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新東京国際空港公団の業務に関する質問主意書

衆議院 第75回 第28号

提出者
衆議院
提出日
1975年7月4日
内閣転送 1975年7月4日
答弁書受領日
1975年8月1日
提出から28日
答弁の項目数
12
質問 8,389字/答弁 4,528字

質問本文

衆議院議長 前尾繁三郎 殿

新東京国際空港公団の業務に関する質問主意書

新東京国際空港(以下「成田空港」という)は、成田空港公団(以下「公団」という)により、地元農民や周辺住民に諸種の悪影響を与えながら、公団法第三章の業務に関する規定に基づき、千葉県成田市に建設中であるとされている。

ところで、成田空港の設置に係る法体系と運輸省や公団の現実の営為との間には矛盾があるとの指摘があるので、公団の業務に関する諸点につき、以下政府の見解を質したい。

一 公団法第一条は、公団ないし公団法の目的を定めているが、成田空港の建設過程の現状からみて、

(1) 公団法第一条の目的が達成されていないとすれば、その理由は何か。

(2) 成田空港の設置が効率的に行われていないとするならば、その理由は何か。

(3) 公団法第一条の目的を達成するのに、公団法など関係する法体系に不備があるとすれば、理由を添えて、そのすべてを明らかにされたい。

二 公団法第一〇条は、監事による業務監査につき定めているが、

(1) 監事が行うべき業務監査の目的ないし対象は何か。

(2) 右についての法的根拠は何か。

(3) 公団のなす業務の違法性・不当性を監査の対象としなくてよいとするならその理由は何か。

三 成国空港建設に関して、運輸省・公団が犯した違法行為につき、

(1) そのすべてを個別的に次により明らかにざれたい。

(i) 違反した法律及びその条文名

(ii) 違法行為の行われた年月日及び場所

(iii) 違法行為の行われた理由又は原因

(iv) 違法行為が発覚した年月日

(v) 違法行為が発覚した理由

(2) 右違法行為につき、千葉県警察本部など関係当局が摘発し、送検ないし告発しなかつた理由はそれぞれ何か。

四 公団法第二一条は、基本計画につき定めている。昭和四一年一二月一二日に運輸大臣が指示した基本計画では、工事完成の予定期限についても定めることになつているが、

(1) 基本計画で定められる工事完成の予定期限はいつか。

(2) 右工事完成の予定期限どおり工事は完成したか。

(3) 成田空港は、基本計画に従つて建設されていると答弁している(内閣衆質七五第一三号)が基本計画で定める予定期限どおり工事が完成していなくても、なぜ基本計画に従つて建設されていることになるのか。

(4) 基本計画を定め、又は変更することが国の財政にも関連があるので大蔵大臣と協議すべきものとしたと答弁している(内閣衆質七五第一八号)ことからして、基本計画を構成する一項目である工事完成の予定期限が、工事完成の現実の状況と異なつていても運輸大臣が基本計画を変更もせず、また大蔵大臣と協議しないのは、これらの事態(工事の完成が遅延すること)が、国の財政には何ら関連しないという認識をもつているためとしてよいのか。その他その理由は何か。

(5) 工事完成がいくら遅延しても、なぜ国の財政には関連しないのか。

(6) それとも、工事完成の遅延が国の財政に関連するとして、運輸大臣が大蔵大臣と協議したことがあれば、その年月日と内容をすべて明らかにされたい。

(7) 右協議は、いかなる法律のいかなる条文の規定に基づくのか。

(8) 工事完成の予定期限を設置するには、用地取得に要する期間の推定が前提となる。この用地買収が二年間で完了するとしたことについては、基本計画を策定した当時は、千葉県の協力が得られていたこと等にかんがみ短時日のうちに関係住民の協力が得られるものと判断したのでと答弁している(内閣衆質七五第一八号)が、右判断を誤つた理由は何か。

