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電気用品安全法と経済産業省の対応に関する質問主意書
衆議院 第164回 第369号お答えすることは困難 ×2
質問本文
一 電気用品安全法本格施行直前の混乱と経済産業省の対応について
(1) 電気用品安全法(昭和三十六年法律第二百三十四号。平成十一年法律第百二十一号により改正。以下、改正後の法律を「本法」という。)における経過措置の一部が本年三月三十一日を以て終了するにあたり、主として本法の対象とされる中古電気用品を商材とする古物商と一般消費者の間で、本法において定める「PSEマーク」が付されていない中古電気用品の販売が不可能となり、違反者に対して刑事罰が科されることもあって大きな社会的混乱が生じた。この混乱の原因と責任はどこにあると考えているのか。政府の答弁を求める。
(2) 本年四月二十五日の衆議院決算行政監視委員会における国会答弁で、経済産業省は、本法の対象に中古品も含まれるということを明文で公表したのは、本年二月十日の経済産業省のホームページ上が初めてであることを認めた。この本年二月十日のホームページが初めてであるということについての、政府の事実確認の答弁を求める。また、中古品も含まれるということの公表が本法の成立から六年半も経って、本格施行の四十九日前まで大幅に遅れた理由は何か。その理由と責任の所在について、政府の明確な答弁を求める。
(3) 本年二月十五日に、経済産業省は警察庁に対してその所管する古物商・質屋の業界団体等に対して本法の周知を依頼している。何故、経済産業省は本法制定の議論が開始された平成十年頃から本年に至るまでの間、警察庁に対して、古物商・質屋の業界団体からの意見聴取や周知についての相談を行わなかったのか。その理由について、政府の明確な答弁を求める。
(4) 昨年十月から十一月にかけて、経済産業省は大手中古電気用品販売事業者から、本法の対象に中古品も含まれるのかとの問い合わせを受けて、内閣法制局と相談中である旨を伝え回答を本年一月まで留保した。この経緯について、事実であることの確認を求める。
(5) 内閣法制局の見解では、本法の改正が含まれた通商産業省関係の基準・認証制度等の整理及び合理化に関する法律(平成十一年法律第百二十一号)附則第五十条により、経過措置としての猶予期間を五年からさらに一年ないし二年程度延長することは困難であったとされる。その理由について、詳細な説明を求める。
(6) さらに、内閣法制局の見解では、中古品のみを附則第五十条により猶予期間を延長することも不可能であるとされるが、その理由について詳細な説明を求める。
(7) 本年二月十四日に経済産業省のホームページ上で掲載された「経過措置期間の終了に伴う電気用品の取扱いに関して」等で、古物商等が本法における「製造事業者」の届出を行い、技術基準適合を確認のうえ、三つの自主検査を行ってPSEマークを付して中古電気用品を販売することができると説明されている。この点について、中古電気用品に何らの手を加えず、仕入れたものをそのままの状態で再度販売する行為しか行わない中古販売事業者が、何故に「製造事業者」の届出を行わなければならないのか。政府の答弁を求める。
(8) そもそも、本法における「製造」とは何か。その定義について、政府の明確な答弁を求める。
(9) 「部品の交換」「修理」「製造」等において、本法における「製造」に該当する行為の定義について、政府の明確な答弁を求める。
(10) 「製造事業者」の届出を行った中古販売事業者であっても、製造行為を行わない電気用品については、本法第八条第一項の義務は負わないとの理解でよいか。答弁を求める。
(11) 最近経済産業省が行った、絶縁耐力検査実施状況調査の結果について、その内容の説明報告を求める。この結果を見ても、中古電気用品販売事業者が仕入れ、その店頭に並ぶほとんど全ての中古電気用品は、PSEマークが付されているか否かにかかわらず、メーカーによる製造段階で一度は絶縁耐力検査を受けているという事実を認めるのか。答弁を求める。
(12) 大量生産を行う製造メーカーは、絶縁耐力の全数検査を、千二百ボルト一秒以上の基準で行っている。その結果、既に一度は行われている絶縁耐力検査を、あらためて千ボルト一分の検査を事実上強制されて、行っているのはほとんど中古電気用品販売事業者に限定された状態となっている。このような状態は、中古販売事業者に不当かつ過剰な負担を強いていると評せざるを得ないものと考えるが、政府の見解を求める。
(13) 本法においては、中古電気用品に何らの製造行為を行わない中古電気用品販売者も「製造事業者」ないし「輸入事業者」の届出をしなければ、PSEマークを付して販売することができない。このような状態は明らかに法のスキームの不備ではないかと思うが、政府の見解を求める。
二 電気用品安全法の制定過程について
(1) そもそも、電気用品安全法制定のために、平成十年六月から開催された産業構造審議会基準認証部会・消費経済審議会製品安全部会製品安全合同小委員会等の審議において、中古電気用品販売事業者の参加も求めず、意見聴取も行わなかった理由は何か。答弁を求める。
