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在沖米海兵隊とアメリカの海外基地見直しに関する質問主意書
衆議院 第159回 第12号承知していない ×1
質問本文
在沖米海兵隊の削減・撤退は、沖縄県民の強い願いであり、総意である。在沖米海兵隊を含む在沖米軍基地の整理・縮小は国政の課題でもあり、政府はそれに取り組む政策方針を表明している。
在沖米海兵隊は、広大な演習場を有し、甚大な演習被害、普天間飛行場からの深刻な爆音被害、海兵隊員による多発する犯罪などによって、沖縄県民の生命・身体の安全を日常的に脅かしている。そればかりか、環境破壊、生活破壊を招き、産業振興にも重大な支障をきたしている。
そもそも在沖米海兵隊が約一万六千人も狭い沖縄に駐留する戦略的な理由も必要性もないと考える。政府は、在沖米軍の整理・縮小、とりわけ在沖米海兵隊の削減・撤退をアメリカに強く要求すべきである。そのことが、長年に及んでこの国の安全保障の犠牲と負担を強いられ、今なお基地の重圧に苦しんでいる沖縄県民の強い要望である。
以下、質問する。
一 在沖四軍調整官(第三海兵遠征軍司令官)のロバート・ブラックマン中将が、二〇〇四年一月二八日、キャンプ瑞慶覧で報道関係者の取材に応じ、沖縄に駐留する第五海兵連隊第一大隊、第四海兵連隊第三大隊の二歩兵大隊、普天間基地の重輸送ヘリ中隊、第二四海兵連隊第三大隊など約三千人を二月から七ヵ月間イラクに派遣すると発表したことを政府は承知しているか。(琉球新報、沖縄タイムス、二〇〇四年一月二九日付朝刊参照)
二 政府は、ロバート・ブラックマン中将が発表した前記在沖米海兵隊約三千人のイラク派遣をどのように受け止めておるのかお示し願いたい。
三 二〇〇四年一月三一日、ワシントン発共同通信によると、米国防総省は、在沖米海兵隊のうち、二月から四月にかけて順次イラクに派遣される三歩兵大隊など約三千人の大半について、イラクでの任務終了後も沖縄に戻さず米国に帰還させ、事実上削減する運用計画案を検討していることが明らかになった、と報道されているが、政府は米国防総省のかかる運用計画案検討の事実を掌握しているかどうかお示し願いたい。(沖縄タイムス、琉球新報、二〇〇四年二月一日朝刊参照)
四 在沖米軍基地の整理・縮小を図る政府の立場からも、米国防総省による在沖米海兵隊の三千人削減は歓迎すべきことと考えるが、政府はどのように受け止めておるのかお示し願いたい。
五 米国のブッシュ大統領は、二〇〇三年一一月二五日、米軍の海外軍事力態勢の見直しについて声明を発表した。
政府は、この大統領声明をわが国の安全保障と在沖米軍基地の整理・縮小との関連でどのように受け止めておるのかお示し願いたい。
六 二〇〇三年一一月二二日、ブッシュ米大統領は、「二〇〇四米国軍事建設歳出法」(HR二六五八、公法一〇八−一三二)に署名した。同法によって「合衆国軍事施設の構成見直しに関する委員会」が設置されることとなり、在沖米軍基地の将来、とりわけ在沖米軍基地の整理・縮小を進めるうえで重要な法律と思慮する。
政府は、「二〇〇四米国軍事建設歳出法」(HR二六五八、公法一〇八−一三二)の成立をどのように受け止めておるのかお示し願いたい。
七 稲嶺惠一沖縄県知事は、「合衆国軍事施設の構成見直しに関する委員会」の公聴会に出席し、在沖米軍基地問題の解決を訴えたいと表明している。政府としても同委員会の公聴会出席、同委員会への在沖米軍基地の整理・縮小を強く訴える働きかけをすべきと考えるが政府の対応方針をお示し願いたい。
八 私は、在沖米海兵隊削減の一番大きな壁は日本政府だと考える。政府は、アメリカに対し、在沖米海兵隊の削減を具体的に求めてこなかった。わが国の国家財政が厳しき折、思いやり予算などによる在日米軍の存在は、大きな国民負担になっている。「わが国にとって在沖米軍基地を削減することが国益だが、政府は海兵隊を含む米軍を駐留させることが国益だと思い込んでいる」と批判する識者も多い。
