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豪雪地帯の施策に関する質問主意書

衆議院 第91回 第8号お答えすることは困難 ×3

提出者
衆議院
提出日
1980年3月12日
内閣転送 1980年3月15日
答弁書受領日
1980年3月21日
提出から9日
答弁の項目数
11
質問 2,106字/答弁 2,025字

質問本文

衆議院議長 ※(注)尾弘吉 殿

豪雪地帯の施策に関する質問主意書

自然条件の厳しい豪雪地帯は、地域の開発はもとより生活環境の整備が立ち遅れており、特に本年の豪雪は交通・産業・医療など住民生活に重大な影響を及ぼしている。このような厳しい立地及び気象条件下にある豪雪地帯の住民の生活向上を図るとともに、これらの地域の振興を積極的に進めることにより国土の均衡ある発展を推進する必要がある。

こうした観点から、豪雪地帯の諸施策を推進するに当たり、基本的事項並びに当面する問題点について政府の見解を問うものである。

一 現行法においては、豪雪対策事業計画の策定段階で地方公共団体が参画することが制度上明確になつていない。このため、地域の状況に適応した地方公共団体の施策が事業計画に必ずしも反映されているとは言えない状態である。

従つて、地域の特性に応じた開発と施策並びに地域の実情に即した雪害防除等の施策が講じられるよう過疎地域振興計画策定におけるように、道、府、県及び市町村による豪雪地帯振興計画策定の制度を新設すべきであると考えるがどうか。

二 豪雪地帯対策基本計画に基づいて関係各省庁がそれぞれ事業計画をたて事業を実施しているが、その事業実績が掌握されていない。

今後の豪雪地帯の計画的事業推進を図るためにも、事業実績を掌握すべきであると考えるがどうか。

三 豪雪地帯の振興に関する事業については、地方債をもつてその財源とすることができるよう「豪雪対策事業債」制度を設ける必要があると考えるがどうか。あわせて、その償還財源の地方交付税上の補てん措置を講ずるべきであると考えるがどうか。

四 特別豪雪地帯の指定基準の二号要件「積雪による住民の生活の支障」については、冬期間の強烈な季節風がもたらす「地吹雪」現象によつて、道路交通及び鉄道網が分断されてまひ状態になり、住民生活に著しい支障をきたしている。

このような特異な気象条件についても、指定の対象となるよう基準の見直しを図るべきであると考えるがどうか。

五 現行の特別豪雪地帯の指定は、その一号要件の「積雪の度」の基準に、地吹雪現象等による積雪が算入されていない。

また、二号要件についても、地方自治体の努力あるいは地域住民の協力によつて除雪が行われ、交通途絶の要件に該当しないことが少なくない。これらを理由に未だ指定されない市町村が数多い。

こうした状況は、豪雪地帯対策特別措置法の目的に照らしてもそぐわないものであり、早急に地域の実情に即応して、指定の見直しを行うべきであると考えるがどうか。

六 特別豪雪地帯の指定については、同じ条件にありながら指定されている市町村と指定されていない市町村があり均衡を欠いていると思われる。例えば、北海道後志支庁の余市町、寿都町、島牧村、泊村及び空知支庁の砂川市、歌志内市、上砂川町、奈井江町の八市町村は、現在、特別豪雪地に指定されている隣接市町村の積雪及び交通途絶の状況、住民生活の支障の度合いなども特に差異が認められないと思われるが、これら八市町村が指定されない理由は何か。

七 前記のうち、砂川市、歌志内市、上砂川町、奈井江町は、総理府告示第十四号(昭和五十四年四月三日)による補助制度の指定地域からはずれていることを不服として、行政不服審査法に基づき異議申し立てを行つているが、審査の進ちよく状況はどうか。

また、指定の見直しを行うべきであると考えるがどうか。

八 豪雪地帯においては、雪害防除、家屋の維持修繕費や暖房用燃料など積雪寒冷のために必要不可欠な経費の支出を余儀なくされ家計費が増大している。しかも、税制上十分な考慮がなされていないために住民の税負担は過酷なものとなつている。

従つて、豪雪地帯の特殊事情を考え、所得税、住民税における雪寒控除制度を早急に創設すべきであると考えるがどうか。

九 現行の豪雪の場合における雪下ろし費用等に係わる税の雑損控除制度は、年間所得の一〇パーセントを超える損害が発生した場合に、超過部分を所得から控除する取扱いになつているが、これは実情に合わないため、この割合を引き下げるべきであると考えるがどうか。

十 山村、へき地などの条件下にある豪雪地帯については、事業用資産の買い替えの場合における譲渡所得の課税及び事業用資産に対する特別減価償却等の税制上の措置を講じ、他地域との格差是正を図るべきであると考えるがどうか。

十一 雪害による住民の支出経費は非常にぼう大であり、例えば新潟県小千谷市における五十一年十二月から五十二年四月までの一冬間の調査結果によると、除雪費、雪囲い費、暖房費、消雪パイプの負担金などに用した経費は、一世帯当たり約三十万九千円にもなつている。

