ことばで探す › 衆議院 第156回
外国人学校に関する再質問主意書
衆議院 第156回 第67号お答えすることは困難 ×2
質問本文
政府は、外国人学校の卒業者に対する高等学校や大学への入学機会の拡大について、平成十四年三月二十九日に閣議決定された「規制改革推進三か年計画(改定)」に基づき、平成十四年度中の措置を目指してきたとしている。
先に質問主意書を提出し、外国人学校をめぐる問題について、政府の見解を求めたところであるが、なお、基本的な部分で政府の考え方を理解するに足る回答は示されていない。従って、次の事項について再度質問する。
一 文部科学省は「大学入学資格の拡大」に関し、平成十五年三月七日から三月二十七日までの間、インターネットのホームページ等を通じ意見を募集している。この結果をみると、一三、三四三件の意見の内、「アジア系の外国人学校卒業者にも大学入学資格を付与すべき」などとする意見が一二、七七九件あり、これは寄せられた意見の約九六%である。文部科学省はこのことを受けて、「当初の対応案に加え、アジア系等の外国人学校の取扱いについてもどのような対応が可能か検討する必要があると考えており、引き続き検討していきたい」と説明しているが、いつまでに結論は出されるのか。
また、結論を出すに当たって前述のパブリックコメントのほとんどが「アジア系の外国人学校卒業者に対し大学入学資格を付与すべきである」としていることについては、尊重されるのか、明らかにされたい。
二 本年三月三十一日、文部科学省は税制上の優遇を受ける「特定公益増進法人」の対象として、主に短期滞在者の子女に対して教育を施すことを目的とし、かつその教育活動等について欧米系の四つの学校評価機関の認定を受けている外国人学校のみを新たに加えるとする告示(第五十九号)を出した。
これにより上記の要件に該当するインターナショナルスクールの多くは税制上の優遇を受けることになる一方、同じ外国人学校でも日本に定住する外国人の子どもたちが多く通うアジア系の民族学校等は、税制上の優遇を受けることができないままとなった。
なおこの文科省告示は同日に公布された所得税法施行規則および法人税法施行規則の一部改定省令において、「特定公益増進法人」に、「初等教育または中等教育を外国語により施すことを目的として設置された各種学校」を加えるとし、さらにその各種学校は「文部科学大臣が財務大臣と協議して定める基準に該当するもの」としたのを受けて出されたものであるが、「外国語」による教育を施す各種学校という基準を設けたにも拘わらず、わざわざ告示でアジア系民族学校等を排除した形になっている。
言うまでもなくこのような線引きの仕方については、大学入学資格問題においても不当な差別であるとの批判が多くなされていたところであり、このため同問題について文科省はアジア系民族学校等を排除しない方向で再検討をすることを表明するに至っている。
このような中で出された今回の告示により、アジア系民族学校等が排除されたことについてどう考えているのか。
また排除された外国人学校に対する適用については現在どのような検討がなされているのか。
検討しているならばその結論を何時までに出す考えなのか。
三 子どもの権利条約の勧告が出た一九九八年以降、法務省の人権擁護機関において調査処理したもの全てを、またそれに対しとられた改善策を示されたい。
四 平成十五年二月十三日に提出した質問主意書(第一九号)の第四の質問にある「長期滞在する外国人子女については、日本社会にとってどのような意義があると認識しているのか。」について答えられたい。
五 昭和四十年十二月二十八日文管振第二百十号文部事務次官通達に関し、「効力を失っているものであり、朝鮮学校を学校教育法第八十三条に規定する各種学校として認可するに当たっては、所轄庁である都道府県知事が関係法令に基づき適切に判断するものと承知している」と先の答弁書は記してあるが、これは「朝鮮人のみを収容する学校に対し、各種学校の地位を与える積極的意義を有するものとは認められない」という認識から脱したということか、明らかにされたい。
右質問する。
政府答弁書
一について
外国人学校の卒業者に対する大学への入学機会の拡大については、現在検討を進めているところであり、結論を出す時期について現時点でお答えすることは困難である。この検討は、本年三月に公表した、国際的に実績のある評価団体により教育内容が一定水準にあるとの評価を受けた外国人学校の卒業者に対して大学入学資格を与えるとの当初の対応案に対するパブリックコメントも含め様々な意見を踏まえて行っているものである。
二について
御指摘の特定公益増進法人に係る平成十五年度税制改正においては、所得税法施行令(昭和四十年政令第九十六号)、法人税法施行令(昭和四十年政令第九十七号)等の一部改正等を行ったところであるが、これは、対内直接投資を促進し、海外から優秀な人材を呼び込む上で重要な役割を果たしている各種学校の整備・充実を図るという政策目的を実現するために一定の法人を特定公益増進法人の範囲に追加したものであり、合理的な措置であると考えている。
三について
平成十年一月から本年四月までの間に法務省の人権擁護機関において調査処理した外国人児童・生徒に係る事例としては、衆議院議員大島令子君提出外国人学校に関する質問に対する答弁書(平成十五年四月十一日内閣衆質一五六第一九号。以下「先の答弁書」という。)三についてで述べたもののほかに、生徒が在日韓国人であることを理由に学校でいじめに遭っていた事案において、人権擁護委員が学校側に対して人権について生徒らへ一層の啓発を行い再発防止に努めるよう要請を行ったという事例、生徒が父親がブラジル人であることを理由に学校でいじめに遭っていた事案において、法務局職員が学校側に対して適切な対応を要請したという事例、インターネット上の掲示板において在日韓国・朝鮮人の児童・生徒を誹謗中傷する書き込みがされた事案において、法務局職員がホームページの開設者に対して削除要請を行い、書き込みが削除されたという事例、朝鮮学校の生徒の着用する民族服が刃物で切り裂かれた事案、朝鮮学校の外壁に差別的な内容の落書きがされた事案及び朝鮮学校に差別的な内容のはがきが送付された事案において、法務局職員及び人権擁護委員が、学校周辺を広報車で巡回して啓発を行ったり、通学路、駅前広場等において啓発を行ったという事例がある。
四について
先の答弁書四についてで答弁したとおり、衆議院議員大島令子君提出朝鮮人(韓国籍・朝鮮籍)学校に関する質問に対する答弁書(平成十四年八月三十日内閣衆質一五四第一五一号)四についてにおいては、保護者の用務の都合により我が国に短期間滞在する外国人児童・生徒を多く受け入れている各種学校が、対内直接投資を促進し、海外から優秀な人材を呼び込む上で重要な役割を果たしているという趣旨を述べたものであり、お尋ねの我が国に長期間滞在する外国人児童・生徒の社会的意義について一概に述べることは困難である。
五について
お尋ねの答弁は、在日朝鮮人のみを収容する教育施設に対して各種学校の認可を行うか否かは、所轄庁である都道府県知事において、個々の教育施設の実状や地域的事情等を踏まえ、個別に判断されることが適当であるとの趣旨である。
似た質問主意書
件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。