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スマートインターチェンジの許可基準及び整備手順の明確化等に関する質問主意書
参議院 第166回 第24号検討してまいりたい ×1
質問本文
私は新党日本の議員であるが、参議院で一人であるので無所属扱いとなっている。このため、国政一般について幅広く質疑を行うことができる予算委員会、決算委員会には割当がないことから、質問主意書という手法で政府の姿勢を問うものである。
スマートインターチェンジ(高速道路の本線やサービスエリア・パーキングエリア(以下「SA・PA」という。)、バスストップから乗り降りができるように設置され、通行可能な車両(料金の支払方法)を、ETCを搭載した車両に限定しているインターチェンジ、以下「スマートIC」という。)は、平成十六年度より社会実験が開始され、現在全国で十八箇所の本格導入が行われ、国土交通省は、今後も引き続きスマートICの整備を促進するとしている。スマートICの整備に当たり、平成十八年七月に国土交通省は「スマートインターチェンジ[SA・PA接続型]制度実施要綱」(以下「実施要綱」という。)を策定しているが、整備基準が十分に明確化されていない。
実施要綱では、スマートICは、地方公共団体が主体となって発意するとされているにもかかわらず、整備基準が十分に明確化されていないことから、国土交通省への要望や陳情を行わざるを得ない状況となっている。私は、要望や陳情の実績によって公共事業の採択が左右されるとすると、実施要綱の制定の意義は失われ、行政上の不透明さを招くほか、政府がそれを既得権益とするようなこととなれば、公共事業の有用性を醜くゆがめ、公共事業執行に対する国民の疑念を払拭することはできないと考える。
そこで、以下質問する。
一 スマートICの設置について、地方公共団体が行っている要望や陳情が必要であり、またその実績が実際に事業の採択を左右することがあるのか、政府の見解を示されたい。
二 スマートICの設置要件や設置までの進め方等については、誰でも分かるもの、誰が行っても結果が同じであることが重要である。しかし、実施要綱には大きな枠組みだけ書かれており、個別具体の事業に対処するにしては不十分である。こうした部分が緻密に制度化されていないと、最終的には、国に意見を一つ一つ求めていくこととなり、それが過度の行政裁量とそれに伴う数多くの要望・陳情活動を生み出す。当然に、より具体的なガイドラインの作成・公表が必要ではないかと考えるが、政府の見解を示されたい。
三 これまで実施したスマートICの社会実験において、それぞれの整備効果について公表はされているが、時間短縮効果、地域施設の利活用、医療施設へのアクセス改善等、それぞれ有効と思われた個別事例が羅列されているだけにすぎず、そもそも最低限満たすべき十分な社会的便益の水準が明らかではない。十分な社会的便益の水準について、統一した数値的判断基準を有しているのか、その有無とともに判断基準の内容も明らかにされたい。
四 スマートICについては、社会実験の後に、本格導入されることとなっているが、本格導入のための最低限の厳密な数値的判断基準を有しているのか、その有無とともに判断基準の内容も明らかにされたい。
五 スマートICについて、現在社会実験を行っているものは、本格導入までの進ちょく状況、手続の段階等を公表し、整備段階の透明性・客観性を確保すべきであると考えるが、政府の見解を示されたい。
六 これまでの社会実験の成果をいかし、スマートICの整備基準を体系的にまとめ、実施要綱よりも更に精緻な数値的基準を公表し、これに基づきスマートICを整備していくべきである。特に、課題が存在する場合等は、論理の飛躍がないように全体の論理構成を強化しつつ、いかなる施策が必要なのかが分かりやすく、そして可能なものについては代替案を示すなどチェックの充実が必要である。併せて、個別事業ごとのチェックとともに、全体を通しての評価も参考とできるよう、チェックとその再利用という観点も含めて、事業推進上のコミュニケーションツールとして活用することも重要と思われる。さらに付言すれば、そうした普遍的な最低限の客観的な判断基準さえ整えることができれば、スマートICの社会実験結果についてのある程度の見通しが可能となると考えるが、政府の見解を示されたい。
七 実施要綱で定められているスマートICの実施要件に欠かせない地区協議会について、具体的な開催の手続、開催のために満たすべき最低限の条件について明らかにされたい。
八 実施要綱では、地区協議会で検討・調整する主な事項として、「①当該ICの社会便益、②当該IC及び周辺道路の安全性、③当該ICの採算性、④当該ICの整備方法、⑤当該ICの管理・運営方法、⑥その他当該ICの設置・管理・運営する上で必要な事項」が掲げられている。しかし、地方公共団体が発意する場合、これらの検討・調整する事項について、どの程度まで主体的に予め調査をしておけばよいのかが明らかでない。地区協議会を開催するに当たって、地方公共団体はこれらの検討・調整する事項についてどの程度まで最低限調査する必要があるのか明らかにされたい。
