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国連海洋法条約に関する質問

参議院 第131回 第2号お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×1承知していない ×1検討してまいりたい ×2

提出者
参議院
提出日
1994年10月7日
内閣転送 1994年10月12日
答弁書受領日
1994年10月25日
提出から18日
答弁の項目数
9
質問 1,848字/答弁 2,101字

質問本文

国連海洋法条約に関する質問主意書

一九八二年に国連で採択された国連海洋法条約は、今年十一月に発効することとなった。この条約は海底の資源開発の他、領海、二百カイリ経済水域の設定、国際海峡の通行権保障など、包括的に海洋に関する問題を規定したものであり、海洋国であるわが国にとって重要な条約である。この条約の発効に当たり、わが国に関する重要な点についてただしたい。

一、国連海洋法条約の発効について

(1) この条約の発効を政府はどのように受けとめるか。

(2) この条約の批准についての作業をどのような予定ですすめていくのか。

(3) このことと関連して国内法の整備が必要と思われるが、政府として条約に対応した国内法の整備をどのような分野ですすめようとしているのか。

(4) 政府として条約に対応した関係国との協議をどのような枠組みで行うのか。

二、二百カイリの排他的経済水域の特に生物資源に関して

(1) 条約はこの水域での生物資源の沿岸国による最適な利用、保存、管理措置についての主権と義務を定めているが、この部分がとりわけ日本の漁業にとって非常に重要と考えるが、政府はどのように実効性を確保しようとしているのか。

(2) 条約の発効が迫った現在、早急に解決すべき諸問題がある。条約では経済水域を「二百カイリを超えない範囲」と設定している。これに基づいてわが国は二百カイリを超えない範囲で排他的経済水域を設定できる。一九七七年に制定された「漁業水域に関する暫定措置法」(昭和五十二年法律第三十一号)では、東経一三五度以西の韓国・中国との間の海域には適用を除外している。今日中国・韓国漁船が日本近海において操業を行い、年々、日本側の規則を無視した無謀な操業・協定違反、漁具被害などが後を絶たず、資源管理上も重大な事態となり、わが国の漁業に深刻な影響を与えている。今日の韓国・中国の漁船の操業が日本の漁業に与えている事態は、海洋法条約に言う二百カイリ水域における生物資源の効果的な保存・最適利用の立場から大きく逸脱していると考えるが、政府はどのように考えるか。

(3) これまで韓国・中国に二百カイリ経済水域の設定について長期間適用除外してきたのは何故か。今年の国連海洋法条約の発効に当たり、すみやかに二百カイリ水域の設定を両国に適用すべきではないか。

(4) 国連公海漁業会議は来春から公海での漁業規制に関する国際条約の制定について検討されることになった。二百カイリ不設定の公海での漁業規制が現実化すれば、日本、韓国、中国に面した水域での漁業規制にもつながる重大問題となる。この点をどのように受けとめているのか、またそれへの対応について問う。

三、現在の対韓国・中国との漁業協議について

(1) 政府は特に韓国との間の漁業関係の「新たな枠組み」についての努力をこれまでしばしば述べている。しかし日韓実務者協議・日韓漁業共同委員会のそもそもの性格は、これまでの漁業協定、自主規制措置の実施状況の点検等を基本としており、新しい仕組みを交渉するという場ではないのではないか。「新たな枠組み」を言うのなら正式な漁業交渉を持つべきではないか。この点でどう考えるか。二百カイリ設定についての交渉の予定とその方針について問う。

(2) 世界の沿岸国中、経済水域または漁業水域のかたちで二百カイリを実施している国は何カ国か。また関係国が認めないからと言う理由で自らの国について二百カイリを実施していない国はあるのか。

(3) 政府が海洋法条約にいう生物資源の管理の上からも、また、全国の漁業者の二百カイリ設定を求める要求を実現させるためにも、まず二百カイリ設定の明確に宣言してから関係国との交渉に望むべきではないか。

(4) 竹島に対する日本の領有権は歴史的にも国際法上も明確である。しかし政府は「安全操業確保に努力」を約束しながら、なんら具体的措置をとらず、韓国政府は不法に竹島占拠を続け、その周辺を「領海」として一方的に十二カイリの周辺水域から日本漁船を追い出している。竹島周辺水域の漁場確保と安全な操業を確保するため必要な具体的措置を早急に講ずるべきではないか。

(5) 二百カイリ線引きの上からも竹島、尖閣列島の領土問題を打開していくことは不可欠の課題である。韓国の竹島不法占拠、中国の領海法における尖閣列島領有規定に対してどう対処するのか、交渉することも含めどう前進させていくつもりか問う。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

