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電気用品安全法に関する質問主意書
衆議院 第164回 第182号お答えすることは困難 ×1
質問本文
二〇〇一年の電気用品安全法施行の際に設けられた、五年間の販売猶予期間の経過措置が本年三月三十一日で終了する。これにより、本法において定める「PSEマーク」表示のない一部の電気用品(二〇〇一年三月三十一日以前に製造されたテレビ、冷蔵庫、洗濯機、電子楽器、音響機器等)の販売が不可能となる。
リサイクル業者、楽器、オーディオ店等の販売業者や、消費者、音楽愛好家に著しい混乱を招いている。
リサイクル業者や中古電気用品の販売業者(以下「事業者」という。)は、倒産、廃業の危機にさらされている。
また、音楽家、音楽関係者は、「古い機材は固有の価値のある音を持っている。技術が進歩しても作り出すことはできない。文化の破壊」であると抗議している。
これほどまでに大きな社会問題になったのは、市民生活に深くかかわる法律であるにもかかわらず、五年の販売猶予期間が切れ「PSEマーク」表示のない電気用品二五〇品目を関係団体に示したのが二月になってからであることが原因である。
明らかに、政府が改正された制度についての周知徹底を怠ってきたことに問題がある。
こうした状況の下で、経済産業省は、本年三月十四日「電気用品安全法の経過措置の一部終了に伴う対策について」(以下「政府の対策」という。)を発表した。
福岡県商工団体連合会と福岡県の中古販売業者や楽器店主は、三月二十三日、福岡市の九州経済産業局に対して「販売猶予期間の延長」を要請している。また沖縄県の中古販売業者等も強く要求している。
事業者からは、この政府の対策では不十分であり、有効な解決策にならないとの声が強く上がっている。
従って、以下の事項について質問する。
一 政府の対策の期待される効果について説明されたい。
二 事業者は、電気用品安全法第八条に規定する自主検査、すなわち外観検査、通電検査、絶縁耐力試験を行うことを義務づけられている。政府の対策は、自主検査のうち絶縁耐力検査に限定しているのか、そうだとすれば理由を説明されたい。
三 全国五〇〇カ所で検査を受けられる十分な体制の整備を六月までに目指すとしているが、目標としている全国五〇〇カ所の検査所の名称、関係機関別の数、検査等サービスの内容について、都道府県毎に明らかにされたい。また、本法の販売規制の対象となる事業者は全国で三〇万と推定されているが、全国五〇〇カ所の検査体制で実効性を確保できるのか説明されたい。
四 福岡県の中古販売業者は、検査機器の無料貸出等といっても、全国五〇〇カ所では、検査機関に持ち込むだけでもコストや時間がかかるので効果はないと指摘しているが、政府の見解を問う。
五 福岡県商工団体連合会と福岡県の中古販売業者と楽器店主の要請に対する九州経済産業局の説明では、実施まであと一週間しかないにもかかわらず、三月二十三日現在で検査機器の無料貸出しの体制をとったのは、全国で四国経済産業局だけであるとのことである。しかも、福岡県における検査機関の数及び検査機器の台数についても、同産業局は「調整中」としか答えられないというのが実情である。全国の検査機器の無料貸出等の体制の進捗状況を明らかにされたい。
六 検査体制の整備が今のままで推移すれば、四月一日の実施日になっても検査のできない事業者が多数出てくることは確実であるが、検査できない事業者に対する対策をどのように考えているのか説明されたい。
七 自主検査の支援体制の一環として、独立行政法人製品評価技術基盤機構等による検査機器の無料貸出等を、中小事業者に対して行うとしているが、何を基準として「中小事業者」というのか。また、「貸出等」とあるが、貸出以外にどのような事を考えているのか。
八 電気保安協会等の協力の下に全国に展開する拠点を活用して、六ケ月間、中小事業者の要請に応じて、無料で出張検査サービスを行うとしているが、六ケ月に期間を限定した理由は何か。限られた期間で、当該事業者の検査に係るコストの軽減、解消になると考えているのか説明されたい。
九 各都道府県、市町村等に設置される公設試験所における受託検査の実施、検査機器の貸出等及び民間団体等の検査の実施は有料なのか。また、この対象はすべての「事業者」なのか。