九 実施要綱では、国土交通省の地方整備局若しくは北海道開発局又は沖縄総合事務局は、地区協議会における検討・調整が進むよう議事の進行に努めなければならないと規定しているが、実際には具体的にどのようなことを行っているのか明らかにされたい。
十 実施要綱では、SA・PAに接続するスマートICの整備は、地区協議会において、国土交通省の地方整備局若しくは北海道開発局又は沖縄総合事務局、地方公共団体、各高速道路株式会社(以下「会社」という。)、その他の関係機関との間で検討・調整されることとなっており、それに基づいてスマートIC実施計画書が作成され、国土交通大臣の連結許可を受けなければならないとされている。スマートIC実施計画書の策定から、国土交通大臣の連結許可までどのような審査が存在しているのか、それぞれの審査に要する日数はどのように決められているのか明らかにされたい。
十一 そもそも、SA・PAは会社が保有し、自主的に経営されるものである。それゆえ、スマートICの設置は、独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構と会社との間で締結される協定の中に含め、その変更を許可するだけで十分ではないかと考えるが、政府の見解を示されたい。
十二 スマートICが高速自動車国道法に定められた施設であるとしても、何故、個別のスマートICごとに国土交通大臣の連結許可を受ける必要があるのか、その個別具体的な整備について許可を与えるのは、SA・PAを保有・管理する会社の自主性を尊重する民営化の意図に反しないか、政府の見解を示されたい。
十三 スマートICのアクセス道路について、道路管理者が国であるもの、地方公共団体であるものの内訳をそれぞれ示されたい。
十四 道路管理者が地方公共団体である場合、国が関与する地区協議会で定められたスマートIC実施計画書が作成され、国土交通大臣の連結許可が存在するのであれば、道路整備の補助金は自動的に付与されるべきであり、改めてその審査は必要ないのではないか。もし改めて審査する場合、どのような必要性から審査するのか、政府の見解を示されたい。また審査内容と事業の優先順位、採択基準など具体的に公表すべきと考えるが、政府の見解を示されたい。
十五 今こそ政府は、企画立案過程における論理的分析手法の下に、要望や陳情を行う必要のない透明性の確保された制度を一つでも多く導入する必要があると思われる。即ち、第一に、目標と現状との因果関係を分かりやすく明示し、第二に、目標達成のための事業見通しを示すとともに、当該事業目標の実施のための具体的手法・手段を提示する等、真に必要な公共事業であるか否かを判断するものが求められている。こうした考えに基づいて真に必要な公共事業を推進するためには、スマートICに関する問題で指摘した考えに立って手続と採択基準の透明性・合理性を確保すべきであると考えるが、政府の見解を示されたい。
右質問する。
政府答弁書
一について
スマートインターチェンジ(地方公共団体が主体となって発意し、高速自動車国道法(昭和三十二年法律第七十九号)第十一条の二第一項の規定に基づき連結許可を受けた同法第十一条第一号の施設で、道路整備特別措置法施行規則(昭和三十一年建設省令第十八号)第十三条第二項第三号のETC専用施設が設置され、同号のETC通行車のみが通行可能なインターチェンジ。以下「スマートIC」という。)の設置の手続については、地方公共団体が「スマートインターチェンジ(スマートIC)[SA・PA接続型]制度実施要綱」(平成十八年七月十日国道有第二十八号国土交通省道路局長通知。以下「実施要綱」という。)に基づき、高速自動車国道法第十一条の二第一項の規定に基づく許可(以下「連結許可」という。)の申請を行った場合に、国土交通大臣が同条第二項の規定に基づき許可を行うものである。当該手続においては、御指摘の要望や陳情は必要ではなく、また、たとえこれらがあったとしても、御指摘の「事業の採択を左右する」ようなことはない。
二及び六について
国土交通省としては、スマートICの設置の手続については、実施要綱に基づき支障なく進められているものと認識しているが、地方公共団体等から特段の要望等があれば、より具体的なガイドラインの作成等について、その必要性を含め、検討してまいりたい。
三及び四について
スマートICの社会実験は、本格導入である設置に先立って、その効果や整備及び運営上の課題を事前に把握することを目的として行われるものであり、社会実験の透明性及び客観性を確保する観点から、御指摘の「時間短縮効果、地域施設の利活用、医療施設へのアクセス改善等」の社会実験において確認された効果について幅広く公表しているものである。
