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下水道の整備等国土保全及び環境保全に関する質問
参議院 第93回 第9号承知していない ×1
質問本文
下水道の整備等国土保全及び環境保全に関する質問主意書
今日、下水道は、生活環境の整備と環境保全への国民的要求の高まりの中で、国家的事業として大規模に遂行されている。今後、昭和五十六年から六十年の五年間にわたつて行われる第五次下水道整備計画の実施は総額約十七兆四〇〇〇億円という巨額の経費を必要とされている。
したがつて、国民の多額の税金を費して遂行される下水道事業が無駄なく効率よく、将来に対しても問題や禍恨を残さないように適正に行われなければならないことはいうまでもない。将来に対して問題や禍恨を残さないということは、現在の下水道整備の方向や方法が将来にどのような問題を惹起させるか、また、その問題の解決は容易か否か、そのコストベネフィットは、等々について、はつきりした見通しと洞察を持つていなければならない。
今日の下水道整備の現状と方向は、こうした将来展望に立つた場合、多くの危惧と問題を生じさせかねないものを含んでいると感ずるものである。以下、下水道問題に関連する問題について質問する。
一 今日の下水道の多くは工場排水を受け入れているが、工場排水の受け入れは、除害施設を設置させることで、その弊害が取り除かれる訳ではなく、活性汚泥法の処理能力、機能の低下または破壊、処理し切れない重金属や有機化学物質等の公共用水域への放流、あるいは下水汚泥に重金属等の含有することによる下水汚泥の大地還元(リサイクル)の困難化または不可能化等の問題をもたらすことが容易に推測される訳であるが、
(1) 下水道に工場排水を受け入れる理由と根拠は何か。
(2) 工場排水の受け入れによる処理能力、機能の低下または破壊が指摘されているが、現状においてどの程度か、また、それをどのように克服しているか。
(3) 現在、下水汚泥に含まれる重金属や有害化学物質の量と濃度はどの程度か、工場排水を受け入れている下水道とそうでない下水道とに別けて最高、平均、最少値を対照して示せ。
(4) 重金属等の含まれる下水汚泥の大地還元(特に農地)は危険を伴うものと考えるが、農地還元を含めそうした方向を今後も推進する考えか、もし推進するとすれば重金属等の問題にどう対応する考えか。
(5) 下水汚泥の発生の現状と将来予測を示せ。
(6) 工場排水は、従来のように水質汚濁防止法に基づいて公共用水域に流すことが、公害監視、自己処理責任に基づく処理及び排水の循環再生利用等の点から有利かつ正しいと考えるがどうか。
二 河川の水系毎に数カ市町村合同で建設される流域下水道は、わが国の下水道整備の大きな流れとなつているが、その規模の巨大化はそのスケールメリットはともかくとして、多くの問題を顕在化しつつあるのではないかについて、
(1) 流域下水道を推進する理由は何か。
(2) 流域下水道を供用することによつて、その流域の水質がどのように改善されたか、実例を五カ所を挙げて説明せよ。
(3) 流域下水道のほとんどは各市町村の下水や雨水を下流の終末処理場に集めて処理し、河口下流または海に処理水を放流するものであるが、そのために河川の流量を著しく減少させること(例えば相模川や多摩川等が将来は河川に水がなくなる可能性がある)、中流域等における水の多段階循環利用を不可能にすること、あるいは土壤から水を切断することによる地下水の枯渇を促進すること等の環境保全や水資源の保全、利用上、大きな障害を惹起させることにならないか。
(4) 河川の流量の減少は環境保全上、自浄能力の減少や生態系の破壊または水辺景観の損傷等をもたらすことになると考えるが、そうした事態が現在、生じていないか、生じているとすればどこか。
(5) 現在の流域下水道より規模の小さい下水道として第二種流域下水道が今後、取り入れていくことが予定されていると聞くが、どのような内容のものか。
(6) 現在、「毛管浄化研究会」の新見正氏等によつて提唱、実施されている、土壤の微生物の浄化力を活用した汚水処理技術としての「土壤浄化方式」が、(イ)リン、チッソ、BOD等の除去能力(ロ)汚泥の少ないこと(ハ)管理の簡単なこと(ニ)悪臭防止に効果のあること(ホ)病原菌の除去に有効なこと等の諸点において、今後、大いに有望視される汚水処理技術と考えられるが、政府の認識と考えはどうか。
(7) (6)の「土壤浄化方式」が、先に改正された「し尿浄化槽構造基準」において、検討されながら採用に至らなかつたと聞いているが、その理由を説明せよ。
