Kurage 質問主意書アシスト

ことばで探す › 衆議院 第91回

北海道における国鉄地方交通線対策に関する質問主意書

衆議院 第91回 第11号

提出者
衆議院
提出日
1980年4月3日
内閣転送 1980年4月5日
答弁書受領日
1980年4月25日
提出から22日
答弁の項目数
9
質問 2,092字/答弁 1,355字

質問本文

衆議院議長 ※(注)尾弘吉 殿

北海道における国鉄地方交通線対策に関する質問主意書

北海道は、土地、水源地に恵まれているなど、我が国において最も発展の可能性に富んだ地域であり、今後、開発の伸展に伴つて輸送需要の増加が見込まれ、広大な面積をもつ積雪寒冷地帯やオホーツク沿岸の結氷など他府県と異なる北海道の厳しい自然条件からも、公共輸送の基幹をなす国鉄の果たす役割は、将来とも大きくその整備強化が必要である。

しかし、政府は「日本国有鉄道経営再建促進特別措置法案」を今国会に提出し、このなかで輸送需要の少ない地方交通線をバス輸送等へ転換することとしているが、鉄道網の過半を地方交通線が占めている北海道の実態から、北海道諸地域の住民生活や産業経済活動に甚大な影響を与えるとともに、地方に過大な負担となることが憂慮される。

こうした観点から、北海道における国鉄地方交通線に関連して、次の事項について質問する。

一 今回の国鉄地方交通線対策については、あらかじめ地方自治体に何らの相談もなく、一方的に強行しようとしているため地元は混乱し、政府に対する不信感は根強いが、政府はこれをどのように収拾する考えか。

二 国鉄経営の健全化は、国鉄自身による経営改善努力が基本であり、経営改善の実績をあげたうえで地方交通線対策を考えるべきであるが、これについてどう考えるか。

また、これまでの国鉄経営努力の実績と、民間鉄道事業者並みのサービスと経営ができない理由を明らかにされたい。

三 国鉄経営の悪化は、モータリゼーションの伸展や航空機の出現による独占的地位の低下などの外的要因もあるが、労使紛争による利用者の国鉄離れ等内部要因に負うところも大きい。

今回の地方交通線対策や職員三十五万人体制について、国鉄労使相互の十分な理解が得られているのか。

四 北海道においては石炭、木材、農水産物などの生産量が増大し、また、定住人口、観光客入込みの増加等による旅客需要が大きく見込まれるので、国鉄輸送力を増強する必要がある。

しかし、今回の地方交通線対策は、これらの地方定住構想など地域開発計画との整合性がとれていないと思うがどうか。

五 輸送需要の少ない線区のバス輸送転換により、鉄道のネットワークが分断されるが、それでも地域の効率的な輸送の確保はできるのか。

六 今回の再建法案には、諸々の問題がある。

その一つは、全国一律の基準で地方交通線を廃止することである。

地方交通線の基準を定める政令には、北海道の自然的・社会経済的条件を考慮した特例を盛り込むべきであると考えるが、これについての見解を示されたい。

七 バス輸送転換を決定後、特定地方交通線対策協議会で、転換後の代替交通機関を協議し、二年間で結論がでないときは、国鉄バスに転換するという手続は、一方的強制的であり、地方の反対も特にこの点が強く、地方軽視のあらわれと言わざるを得ない。

この見切り発車的行為をやめる考えはないのか。

八 地方交通線に高い特別運賃を課し、地域に差別をつけようとするが、地方交通線は、一般に大量交通機関として独占的な地位をもつており、特別運賃制の導入により独占価格を形成することとなり、再建法案の主旨に反することになる。

また、低質の輸送サービスに割高な運賃という結果になり、経済原則に反すると思うがどうか。

九 今回の地方交通線対策の対象となる線区は、本来公共的助成が必要な線区であり、何らかの措置なしには転換の引受け手はないと思われる。

助成期間を五年としている理由は何か。

また、五年後の赤字についてどのような措置を考えているのか。

十 国鉄は市町村長に対し、貨物駅の集約化や営業近代化の計画実行の際、駅舎の整備等多くを約束しているが、地方交通線対策が実施されるとその約束は履行できなくなるが、これらの点について市町村の不満不信は高まつている実状である。

地元の理解と協力なしに、強制的な地方交通線の廃止は不可能と考えるが、これらの点についてどのように考えているか。

十一 幹線・地方交通線の区分を輸送密度八千人で区分しているが、八千人未満の地方鉄道でも黒字を出している経営体も多い。

なぜ八千人で区切るのか、その根拠を示していただきたい。

また、同様に四千人、二千人についてもその根拠を明らかにされたい。

十二 今後、石油事情が一層厳しくなることが予想される。従つて、エネルギー効率が高く、環境保全、交通安全などの面からも、他の輸送機関より優れている鉄道を見直すべきではないかと思うがどうか。