一九八二年十二月十日の海洋法に関する国際連合条約(以下「海洋法条約」という。)は、国際社会における安定した海洋の法的秩序の確立に資するのみならず、海洋国家としての我が国の国益に沿うものであり、政府としては、海洋法条約が発効する運びとなったことを歓迎するとともに、海洋法条約を早期に締結したいと考えている。

御指摘の、国内法の整備及び関係国との協議を含め、海洋法条約の締結へ向けて、いかなる準備をどのように進めていくかについては、今後慎重に検討してまいりたい。

二の(1)について

我が国の漁業水域における生物資源の利用、保存及び管理については、現在、漁業関連法令に従って適切に行っているところであるが、海洋法条約との関係については、今後、慎重に検討してまいりたい。

二の(2)について

我が国は、韓国及び中国との間で、それぞれ日本国と大韓民国との間の漁業に関する協定(昭和四十年条約第二十六号。以下「日韓漁業協定」という。)及び日本国と中華人民共和国との間の漁業に関する協定(昭和五十年条約第二十四号。以下「日中漁業協定」という。)を締結し、これらの協定の下で、我が国周辺水域における漁業秩序の維持及び漁業資源の保存に努めてきているところであり、このような取組は、海洋法条約の想定している生物資源の保存及び最適利用の立場から大きく逸脱しているとは考えていない。いずれにせよ、韓国及び中国との漁業関係については、今後とも生物資源の効果的な保存及び最適利用といった点も踏まえ、適切に対処してまいりたい。

二の(3)について

漁業水域に関する暫定措置法(昭和五十二年法律第三十一号)及び漁業水域に関する暫定措置法施行令(昭和五十二年政令第二百十二号)において漁業水域から一定の水域を除外し、また韓国及び中国両国国民に対し漁業水域における外国人規制措置の適用除外を行ってきたことは、両国との間にそれぞれ日韓漁業協定及び日中漁業協定に基づく漁業関係が存在していること等を考慮したものである。

この水域に漁業水域を設定するとともに韓国及び中国両国国民に対し同法を適用することについては、日韓漁業協定及び日中漁業協定に基づく枠組みの見直しが必要であること、両国の周辺水域で展開されている我が国漁船の操業に及ぼす影響や日韓・日中関係全般に及ぼす影響も考慮する必要があること等から、これを早急に実現することは困難である。

二の(4)について

いわゆる国連公海漁業会議は、公海域のみならず各国の管轄権の及ぶ水域内を回遊域の一部とするタラ類、マグロ類等の魚種についての保存管理措置等に関し一般的なルールを検討することを目的としているものであり、水域ごとの具体的な保存管理措置を定めることを目的としているものではない。

我が国、韓国及び中国に面した水域における具体的な保存管理措置については、必要に応じ、これらの国の間で協議、決定していくべきものと考えている。

三の(1)及び(3)について

政府としては、明年以降の日韓漁業関係につき幅広く協議するため、現在、日韓漁業実務者協議を開催しており、このような協議を通じてより良い日韓漁業関係が築けるよう、最大限努力しているところである。

御指摘のような二百海里水域の設定の問題に関しては、我が国と関係国との間のこれまでの漁業関係の経緯、我が国周辺水域への当該関係国漁船の展開状況、当該関係国周辺水域に出漁している我が国漁船への影響、更に、我が国と当該国との関係全般に与える影響等を総合的に勘案しつつ、慎重に検討すべき問題であると考える。

三の(2)について

最近の国連事務局作成資料によれば、幅員二百海里の排他的経済水域を設定している国又は地域は八十四であり、幅員二百海里の漁業水域を設定している国又は地域は十五である。

なお、関係国が認めないとの理由で、自国について二百海里水域を設定していない国の存否については、各国が二百海里水域を設定していない理由が必ずしも明らかではないので承知していない。

三の(4)について

竹島については、歴史的事実に照らしても、また、国際法上も、我が国固有の領土であることは明白であり、政府は、韓国側が同島を不法に占拠し、同島周辺の十二海里水域から日本漁船を締め出していることを誠に遺憾であると考える。

竹島周辺での安全操業問題については、政府としては、領有権問題に十分配慮しつつ、現実的に関係漁民の利益を確保するという見地から従来より努力を重ねており、今後ともこのような観点に立って努力してまいりたい。

三の(5)について

政府としては、竹島の領有権に関する日韓両国間の紛争は、あくまでも平和的手段により問題の解決を図るとの基本的立場に立って、外交上の経路を通じて今後とも粘り強く問題の解決を図っていく所存である。

また、尖閣諸島が我が国固有の領土であることは、歴史的にも国際法上も疑いのないところであり、現に我が国はこれを有効に支配している。したがって、中国との間に尖閣諸島の領有権をめぐって解決すべき問題はそもそも存在していない。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×1承知していない ×1検討してまいりたい ×2

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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