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会計基準の国際化に関する質問主意書
衆議院 第162回 第87号
質問本文
わが国の企業会計については、いわゆる会計ビッグバンにより連結会計や時価会計への移行がすすみ、国際的な基準に近づいている状況にある。
一方、EU域内においては二〇〇五年から国際会計基準が採用されており、二〇〇七年以降、国際会計基準もしくはそれと同等な基準しかEU域内での使用を認めないいわゆる「会計基準の二〇〇七年問題」により、わが国企業によるEU域内での資金調達が困難となるリスクを抱えていることは周知の事実である。
こうした状況のもと、国際会計基準審議会(IASB)においては、「包括利益プロジェクト」において「包括利益」概念の導入に取組んでおり、米国会計基準ではすでにこの「包括利益」が採用されている。
国際会計基準と米国会計基準が統合の方向で進んでいるなか、わが国においては「包括利益」の導入には、「決算期ごとに資産評価を行うためコストがかかる」、「株価など本業以外のところで業績が評価されるのは望ましくない」という趣旨の消極的な意見が多い。
また、ファイナンスリースの扱いについても、わが国では例外規定によりオフバランス処理される例が多いが、国際会計基準にはオフバランス処理のための例外規定は存在しない。
これらをふまえ、今後、わが国においても企業活動の円滑な遂行、企業の情報開示に関する国際的な信用確保という観点から一定の取組みが必要と考えられる。
従って、次の事項について質問する。
1 会計基準の作成に最終権限を持つ立場として、「包括利益」の導入についていかなる見解を持っているか。また、「包括利益」と「純利益」をあわせて開示することについてはどう考えているか。
2 わが国で米国会計基準を採用している企業の場合、当期純利益は黒字であっても包括利益は赤字となるケースが多い。この点についてどのように考えているか。
3 リース資産のオンバランス処理の義務化について、わが国では意見が分かれている。国としてはどうあるべきと考えているか。
4 わが国企業の海外での資金調達状況について、EU域内、米国、その他金額的に重要性の高い地域ごとに明らかにされたい。そのうえで、EU域内での資金調達が不可となった場合の影響はどの程度の重要性を持つと考えるか。
5 わが国の現行の会計基準は、EU域内において「国際的な会計基準と同等なもの」と認められると考えているか。
6 わが国の会計基準の国際性については世界的に認知度が低いといわれているが、国際的に通用するものである旨のアピールはどのような手段で行っているか。
右質問する。
政府答弁書
1について
会計基準に長期保有目的の株式の評価損益等を反映させた包括利益という考え方を導入すること及び包括利益と純利益を併せて開示するようにすることについては、国際会計基準を策定している国際会計基準審議会(IASB)等において国際的に議論が行われていると承知している。これらの国際的な議論への対応については、我が国において会計基準を策定している財団法人財務会計基準機構の企業会計基準委員会において検討が行われていると承知しており、その検討の状況を引き続き注視してまいりたい。
2について
御指摘のようなことが多いかどうかは、株価、為替等の市場の動向等にもよることから、一概には言えないと考えられる。
3について
我が国の会計基準では、ファイナンス・リース契約について、原則として、貸借対照表にリースされた物件の購入価額等を資産と負債の両建てで計上するいわゆるオンバランス処理が要求されているが、ファイナンス・リース契約のうち所有権が借り手に移転すると認められるもの以外のものについては、リース料を毎期の費用として計上するいわゆるオフバランス処理が認められている。すべてのファイナンス・リース契約についてオンバランス処理を要求することについては、企業会計基準委員会において検討が行われているところであり、企業会計基準委員会において、各界の意見を踏まえ、公正妥当な会計基準が策定されることを期待している。
4について
財務省が公表している「対外及び対内証券売買契約等の状況」によると、平成十六年には、本邦居住者によって、約四兆千億円の外債発行による資金調達が行われている。証券界によると、我が国企業の外債発行額のうち、約九割が欧州連合(EU)域内で、また、残りがスイス、米国等で発行されているとのことである。仮に我が国企業の欧州連合域内での資金調達が不可能となった場合の影響に関するお尋ねについては、他の地域での資金調達の動向等にもよることから、その影響は一概には言えないと考えられ、また、いずれにせよ、会計基準をめぐる動向により直ちに欧州連合域内での資金調達が不可能になるわけではない。
5について
欧州委員会(EC)は、我が国、米国及びカナダの会計基準が国際会計基準と同等であるかどうかの評価を行っており、そのため、欧州証券規制当局委員会(CESR)が欧州委員会に対して技術的助言をすることになっている。我が国の会計基準は、これまでの整備や改善を通じて国際的にも質の高いものとなっており、欧州証券規制当局委員会が本年四月二十七日に発表した技術的助言案では、我が国の会計基準は米国やカナダの会計基準とともに一定の補完措置をとる必要があるとされているものの、全体として国際会計基準と同等であると評価されている。欧州委員会は、本年末又は二千六年初めまでに最終的な評価を行う予定であり、我が国の会計基準が全体として国際会計基準と同等なものであると評価されるように、金融庁において、国内の官民の関係機関と緊密に連携して、適切な対応に努めてまいりたい。
6について
我が国の会計基準について国際的な理解が得られるように、金融庁において、国内の官民の関係機関と緊密に連携して欧州委員会の関係者等に対して我が国の会計基準に関する説明を積極的に行うとともに、欧州証券規制当局委員会の技術的助言案に対する意見書の提出、欧州証券規制当局委員会主催の公聴会への参加等を行ってきている。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。