社会実験を踏まえてスマートICを設置するに当たって、スマートICの整備に要する事業費並びに管理及び運営費用とスマートICの設置による目的地までの走行時間短縮、走行経費減少及び交通事故減少の便益の総和との比である費用対便益が一以上であることを社会的便益に係る数値的判断基準としている。また、スマートICの設置により、会社(道路整備特別措置法(昭和三十一年法律第七号)第二条第四項に規定する会社をいう。以下同じ。)が支出する当該スマートICの管理及び運営費用が、料金の増収の範囲内であると見込まれることも数値的判断基準としている。
五について
スマートICの社会実験については、地方整備局若しくは北海道開発局又は沖縄総合事務局(以下「地方整備局等」という。)、地方公共団体、会社その他の関係機関で構成される社会実験協議会により、社会実験の内容等がウェブサイト、報道機関等を通じて公表されているところであり、整備段階での透明性及び客観性は確保されているものと考えている。
七について
地区協議会の開催手続、具体的な運営方法等については、地区協議会の構成員となる地方公共団体、地方整備局等、会社その他の関係機関の間で検討されて調整されることとなる。
八について
地区協議会を設置するに当たって、地区協議会で検討及び調整される事項について、どの程度まで地方公共団体が主体的にあらかじめ調査しておくかは、発意者である地方公共団体において主体的に判断されるべきものであると考えている。
九について
地方整備局等は、会議の議事進行、資料の調製、連絡調整等を行っている。
十について
一についてで述べたとおり、スマートICの設置に当たっては連結許可が必要であり、連結許可に当たっては、連結位置及び連結予定施設、連結を必要とする理由、連結のために必要な工事に要する費用の概算額等、高速自動車国道法施行規則(昭和四十六年建設省令第十九号)第二条第一号から第五号までに掲げる事項について審査しているところである。
また、連結許可の申請から連結許可までに通常要すべき標準的な期間は、二か月間としている。
十一及び十二について
連結許可は、高速自動車国道における自動車の高速交通を確保することができるかという観点からなされるものであり、スマートICが連結されることによる高速自動車国道の交通への影響を個別のスマートICごとに勘案してなされる必要がある。一方、会社と独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構(以下「機構」という。)との間で締結する協定(独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構法(平成十六年法律第百号)第十三条第一項に規定する協定をいう。)は、機構が高速自動車国道に係る道路資産の保有及び貸付け、債務の早期の確実な返済等を行うといった業務を適切に実施していくために会社と締結するものであり、連結許可とは異なる観点で行われるものである。
また、連結許可に当たっては、道路整備特別措置法第三十条第一項第一号により、国土交通大臣は会社の意見を聴取することとなっており、個別に連結許可を行うことが、会社の自主性を阻害することとはならないものと認識している。
十三について
平成十九年四月二十日時点で設置されているスマートICは全国で三十一箇所であり、これらのスマートICへ連結する道路の道路管理者はすべて地方公共団体となっている。
十四について
スマートICの実施計画書は、スマートICの設置により十分な社会的便益が得られるかどうかという観点等についての地区協議会における検討及び調査を踏まえて策定されるものであり、また、連結許可は、高速自動車国道における自動車の高速交通を確保することができるかという観点から行われるものである。
一方、道路の整備に係る補助金等は、地方公共団体の申請に基づき、予算の範囲内で、効率的かつ効果的な事業について交付するものであり、その際には、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(昭和三十年法律第百七十九号)第六条第一項に基づき補助事業等の目的及び内容が適正であるかどうか、金額の算定に誤りがないか等の観点で審査等を行うものであり、スマートICの実施計画書の作成や連結許可とは異なる観点で行われるものであるため、改めて審査が必要なものである。
また、当該補助金等に係る具体的な基準については、公表しているところであり、個々の事業については、地方公共団体の申請に基づき、国土交通省において、当該基準に該当することを確認し、費用対効果分析を含め総合的な評価を行った上で、補助金等の交付を行っているところである。
十五について
公共事業については、事業の効率性やその実施過程における透明性の一層の向上を図るため、新規事業の採択時等における評価システムを導入し、評価に当たっては、定量的及び定性的な評価を実施するとともに、評価手法、評価結果等を公表すること等により、透明性や合理性を確保するよう努めているところである。
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