Kurage 質問主意書アシスト

ことばで探す › 衆議院 第77回

救急医療、休日・夜間診療に関する質問主意書

衆議院 第77回 第21号

提出者
衆議院
提出日
1976年5月20日
内閣転送 1976年5月22日
答弁書受領日
1976年5月28日
提出から8日
答弁の項目数
3
質問 2,247字/答弁 1,642字

質問本文

衆議院議長 前尾繁三郎 殿

救急医療、休日・夜間診療に関する質問主意書

救急患者が三五ヵ所もの病院を“たらい回し”されるなどという本来考えられないはずの事態が、今日の日本では珍らしくなく、消防庁の調査によれば、年間五万件以上の“たらい回し”が起こつている。その過程で適切な措置がなされていたならば、助かつたかも知れない生命が失なわれてしまうケースも少なくない。正に異常な事態であり、政府の医療行政の欠陥を余すところなく露呈したものと言わざるを得ない。

救急医療は、医師、医療従事者の二四時間待機、高度の医療施設や技術を必要としており、国や自治体が責任を持つて、地域の開業医などと協力してその体制を整備すべきである。

国や自治体が責任を放棄して、救急医療の大半を民間医療機関に押し付けている現状に安易によりかかつているのみではならない。

かかる観点から若干の質問を行う。

一(1) 救急、休日・夜間診療の実態を調査すると、この問題は今日の日本医療の矛盾の集中的な現れであり、自治体と地域の医療機関との努力にもかかわらず、容易に解決の見通しの立たない状態にある。

憲法第十三条並びに第二十五条によつて、国民は健康を守られる権利を保障されており、国はこれを守るべき義務があるものと考えられる。国民の健康、生命に直接かかわる救急医療、休日・夜間診療に対し、国が責任を負うべきは明らかであるが、政府はその責任についてどのように考えるか。

(2) 救急、休日・夜間診療はその性格上、多くは不採算医療に該当すると考えられるが、政府はこれを認めるか。

厳しい地方財政難の中で、休日・夜間診療体制を確保するため、地方自治体は超過負担を余儀なくされており、財政上の問題が(救急)、休日・夜間診療を不備にしている最大の原因の一つとなつている。国の財政援助を抜本的に改善すべきであると思うが、政府は具体的にどのように対処しようとしているか。

(3) 救急患者の“たらい回し”を現行の医療制度のもとで解決するには、国・公立病院を中心にいつでも対応できる救急医療体制の確立が急務である。ところが現実には公的医療機関は十分にその役割を果しておらず、救急告示病院の八割以上を私的医療機関に頼つているのが現状である。

国・公立病院が救急告示病院に指定されている実態を明らかにされたい。特に国立病院の比率が著しく低い原因は何故か。この国・公立病院の独立採算制をなくし、設備人員を拡充強化して、各種の医療従事者の協力による医療の充実を図る必要があると考えるが、政府はこの事態をどのように改善しようとしているか。

(4) 救急医療に関しては、消防法で救急患者の搬送業務を定めている外は、救急告示病院に関する厚生省令があるのみである。救急医療について法的にも必要な整備を図るべきであると思うが、政府はどう考えるか。

二 休日・夜間急患センターについて、具体的な問題で質問する。

(1) 厚生省は、昭和四十九年度から、休日・夜間急患センターについて、補助制度を発足させ、三年間に全国で二六〇ヵ所、休日・夜間急患センターを設置する計画を立てたが、現在の到達点及び昭和五十一年度の計画、到達目標はいかん。

またその著しく遅れている原因は何か。計画遂行の展望を明らかにされたい。

(2) 正規の休日・夜間急患センターが全国で一四〇数ヵ所しか作られない中で、自治体や地域医師会などの努力で、国の補助対象外の急患センターが六〇ヵ所ほど作られている。これらは実質的に地域の休日・夜間診療の中心的役割を果しているのであるから、民設民営のかかる急患センターをも補助対象とすべきであると考えるが、政府の考えはどうか。

(3) 現行では人口一〇万人以上の都市の急患センターのみが補助対象とされているが、自治体の努力によつて一〇万未満の都市でも急患センターの設置されているところがある。政府はその実態をどのように把握しているか。人口一〇万に準ずるところも補助対象に拡大すべきではないか。

(4) 運営費の補助単価が実勢単価とはなはだしく隔離しており、私が神戸と尼崎医療センターを調査したところ、基準単価は、実態の三分の一にとどまつていた。この不足分は自治体の超過負担とならざるをえないのが現状であるが、政府は補助単価を現実的なものに引きあげる考えはないか。

三(1) 救急疾患の過半数は比較的軽い病気であるが、残りは脳卒中、心筋こうそく、こん睡、頭部外傷など生命にかかわるものである。これらに対処できる施設を完備した後送病院を整備することは急務であり、第一義的には公的医療機関がこれに当たるべきである。

いまだに救急告示病院になつていない公的医療機関に対し、その阻害要因の解決を図るとともに、休日・夜間診療所の後送病院となるよう指導すべきではないか。

また、民間の救急告示病院にも後送病院になるよう要請し、ベッド確保料など必要な国の助成を行うべきでないか。

(2) 国と自治体の責任で救急医療に携わる医師、医療従事者を特別の研究体制を設けて大量に養成する必要があると考えるが、政府はどのような救急医療要員の確保の対策をもつているか。