(9) 基本計画が、誤つた判断の上に策定されていても、なお、基本計画を変更する必要がないと強弁する理由は何か。

(10) 用地取得にその予定した期日以上を要することとなれば、土地収用法や公共用地の取得に関する特別措置法を発動すればよいと基本計画策定時には考慮されていたわけではなかつたのか。その理由は何か。

(11) 工事完成の予定期限を定める基本計画の項で「その他必要な事業」とは、滑走路Aにおける航空機の安全かつ円滑な離着陸を確保するために直接必要な施設以外の施設の建設等であつて、同空港の設置、管理のため必要なもの(内閣衆質七五第一八号)とは具体的に何か。そのすべてを挙げられたい。ちなみに公団法第二一条によれぼ、機能施設や利便施設の建設は、基本計画の対象とはされない。

五 基本計画はまた運用時間についても言及しているが、

(1) 運用時間及び運行時間を国際民間航空機構(ICAO)では、どのように英語で公式に表現しているか。

(2) 公団法第二条は、成田空港の要件につき規定しているが、この要件と運行時間には、基本的な関係がないとするのであれば。その理由は何か。

(3) 例えば、運行時間が、午前八時から午後六時とせざるを得なくなつたときでも、公団法第二条の要件が満たされていることといえるのか。その理由は何か。

(4) それとも、運行時間が「空港周辺における環境問題」などからどの程度に押さえられると公団法第二条の要件に影響が出てくるとするのか。その根拠は何か。

(5) 公団法第二条に規定する要件、すなわち、�@長期にわたつて航空輸送需要に対応することができ�A将来における主要な国際航空路線の用に供することができるという要件と同一要件をもつて設置されている次の新空港における運用時間及び運行時間につき明らかにされたい。

(i) ダラス・フォートワース空港(米国)

(ii) シャルル・ドゴール空港(仏国)

(iii) 新モントリオール空港(カナダ)

(6) 公団法施行令第三条は、基本計画で定めるべき事項を限定しているが、運用時間のみ明記されていて、運行時間が明記されていない理由は何か。

(7) 右について、世界の航空輸送上必要となる合理的な運行時間を確保できる空港を建設する必要がないということと解釈してよいのか。

(8) それとも、運行時間は、公団法施行令第三条第六号の「その他必要な基本的な事項」の中に含められるべきものだつたにもかかわらず運輸大臣が基本計画を策定する際サボつたものなのか。その理由は何か。

(9) 公団法施行令第三条第六号の具体的な内容は何か。例示されたい。

(10) 右につき、昭和四一年一二月二日の運輸大臣と大蔵大臣との協議では、どのような説明が行われたのか。

(11) 運行時間は空港周辺における環境問題を考慮して決定すると答弁している(内閣衆質七五第一八号)にもかかわらず、運行時間の決定は、国の財政に関連がないとするならば、その理由は何か。

(12) 飛行場周辺の航空機騒音問題は、国の財政には何ら影響がないのか。その理由は何か。

(13) 成田空港の運行時間を現行東京国際空港(以下「羽田空港」という)なみにすると友納武人千葉県知事(当時)に回答しているが、運行時間を現行の羽田空港なみにしても、公団法第二条の要件は達成されるとしている根拠は何か。

(14) 右によれば、羽田空港は、少なくとも運行時間については、公団法第二条の要件を満たしているとしてよいのか。その理由は何か。

(15) 基本計画では、空港敷地の面積も定めることになつているが、ここにいう「空港敷地」の定義は何か。

(16) 基本計画で空港敷地の面積を一、〇六〇ヘクタール程度とした根拠は何か。

(17) 空港敷地の面積の定め方によつては、運行時間を運用時間と合致させることができると思料するが、政府の見解はどうか。

(18) 運行時間を犠牲にまでして、空港敷地の面積を狭くしか定めなかつた理由は何か。国の財政上の問題か。

(19) 空港敷地の面積が、羽田空港(四〇七ヘクタール、以下同じ)より小さいニューヨーク・ラガーディア空港(二三三)や、ワシントン・ナショナル空港(三四七)の方が、発着回数が、羽田空港(一七万回)より大きい理由は何か。航空技術的になぜ可能なのか。ちなみに一九七一年実績の発着回数で、ニューヨーク・ラガーディア空港では、三一万六千回またワシントン・ナショナル空港で三三万回である。