三 都市域等における道路、建造物等の建設による緑地や空地等の減少は、水の土への浸透空間の減少となつて現われ、そのことによつて都市河川における氾濫の増加、下水道における雨水の集中と氾濫または処理不能あるいは水の不浸透による地下水涵養の減退と枯渇等環境保全及び国土保全上の様々な問題を惹起させていることが指摘されていることについて、
(1) 東京都、大阪市及び仙台市における、水の浸透する空間(緑地、空地、道路等)面積と水の不浸透空間の面積の推移を示せ(昭和四十五年から五十五年)。
(2) 道路等の舗装においては浸透性舗装も一部において試みられているが、今後、こうした舗装を拡大していく考えか、また、道路等の建設において全面不浸透舗装ではなく一部に土を残すか浸透性舗装との併用を行うべきではないか。
(3) 現在、工場立地法第四条に基づく「工場立地に関する準則」により一部の特定工場について工場敷地面積に対する緑地、環境施設及び生産施設の割合が義務付けに近い形で担保されているが、対象は九千m2以上という制限がある。この特定工場の対象を拡大する考えはないか。また、特定工場以外の工場についても準則に準じて緑地等の割合を定めるべきではないか。
(4) 都市施設、生産施設及び生活環境施設等の舗設は国土保全、環境保全及び水資源の保全等あらゆる面の調和を考慮して行われるべきである。都市計画や再開発あるいはマクロ的な国土建設にあたつて、こうした総合的調和をいかにして図つていく考えか、具体的に説明せよ。
右質問する。
政府答弁書
一について
(1)及び(6) 下水道は、都市の健全な発達、公衆衛生の向上及び公共用水域の水質保全を図るため、都市における生活又は事業に伴う排水等の下水を排除し、処理することとしている。
このため、下水道法第十条は、公共下水道の供用が開始された場合には、当該公共下水道の排水区域内の土地の所有者等は、遅滞なく、その土地の下水を公共下水道に流入させるために必要な排水設備を設置しなければならない旨定めている。
(2) 下水道管理者から御指摘のような点について報告は受けていない。
(3) 御指摘のような把握は行つていない。
(4) 下水汚泥の処分については、関係法令の規定に従う等適正に行われるよう下水道管理者等を指導している。
(5) 昭和五十四年における全国の下水汚泥の最終処分量は約二百四十万立方メートルであり、今後、下水道整備の進展により増加することが予測される。
二について
(1) 流域下水道は、二以上の都市の下水道事業を一元的に行うことにより、市街地の健全な発達と公共用水域の水質汚濁防止を効果的に図ろうとするものである。
(2) 相模川、猪名川等に流入する水の汚濁負荷量は、流域下水道の供用開始によつて減少しており、その結果水質は相当程度改善されている。
(3)及び(4) 流域下水道の計画を定めるに当たつては、環境保全、水利用の見通し等を十分考慮しており、御指摘のような事態が生じているとは承知していない。
(5) 第二種流域下水道は、地方都市とその周辺地域を一体とした広域的な下水道整備を促進するため、建設省において検討しているものである。
(6)及び(7) 「土壤浄化方式」については、土壤による汚水浄化の機構が現在のところ理論的に十分には解明されておらず、また、土壤の性質、気候等の自然的条件による制約を強く受ける。
したがつて、現段階では、屎尿浄化槽に係る一般的構造基準として採用することが困難であり、先に改正した「屎尿浄化槽構造基準」においては、その採用を見合わせたものである。
三について
(1) 御指摘のような把握はされていないが、三都市の市街化の進展をあらわすものとして人口集中地区面積の推移を示せば、次のとおりである。
図 表
(2) 道路における透水性舗装は、その開発が緒についたばかりであり、耐久性、目詰まり対策等解決しなければならない問題が数多く残されているため、引き続き研究開発を行つてまいりたい。
(3) 工場立地法第四条第一項の工場立地に関する準則は、同法第六条第一項の特定工場に限らず、製造業等に係るすべての工場又は事業場が立地するに当たつてよるべき基準を示すものである。
また、現在、特定工場は、同法施行令第二条により敷地面積九千平方メートル以上又は建築面積の合計三千平方メートル以上の規模のものとされているが、この規模要件は、製造業等の実態、中小企業の実情等からみて適当であると考えている。
(4) 都市施設の計画の策定及び事業の実施は、当該都市施設の必要性とともに、国土保全等に及ぼす影響を十分考慮した上で行われており、都市計画については、具体的には、全国総合開発計画、道路、河川等の施設に関する国の計画、公害防止計画等に適合して定められているところである。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。