ことばで探す › 参議院 第190回
子宮頸がんワクチンに関する質問主意書
参議院 第190回 第139号趣旨が明らかではない ×1承知していない ×2
質問本文
一 国立がん研究センターの統計によると、二〇一四年の子宮頸がんの死亡者は二千九百二名、子宮頸がん罹患者数は二〇一一年の数字で一万一千三百七十八名となっている。このうち、HPV(ヒトパピローマウイルス)十六型と十八型に罹患している患者は、それぞれ何名なのか。その数がわからない場合は、何故わからないのか。子宮頸がんワクチン問題を考える際に最も基本的な事実(ファクト)は早急に調査すべきではないか。政府の見解を求める。
二 子宮頸がんワクチンのガーダシルについて、厚生労働省が作成した平成二十三年六月三日の審議結果報告書の「審査結果」には、「本剤の対象疾患から検出されるHPV型の分布は、国内外で異なる傾向も否定できないことから、安全性情報を収集する使用成績調査に加え、本邦における前駆病変等の発症予防を確認するための製造販売後臨床試験の実施が必要と考える」と記載されている。この「使用成績調査」と「製造販売後臨床試験」は実施されているのか。実施されている場合、どの医療機関で行われているのか。終了するのはいつ頃になるのか。終了した場合、その内容を評価するのは、誰が、どのように行うのか。それぞれ明らかにされたい。
三 平成二十七年七月二十八日に、ガーダシルの製造販売元である米国メルク社の日本法人MSD株式会社(以下「MSD社」という。)は、七月三日付で「組換え沈降九価ヒトパピローマウイルス様粒子ワクチン」(ガーダシル九)の承認申請を行ったと発表した。ガーダシル九の九価のうち四価が共通するガーダシルの「使用成績調査」と「製造販売後臨床試験」が終了し、その結果の評価が終了するまで、ガーダシル九の承認はするべきではないと思うが、政府の見解を求める。
四 子宮頸がんワクチン「サーバリックス」の審議結果報告書には、国内臨床試験HPV-〇三二試験は、「国内十三施設にて実施された」と記載されている。またガーダシルの審議結果報告書には、国内臨床試験〇二七試験は「国内十四施設にて実施された」と記載されている。この「国内十三施設」、「国内十四施設」はどこなのか。それぞれの医療機関等の名称を明らかにされたい。
また、両剤国内臨床試験の治験責任医師は誰なのか。氏名を明らかにされたい。
今国会に提出された内閣提出「臨床研究法案」の目的には、「臨床研究に関する資金等の提供に関する情報の公表の制度等を定めることにより、(中略)国民の臨床研究に対する信頼の確保を図る」と明記されている。医療機関等の名称及び治験責任医師の氏名を明らかに出来ない場合は、その理由も明示されたい。
五 今年五月十八日に日本で開かれたMSD社主催の第三回シンポジウム「女性のための予防医療」に、アメリカのジョージ・ブッシュ前大統領が来日して参加された。このシンポジウムの案内状によると、ブッシュ前大統領は、このシンポジウムのためだけに来日した、とのことである。その前日五月十七日に安倍総理は、ブッシュ前大統領と面談した、と報道されている。その際、ブッシュ前大統領から、子宮頸がんワクチンの早期勧奨再開やガーダシル九の早期承認の要請はあったのか。また、この時期にブッシュ前大統領あるいはMSD社やその関係者から、厚生労働省等の政府機関に対して同様の要請があったのか、それぞれ明らかにされたい。
六 今年四月四日、参議院行政監視委員会で、TPP協定が発効した場合、子宮頸がんワクチンの製造販売会社であるグラクソ・スミスクライン株式会社や米国メルク社が、日本政府のワクチンの積極的勧奨の差し控えに対して、TPP協定の中のISDS条項、すなわち投資家対国家の紛争条項を使って、日本政府に損害賠償請求することが可能になるか、との私の質問に対して、政府のTPP対策本部の澁谷和久内閣審議官は「仮にISDS条項で訴えられたとしても、訴えが認められることは考えにくい」と答弁した。この答弁の根拠について、詳細な説明を求める。
右質問する。
政府答弁書
一について
御指摘の国立がん研究センターの統計による子宮頸がんの死亡者及び罹患者のうち、ヒトパピローマウイルス(以下「HPV」という。)十六型及び十八型の感染者数については、調査をしていないため不明であるが、「ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンに関するファクトシート(平成二十二年七月七日版)」(平成二十二年七月七日厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会資料)が引用している様々な報告によると、子宮頸がんの罹患者であってHPVに感染している者に占めるHPV十六型及び十八型の感染者数の割合は、五十パーセントから七十パーセントまでの間にあるとされている。