六 公団の業務の実施については、公団法第二二条及び同二三条で規定されている。

(1) 空港及び航空保安施設の設置及び管理については公団法第二二条の規定により、基本計画に従い、かつ、航空法で定めるところによりのみ行えば、他の法令には規定されないとしてよいのか。その理由は何か。

(2) 機能施設の設置及び管理並びに利便施設の建設及び管理については、公団法第二三条の規定により、政令で定める基準に従つてさえいれば、他の法令には規定されないとしてよいのか。その理由は何か。

(3) 右において、利便施設の建設基準が公団法施行令では定められていないがなぜか。

(4) 利便施設の建設基準は、いかなる政令に定められているのか。またその内容は何か。

(5) 現在建設中又は建設が完了している利便施設は何か。そのすべてを列挙されたい。

(6) 公団法施行令第五条第一項は、機能施設の運営につき定めているが、機能施設のうち、公団自らがその運営を行うことが適当でないと認められる特別の事情の存するものはどれか。

(7) 右特別な事情の具体的な内容を明らかにされたい。

(8) 公団法施行令第五条第二項は、利便施設の運営を公団以外のものに行わせることをすすめているが、利便施設の運営に携わることになつている公団以外のものの名及び関係する利便施設の種類をすべて明らかにされたい。

七 成田空港に関する空港・航空保安無線施設及び航空灯火の設置については、航空法第五五条の三第一項の規定に従い、運輸大臣により、工事実施計画の認可又は変更の認可を受けねばならないが、

(1) 認可された工事実施計画にある工事完成の予定期日とはいかなる意味をもつているのか。工事が完成する合理的な可能性のある期限なのか、それとも単なる目安に過ぎないのか。

(2) 右において、工事が完成する合理的な可能性のある期限である場合、この合理的な可能性については、工事実施計画が認可されている以上、運輸大臣が追認し、保証するものであるとして、よいのか。その理由は何か。

(3) 航空法第四〇条は、工事実施計画の認可のあと、供用開始の予定期日などを告示し、現地に掲示することを運輸大臣に義務付けており、さらに供用開始後において、告示し及び掲示した事項に変更がある場合についても同様であると定めているが、供用開始前に変更がある場合については何ら言及していない。

(イ) 既に告示し及び掲示されている供用開始の予定期日は、現在、現実の状況との係りにおいて、いかなる意味をもつているのか。

(ロ) 供用開始の予定期日とは、一体いかなる意味をもつているのか。供用を開始し得る合理的な可能性のある期日なのか、それとも単なる目安にすぎないのか。

(ハ) 告示し及び掲示された供用開始の予定期日を四年以上も経過しても、現実に開港できない以上、供用開始の予定期日は白紙であるとしてはいけないのか。その理由・根拠は何か。

(ニ) 今後、運輸大臣は新しい供用開始の予定期日を定め、告示し及び掲示するつもりか。その理由は何か。

(ホ) 右の場合、その法的根拠は何か。

(4) 空港の工事完成の予定期日を昭和四七年六月三〇日と変更する工事実施計画の認可が昭和四七年六月二七日になされている(内閣衆質七五第一八号)が、現実には工事は完成していない。

(イ) わずか三日後に完成する予定が狂うとは、常識的には全く考えられないが、この三日間で工事完成の期日を遅延せしめる、しかも、予測不可能ないかなる事態が発生したのか。

