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物価高対策の緊要性に関する質問主意書
参議院 第219回 第20号お答えすることは困難 ×3趣旨が明らかではない ×2検討してまいりたい ×1
質問本文
近年、世界的な資源価格の高騰、円安傾向、物流コストの上昇等により、我が国の消費者物価は上昇を続けている。特に、食料品の値上がりは国民生活に最も直接的な打撃を与えており、実質賃金の減少とあいまって、家計収支の悪化が深刻化している。
・企業倒産の急増:二〇二五年一月の「物価高」倒産は、前年同月比二十七・〇%増の六十一件に上り、物価高が企業経営を圧迫している。
・値上げ品目の増加:二〇二五年通年の値上げ品目は二万品目に達し、家計収支の悪化が懸念されている。
・実質賃金の減少:物価の影響を除いた実質賃金は二〇二五年一月から八月まで八箇月連続で前年同月を下回っており、家計収支の悪化が深刻化している。
こうした中、政府は補助金や給付金などの物価高対策を講じているが、対象や期間に制約があり、物価高の恒常化に十分対応しきれていない。よって、立憲民主党は、国民生活第一の立場から、物価高対策の処方箋として、食料品に係る消費税率をゼロ%とする措置(以下「本措置」という。)を提案している。本措置は、家計負担の軽減や困窮世帯の支援にとどまらず、国内需要の下支え、企業収益の改善、賃金上昇基盤の形成など、経済全体の好循環を促す、より積極的かつ野心的な「経済政策」である。
本措置の実現可能性及びその正当性について、以下質問する。
一 物価高対策の緊要性に関連し、現在の物価高についての政府の認識を示されたい。
二 現在の物価高が家計及び企業経営に与える影響について、政府はどのように評価しているか示されたい。特に、食料品価格の上昇により低所得層・中間層の生活が困難になっている実態をどのように把握しているか示されたい。
三 低所得家庭の子どもの中には、給食がない夏休み等の期間中、空腹を我慢せざるを得ない状況になっている者もいる。日本国憲法第二十五条が保障する「健康で文化的な最低限度の生活」が脅かされている状況と考えるが、政府の認識を示されたい。
四 政府は、今般の物価高を抑制しなければならないという断固たる決意(デターミネーション)を有しているか示されたい。
五 政府が実施した物価高対策の効果に対する評価を示されたい。特に、想定された効果を発揮したと評価しているか、政府の見解を示されたい。
六 深刻化している家計収支の悪化に対処するため、一刻も早く物価高を抑制する有効な手段を採るべきと考えるが、政府の見解を示されたい。
七 物価高対策を講ずるに当たり、食料品に係る消費税の低減又はゼロ税率を政府として検討したか示されたい。検討していない場合には、その理由を、検討した場合には、その検討の経過及び結果を具体的に示されたい。
八 英国、アイルランド、カナダ、オーストラリア、韓国など、多くの先進諸国では、食料品に係る消費税(付加価値税)をゼロ税率又は非課税としている。
1 食料品に係る消費税(付加価値税)をゼロ税率又は非課税としている国における制度設計及び経済効果について、政府としてどのように分析しているか示されたい。
2 我が国が同様の制度を導入した場合、財政、消費者物価指数(CPI)、家計支出構造への影響について、政府としてどのように見積もっているか示されたい。
右質問する。
政府答弁書
一及び二について
足下で消費者物価は対前年比三パーセント程度で上昇する中、国民や事業者の方々は厳しい状況に置かれており、御指摘の「物価高対策」は喫緊の課題であると認識している。特に食料品などの価格上昇が続いていることによって、低所得者世帯などには相対的に物価上昇が影響しやすい可能性がある。お尋ねの「実態」については、例えば、令和七年九月の消費者物価指数の総合指数における対前年同月比の上昇率に対し、食料品の価格上昇の寄与度は六割程度を占めている。また、総務省の全国家計構造調査によると、低所得者世帯ほど、消費支出に占める食料品の割合が高い傾向にあり、食料品などの価格上昇の影響を受けやすいと考えられる。このため、食料品などの価格上昇が続いていることによって、国民は低所得者世帯を中心に大変厳しい状況に置かれていると認識している。
三について
