と判断された場合、当該入国者が「感染症の患者と接触した者」であると確認されない限り、「感染症に感染したおそれのある者」に該当しないため、検疫法に基づく停留はできないと考えられるが、そのような認識でよいか。

3 検疫法に基づく停留に関しては、平成二十一年五月十三日付けで、厚生労働省新型インフルエンザ対策推進本部事務局が各検疫所長に向けて発出した「検疫法に基づく停留の期間に関する考え方について」と題する事務連絡があり、停留開始日時は「新型インフルエンザの疑いのある者が患者であると確定した時刻」、とする考え方が示されたことがある。この見解は、新型インフルエンザに関するものであるが、新型コロナウイルス感染症が確認されて以降、専門家に諮問するなどして、検疫法に基づく停留の考え方を整理したことはあるのか、もしあればその内容を明らかにされたい。

4 検疫法第十四条第一項第二号に基づく停留を受けた者が検疫所長に停留の解除を求めたときは、検疫所長は、感染症の病原体を保有しているかどうかの確認をしなければならず、感染症の病原体を保有していないことが確認されたときは停留を解除しなければならないとされる(検疫法第十六条第四項、第六項、第七項)。新型コロナウイルス感染症の水際対策に関連して、停留処分を受けた者が停留解除の申立てをしたことがある場合、その申立て件数、停留解除の件数、および日本人帰国者の内訳を明らかにされたい。

六 個人情報の取得について

1 入国者は、誓約書に基づき、健康状態や位置情報などの個人情報の提供を誓約させられているが、誓約書には、誓約に違反したとき、または誓約書の提出に応じないときは停留処分を受ける可能性があることが記され、実際に誓約書の提出に応じず停留処分を受けた入国者の事例があったと承知している。これは、個人情報の取得につき同意を強制していることにならないか。入国者からの個人情報取得につき、個人情報保護委員会の見解を得ている事実はあるか、あればその内容を明らかにされたい。

2 入国者が誓約書に基づき提供した健康状態や位置情報などの個人情報が、検疫所が委託した民間事業者に提供されている事実はあるか。検疫所や検疫所が委託した民間事業者が保有する入国者に関する個人情報は、自宅等の待機期間満了後、どのように取り扱われているのか、明らかにされたい。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一の1及び2について

出国前七十二時間以内に新型コロナウイルス感染症に係る検査を受け、医療機関等により発行された証明書(以下「出国前検査証明書」という。)の提示をせずに我が国への入国をしようとする者がいる場合においては、提示された出国前検査証明書を「検疫官が無効と判断した場合」を含め、検疫所長は、当該者が乗ってきた航空機の長に対し、検疫法(昭和二十六年法律第二百一号)第十八条第一項の規定による仮検疫済証の交付を行わないこととしており、この場合、当該者は同法第五条の規定により我が国への上陸ができないこととなる。

また、お尋ねの「提示拒否への対応」については、「提示を拒否した事例の有無、件数および日本人帰国者の内訳」を含め、「提示拒否」及び「日本人帰国者」の具体的に意味するところが明らかではなく、お答えすることは困難である。

一の3について

お尋ねの「日本人帰国者」の具体的に意味するところが明らかではなく、お答えすることは困難であるが、お尋ねの「検査証明書の不提出、または証明書の無効」により、検疫法第五条の規定により我が国への上陸ができず、航空会社により外国へ送還された者は、政府として把握している限りでは、令和三年六月十日現在、七十四名である。また、「出発地の外国に送還された日本人帰国者がいる場合、当該外国で問題なく受け入れられ、その後、無事帰国を果たしているのか」とのお尋ねについては、その具体的に意味するところが明らかではなく、お答えすることは困難である。

一の4について

お尋ねの「3の事例」について、具体的な事例が明らかではないため、お答えすることは困難である。

一の5について

お尋ねの「3の措置」が外国への送還を意味するのであれば、当該措置は、航空会社により行われるものであり、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第二条第四号に規定する不利益処分又は同条第六号に規定する行政指導には該当しないと考えている。

二の1から3までについて

検疫所長は、我が国への入国をしようとする者に対して、検疫法第十三条第一項の規定により、入国時の新型コロナウイルス感染症に係る検査を行っている。また、入国時に当該検査を拒否する者については、同法第三十六条第四号に該当するものとして罰則の対象となり得るが、令和三年六月十日現在、我が国への入国をしようとする者が当該検査を拒否した事例は把握していない。