(ロ) 右の例からかんがみるに、運輸大臣による工事実施計画の認可は、誠実に執行されてはいないことになるのではないのか。その理由は何か。

(5) 予定期日より工事の完成が遅延した理由として、三つの空港建設の反対運動を例示している(内閣衆質七五第一八号)が、

(イ) 鉄塔を建設して開港を阻止しようとする運動の存在が、現在までの工事完成の遅延に具体的にどのように影響したのか。この反対運動と空港建設過程との関係は何か。

(ロ) 例示した三つの反対運動を行つている者に対しては、今後ともその理解を得るように極力努力する所存であると答弁しているが、今までどのような努力をしてきたかを具体的に明らかにされたい。

(ハ) 右において、今後どのような形で努力するのかを具体的に明らかにされたい。

(ニ) 昭和四八年八月二五日、航空政策研究会発行の報告(新東京国際空港と地元千葉県の立場)によると、友納武人千葉県知事(当時)は、成田空港の開港を一日でも早くということについて未だ国民的合意に達していない旨の発言をしているが、運輸省・公団が、成田空港の早期開港について、現在、国民的合意が得られているとするならその根拠を具体的に明らかにされたい。

(6) 工事実施計画の認可については、航空法第三九条が準用されるが、同条第一項で必要となる基準が、VOR・DME及びILSについては、未だ運輸省令で定められていない。右航空保安無線施設に係る工事実施計画の認可に必要な運輸省令を定めず下した運輸大臣の処分は違法であり従つて無効であると思料するが、政府の見解を根拠・理由を添えて明らかにされたい。

(7) 右において運輸省令が未だ制定されていないのは、運輸大臣にその任に応える能力がないからなのか、それとも、運輸大臣のサボタージュなのか。その他その理由を明らかにされたい。

(8) 内閣法第一条で言及される日本国憲法第七三条では、内閣の事務として、法律を誠実に執行することを挙げているが、そのために必要な運輸省令を制定もせず行われた運輸大臣によるVOR・DME及びILSに関する工事実施計画の認可は、法律を誠実に執行していることになるのか。

(9) 日本国憲法第七三条にある法律を誠実に執行するとは一体いかなることなのか、右の場合に即して具体的に明らかにされたい。

(10) 右運輸大臣の認可行為が、日本国憲法第七三条及び内閣法第一条に違反していないとするならその理由は何か。

(11) B滑走路北側延長上に設置される航空灯火は、なぜ、南側延長上には設置されないのか。

(12) 右において、北風気象時の場合、ILS受信装置をもたない航空機の進入着陸はどのようになるのか。

(13) 羽田空港において、ILS受信装置をもたない国際線の航空機は、現在一日にどの程度進入着陸しているのか。

(14) 右航空機は、将来も存在し続けるのか。その理由は何か。

八 公団法第二四条は、業務方法書につき規定しているが、

(1) 業務方法書とはいかなる目的のために定めるのか。

(2) 公団法第二四条の存在理由は何か。

(3) 業務方法書は、公団の業務について、どのような作用及び機能をもつているのか。

(4) 公団が業務を開始したのが、昭和四一年七月三〇日であり、業務開始の際受けなければならない運輸大臣による業務方法書の認可は、昭和四六年一二月一日付である。公団総裁による認可の申請は昭和四六年一〇月一日付である。

(イ) 業務開始後五年以上も経て初めて公団は業務方法書の認可を申請しているが、なぜ、業務方法書の認可を受けないで、業務を開始したのか。

(ロ) 右について、公団法第四二条一号はどのように扱われたか。

(ハ) 運輸大臣はなぜ公団法第二四条に違反した状態を五年以上も放置していたのか。

(5) 公団法第三九条二号は、業務方法書の認可には、運輸大臣と大蔵大臣との協議を義務付けている。

(イ) 昭和四六年一二月一日付の認可に係わる協議は、いつ、行われたのか。その内容は何か。

(ロ) その後、業務方法書の変更認可が行われたと聞くが、その申請及び認可の年月日は何か。

(ハ) 右における運輸大臣と大蔵大臣の協議の年月日と内容につき明らかにされたい。

九 公団法第五章は、運輸大臣による公団の監督につき定めているが、

(1) 公団法第三六条第二項で規定される命令が、公団に対し発出された年月日をその内容について、すべての命令に対し明らかにされたい。

(2) 公団法第三七条第一項前段の規定により公団に報告させた年月日とその内容につき、すべてを明らかにされたい。

(3) 公団法第三七条第一項後段の規定により行つた立入検査の年月日とその内容につき、すべてを明らかにされたい。

十 公団からの申請に基づき、空港用地の取得のためと称して土地収用法が昭和四四年一二月一六日に、更に、公共用地の取得に関する特別措置法(以下「特措法」という)が昭和四五年一二月二八日に発動された。