二について
御指摘のガーダシルに係る医薬品の製造販売後の調査及び試験の実施の基準に関する省令(平成十六年厚生労働省令第百七十一号)第二条第二項に規定する使用成績調査(以下「使用成績調査」という。)及び同条第四項に規定する製造販売後臨床試験(以下「製造販売後臨床試験」という。)については、製造販売業者から提出された使用成績調査実施計画書及び製造販売後臨床試験実施計画書により、現在行われているものと承知しているが、使用成績調査を実施している具体的な医療機関名については、使用成績調査実施計画書に記載されていないため承知しておらず、製造販売後臨床試験を実施している具体的な医療機関名については、これを公にすることにより法人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあることから、お答えすることは差し控えたい。あわせて、お尋ねの使用成績調査及び製造販売後臨床試験の終了時期については、現時点において確定しているものではないが、ガーダシルを含めた新医薬品の使用成績調査及び製造販売後臨床試験の結果は、原則として、当該医薬品の承認のあった日後八年を経過した日から起算して三月以内の期間に提出される再審査申請書に添付されるものである。
また、お尋ねの「評価」の意味するところが明らかではないが、一般に、新医薬品の再審査は、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号)第十四条の四の規定により、その使用成績調査、製造販売後臨床試験等の結果に基づき、その品質、有効性及び安全性に関する調査を行った上で、その効能、効果等について確認することにより行うこととされており、これらの調査及び確認については、同法第十四条の五第一項において読み替えて準用する同法第十四条の二第一項の規定に基づき、独立行政法人医薬品医療機器総合機構に行わせることとしている。
三について
お尋ねの「組換え沈降九価ヒトパピローマウイルス様粒子ワクチン」を含む新医薬品の製造販売の承認に当たっては、申請者から提出を受けた臨床試験の試験成績に関する資料等を基に、品質、有効性及び安全性を確認することとしており、御指摘のガーダシルを含む他の新医薬品の使用成績調査、製造販売後臨床試験等の結果に基づく再審査の終了が承認の条件となるものではない。
四について
お尋ねの医療機関等の名称については、公にすることにより、法人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあることから、お答えすることは差し控えたい。
また、お尋ねの治験責任医師の氏名については、公にすることにより、特定の個人を識別することができる情報や個人の権利利益を害するおそれがある情報が含まれていることから、お答えすることは差し控えたい。
五について
御指摘の「面談」において「要請」は行われておらず、また、御指摘の「厚生労働省等の政府機関」に対して「要請」があったとは承知していない。
六について
環太平洋パートナーシップ協定第九章第B節の規定においては、投資紛争の当事者である締約国の投資家が、当該投資紛争の当事者である他の締約国が同章に規定する義務に違反したことにより、その違反から生ずる損失又は損害を被った場合、当該投資家が締約国の投資家として被った損失又は損害のみを回復することができる旨が定められている。また、同協定第九・十六条においては、同章のいかなる規定も、締約国が自国の領域内の投資活動が環境、健康その他の規制上の目的に配慮した方法で行われることを確保するために適当と認める措置を採用すること等を妨げるものと解釈してはならない旨が定められているほか、同章の複数の規定において、締約国が公共の福祉に係る正当な目的の下で講ずる一定の措置を妨げない旨が定められている。
これらのことから、我が国が、HPVワクチンとの因果関係を否定できない持続的な疼痛等が当該ワクチン接種後に特異的に見られたことを受け、これらの症状の発生頻度等がより明らかになり、国民に適切な情報提供ができるまでの間、当該ワクチンの定期接種の積極的な勧奨を中止することは、同章に規定されている義務に違反するものではないと考えており、御指摘の本年四月四日の参議院行政監視委員会における澁谷和久内閣官房内閣審議官の答弁は、その旨を述べたものである。
似た質問主意書
件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。