しかし政府は、これら雪害に関する実態を掌握していない。

従つて、雪害による住民負担の実態を明らかにして、行財政措置の基礎資料とするためにも、実態調査を実施すべきであると考えるがどうか。

さらに、地域経済に及ぼす影響の分析及び住民生活の環境に対する調査研究を進める必要があると考えるがどうか。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

内閣総理大臣は、地域の実情が反映されるよう、関係行政機関の長に協議し、かつ、関係道府県知事及び国土審議会の意見を聴いて豪雪地帯対策基本計画を決定しているところである。

また、関係行政機関の長は、毎年度、基本計画の実施についてその所掌する事項に関し事業計画を作成しているところであり、その過程においても地方公共団体の意向が反映されるよう努め、できる限り地域の特性、実情に即した施策を推進しているところである。

二について

関係行政機関の長は、毎年度、基本計画の実施についてその所掌する事項に関し事業計画を作成し、これを国土庁長官(北海道の区域内にある豪雪地帯に係る事業計画については北海道開発庁長官)に提出することになつており、これをもとに計画をは握しているところである。

なお、平年並みの積雪の場合には計画と実績のかい離は少ないと考えられ、また、異常豪雪の場合において予備費を使用して実施した事業についてもは握しているところである。

三について

特別豪雪地帯の市町村に対しては、昭和四十七年度から一般単独事業債のうちに特別豪雪対策分として特別の枠を設け、毎年増額を図つてきている。

積雪による通常の増加経費については、普通交付税により、また、豪雪による臨時増加経費については、特別交付税によりそれぞれ措置することとしており、特別豪雪対策分に係る地方債の元利償還費を交付税で措置することは考えていない。

なお、特別豪雪地帯の市町村の大部分は、過疎市町村又は辺地を有する市町村であるので、これまで、過疎債及び辺地債の運用の面をも通じて適切に対処してきているところである。

四について

吹雪現象(地吹雪を含む。)は、大規模な寒気の吹出しにより各地域にわたつて広く発生する。しかも、この現象は、風向、風速、地形、雪質等によつて大きく影響されるため、恒久的対策を講じていくべき地域を定めるための基準として導入することは、極めて困難である。

五について

昨年三月決定した特別豪雪地帯の指定基準では、最近年次の昭和五十二年までの二十年間の累年平均積雪積算値を採用したところであり、その際、観測点の増加を図る等地域の積雪の実態が十分反映されるよう配慮したところである。

また、二号要件については、自助努力の高い市町村が基準の上で不利益とならないよう積雪による自動車交通の途絶の状況のみでなく、医療、義務教育及び郵便物の集配の確保の困難性、財政力並びに集落の分散度の各要素について、その実情を総合的にみて判定するよう配慮されているところである。

六について

御質問の八市町村については、「積雪の度の要件」に関してはいずれも要件を満たしているが、「積雪による住民の生活の支障の要件」に関して、積雪による自動車交通の途絶の状況、医療、義務教育及び郵便物の集配の確保の困難性、財政力並びに集落の分散度の各要素について、その実情を総合的にみた場合、周辺市町村に比して、その支障の程度が少ないものと判定されたためである。

七について

お尋ねのような行政不服審査法に基づく異議申立てについては、現在のところそのような事実は聞いていないが、関係市町村からの要請は聞いている。

また、特別豪雪地帯の指定基準については、昨年三月に指定基準の見直しを行つたばかりであり、早急に指定基準の見直しをすることは困難である。

八について

これまでの税制調査会の答申でも指摘されているように、個別的な事情を税制上しん酌するにはおのずから限界のあるところであり、いわゆる豪雪地帯など地理的な特殊性からくる生計費の増加に対処するため雪寒控除制度を設けることは適当でない。

九について

雑損控除制度の年間所得十パーセント超という要件は、火災、風水害等種々の損夫を通じてどの程度以上のものを税制上しん酌すべきかという観点のほか、税務の円滑な執行が可能かどうかという観点をも踏まえて定められているものであり、妥当なものと考えている。

十について

現在、過疎地域、低開発地域工業開発地区等については、事業用資産の買換えの特例及び特別償却が認められているところであり、豪雪地帯のかなりの部分はこれらの地域に含まれ、これらの特別措置が適用されているところである。

なお、租税特別措置については積極的にその整理合理化を進めているところであり、新たな制度の創設は適当でない。

十一について

積雪地域における住民負担の実態については、地域により、また、年により積雪量が異なるとともに、それぞれの地域の社会的、自然的条件や生活様式が異なつていることなど、各種の要因が複雑に作用しているので、実態調査により客観的な指標を見いだすことは困難である。

なお、地域経済に及ぼす影響の分析及び住民生活の環境に対する調査研究については、関係省庁の研究機関、大学等のほか民問においても行われているところである。

右答弁する。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×3

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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