(1) 特措法に係わる特別公共事業の認定の申請は「昭和四六年度早々に空港の供用を開始することが、緊急不可欠である」ことを理由として建設大臣に昭和四五年一一月四日になされているが、四年以上も昔に供用を開始することが緊急不可欠であるとしたにもかかわらず現在に至るも、供用開始のメドすらたつていない。

(イ) 右申請における「緊急不可欠」とはいかなる意味か。その定義を明らかにされたい。

(ロ) 「緊急不可欠」であつた昭和四六年早々の供用開始はおろか、その後四年を経た現在に至るも供用開始のメドすらたつていないが、かかる供用開始が不可能な事態の持続は「緊急不可欠」ということに対し、一体何をもたらしているか。

(ハ) 右において、昭和四六年早々の供用開始は「緊急不可欠」ではなかつたことにはならないのか。その理由は何か。

(ニ) 公団は「緊急不可欠」なる言辞をろうして、建設大臣から特別公共事業の認定を受けたが、これは公団の虚偽の申告に基づくものとはならないのか。その理由は何か。

(2) 公団は、特措法第二〇条第一項の規定に基づき、昭和四六年二月三日に緊急裁決の申立を千葉県収用委員会に対し行つたが

(イ) 右申立書の中で、昭和四七年初頭に供用を開始することが緊急不可欠であるとして特別公共事業の認定を受けたと述べている。なぜ、公団は「昭和四六年度早々」ではなく「昭和四七年初頭」の供用開始が緊急不可欠であるとして特別公共事業の認定を受けたなど虚偽の申立てを千葉県収用委員会に行つたのか。

(ロ) 公団は昭和四七年初頭の供用開始が緊急不可欠であり、このためには昭和四六年五月までに工事に着手しなければならないとして、緊急裁決の申立てをしているが、現在に至るも供用開始のメドすらたつていない。公団は建設大臣に加えて、千葉県収用委員会にまで、虚偽の言辞(緊急不可欠)をろうして、相当の処分を受けたことにならないのか。その理由は何か。

(ハ) 特措法第二〇条第一項は、特定公共事業に係る明渡裁決が遅延することによつて事業の施行に支障を及ぼす恐れがある場合に、緊急裁決を認めているが、供用開始についての現状をかんがみるに、明渡し裁決が遅延しても、事業の施行に支障を及ぼすことにはならなかつたのではないか。仮に、明渡裁決が遅延したとしてどのような支障が事業の施行に現われたことになるのか。

(ニ) 公団には当該事業を遂行する十分な意志と能力があるとするのであるから、緊急裁決の申し立てにより特定公共事業に必要な未取得用地がすべて指定されていたとしてはいけない理由があれば明らかにされたい。

十一 千葉港頭・成田空港間の本格パイプライン建設工事について

(1) 佐倉・四街道工区及び酒々井・富里工区における昭和五〇年六月末現在の用地の取得状況(全体に対する取得長の割合)を明らかにされたい。

(2) 水道道路工区に埋設されているパイプラインは道路占用許可のない違法なパイプラインではないのか。その理由は何か。

(3) 千葉市道路占用条例の現状回復の条文によれば、占用許可が満了した場合は、その満了日に現状回復を行わねばならないとされているが、公団が千葉市道路占用条例に従わなくてもよいとする理由は何か。