(3) 団地、ニュータウンを作つても、医者がいないため新しい無医地区を作り出すような現状を改め、一定規模以上の団地、ニュータウンの開発には、計画的に病院、診療所を設置すべきである。政府の考え方と財政的措置を問う。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

(1) 救急、休日・夜間診療については、地域の実情に即して、国、地方公共団体、医療機関等のそれぞれの立場における協力によつて体制整備を行うべきものであり、国においては、その推進を図るため所要の助成措置を講じているところである。

(2) 救急、休日・夜間診療については、現行の社会保険診療報酬においてもできる限り配慮しているところであり、また、地方公共団体立病院、公的病院等に対し各種の助成措置を講じてきているところであるが、今後ともその充実に努力してまいりたい。

(3) 昭和五十年十月一日現在における国、公立病院の告示状況は次のとおりである。

(総数)

(救急病院として告示されている病院数)

国立病院

厚生省所管の国立病院

九四

八二

その他の国立病院

九〇

三

公立病院

九七五

四四九

国立病院のうち、厚生省所管の病院にあつては、がん、リハビリテーション等の特殊な診療機能を有するものその他特殊な事情にあるものを除きすべてのものが救急病院として告示されている。

また、その他の国立病院の告示状況については、教育、研究機能を有すること、職域病院としての性格を有すること等それぞれの病院の特殊性によるものである。

救急医療の確保は、国、公立病院のみでは不可能であり、民間医療機関の協力を得ることが不可欠であるが、国立病院については従来からその公的使命にかんがみ、救急医療に積極的に取り組むよう努めており、公立病院についても同様の趣旨の指導を行つているところである。

(4) 救急医療の確保を図るためには、地域の実情に即した救急医療体制造りを推進することが先決であり、法制化の問題は将来の検討課題であると考えている。

二について

(1) 昭和五十年度末における休日・夜間急患センターの整備数は百四十三箇所であり、昭和五十一年度においては、三十箇所の整備を図ることとしている。

当面人口十万以上の市を対象としてセンターの設置を図りたいと考えているが、地域の医療機関との連携等地域における休日・夜間診療体制との調和が図られるよう配慮しつつその整備を推進してまいりたい。

(2) 休日・夜間急患センターについては、地方公共団体の設置するもの又は地方公共団体の委託を受けて設置運営するものを対象に助成を行う考えであり、民設民営のものを補助対象とすることは考えていない。

(3) 人口十万未満の市において地方公共団体が設置している急患センターは、昭和五十年度末において五十二箇所となつている。

人口十万未満の市の場合であつても、周辺市町村を合わせて人口十万以上となるような市が設置、運営する休日・夜間急患センターについては補助対象としており、昭和五十年度末において、このような休日・夜間急患センターが三十箇所設置されている。

(4) 休日・夜間急患センターの運営費に対する国の補助は、休日・夜間急患センターの設置を促進し、運営の円滑化を図ることを目的としたものであり、補助内容の充実については、今後とも努力してまいりたい。

三について

(1) 脳卒中、心筋硬塞、頭部外傷等の重症救急患者のための施設として、昭和五十一年度において、国立病院等に高度の診療機能を有する救命救急センターを四箇所整備することとしている。

救急医療については、地域における医療機関から、その診療機能に応じて協力を得るよう指導しており、また、必要な助成を行つているところである。

(2) 救急医療に従事する医師等の養成、訓練については、昭和三十九年度以降、救急告示病院等の医師を対象に、都道府県及び関係学会に委託して技術向上のための研修を実施している。

(3) 新住宅市街地開発事業等の大規模な宅地開発に当たつては、周辺の状況を勘案し、医療施設等の公益施設等のために必要な用地の確保について配慮がなされることになつているが、医療機関の配置についても、今後とも十分配意すべきもののであると考える。

右答弁する。

衆議院の原文

似た質問主意書

件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。

提出 1987年5月12日 草川昭三 答弁 1987年5月19日
衆議院 第108回 第36号お答えすることは困難 ×1
提出 2008年1月21日 阿部 知子(社会民主党・市民連合) 答弁 2008年1月29日
提出 1974年3月18日 須原 昭二 答弁 1974年3月26日
参議院 第72回 第12号お答えすることは困難 ×1
提出 1976年5月20日 金子満広 答弁 1976年5月28日
衆議院 第77回 第28号
提出 1989年1月26日 草川昭三 答弁 1989年2月3日
衆議院 第114回 第2号検討してまいりたい ×1
提出 2010年6月9日 木村 太郎(自由民主党・無所属の会) 答弁 2010年6月18日
衆議院 第174回 第558号お答えすることは困難 ×1
提出 1976年5月11日 山田芳治 答弁 —
衆議院 第77回 第8号答弁書なし(撤回通知)

件名の語が重なる質問主意書

提出 2011年12月7日 木村 太郎(自由民主党・無所属の会) 答弁 2011年12月16日
衆議院 第179回 第107号
提出 2006年3月16日 赤嶺 政賢(日本共産党) 答弁 2006年3月24日
提出 2004年8月5日 若井康彦(民主党・無所属クラブ) 答弁 2004年8月11日
衆議院 第160回 第59号承知していない ×1
提出 2002年7月31日 保坂 展人(社会民主党・市民連合) 答弁 2002年9月10日
衆議院 第154回 第194号お答えすることは困難 ×1
提出 2002年2月21日 小池 晃 答弁 2002年3月29日
参議院 第154回 第13号

この論点で次の質問を書くなら

アシストで並べる