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もち米輸入商社公表問題と国政調査権との関連に関する質問主意書
衆議院 第96回 第8号お答えすることは困難 ×1承知していない ×2個別の事案 ×2
質問本文
衆議院議長 福田 一 殿
もち米輸入商社公表問題と国政調査権との関連に関する質問主意書
一 私は、昭和五十五年十一月二十九日「モチ米高騰の緊急事態に関する質問主意書」を提出した。
その際、政府の答弁書によれば「もち米については、うるち米と同様、国内必要量は国内生産で確保することを基本としている。」とその方針を明らかにしているが、この方針は現在においても変更はないか。
二 また、「今後において、もち米の外国輸入の失敗を再び繰り返さない措置をとり得るか。」との質問に対し、同じく答弁書は「もち米生産団地の育成、契約栽培体制の推進等を通じ、需要に見合つた適正生産の確保に努め、需給及び価格の安定を図つてまいりたい。」と答弁しているが、以上の点については実行されたのかどうか。実行されたとすれば、どのように実行されたのか。
三 以上の答弁がなされたにもかかわらず、昭和五十六年度五万トンのもち米輸入がなされている。
これは、先の政府答弁書に背反する事実であるが、政府はこれをどう考えるのか。
四 五万トンの輸入数量は、三重県、高知県、静岡県、岐阜県等一県分の減反面積の生産量に相当する。この事実をもつてしても、一方で農民に減反を強制し、一方で輸入を続けることはもはや許されるべきことではない。
政府は、国内生産のための措置を適確に実施し、今後もち米の輸入を行わないことを確約できるか。
五 行政の不始末によつて続けられているもち米の輸入については、現地での買付けから政府への売渡しまでの経過において商社の不当な利益があり、もち米輸入の利権確保をめぐつて当該官庁と商社の不正な癒着が生じていると言われる。
これは国政上放置できない問題である。従つてその真相究明のために、次の点を明らかにされたい。
1 昭和五十年度以降におけるもち米輸入の輸入国、当該年度契約ごとの輸入数量
2 同契約ごとの取扱い商社名、相手国での仕入価格、輸送費・保険料等の中間経費、商社手数料、農林水産省の入手価格
3 商社が買付けに当たつた相手国の商社名(国家機関を含む。)及びその商社取扱い数量
4 買付け国におけるもち米価格の詳細な価格推移及び他国による買付け価格、数量
六 私は、以上の観点から衆議院農林水産委員会で資料の報告を求めたが、商社の営業上の秘密、対外的問題を理由に商社名、輸入数量等基本的事実について答弁を拒否した。
かかる食糧庁長官の答弁は、明らかに国政調査権(国会法第百四条)の侵害である。
長官答弁のように、商社の営業上の秘密、対外問題が仮に国政調査権よりも優位にたつものとするならば、その根拠を示されたい。
国会法第百四条においては、「各議院又は各議院の委員会から審査又は調査のため、内閣、官公署その他に対し、必要な報告又は記録の提出を求めたときは、その求めに応じなければならない。」と明文化されており、これに基づく国会議員の国政調査権は、当然前記の質問条項に及ぶものと考えるが、政府の見解を求めたい。
右質問する。
政府答弁書
一について
「もち米については、うるち米と同様、国内必要量は国内生産で確保することを基本としている。」という方針は、現在においても変更はない。
二及び三について
もち米の需給の安定を図るためには、需要に見合つた適正な生産が図られることが必要であるとの観点から、もち米安定供給奨励金の交付を行うとともに、関係者を指導し、もち米生産団地の拡大、契約栽培に伴う最低保証額の引上げ等の措置を図つたところである。
しかしながら、五十六年産米も前年に引き続き不作に見舞われたことから、もち米の需給及び価格の安定を図るためやむを得ず外国産もち米の輸入を行つたところである。
四について
今後とも、もち米の国内必要量は国内生産で確保することが基本であると考えており、このような観点に立つて国内産もち米の調整保管制度を新たに設け、政府としても所要の助成を行うこととしたところである。
異常な凶作等によりやむを得ず輸入を行うことがないとはいえないが、今後は、この調整保管制度の活用を中心に、もち米の需給及び価格の安定を図り得るよう努めてまいりたい。
五について
(一) 昭和五十年度以降におけるもち米の輸入先国、年度契約ごとの輸入数量、契約ごとの取扱い商社名及び食糧庁の買入契約価格は、別表一のとおりである。
なお、企業名を示して個々の商社ごとの契約数量を明らかにすることは、各商社の営業活動を公開することになり、企業の秘密に触れることになるので、適当でないと考える。
(二) 相手国での仕入価格、輸送費・保険料等の中間経費及び商社手数料については、食糧庁は、所要の調査を行い、その時々の適正な水準を把握の上、予定価格を算定し、その範囲内の価格で買付契約を締結しているが、契約締結後に各商社が実際に要した額は承知していない。
なお、相手国での仕入価格については、政府間で交渉することもあるが、この場合にもその価格については、輸出国側からこれを公表しないよう要請されており、日本側としても有利な買い付けを確保するため、これを公表することは適当でないと考える。
(三) 相手国における買付け先については、それが民間企業である場合には、その企業名は承知していない。国家機関又はその指定を受けた機関としては、韓国にあつては大韓民国農業協同組合中央会、中国にあつては中国糧油食品進出口総公司、タイにあつては商業省外国貿易局がそれぞれ買付け先となつている。
(四) 買付け国におけるもち米の価格推移については、タイの場合は別表二のとおりである。
なお、その他の国については、この種の資料はない。
また、他国による買付け価格及び数量に関する資料は、入手困難である。
六について
(一) 政府としては、国会の国政調査活動が十分その目的を達成できるよう、政府の立場から許される最大限の協力をすべきものと考えるが、本件において、各商社の具体的な契約数量を明らかにすることについては、各商社の営業活動を公開することになり、企業の秘密に触れることになること、また、政府間交渉により決定された相手国での仕入価格を明らかにすることについては、相手国の要請に反するとともに、我が国の有利な買い付けが困難になるという問題があることから、適当でないと考える。
(二) なお、いわゆる国政調査権に関する政府の考え方は、次のとおりである。
1 いわゆる国政調査権は、憲法第六十二条に由来するものであり、国政の全般にわたつてその適正な行使が保障されなければならないことはいうまでもないところである。
一方、憲法第六十五条によつて内閣に属することとされている行政権に属する公務の民主的かつ能率的な運営を確保するために、国家公務員には守秘義務が課されている。
2 そこで、国政調査権と国家公務員の守秘義務との間において調整を必要とする場合が生ずる。国政調査権に基づいて政府に対して要請があつた場合、その要請にこたえて職務上の秘密を開披するかどうかは、守秘義務によつて守られるべき公益と国政調査権の行使によつて得られるべき公益とを個々の事案ごとに比較衡量することにより決定されるべきものと考える。
3 個々の事案について右の判断をする場合において、国会と政府との見解が異なる場合が時に生ずることは避け得ないところであろうが、政府としては、国会の国政調査活動が十分その目的を達成できるよう、政府の立場から許される最大限の協力をすべきものと考える。
(昭和四十九年十二月二十三日参議院予算委員会における三木内閣総理大臣答弁参照)
右答弁する。
別表一 も ち 米 の 輸 入 状 況
別表二
タイ国貿易取引委員会の公表によるタイもち精米(砕米率10%)
の輸出指標価格
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