(4) 昭和四八年八月八日千葉市長より公団に対し出された道路の原状回復についての通知(四八千道管占第二一四四五)を今もつて無視している理由は何か。

十二 成田空港の現実の建設状況をかんがみるに運輸大臣は自らが、法令を遵守し、自己の職務を誠実に履行しているといえるか。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

新東京国際空港公団(以下「公団」という。)は、新東京国際空港公団法(以下「公団法」という。)第一条の目的達成のため、新東京国際空港(以下「新空港」という。)の建設に努力している。

二について

公団法第十条第四項の監事による業務の監査は、公団の業務全般について行われるものである。

三について

農地法第五条の手続が遅れたまま公団が成田市においてパイプラインの工事に着手(昭和四十八年十月一日測量作業開始)し、成田市農業委員会が同年同月二十四日に行つた現地視察により手続未済が判明した事例等があつたことは、誠に遺憾であり、公団が再びこのような事態を起こすことのないよう厳に指導、監督していく所存である。

公団が農地法第五条の手続が遅れたままパイプラインの工事に着手した件については、公団は、成田市農業委員会において厳しい批判を受け、成田市農業委員会及び千葉県に対し、陳謝の意を表したこと、運輸大臣及び千葉県知事が本件につき公団総裁に対し厳重な注意を行つたこと並びに千葉県知事は事後的にパイプライン用地について農地法第五条の許可をしたことでもあり、告発は行われず、また、右の事情により、刑事事件として処理されなかつたものである。

四について

(1)から(7)まで 基本計画においては、おおむね四千メートルの長さの滑走路及びこれに対応する諸施設については、おおむね昭和四十五年度末までに完成することを予定しつつ工事を行い、全工事の完成は、昭和四十八年度末を目途とする旨定めており、これは、おおむねそれぞれの期限までに施設を完成させることを目標に工事を進めるべき旨の指示であつて、公団は、この指示に従つて工事を完了させるべく最大限の努力をしてきたものである。新空港の工事は、空港建設の反対運動等により完了するに至つていないが、右の事情から、基本計画を変更する必要はないと考えている。したがつて、その変更についての大蔵大臣との協議も行われていない。

(8)から(10)まで 新空港に係る用地買収については、千葉県の協力が得られていたこと等にかんがみ短時日のうちに関係住民の協力が得られるものと判断したのであつて、基本計画を策定した時点におけるこの判断は、妥当であつたと考えている。

(11) 「その他必要な事業」の内容のすべてを列挙することは不可能であるが、例えば、航空旅客取扱施設の建設もこれに含まれている。

基本計画は、機能施設及び利便施設について定めているものではなく、基本計画で定める施設の工事を航空旅客取扱施設等の建設と併せて行うよう指示しているにすぎない。

五について

(1) 国際民間航空機構においては、「運用時間」を「operational hours」と表現している。「運行時間」に直接対応する表現はないが、「local flying restrictions」の中に運行時間の制限に関する事項が含まれている。

(2)から(4)まで、(13)及び(14) 新空港は、運行時間をも含め、公団法第二条の要件を備えたものとすることとしている。

(5) ダラス・フォートワース空港及びシャルル・ドゴール空港の運用時間及び運行時間は、いずれも二十四時間である。また、新モントリオール空港は、現在供用されていない。

(6)から(12)まで 運行時間は、新東京国際空港公団法施行令(以下「令」という。)第三条第六号にいう「その他必要な基本的事項」に当たるとは考えていない。したがつて、御指摘の協議に当たつて、説明は行われていない。しかし、このように基本計画で定められていない事項についても、国際空港として適切なものとしなければならないことは、当然である。

(15)から(18)まで 「空港敷地」とは、滑走路その他の空港諸施設を設置するため合理的に必要とされる範囲の土地をいい、基本計画においては、そこに掲げる三本の滑走路を設けることを前提に、その他の空港諸施設を設置する用地を含めて空港敷地として約千六十ヘクタールの面積が必要とされたものである。