三の1及び2について

入国前十四日以内に、厚生労働省のホームページの「変異株流行国・地域に該当する国・地域について」及び「変異株B.一.六一七指定国・地域に該当する国・地域について」で示した国・地域に滞在歴がある入国者については、検疫法第十六条の二第二項の感染症の感染の防止に必要な協力として、検疫所の確保する宿泊施設での一定期間の待機を求めている。当該求めに応じない場合には、感染症の感染拡大の防止のため、検疫所長は、原則として、同法第十四条第一項第二号の規定による停留の措置をとることとしており、こうした場合に停留の措置を講じた事例は、政府として把握している限りでは、令和三年六月十日現在、三件である。なお、お尋ねの「日本人帰国者の内訳」については、「日本人帰国者」の具体的に意味するところが明らかではなく、お答えすることは困難である。

四の1及び2並びに六の1について

お尋ねの「誓約書の提出」は、検疫法第十六条の二第二項の規定により、我が国への入国をしようとする者に対し、感染症の感染の防止に必要な協力として求めているものであり、同条第三項の規定により、当該協力を求められた者はこれに応ずるよう努めなければならないこととされているが、同項の違反に対する罰則はなく、「誓約書の提出」は当該協力を求められた者の意思に基づき行われていることから、「個人情報の取得につき同意を強制していることにならないか」との御指摘は当たらないと考えており、「入国者からの個人情報取得」について、個人情報保護委員会の見解を得た事実はない。

また、お尋ねの「誓約書の提出を拒否」した者又は「全部または一部に同意しない意思を示して誓約書を提出」した者に対しては、検疫法第十六条の二第二項の規定により、感染症の感染の防止に必要な協力として、検疫所の確保する宿泊施設での一定期間の待機を求め、当該求めに応じない者がいる場合には、検疫所長は、原則として、同法第十四条第一項第二号の規定による停留の措置をとることとしている。このような場合において検疫所の確保する宿泊施設での一定期間の待機を求め、又は停留の措置を講じた事例は、政府として把握している限りでは、令和三年六月十日現在、九件である。なお、お尋ねの「日本人帰国者の内訳」については、「日本人帰国者」の具体的に意味するところが明らかではなく、お答えすることは困難である。

三の3及び四の3について

検疫法第十四条第一項第二号の規定による停留の措置は、即時強制行為であることから、行政手続法第二条第四号イの事実上の行為であり、同号に規定する不利益処分には該当せず、また、検疫法第十六条の二第二項に規定する協力の求めは、行政手続法第二条第二号に規定する処分には該当せず、いずれも同法第三章の規定は適用されないものと考えている。また、検疫法第十四条第一項第二号の規定による停留の措置をとること及び同法第十六条の二の規定により協力を求めることは、行政手続法第三十二条第二項に違反するものとは考えていない。

五の1及び2について

御指摘の平成二十年四月二十四日の参議院厚生労働委員会においては、厚生労働省健康局長が「感染症の病原体に感染したおそれのある者は、・・・感染症の患者と接触した者というようなことを想定」しており、「感染症において感染しているおそれがあり、感染症を広げる可能性を否定できない方々」である旨を答弁しており、「「感染症に感染したおそれのある者」とは「感染症の患者と接触した者」をいうとの政府答弁がある」との御指摘は当たらない。

五の3について

お尋ねの「検疫法に基づく停留の考え方」の具体的に指し示す範囲が明らかではないため、お答えすることは困難である。

五の4について

お尋ねの検疫法第十四条第一項第二号の規定により停留されている者が同法第十六条第六項の規定による求めを行った事例については、政府として把握している限りでは、令和三年六月十日現在、二件であり、このうち一件については医療上の理由から当該停留を解き、残り一件については誓約書の提出がなされなかった者について停留の措置を行ったものであるが、停留中にその提出があったことを踏まえて当該停留を解いている。なお、お尋ねの「日本人帰国者の内訳」については、「日本人帰国者」の具体的に意味するところが明らかではなく、お答えすることは困難である。

六の2について

厚生労働省において、入国者の健康確認の業務等を行う入国者健康確認センターの運営を民間事業者に委託しており、お尋ねの「入国者が誓約書に基づき提供した健康状態や位置情報」については、厚生労働省と当該民間事業者との業務委託契約書に基づき、当該民間事業者が適切に管理を行っている。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×8承知していない ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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