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子宮頸がんワクチン接種に関する質問主意書

参議院 第175回 第35号お答えすることは困難 ×3承知していない ×3検討してまいりたい ×1

提出者
参議院
提出日
2010年8月6日
内閣転送 2010年8月6日
答弁書受領日
2010年8月20日
提出から14日
答弁の項目数
14
質問 1,971字/答弁 2,506字

質問本文

子宮頸がんは遺伝などに関係なく、近年では二十代後半から三十代の若い女性の発症率が増加しているといわれている。

この子宮頸がんの原因のほとんどは、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染であるとされている。近年この子宮頸がんの発症の原因であるHPVの予防ワクチン(以下単に「ワクチン」という。)が開発され、昨年十月に厚生労働省はその販売を承認し、十二月二十二日より一般の医療機関でそれを接種することができるようになった。

国立がん研究センターがん対策情報センターによると、子宮頸がんのリスク要因として、低年齢での初交、性的パートナーが多い、多産、他の性行為感染症が報告されている。

HPVは百種類以上もあり、このうち約十五種類が子宮頸がんになるハイリスクタイプといわれる。厚生労働省が承認した英グラクソ・スミスクライン社のワクチン「サーバリックス」は、子宮頸がんの原因ウイルスHPV十六型と十八型の二種類の感染を予防するとされる。

そこで、以下のとおり質問する。

一 我が国における子宮頸がんによる年間の死亡者数を示されたい。

二 我が国において新たに子宮頸がんと診断された年間の罹患者数を示されたい。また、早期発見で切除すれば、それ以上の進行や転移を防げることが多く、生命保険約款でも対象外となっている場合もある上皮内がんとそれ以外の内訳も示されたい。

三 HPVに感染した場合に、子宮頸がんに発展する割合を示されたい。

四 何故、近年二十代後半から三十代の若い女性の子宮頸がん発症率が増加しているのか、政府の見解を示されたい。

五 承認間もないワクチンの長期的な効果及びその副作用についてどのように考えているか。また、ワクチンへの公費助成の検討もされている中で、その費用対効果についての見解を示されたい。さらに、ワクチン接種後の経年チェックについての対応をどのように考えているのか示されたい。

六 HPVの型の流行性には地域差があるといわれている。欧米諸国では、子宮頸がん患者の原因としてHPV十六型と十八型が八十~九十%を占めるのに対して、日本では両者が占める割合は五十~七十%程度と報告されている。五十~七十%程度に有効なワクチンへの公費助成のあり方は、どうあるのが適切か。

七 「サーバリックス」の説明書には「本剤の予防効果の持続期間は確立していない」とある。また、同製品の販売開始は昨年十二月であり、まだ再審査期間中の薬品に対する公費助成のあり方はどうあるのが適切か。現段階で任意型でなく対策型に組み入れるのは適切か。

八 ラットのデータでは、抗HPV十六抗体あるいは抗HPV十八抗体が乳汁中に移行することが報告されている。授乳中のワクチン接種に関する安全性は確立していないと「サーバリックス」の説明書にある。また、同説明書の薬効薬理には、本剤により誘導された血清中抗HPVlgG抗体が子宮頸部粘膜に滲出し、子宮頸がんの主要原因である病原性HPVの持続的な感染を予防していると考えられていると記載されている。

ワクチンの長期的な効果、副作用の検証が十分でない中で、母乳や子宮頸部に与える影響の情報も当然十分でないと考えられるが、経年チェックの中で臨床データを今後どう集めていくのが適切と考えるか。

九 抗体価だけでワクチンの効果を評価しても大丈夫と考えているか。

十 現在、全国の地方自治体で本ワクチンへの公費助成を表明する動きが広がっており、東京都杉並区では「中学入学お祝いワクチン」と称して区内の医療機関で無料接種を開始した。このような地方自治体はどのくらいあるのか。自治体名を具体的に示されたい。

十一 ワクチンは海外ではどの程度の規模で接種され、効果はどのように考えられているのか。また、長期のフォローアップデータがないうちに、欧米では何故こんなに早く承認したのか。さらに、日本で昨年十二月より販売を開始したのは何故か、政府の考えを示されたい。

十二 ワクチンの主な対象は十一~十四歳の若年層となっているが、ローティーンの女子に接種することは生命倫理上、どのような悪影響をもたらすか、政府の考えを示されたい。

十三 年齢にふさわしい性教育は必要と考えるが、すでに製作されている複数の子宮頸がん予防パンフレットの中に「セクシャルデビュー前に」なる言葉が使われている。セクシャルデビューなる単語を用いての教育は不適切と考える。初交年齢を結果として早めることになりはしないか。政府の見解を示されたい。

十四 政府はワクチンの基本的情報(リスクを含む)を各自治体や国民に提供すべきではないか。また、ワクチンだけでは限界があり、がん検診の受診との併用が肝要であることの周知徹底も必要であると考えるが、政府の見解を示されたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

平成二十年人口動態統計によると、同年の子宮頸がんによる死亡者数は、二千四百八十六人である。

二について

お尋ねの罹患者数は、各都道府県からの最新の報告を基に推計すると、平成十七年において、上皮内がんを含む罹患者数が一万六千四百二十二人であり、上皮内がんを含まない罹患者数が八千四百七十四人である。