(19) ニューヨーク・ラガーディア空港及びワシントン・ナショナル空港と東京国際空港とは空港の諸条件が異なるので、両者の発着回数に差が生じているものと考えられる。なお、一般に、空港の発着処理能力は、空港敷地の面積のみによつて決定されるものではない。

六について

(1)及び(2) 新空港及び航空保安施設の設置及び管理並びに機能施設及び利便施設の建設及び管理は、現行法令の定めるところに従つて行われるべきものである。

(3)及び(4) 利便施設の建設については、令第四条の機能施設の設置基準のような基準を定める必要はないと考えられたので、政令の定めを設けていない。

(5)及び(8) 公団は、利便施設として開港時に必要な事務所、店舗、事務所又は店舗に類する施設、送迎施設及び見学施設の建設を完了しており、例えば店舗における飲食物の販売等を株式会社不二家ほかに、物品の販売等を株式会社服部時計店ほかに行わせることを予定している。

(6)及び(7) 機能施設の運営に係る事業で公団以外の者に行わせることを予定しているものを例示すれば、航空貨物取扱施設における航空貨物取扱業務等があり、これらの業務は、航空会社等に行わせる方が公団自ら行うよりも適切であると考えられる。

七について

(1)、(2)及び(4) 工事実施計画における工事の完成の予定期日とは、当該日までに工事が完成すると合理的に予定される日をいい、工事実施計画が認可されたときは、公団は、当該日までに完成することを予定しつつ工事を実施することとなる。

なお、昭和四十七年六月二十七日付けの工事実施計画の変更認可は、当時において既に従前の認可に係る工事実施計画における工事の完成の予定期日が経過していたため、取りあえず工事の完成の予定期日を延伸したものである。

(3) 御指摘の供用開始の予定期日とは、航空法第五十五条の三第二項において準用する同法第四十条の規定により、工事実施計画の認可の時点において供用開始が可能であると合理的に予定される日を告示し、及び掲示するものである。なお、新空港は、告示し、及び掲示した供用開始の予定期日を経過しているので、その建設に最大限の努力をし、可能な限り早期に開港することとしている。

(5)(イ) 鉄塔を建設して開港を阻止しようとする運動の存在が用地買収の遅延の原因の一つである。

(ロ)及び(ハ) 御指摘の反対運動に対しては、当該土地所有者等に対し、新空港の意義、早期開港の必要性を十分説明し、理解を得るよう努力している。

(ニ) 一部の者の反対を除き、国民的合意は得られていると考えている。

(6)から(10)まで 公団が設置するVOR、DME及びILSに係る工事実施計画の認可申請については、航空法施行規則第九十九条第一号及び第二号の基準に適合するかどうかを審査するほか、国際民間航空条約第十附属書に準拠して、具体的に工事実施計画の妥当性を判断してこれを認可したものである。航空法第三十九条第一項第一号の基準として運輸省令に具体的な施設ごとにどの程度詳細に定めを設けるかは、運輸大臣の合理的な判断に委ねられているのであり、VOR、DME及びILSに関して運輸省令に具体的な基準が設けられていないからといつて、運輸大臣の認可処分が違法又は無効となることはない。運輸大臣の認可処分は、航空法第一条の目的にもそうものであつて、運輸大臣は、法律に従つて誠実に処分を行つている。

(11)及び(12) 将来、滑走路Bが供用された時、ILS受信装置を持たない航空機の進入着陸の必要のある場合は主として同滑走路によることを予定し、また、この場合における進入は可能な限り北側方向からとするように滑走路方向指示燈及び進入路指示燈を同滑走路の北側に設置することとしているものである。

工事実施計画においては、滑走路Bの南側には滑走路方向指示燈及び進入路指示燈を設置しないこととしているので、南側から着陸する航空機は、これらの燈火を使用しないで着陸することとなる。

(13)及び(14) 東京国際空港には、現在、ILS受信装置を持たない国際線の航空機の発着はなく、将来も同様であると考える。

八について

(1)から(3)まで 業務方法書とは、公団の業務に関する基本的な規則であり、公団は、その業務の遂行に当たつては、これを遵守すべきものである。公団法第二十四条は、業務方法書のこのような機能にかんがみ、設けられた規定であると考えられる。

