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在日米軍の再編と沖縄の負担軽減に関する質問主意書
参議院 第161回 第12号お答えすることは困難 ×2承知していない ×1検討してまいりたい ×2
質問本文
来年は戦後六〇年の節目を迎える。我が国の安全保障を考える上で「駐留米軍」の問題は、イデオロギーを超えて国民的課題である。国民が正確で公正な「安全保障観」を保持するためにも、小泉内閣の日米同盟についての対応姿勢を明快に国民の前に明らかにすべきである。
小泉首相は一一月一二日の全国知事会議で、在日米軍の再配備について「日本が基地の縮小・削減・補償を含め、案をはっきり持たなければならない」と述べ、政府の方針に地方自治体の意見を反映させる考えを強調したという。ところが今、関係都道府県や地元地方自治体では日米政府間協議の情報が全く届かず、地元地方自治体の意向を整理集約することが極めて困難というのが現状である。このように政府と関係地方自治体との意思疎通が不十分なままでは、国民世論を集約する上で懸念が生じかねない。そこで基本的な点をまず明らかにするため、以下質問する。
一、在日米軍再編の基本方針「抑止力維持」と「負担軽減」について
1 今回の在日米軍の再編に当たって、その基本方針や基本原則として「抑止力維持」と「負担軽減」といったことが言われている。これは日米両政府間で合意された共通の認識であるか。
2 「抑止力維持」において、抑止されるべき脅威の元凶は、冷戦時代とはどう異なるのか。
3 新たな脅威に対する「抑止力」とは、具体的にいかなる対応策で維持されるものか。
4 今後検討される新たな脅威に対する「抑止力」については、「負担」という観点から、どのように具体的に検討されているのか。
5 在日米軍再編の検討の際には、在沖米軍基地の役割と位置付けを明確に示すべきであると考えるが、政府としてはどのように考えるか。その上でどのような「負担軽減」が可能かも併せて示されたい。
二、在沖米海兵隊の駐留意義と国際情勢(安保環境)の変化について
1 かつて、一九九六年の日米安保共同宣言、一九九七年の新ガイドライン、さらに一九九九年の閣議決定(普天間飛行場の移設に係る政府方針)等では、情勢の変化に対応して在日米軍の兵力を検討するとしていた。特に一九九九年の閣議決定では、「国際情勢の変化に対応して、本代替施設を含め、在沖米軍兵力構成等の軍事態勢につき、米国政府と協議していく」とある。今回の米軍再編の政府間協議は、これらの閣議決定等で述べられていた「国際情勢の変化に対応した」日米両政府の協議に当たるのかどうか。
2 従来、日本政府は在沖海兵隊の駐留をどのように意義付けてきたか。それは今後変わるのか、変わるならどのように変わるのか。
三、米軍基地による沖縄県内の負担軽減の理念と実現策について
1 在日米軍の再編で基地の「負担軽減」がいわれる中で、沖縄では現在も名護市辺野古や金武町伊芸区では新たな施設建設が進行中である。政府の言う沖縄の基地負担の軽減とは、どのような理念に基づいてどのように実現しようとしているのか。
2 金武町で建設が進められている「都市型訓練施設」は、我が国では自衛隊の施設も含めて、どこにどれだけの同型施設があるのか。
3 「都市型訓練施設」の安全対策、とりわけ、住民地域や公共施設及び民間施設からの距離等、具体的な安全管理対策はどうなっているか。
四、日米安全保障政策における基地の共同使用と共同訓練について
1 沖縄では、これまで基地の共同使用という場合、那覇空港のように民間と自衛隊の共用や、今後建設予定の普天間代替施設での米軍と民間の共用等が主として問題にされてきた。しかし、今行われている在日米軍再編の日米交渉では、米軍と自衛隊の間での軍事基地の共用や共同訓練が一気に加速拡大する可能性がある。これはいかなる理由によるか。
2 我が国については、これまでも、独立国に長期に外国軍隊が駐留し続ける異常さが指摘されている。この共同使用・共同訓練の流れは、在沖米軍基地にどう具体的な影響を与えるか。
右質問する。
政府答弁書
一の1について
アメリカ合衆国(以下「合衆国」という。)は、新たな安全保障環境における課題に対処するため、合衆国軍隊の全世界的な軍事態勢の見直し作業を行っており、我が国を含め、同盟国、友好国等と緊密に協議してきている。我が国に駐留する合衆国軍隊(以下「在日米軍」という。)の兵力構成の見直しについては、我が国は、在日米軍が有している抑止力の維持とともに、在日米軍の施設及び区域が所在する地方公共団体の過重な負担の軽減が十分に念頭に置かれるべきであると考えており、この点については、合衆国側も共通の認識を有しているところである。
一の2から4までについて
我が国をめぐる安全保障環境については、我が国に対する本格的な侵略事態の生起の可能性は低下する一方、大量破壊兵器や弾道ミサイルの拡散の進展及び国際テロ組織等の活動を含む新たな脅威並びに平和と安全に影響を与える多様な事態への対応が国際社会の差し迫った課題となっている。また、我が国が位置するアジア太平洋地域の状況については、冷戦終結後も軍事力の拡充や近代化が見られるなど、依然として不安定で不確実な状況が存在している。我が国は、自らの防衛力のみでは、自国の安全が脅かされるようなあらゆる事態には対処できない以上、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約(昭和三十五年条約第六号。以下「日米安保条約」という。)を引き続き堅持し、その抑止力の下で前述のような新たな脅威等に対処し、我が国の安全を確保することが必要であると考えている。在日米軍の兵力構成の見直しに関する合衆国との協議においては、このような抑止力の維持が在日米軍の施設及び区域が所在する地方公共団体の過重な負担の軽減とともに十分に念頭に置かれるべきであると考えており、在日米軍の兵力構成の見直しについては、様々な可能性を検討しているところであるが、現時点で何ら決定はしていない。
