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物価高に対応する基本方針に関する質問主意書

参議院 第212回 第138号

提出者
参議院
提出日
2023年12月13日
内閣転送 2023年12月13日
答弁書受領日
2023年12月26日
提出から13日
答弁の項目数
2
質問 966字/答弁 1,254字

質問本文

一 物価高対策としての定額減税の是非について

我が国では、物価の高騰が続く中、そのスピードに賃金の上昇が追い付かず、家計の厳しさは増す一方である。

政府は、今般の経済対策において、物価高から国民生活を守るためとして、納税者及び配偶者を含めた扶養家族一人につき、所得税及び住民税合わせ合計四万円の定額減税を実施することとしている。

しかし、この定額減税は、令和六年度税制改正で検討された後、来年六月からの実施が予定されており、効果の発現に半年以上かかるなど、経済対策としての即効性を著しく欠くものである。

これに対し我が党は、物価高を克服するための緊急経済対策を取りまとめ、真に支援を必要とする家計へ迅速な直接支援を行うことを提言している。具体的には、住民税非課税世帯の三倍水準以下の世帯と家計急変世帯といった、全世帯の約六割に当たる世帯を対象として、三万円の「インフレ手当」による直接給付を行うこととしている。

国民生活は今まさに逼迫しているのであり、定額減税のように、法改正や煩雑な対応が求められる「税」での対応よりも、我が党が主張する「インフレ手当」のように、速やかに実施することが可能な「給付」のほうが物価高対策として優れていることは明白であると考えるが、政府の見解を伺う。

二 物価高対策と金融政策の整合性について

世界的インフレを背景に、米欧の中央銀行は利上げを実施している一方、日本銀行は金融緩和政策を継続している。こうした金融政策の方向性の違いから金利差が拡大し、足下の為替レートは歴史的な円安ドル高水準となっている。

この円安と既往の原材料価格高騰による輸入物価の上昇を起因として、生鮮食品を除く消費者物価指数は十八か月連続で日本銀行が掲げる物価安定目標である前年比二%を上回っている。こうした状況下で、実質賃金は十八か月連続で前年を下回るなど、物価上昇に賃金の伸びが全く追いつかず、国民生活は疲弊している。

政府は、今般の経済対策において物価高から国民生活を守ることを第一の柱としているが、日本銀行は、円安につながる金融緩和政策を引き続き実施する意向を示しており、両者の政策は完全に矛盾したものではないか。

物価高対策を講じる財政政策と、金融緩和を続ける金融政策との整合性について、政府の見解を伺う。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

お尋ねについては、令和五年十月二十七日の衆議院予算委員会において、岸田内閣総理大臣が「経済のデフレからの脱却、千載一遇のチャンスを今物にしなければならないということで、国民生活をしっかり支えていこうとしているわけですが、それに当たって、ここ二年間、国民の皆さんの協力もあって、税収は伸びてきました。この税収の伸びの中で、個人の国民の皆さんからいただいた所得税、住民税、この部分については、この二年間で三兆円を超える、こうした増収が示されています。この部分は、是非国民の皆さんに、今、物価高の中で頑張っていただくために、分かりやすく所得税、住民税という形でお返しする、これが国民生活を支える上で重要だということを考えました。そして、ただ、所得税、住民税を支払っておられない方、より厳しい状況の中で苦しんでおられる方に対しては、所得税でお返しするということができないわけですし、そして、より厳しいわけですから、スピード感を持って支援をしなければいけない、この部分については給付という形で支援をさせていただく」と答弁したとおりである。

二について

「デフレ完全脱却のための総合経済対策」(令和五年十一月二日閣議決定)においては、「国民の消費や投資動向は力強さに欠ける状況にあり、まずは、足元の物価高から国民生活・事業活動を守る対策に万全を期す。これにより、国民の所得を下支えし、新たなステージへの移行に向けた動きを後戻りさせない。」としており、さらに、「収益を継続的に生み出し、成長と分配が持続的に回っていく、物価上昇を十分に超える持続的な賃上げが行われる経済の実現を目指す。」こととしている。

その上で、お尋ねについては、令和五年十二月十三日の記者会見において、岸田内閣総理大臣が「構造的な賃上げを伴う経済成長、そして物価安定目標の持続的、安定的な実現、こうしたことを目指していくのだということについては、政府、日銀は一致していると、共にその目的に向けて努力していく立場にあると考えます。金融政策については、具体的な政策、これは日銀に委ねなければならないと思いますが、日銀には引き続き、政府の様々な政策、デフレ完全脱却、あるいは賃上げ、そして成長と分配の好循環、持続的な賃上げがリードする形でコストカット型経済からの脱却、こうした経済政策をしっかり念頭に置いていただきながら、政府と連携をしていただきたいと期待しております。」と述べているところ、日本銀行においても、「当面の金融政策運営について」(令和五年十二月十九日公表)において、「日本銀行は、内外の経済や金融市場を巡る不確実性がきわめて高い中、経済・物価・金融情勢に応じて機動的に対応しつつ、粘り強く金融緩和を継続していくことで、賃金の上昇を伴う形で、二パーセントの「物価安定の目標」を持続的・安定的に実現することを目指していく。」としており、御指摘の「物価高対策を講じる財政政策」と「金融緩和を続ける金融政策」とは、整合的であると考えている。

参議院の原文

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