(4) 業務方法書については、その認可申請を速やかに行うよう公団を指導してきたところであるが、公団の認可申請が遅れたことは、誠に遺憾である。

運輸省としては、裁判所に対して公団法第四十二条第一号に該当する行為があつた旨を通知する等の措置は、とつていない。

(5)(イ) 御指摘の協議は、公団の業務方法書として昭和四十六年十二月一日に認可した内容のものを定めることについて、同年十一月十一日になされている。

(ロ)及び(ハ) 公団の業務方法書の変更認可申請は、昭和四十九年六月二十一日になされ、同年七月二十五日に認可されている。その内容は、公団の規程で廃止すべきものがあつたことに関連し、当該規程を引用する部分を改正したものであり、この認可についての協議は、同年同月十七日になされている。

九について

公団に対しては、公団法第三十六条第二項に基づく命令を発し、又は同法第三十七条第一項に基づく報告をさせたことはなく、また、同項に基づく立入検査を行つたことはないが、必要な点については、随時指導、監督を行うとともに、その任意の報告を受けてきたところである。

十について

(1) 御指摘の申請における「緊急不可欠」とは、我が国の航空事情にかんがみ、一日も早く新空港を開港する必要性があることを意味するものである。

新空港の開港の遅れにより、東京地区における国際線及び国内線の増便等が行えない状況にある。

(2) 御指摘の緊急裁決の申立て当時においても、(1)に述べたように新空港の開港が緊急不可欠の状況にあり、昭和四十七年初頭の供用開始を目標として、明渡裁決の遅延により事業の施行に支障を生ずるおそれがあると考えられた土地につき緊急裁決の申立てを行つたものである。

なお、明渡裁決が遅延した場合には、新空港の建設の一部に一層の遅延を生じたであろうと考えられる。

十一について

(1) 御指摘の工区における昭和五十年六月末現在の用地の取得状況は、次のとおりである。

(2)から(4)まで 水道道路工区に埋設されている導管については、昭和四十八年八月に千葉市長から公団総裁あて道路の原状回復についての通知があつたが、これに対し、公団総裁から千葉市長あて原状回復を猶予してほしい旨の回答を行つている。

十二について

法令を遵守しつつ一日も早く新空港を開港すべく鋭意努力しているところである。

右答弁する。

衆議院の原文

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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。

提出 1975年3月27日 竹内猛 答弁 1975年4月25日
衆議院 第75回 第13号
提出 1975年5月13日 竹内猛 答弁 1975年6月6日
衆議院 第75回 第18号
提出 1977年4月14日 阿部昭吾 答弁 1977年5月27日
衆議院 第80回 第18号
提出 1974年4月5日 久保三郎 答弁 1974年4月26日
衆議院 第72回 第19号
提出 1976年10月21日 竹内猛 答弁 1976年10月29日
衆議院 第78回 第6号
提出 1975年12月12日 木原実 答弁 1976年1月13日
衆議院 第76回 第7号
提出 1974年4月8日 木原実 答弁 1974年5月10日
衆議院 第72回 第20号

件名の語が重なる質問主意書

提出 2010年7月30日 塩崎 恭久(自由民主党・無所属の会) 答弁 2010年8月10日
衆議院 第175回 第10号承知していない ×2
提出 2005年10月31日 長妻 昭(民主党・無所属クラブ) 答弁 2005年11月11日
衆議院 第163回 第68号お答えすることは困難 ×1
提出 1988年2月18日 柴田睦夫 答弁 1988年4月28日
衆議院 第112回 第11号
提出 1982年3月15日 秦 豊 答弁 1982年5月25日
参議院 第96回 第6号
提出 1982年3月15日 秦 豊 答弁 1982年5月25日
参議院 第96回 第5号
提出 1981年11月27日 秦 豊 答弁 1982年2月5日
参議院 第95回 第11号

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