お尋ねの「「健康で文化的な最低限度の生活」が脅かされている状況」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、政府としては、御指摘の「低所得家庭の子ども」については、こどもの貧困の解消に向けた対策の推進に関する法律(平成二十五年法律第六十四号)に基づき、こども(こども基本法(令和四年法律第七十七号)第二条第一項に規定するこどもをいう。)の貧困に関する支援策の推進に取り組むとともに、生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)に基づき、生活に困窮する全ての国民に対し、健康で文化的な最低限度の生活に必要な保障を行っているところである。
四について
令和七年十月二十四日の所信表明演説において、高市内閣総理大臣が「この内閣が最優先で取り組むことは、国民の皆様が直面している物価高への対応です。暮らしの安心を確実かつ迅速に届けてまいります。」と述べたとおりである。
五について
お尋ねの「物価高対策の効果に対する評価」については、例えば、令和七年十月一日の経済財政諮問会議の資料一「物価動向及び物価高対策の取組状況について」において、「消費者物価上昇率(総合、前年比)は、・・・電気・ガス料金の支援(七~九月使用分)により電気・ガスは低下に寄与している」こと及び「ガソリン価格(レギュラー、一リットル当たり)は、政策によって、百七十五円近傍で推移」していることを内閣府から報告しているところであり、御指摘の「想定された効果」については、令和六年度補正予算や令和七年度予算における関連施策の所期の効果が発現しているものと考えている。
六について
お尋ねの「物価高を抑制する有効な手段」については、令和七年十月二十一日の閣議における内閣総理大臣指示(総合経済対策の策定について)の第一の柱である「生活の安全保障・物価高への対応」として、物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金による対応や厳冬期の電気・ガス代の支援等、足下の物価高騰に係る対応策の具体的な内容を検討しているところである。
七について
政府としては、かねてから、消費税については、急速な高齢化を背景に社会保障給付費が大きく増大する中で、国民が広く受益する社会保障に係る費用をあらゆる世代が広く公平に分かち合うという観点から、社会保障の財源として位置付けられていることから、消費税率の引下げについては、食料品に対する税率を含め、慎重な検討を要するものと考えているところ、国会での議論を受け、物価高騰に係る対策として消費税率を引き下げることについて改めて検討した結果、令和七年六月六日に衆議院予算委員会において、加藤財務大臣(当時)が「レジシステムの改修等々、様々な影響が生じるため、相当の準備期間が必要だ。また、高所得者や高額消費も含めて負担軽減がなされることになるため、物価高に最も切実に苦しんでいる低所得者への支援という意味では効率性に乏しいという点に留意する必要がある」と述べているとおりである。
八の1について
お尋ねの「食料品に係る消費税(付加価値税)をゼロ税率又は非課税としている国における制度設計及び経済効果」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、仮に、御指摘の「物価高対策」として、食料品に関して、お尋ねの「ゼロ税率又は非課税」の措置を新たに採用した国における、当該措置の内容や物価高騰の抑制に係る効果を問うものであれば、当該措置の内容は各国における社会経済状況等に応じて様々であり、また、当該効果は内外経済状況等様々な要因の影響を受けていると考えられ、一概に申し上げることはできない。
八の2について
お尋ねの「財政」への影響については、消費税の申告手続において、飲食料品に係る消費税額等の内訳までを申告いただく仕組みとはなっていないため、食料品に限定して税率を零パーセントにした場合の具体的な減収見込額についてお答えすることは困難であるが、軽減税率八パーセントを零パーセントとした場合の減収見込額を機械的に計算すると、国及び地方の合計で五兆円程度となる。なお、食料品を非課税とした場合については検討しておらず、お答えすることは困難である。
お尋ねの「消費者物価指数」及び「家計支出構造」への影響について、御指摘の「我が国が同様の制度を導入した場合」の物価動向については、食料品を含む物品に係るコストや需要の変化といった様々な要素によって影響を受けるため、政府として、確たることをお答えすることは困難である。
この答弁書に出てくる定型句
お答えすることは困難 ×3趣旨が明らかではない ×2検討してまいりたい ×1
語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。