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高額ハイウェイカード廃止に関する質問主意書
衆議院 第156回 第18号
質問本文
ハイウェイカードの偽造対策を理由に、平成十五年一月二十一日付で、五万円のハイウェイカード及び三万円のハイウェイカードの販売終了(平成十五年二月二十八日)と利用停止(平成十六年三月一日)が発表された。これは、利用者が従来から得ていた割引サービスを受けられなくなることを意味し、利用者の便益を損なう行為である。しかも、偽造対策としてこのような方法をとる理由について十分な説明はなされておらず、適切な方法かどうかも疑問が残る。
また、扇国土交通大臣は、ETCの前払割引制度により、五万円のハイウェイカードと同様の割引サービスが受けられるため、サービス内容の低下にはならないという趣旨の見解を述べている。しかし、これは、ETC車載器購入等に別途数万円の費用がかかることや、自動二輪車の様にETCを利用できない車両があることを無視した発言であり、利用者の立場からすれば到底理解しがたい発言である。ETCの普及を図るという方向性は正しいとしても、現在、普及率が一割にも満たない状況において、高額ハイウェイカードの廃止を強行するのは、性急すぎると判断せざるをえない。従って、次の事項について質問する。
一 ハイウェイカードの偽造により、どの程度の被害が出ているのか。
二 五万円のハイウェイカード及び三万円のハイウェイカードを廃止することにより、偽造対策としてどの程度の効果があると考えられるか。
三 五万円のハイウェイカード及び三万円のハイウェイカードを廃止することにより、利用者全体の便益はどの程度損なわれると考えるか。割引率低下による通行料負担増や、ETC車載器購入のための費用負担増など、項目と金額を計算根拠と共に示されたい。
四 五万円のハイウェイカード及び三万円のハイウェイカードを廃止することにより、社会的効用はどの程度得られると考えるか。偽造による損失の防止や、ETC普及による渋滞の解消など、項目と金額を計算根拠と共に示されたい。
五 ETCの普及率が一割にも満たず、自動二輪車の様にそもそもETCサービスを受けられない利用者も多い現状において、高額ハイウェイカードの廃止を強行する緊急性は何か。
右質問する。
政府答弁書
一について
日本道路公団、首都高速道路公団、阪神高速道路公団及び本州四国連絡橋公団(以下これらを合わせて「公団」という。)が発行するハイウェイカードの偽造による被害額については、その正確な金額は不明であるが、平成十四年九月末までに公団において発見された偽造されたハイウェイカード(以下「偽造券」という。)だけで約二万枚、額面金額にして約十一億円となっていると承知している。
このほか、いまだ発見されていない偽造券も含めると、相当大量の偽造券が流通している可能性があるものと考えている。
二について
平成十四年九月末までに公団において発見された偽造券は、五万円及び三万円の高額のハイウェイカード(以下「高額券」という。)のみであると承知しており、政府としては、高額券の発行及び使用が停止されることにより、偽造対策として極めて大きな効果があるものと考えている。
三について
現在、公団においては、「ノンストップ自動料金支払いシステム」(以下「ETC」という。)の導入を進めているところ、高額券の使用の停止を予定している平成十六年三月一日までに、基本的にすべての料金所においてETCの導入を完了することとしているものと承知しており、高額券の使用停止後においても、五万円のハイウェイカードと同様の割引率による割引を受けることが可能とされているETC前払割引を利用することにより、御指摘のように利用者が割引率低下による通行料負担増を余儀なくされることはないものと考えている。
また、一台当たりのETC車載器の価格、その取付費等の合計額は、現在、最も廉価なもので二万円程度と承知している。政府及び公団においては、ETC車載器リース制度を平成十五年度から創設すること等により、ETCを利用しやすい環境の整備に努めることとしている。
四について
高額券の発行及び使用の停止により、公団における被害のみならず、偽造券を入手した善意の利用者が受ける被害等も大きく解消されるものと見込んでいる。
また、日本道路公団、首都高速道路公団及び阪神高速道路公団が平成九年度に実施した調査に基づき、国土交通省において、それらの管理する道路において発生する渋滞による損失額を算定したところ、その額は年間約一兆円であり、その約三割が料金所に起因するものとなっているため、ETCの導入により料金所周辺の渋滞がおおむね解消されれば、年間約三千億円の経済効果があるものと見込んでいる。
五について
一についてで述べたとおり、ハイウェイカードについては、相当大量の偽造券が流通していると考えられるところ、公団においては、平成十一年度に初めて偽造券が発見されて以来、偽造防止対策を施した新型カードを発行するなど可能な限りの対策を講じてきたところであるが、その後も偽造券の使用及び流通が後を絶たない状況であり、社会問題化していることにかんがみ、偽造対策を最優先で行う必要があることから、高額券の廃止を決定したものと承知している。
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