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失業対策事業の充実・改善に関する質問主意書
衆議院 第96回 第26号検討してまいりたい ×2
質問本文
衆議院議長 福田 一 殿
失業対策事業の充実・改善に関する質問主意書
現在、失対事業は全国の四十三都道府県を含む約六百余の自治体で実施され、約七万四千人が同事業に就労している。
各自治体では、小中学校のプール建設や道路舗装、用水路の建設・補修などをはじめ、街路や公園の清掃など多様な住民要求に根ざした事業を実施し、多くの自治体住民に喜ばれている。しかし一方、これらの事業に従事する就労者の処遇は極めて劣悪なものである。賃金は高い方の乙事業でさえ、一ヵ月九万四千八百円(二十二日就労)であり、甲事業では同じく七万七千四百円という低さである。
政府は、この十数年来一貫して失対打ち切りを進め、昨年は約一万八千人を「引退」という名目で、失対事業から追い出している。
加えて、伝えられるようなマイナス・シーリングにより、来年度予算が大幅に減額されることになれば、同事業の円滑な実施は重大な困難に直面し、就労者の就労日数の減少は、生活を破綻に導かざるを得ない。
このような事態は厳に避けねばならない。この立場から、今後の失対事業について以下のとおり質問する。
一 前述のように、失対就労者の賃金は生活保護基準をわずかに上回る程度であり、扶養家族が一人でもいれば、生活保護費の方が高くなる程の低賃金である。永年にわたり地域の生活環境の整備などに従事しながら、最も苦しい生活を強いられている失対就労者の賃金は大幅に引き上げるべきだと考えるが、どうか。
また、従来生活保護基準の引上げに見合つて賃金も引き上げられてきたが、今後もこの姿勢を堅持すべきだと思うが、どうか。
二 失対事業を地域の生活環境整備などに一層役立てようとする場合、各自治体がぶつかる最大の障害は資材費単価が低すぎることである。これまでも政府は、その改善に努力する旨繰り返し約束してきたが、素直に言つてほとんど変化がない。
今後、資材費単価をどうするのか、政府の方針を明らかにされたい。
三 マイナス・シーリングの方針で、失対関係予算について五〜一〇%の削減が伝えられているが、同事業を実施する自治体は財政上も大きな負担となり、事業の縮小を余儀なくされることにならざるを得ない。
政府は、就労者が就労日数減による賃金の減収、本人の意志や労働能力を無視した乙事業から甲事業への強制移転、引退の強要などが起こらないよう措置すべきだと思うが、どうか。
四 就労者が失対をやめ、民間雇用や自立をする場合、就職支度金が一人六万円支給されている。しかし、この金額は過去五年間にわたり据え置かれたままとなつている。制度の目的から言つても据置きは不当である。従つて、就職支度金は大幅に引き上げるべきだと思うが、どうか。
五 日本経済の危機の深刻化のなかで、失業者が増大し、高度成長時代につくられた失業対策では対応できなくなりつつある。
私は、かねてから公的就労事業の再確立を主張してきたし、この立場から、政府が今年度中にモデル的に新しい「特定地域開発就労事業」を開始すると答弁したことに注目している。今年度も前半を終わろうとしているが、新事業の準備はどうなつているのか。その実施地域・対象人員・事業内容など、その概要を明らかにされたい。
来年度の失業情勢は一層の悪化が必至である。その場合、この事業の規模は当然拡充すべきものと考えるが、どうか。
六 これに関連して、北海道など積雪寒冷地の冬期雇用対策としての、現行の雇用促進給付金制度は今年度限りとなつているが、昭和五十八年度以降の対策はどうするのか。具体的な方針、若しくは検討内容を明らかにされたい。
右質問する。
政府答弁書
一について
失業対策事業に就労する者に支払われるべき賃金は、緊急失業対策法の規定により、労働大臣が民間の類似の作業に従事する労働者に支払われる賃金を考慮し、かつ、失業対策事業賃金審議会の意見を聞いて定めることとなつているところである。政府としては、今後ともこの原則に従つて対処してまいりたい。
二について
失業対策事業における資材費の単価については、毎年その増額に努めてきたところであるが、今後においても国の財政事情を勘案しつつ、必要に応じて改善に努めてまいりたい。
三について
失業対策事業関係予算については、昭和五十五年十二月の「失業対策制度調査研究報告」の趣旨を踏まえ、また、失業対策事業就労者の実情にも配慮しつつ、政府部内において、現在、検討を行つているところである。
四について
日雇労働者就職支度金については、前記の「失業対策制度調査研究報告」の指摘もあるので、政府としてなお検討を続けてまいりたい。
五について
「改善特定地域開発就労事業」は、特定地域の市町村が、民間企業に対して、一定の中高年齢失業者等を雇い入れ、その者に常用労働者としての再就職が可能となるような教育訓練を行うこと等の条件で、地域社会に役立つ事業の実施を請け負わせ、又は委託する場合に、国が当該市町村に対して助成を行うものであり、本事業を通じて中高年齢失業者等の常用就職の促進を図ろうとするものである。
本事業は、本年度下半期以降にモデル的に実施すべく鋭意検討中であり、来年度以降の実施については、本年度の実施状況を踏まえ、検討してまいりたい。
六について
積雪寒冷地における季節労働者対策については、季節労働者の雇用の実態にかんがみ、通年雇用奨励制度の活用を図るとともに、さらに、季節労働者の通年雇用化の推進の方策について検討してまいりたい。
右答弁する。
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