また、最近、鉄道の貨物輸送が増加してきている理由と今後の見通しをどう予想しているのか。更に、地方交通線の多くを道路交通に転換した場合、燃料の確保、道路管理、交通事故等関連する問題を関係省庁間においてどのように整理するのか。

十三 我が国の総合交通体系と、これを実現するための総合的交通政策を早急に明らかにするとともに、このなかで鉄道の位置づけを総合交通政策との関連で具体的に示すべきであると考えるがどうか。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一及び十について

日本国有鉄道(以下「国鉄」という。)の地方交通線対策の推進に当たつては、今後とも、利用者、関係地方公共団体等の理解と協力が得られるよう努めてまいりたい。

二について

国鉄の経営の再建を促進するためには、国鉄自らその経営の改善に努力すべきことは当然であるが、地方交通線対策も積極的に推進していく必要があると考えている。

なお、国鉄は、これまでも、貨物駅の集約化等による経営の合理化、車両の性能の向上等による輸送サービスの改善等を行つてきたところであるが、今後とも、民間事業者の輸送サービス等を参考にしつつ、なお一層の経営の改善が図られるよう指導してまいりたい。

三について

国鉄の経営の再建は、国鉄の労使が相互の十分な理解の下に相協力し全力を挙げてこれに取り組む必要があり、国鉄は、その経営の再建のための対策の実施に当たつては、関係労働組合の理解と協力が得られるよう努めていく所存であると聞いている。

四及び五について

国鉄の地方交通線対策は、北海道総合開発計画等とそごをきたさないよう地域における効率的な輸送の確保に配慮しつつ進めることとしている。

六、九及び十一について

第九十一回国会に提出している日本国有鉄道経営再建促進特別措置法案においては、地方交通線及び特定地方交通線を選定する基準並びに特定地方交通線を廃止する場合に必要となる一般乗合旅客自動車運送事業又は地方鉄道業を経営する者に対する補助については、政令で定めることとしているが、この政令については、十分に検討した上で定めることとしたい。

七について

特定地方交通線を廃止する場合に必要となる輸送の確保に関しては、特定地方交通線対策協議会において十分協議することが可能であると考えている。

八について

国鉄の地方交通線に係る収支状況は、地方交通線以外の営業線に係るそれに比べて著しく悪い状況にあり、地方交通線の収支の改善を図るためには、地方交通線について特別運賃を設定することが必要である。

十二について

鉄道による輸送は、エネルギー効率、環境保全、交通安全等の面において他の輸送機関による輸送より優れている点が多く、鉄道特性が発揮し得る輸送分野においては、今後とも、鉄道による輸送を積極的に推進していく所存である。

また、国鉄の貨物輸送の輸送量は、昭和五十三年度においてわずかながらも増加したが、これは、積極的な販売活動の展開、景気の上昇による輸送需要の拡大等によるものであり、今後においても、ほぼ現状又は微増の形で推移するものと考えている。

なお、特定地方交通線を乗合バスに転換した場合における燃料の確保等については、必要があれば関係省庁間で十分な調整を図つた上で、所要の措置を講じるよう努めてまいりたい。

十三について

総合交通体系については、昭和四十六年十二月臨時総合交通問題閣僚協議会において、政府の基本的な方針を取りまとめ、この方針に従つて各般の交通政策を進めてきたところである。

この方針は、現時点においても基本的に妥当なものと考えているが、策定後、資源、エネルギー情勢等経済社会情勢にかなりの変化がみられるため、この方針に関し修正を要する点があるか否か等について、現在検討を進めているところである。

右答弁する。

衆議院の原文

似た質問主意書

件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。

提出 1980年3月12日 斎藤実 答弁 1980年3月21日
衆議院 第91回 第8号お答えすることは困難 ×3
提出 1979年5月17日 正木良明 答弁 1979年6月8日
衆議院 第87回 第30号お答えすることは困難 ×3
提出 1966年12月19日 吉川兼光 答弁 1966年12月20日
衆議院 第53回 第2号
提出 1950年4月7日 高田弥市 答弁 1950年4月18日
衆議院 第7回 第122号
提出 1949年11月5日 柄澤とし子 答弁 1949年11月15日
衆議院 第6回 第17号
提出 1952年2月12日 高田弥市 答弁 1952年2月22日
衆議院 第13回 第8号

この論点で次の質問を書くなら

アシストで並べる