政府は、米国政府が海外基地の見直し・再編を検討するこの時期に、在沖米海兵隊の削減と施設・区域の返還をアメリカ政府に要求すべきと考えるが政府の方針をお示し願いたい。
九 米国政府は、国内外の米軍基地の再編を進めている。政府は、もっともっと積極的に在沖米軍の兵力削減と在沖米軍基地の整理・縮小に向け、政府間協議により力を注ぐべきと考える。
政府は、米国防総省において現在検討作業を進めている「二〇〇五年基地再編・閉鎖プラン」についてどのように政府間協議に臨むのか、その日程、協議機関とその構成を含めて明らかにされたい。
右質問する。
政府答弁書
一について
お尋ねのような内容の報道があったことは、承知している。
二について
今般のイラク情勢に関するものを含め、アメリカ合衆国(以下「米国」という。)軍隊の個々の運用について見解を申し上げる立場にはない。
三及び四について
今般のイラク情勢に関するものを含め、米国軍隊の個々の運用についてその詳細を申し上げる立場にはないが、平成十五年十一月二十六日の米国国防省の発表によれば、ラムズフェルド国防長官は、「イラクの自由作戦」のために海兵隊が追加的に三大隊及びその支援部隊を派遣することを承認したとされている。また、追加的にイラクに派遣される海兵隊の部隊のうち、二大隊及び航空部隊については、現在沖縄に派遣されている部隊がこれに充てられ、予備役の一大隊で今後沖縄に派遣される予定であったものも、イラクに派遣されることとなると承知している。
今回沖縄からイラクに派遣される部隊そのものが再び沖縄に駐留することとなるかは承知していないが、米国政府からは、今回の派遣が終了した後には、本来沖縄に駐留するはずの規模の部隊が再び沖縄に展開することになるという説明を受けている。
五及び八について
米国政府は米国軍隊の全世界的な軍事態勢の見直しを行っており、我が国に駐留する米国軍隊(以下「在日米軍」という。)もその例外ではないと理解している。
米国政府との間での在日米軍の軍事態勢の見直しに関する協議においては、在日米軍が有している抑止力が効率的に維持されるとともに、沖縄を含む、米国軍隊の施設・区域が所在する地方公共団体の負担が十分念頭に置かれるべきであると考えており、こうした観点から、米国政府との協議を進めていく考えである。
六について
米国議会において成立した「二千四会計年度軍事建設歳出法」(以下「軍事建設歳出法」という。)には、「在外米軍施設の構成見直しに関する委員会」(以下「見直し委員会」という。)の設置に関する条項が含まれており、見直し委員会は米国国外に所在する米国軍隊の施設の構成について検討し、その結果及び提言を二千四年十二月三十一日までに米国議会及び米国大統領に報告することとなっていると承知している。政府としては、軍事建設歳出法の成立を関心をもって受け止めており、今後の見直し委員会の活動を注視してまいりたい。
七について
在日米軍の軍事態勢の見直しについては、五及び八についてでお答えしたように、米国政府との間で協議を進めていく考えであり、見直し委員会において何らかの対応をする考えはない。
九について
お尋ねの「二〇〇五年基地再編・閉鎖プラン」とは、米国国防省で検討中の「米国基地再編・閉鎖(BRAC)」と題する計画を指すと考えられるが、これは、米国国内に所在する米国軍隊の施設のみを対象として行われる再編・閉鎖の計画であると承知している。沖縄に駐留する米国軍隊の施設・区域については、「米国基地再編・閉鎖(BRAC)」の対象になるとは考えていない。
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