(2) 平成十一年の本法制定時に、経済産業省は本法における中古品の取り扱い、あるいは位置付けについて内閣法制局に説明した事実はあるか。答弁を求める。
内閣法制局は、これらの説明を受けた事実はあるか。答弁を求める。
(3) 平成十一年の本法制定時に経済産業省は、中古電気用品販売事業者の数、業界の規模、業界で働いている人の数、市場の動向など、立法事実となるべき事実を承知していたのか。答弁を求める。
(4) 平成十一年に行われた本法に関するパブリックコメントにおいて、明らかに「利害関係人」である中古電気用品販売事業者に対して周知を行った事実はあるか。答弁を求める。行っていなかったとすれば、それは平成十一年三月二十三日の閣議決定文書の中にある「利害関係人には、必要に応じ、適宜周知に努める」という文言の趣旨に反するのではないか。政府の見解を求める。
(5) 経済産業省は、国会の委員会で、電気用品安全法の旧法との変更点は、絶縁耐力試験などの一品ごとの全数検査を義務づけたことである、とくり返し答弁しているが、この答弁の確認を求める。
(6) その場合、法改正による旧法との最大の変更点が、省令によって行われることは問題ではないか。政府の見解を求める。また、旧法との最大の変更点が、省令の中の全数検査の義務づけである事実を、これまで経済産業省は明文で公表したことがあるか。答弁を求める。またこの変更点を利害関係人や関係者にどのようにして知らせたのか。答弁を求める。
(7) また、平成十三年四月の省令制定時に、ほとんどの製造メーカーの製造ラインにおいては、すでに絶縁耐力の全数検査が行われていたという事実を経済産業省は知っていたのか。答弁を求める。
三 電気用品安全法に関する今後の課題について
(1) 経済産業省自身も認めているように、現在においてもなお経済産業省は、中古電気用品の販売事業者数、市場規模、働いている人の数、消費者・利用者の数などの実態を把握していない。来るべき制度改正のためにも、可及的すみやかに、本格的な実態調査を行うべきであると思うが、政府の見解を求める。
(2) 中古リサイクル業者のみなさんの組織化がすすめられていると聞いているが、この取り組みに対する関係省庁の方針をそれぞれ明らかにされたい。
(3) 「部品の交換」や「修理」のための部品保有期間は業界での基準では七年間となっていると聞いている。この部品保有期間をたとえば十年間に延長して、リユースがより推進されるようにすることが、品質の高い電気用品を生産することにつながり、「ものづくり大国」を実現することに寄与すると思うが、政府の見解を求める。
(4) 本法の不備による現状の混乱を放置することは許されない。まず、今秋の臨時国会で中古電気用品を本法の適用対象から除外する法改正を行い、その上で、PSEマークの有無にかかわらず、中古電気用品の安全性の確保とリユースの推進の立場から、中古電気用品販売事業者のみなさんの協力を得て、電気用品安全法のみならず、新たな製品安全法制の体系を整備するための法の抜本改正が今後の課題として必要だと思うが、政府の見解を求める。
右質問する。
政府答弁書
一の(1)について
通商産業省関係の基準・認証制度等の整理及び合理化に関する法律(平成十一年法律第百二十一号。以下「整理合理化法」という。)附則第五十条第一項の経過措置が一部の移行電気用品(整理合理化法附則第四十六条第一項に規定する移行電気用品をいう。以下同じ。)について本年三月三十一日に終了するに際し、中古の電気用品の販売事業者等に関連情報が必ずしも十分に行き届いていなかったことに伴う事態が生じたため、電気用品安全法(昭和三十六年法律第二百三十四号。以下「法」という。)を所管する経済産業省としては、本年三月十四日に発表した「電気用品安全法の経過措置の一部終了に伴う対策について」に基づく情報提供、検査装置の貸出し等の支援等を講じてきたところである。
一の(2)について
「本法の対象に中古品も含まれる」ことについて明文で公表したのは、本年二月十日に経済産業省のホームページに掲載したのが最初である。これは、整理合理化法による改正前から法に基づく電気用品に係る規制は新品と中古品とを区別しておらず、整理合理化法による改正後においてもこうした取扱いは変わらないことを前提として、法の内容について、事業者等に対して広く周知を図るとともに事業者等からの問い合わせに対応してきたためであるが、本年に入り、事業者等からの問い合わせが増加したこと等を踏まえ、法の内容についてより広く周知を図るため、経済産業省のホームページ等を通じて情報提供を行ったものである。
一の(3)について
整理合理化法の制定以降、講習会、セミナー等の場において、法の内容について様々な事業者への周知や意見聴取を行ってきたが、本年に入り、中古の電気用品の販売事業者等からの問い合わせが増加したこと等から、本年二月に、経済産業省から警察庁に対し、これらの販売事業者に対する法の内容についての周知の要請を行ったものである。
一の(4)について
経済産業省が、「大手中古電気用品販売事業者」からの問い合わせに対し、内閣法制局と相談中である旨を伝え回答を留保したという事実はない。
一の(5)及び(6)について