一の5及び三の1について
沖縄に駐留する合衆国軍隊を含め、在日米軍は、抑止力を通じ我が国及び極東の平和と安全の維持に寄与していると認識している。また、在日米軍の施設及び区域が所在する地方公共団体の負担については、政府としてこれを十分に認識している。在日米軍の兵力構成の見直しに関する合衆国との協議においては、在日米軍が有している抑止力の維持とともに、在日米軍の施設及び区域が所在する地方公共団体の過重な負担の軽減が十分に念頭に置かれるべきであると考えており、このような観点から、合衆国政府との協議を進めていく考えである。現在、沖縄の在日米軍の施設及び区域の沖縄以外の国内あるいは海外への移転等の可能性を含め、どのように沖縄の負担の軽減を実現するかについて、様々な可能性を検討しているところであるが、現時点で何ら決定はしていない。
二の1について
御指摘のように日米間で累次にわたり確認されているとおり、国際的な安全保障情勢において起こり得る変化に対応して、在日米軍の兵力構成を含む軍事態勢について日米両政府間で緊密に協議することは、一般論として当然のことであり、一の2から4までについてで述べた合衆国との協議もそのようなものの一つである。
二の2について
一の2から4までについてで述べたとおり、アジア太平洋地域においては、冷戦終結後も依然として不安定で不確実な状況が存在している。我が国は、自らの防衛力のみでは、自国の安全が脅かされるようなあらゆる事態には対処できない以上、日米安保条約を引き続き堅持し、その抑止力の下で我が国の安全を確保することが必要であると考えている。沖縄に駐留する海兵隊は、高い機動力、即応性等を通じ、在日米軍の重要な一翼を担っており、我が国及び極東の平和と安全の維持に寄与していると認識している。他方において、沖縄等在日米軍の施設及び区域が所在する地方公共団体の過重な負担の軽減を図ることは重要であり、沖縄に駐留する海兵隊を含む在日米軍の兵力構成の見直しについても、抑止力の維持とともに在日米軍の施設及び区域が所在する地方公共団体の過重な負担の軽減の重要性を踏まえて、合衆国側と協議している。
三の2について
御指摘の「都市型訓練施設」とは、合衆国陸軍がキャンプ・ハンセン内のレンジ4という射撃場に建設している複合射撃訓練場のことであると考える。合衆国側によれば、合衆国陸軍が現在キャンプ・ハンセン内のレンジ16という射撃場に設置している射撃用建物、突破訓練施設及び屋外射場のうち、射撃用建物及びそれに附帯する突破訓練施設について、その損耗により代替施設を建設する必要があり、この機会に、合衆国陸軍が現在キャンプ・ハンセン及びキャンプ・シュワブにおいて分散実施している訓練を効率的かつ効果的に実施し得るようにするため、キャンプ・ハンセン内のレンジ4に射撃用建物、突破訓練施設、屋外射場、訓練塔及び管理地区から構成される複合射撃訓練場を建設するとのことである。在日米軍が、我が国において提供されている施設及び区域においてこのような複合射撃訓練場と同様の訓練場を有しているとは承知していない。また、自衛隊は、このような複合射撃訓練場と同様の訓練場は有していない。
三の3について
在日米軍は、三の2についてで述べたキャンプ・ハンセンにおける複合射撃訓練場の建設に際して、公共の安全や地元住民の懸念にも配慮することとしており、具体的には、在日米軍は、流弾・跳弾対策として、射撃用建物内では、標的の後方に高密度ゴム製の弾丸トラップという安全設備等を設置すること、射撃用建物外では、施設及び区域の境界線とは反対の北西方向に対してのみ射撃を行うこと等の措置をとると承知している。
なお、特定の地域や施設から本訓練場までの具体的な距離等については、明らかにされておらず、お答えすることは困難である。
四について
在日米軍の兵力構成の見直しに関する日米間の協議の現状については、合衆国軍隊の軍事態勢の見直しについての基本的考え方、地域の情勢認識や日米の役割と任務といった基本的な論点について包括的な議論を行いつつ、日米それぞれの考え方に係る理解を深めるための意見交換を行っている段階である。その中で種々の具体的な見直しのアイデアについても議論してきているが、提案のやりとりを行っているわけではない。合衆国側との議論の内容については、合衆国政府との関係もあり、申し上げることはできないが、いずれにせよ、個別の施設及び区域についていかなる決定も行われておらず、仮定に基づくお尋ねに対してお答えすることは困難である。
この答弁書に出てくる定型句
お答えすることは困難 ×2承知していない ×1検討してまいりたい ×2
語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。
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