三について

ヒトパピローマウイルス(以下「HPV」という。)の感染者数を把握しておらず、お尋ねの割合についてお答えすることは困難である。

四について

お尋ねについては、性交渉開始時期の低年齢化等の影響があるものと考えている。

五について

平成二十一年十月十六日にHPV十六型及び十八型感染に起因する子宮頸がん(扁平上皮細胞がん及び腺がん)及びその前駆病変(子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)二及び三)の予防について承認されたサーバリックスの長期的な効果に関しては、海外の十五歳から二十五歳までの七百七十六例を対象とした試験結果によると、平均追跡期間五・九年の時点では、その予防効果は最長六・四年間持続することが確認されているものの、その予防効果の持続期間については確立していない。

一方、サーバリックスの副反応については、注射部位の疼痛、発赤等のほか、全身性の症状として、疲労、筋痛、頭痛、胃腸症状(嘔吐、下痢等)、関節痛、発疹、発熱等があり、まれに、ショック、アナフィラキシー様症状等があるものと承知している。

また、我が国におけるサーバリックスの費用対効果については、「ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンに関するファクトシート(平成二十二年七月七日版)」(平成二十二年七月七日厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会資料)によると、サーバリックスによる免疫維持期間が明らかでないこと、すべての子宮頸がん患者に占めるサーバリックスが感染予防効果を有するHPV十六型及び十八型が検出される子宮頸がん患者の割合が五十パーセントから七十パーセントまでと幅があることから、現時点で正確な評価は難しいとされている。

お尋ねのサーバリックス接種後の経年的な影響の把握については、製造販売業者であるグラクソ・スミスクライン株式会社において、承認申請前に実施した国内の二十歳から二十五歳までの千四十例を対象とした試験に参加した被験者に対し、有効性及び安全性の長期追跡調査を製造販売後においても実施するとともに、千例について延べ三千回接種後の安全性に関する調査を実施することとしている。

六について

お尋ねの公費助成の在り方については、御指摘のワクチンの有効性及び安全性を踏まえつつ、今後、検討してまいりたい。

七について

サーバリックスを含む新医薬品の製造販売の承認に当たっては、承認前に詳細な資料の提出を求めて厳格な審査が実施されているが、承認時までに集めることのできる臨床試験症例数等にはおのずから制約があることから、承認後も引き続き新医薬品の使用成績等の調査を行い、一定期間経過後にその安全性及び有効性の再確認を行っているところである。

また、御指摘の「任意型」及び「対策型」の意味するところが必ずしも明らかでないが、子宮頸がんワクチンの接種に係る公費助成の在り方については、今後、検討することとしている。

八について

サーバリックスの臨床データについては、五についてで述べたとおり、製造販売業者であるグラクソ・スミスクライン株式会社における追跡調査等により把握することとしている。

九について

サーバリックスの有効性については、承認審査において、接種時及び接種後六か月後におけるHPV十六型又は十八型の感染の有無、HPV十六型又は十八型に対する血清抗体価、HPV十六型又は十八型に起因する子宮頸がんの前駆病変の有無等により評価を行っており、「抗体価だけでワクチンの効果を評価」したとの御指摘は当たらないものと考えている。

十について

お尋ねの無料接種を実施している地方自治体の数及び名称は承知していないが、何らかの公費助成を実施又は実施を予定している市区町村については、厚生労働省のホームページにおいて「法定接種以外のワクチンの公費助成調査について」として公表しているところであり、その数は、平成二十二年七月二十六日時点で百二十六市区町村である。

十一について

サーバリックスの海外での接種規模については、グラクソ・スミスクライン株式会社からの報告によれば、平成二十一年十一月時点において、世界百三か国において販売され、平成二十二年一月までの全世界における累積供給数は約九百九十二万接種回数分である。

また、欧米でのサーバリックスの承認日は、欧州連合が平成十九年九月二十日、米国が平成二十一年十月十六日であると承知しているが、それぞれの国又は地域の医薬品の規制当局において、有効性、安全性等を確認の上、承認されたものと考えている。

また、我が国においても、厚生労働省において、サーバリックスの品質、有効性及び安全性を確認した上で、平成二十一年十月十六日に承認したところであり、これを受けて、製造販売業者であるグラクソ・スミスクライン株式会社が販売を開始したものである。

十二について

お尋ねの「生命倫理上」の意味するところが必ずしも明らかでないため、お尋ねについてお答えすることは困難である。

十三について

学校教育における性に関する指導においては、児童生徒の発達段階を踏まえることが重要であるが、セクシャルデビューという単語を使用することと性行動との関係について把握しておらず、お尋ねについてお答えすることは困難である。

十四について

お尋ねのサーバリックスの「基本的情報」は、独立行政法人医薬品医療機器総合機構のホームページにおいてサーバリックスの添付文書として掲載している。

また、御指摘のように子宮頸がんによる死亡者を減少させるためには早期発見による早期治療が重要であることから、独立行政法人国立がん研究センターのホームページ等を通じて、子宮頸がん検診の重要性について周知徹底を図っているところである。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×3承知していない ×3検討してまいりたい ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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