整理合理化法附則第五十条第一項の規定は、移行電気用品に付されている整理合理化法第十条の規定による改正前の旧電気用品取締法の規定による表示に係る経過措置の期間について、五年以内であることを定めつつ、製造から販売までに通常相当の期間を要する移行電気用品として政令で定めるものにあっては特に十年以内とすることとしていることから、製造から販売までに通常相当の期間を要するという事情が存在しない移行電気用品について、五年を超える経過措置の期間を政令で定めることは、整理合理化法附則第五十条第一項の規定による政令への委任の範囲を超えるものであり、違法であると考える。
一の(7)について
法の規定上、「中古電気用品に何らの手を加えず、仕入れたものをそのままの状態で再度販売する行為しか行わない中古販売事業者」が、法第三条の規定による届出の義務を負うこととはされていない。
一の(8)及び(9)について
法における「製造」とは、原材料等に手を加えて電気用品を完成させる行為をいうと考えているが、どのような行為がこれに該当するかについては、個別具体に判断することが必要である。
一の(10)について
届出事業者は、「製造行為を行わない電気用品」については、法第八条第一項の規定に基づく義務は負わないと考える。
一の(11)について
経済産業省が一部の電気用品の製造事業者から過去の絶縁耐力検査の実施状況を聴取したところ、当該検査を全数について実施していたがその証拠となる記録が全部又は一部残っていないとの回答や、当該検査を全数について実施していたか否か不明であるとの回答が多く見られた。いずれにせよ、整理合理化法による改正前の旧電気用品取締法においては、乙種電気用品について絶縁耐力検査を実施することは義務付けられていなかったことから、すべての中古の電気用品について当該検査が実施されていたと考えることは困難である。
一の(12)について
絶縁耐力検査についての千二百ボルトで一秒間という基準は、電気用品の技術上の基準を定める省令(昭和三十七年通商産業省令第八十五号)において定められている千ボルトで一分間という基準と技術的に同等以上であるとされており、千ボルトで一分間の基準で絶縁耐力検査を行うことが「中古販売事業者に不当かつ過剰な負担を強いている」とは考えていない。
一の(13)について
法は、電気用品による危険及び障害の発生を防止するため、電気用品の製造等の事業を行う者に対して届出の義務を課し、当該届出をした事業者が所要の検査義務を履行した場合には、法第十条第一項の表示を付すことができるとしているものである。
二の(1)について
御指摘の小委員会における審議の過程においては、中古の電気用品の販売事業者を含む多くの関係者からの意見を踏まえて審議を行うため、平成十年九月にパブリック・コメントを実施したことから、中古の電気用品の販売事業者に絞った意見聴取等は特段行わなかったものである。
二の(2)について
整理合理化法の制定時に、経済産業省が内閣法制局に対し、「中古品の取り扱い、あるいは位置付け」について特に説明したという事実については、確認できない。
二の(3)について
整理合理化法の制定に際しては各種の統計データの収集等を行ったが、中古の電気用品の販売事業者に関する統計が十分に整備されていないことなどから、御指摘の中古の電気用品の販売事業者の数等は把握していなかった。
二の(4)について
御指摘のパブリック・コメントの実施に当たって、中古の電気用品の販売事業者に対して特段の周知を行ったとの記録はない。これは、関係者が多岐にわたることなどから、個別の関係者ごとに周知を行うのではなく、中古の電気用品の販売事業者も含めた多くの方々に広く周知するため、旧通商産業省のホームページや広報誌への掲載を実施したためであり、このことが、御指摘の閣議決定の文言の趣旨に反するとは考えていない。
二の(5)及び(6)について
整理合理化法による法の改正によって、特定電気用品以外の電気用品について検査義務を新たに設けたものであり、「旧法との最大の変更点」が省令によって行われたとは認識していない。なお、御指摘の省令の改正に当たっては、パブリック・コメントを行い、広く関係者からの意見を求めている。
二の(7)について
整理合理化法による改正前の旧電気用品取締法においては、乙種電気用品について絶縁耐力の全数検査は義務付けられていなかったことから、「ほとんどの製造メーカーの製造ラインにおいては、すでに絶縁耐力の全数検査が行われていたという事実」があったことを確認することは困難である。
三の(1)について
今後、必要に応じて、関連事業者等からの意見聴取やその実態の把握等を行っていく必要があると考えている。
三の(2)について
現在、御指摘の中古リサイクル業者により全国的な組織の設立に向けた準備が進められているものと承知しており、こうした組織が発足した場合には、中古リサイクル業者の実態についての情報収集や様々な制度の周知等に関し協力を求めることも考えてまいりたい。
三の(3)について
家電製品の部品保有期間が延長されてリユースが推進されることが、必ずしも「品質の高い電気用品を生産すること」につながるとは考えていない。
三の(4)について
製品安全法制については、消費者の安全の確保等の観点から、国内外の情勢、技術の進歩、取引の実態等を踏まえ、将来、必要に応じ、所要の見直しを行っていくべきものと考えている。
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