十 特別承認制度により、いわゆるビンテージものと呼ばれる電子楽器等すなわち電気楽器、電子楽器、音響機器、写真焼付器、写真引伸機、写真引伸用ランプハウス、映写機については、要件を満たす場合には簡単な手続きで売買できることとした。
要件の一つに、「既に生産が終了しており、他の電気用品により代替することができないものであって、かつ、希少価値が高いと認められるものである」としている。
「代替することができないものであって」、「かつ、希少価値が高い」というが、個別具体的に判断するというのではなく、その基準を明確に説明されたい。また、一部報道によると、対象範囲を「一九八九年以前に生産中止になった製品とする」とあるが、この根拠と理由を示されたい。
十一 政府の対策は、事業者から公平性を欠くものであるとして、「中古電気用品すべてを対象から除外してほしい」、「販売猶予期間の延長ができないか」との要求が強い。これについての政府の見解を問う。
十二 政府は、安全性の確保に努めつつ、こうした事業者の要請に応えるような方策を今後検討すべきと考えるがどうか。
十三 政府の対策の消費者に対する影響及び効果について説明されたい。
右質問する。
政府答弁書
一について
経済産業省としては、本年三月十四日に発表した「電気用品安全法の経過措置の一部終了に伴う対策について」(以下「経過措置終了対策」という。)に基づく支援等が適切に実施されることにより、通商産業省関係の基準・認証制度等の整理及び合理化に関する法律(平成十一年法律第百二十一号。以下「整理合理化法」という。)附則第五十条第一項の経過措置(以下「経過措置」という。)が一部の移行電気用品(整理合理化法附則第四十六条第一項に規定する移行電気用品をいう。)について平成十八年三月三十一日に終了すること(以下「経過措置の一部終了」という。)に伴う事業者の負担の軽減等が図られると考えている。
二について
経過措置終了対策に基づく出張検査及び検査機器の貸出しは、絶縁耐力検査について行われており、外観検査及び通電検査については、検査機器を用いる必要がなく、これらの検査に必要な情報の提供等の支援が行われているところである。
三について
絶縁耐力検査等の実施に対する支援の体制については、現在、経済産業省としては、独立行政法人製品評価技術基盤機構、独立行政法人産業技術総合研究所、各地の電気保安協会、都道府県等の公設試験所等の協力を得て、これらにおいてその整備が進められるよう対策を講じているところであり、お尋ねの「全国五〇〇カ所の検査所の名称」等について、現時点において具体的にお答えすることは困難であるが、早急にこうした支援の体制が整備され、効果的に活用されるよう努めてまいりたい。
四について
事業者が経過措置終了対策に基づく出張検査、検査機器の貸出し等の支援を受ける際に、中古の電気用品を独立行政法人製品評価技術基盤機構、独立行政法人産業技術総合研究所、各地の電気保安協会、都道府県等の公設試験所等に持ち込む必要はない。
五について
経過措置終了対策に基づく検査機器の貸出しについては、既に一部で開始されているところであり、検査機器については、現在貸し出されているものも含め、本年三月末までに、約百十台が確保されているところであるが、経済産業省としては、独立行政法人製品評価技術基盤機構、独立行政法人産業技術総合研究所、各地の電気保安協会、都道府県等の公設試験所等の協力を得て、これらにおいて早急に支援体制の整備が進められるよう努めているところである。
六について
経済産業省としては、できる限り事業者の要望に適切にこたえられるよう、引き続き、絶縁耐力検査等の実施に対する支援の体制の整備に向け努めてまいりたい。
七について
経済産業省としては、お尋ねの「中小事業者」は、基本的には、中小企業基本法(昭和三十八年法律第百五十四号)第二条第一項に規定する中小企業者を想定しているが、検査機器の貸出しの状況等を踏まえつつ、これ以外の事業者に対しても、検査機器の貸出し等が行われるよう努めてまいりたい。また、お尋ねの検査機器の貸出し以外の支援として、検査に必要な情報提供等が行われている。
八について
経過措置終了対策に基づく出張検査は、整理合理化法による改正前の旧電気用品取締法の規定により表示が付された電気用品を経過措置の一部終了時において在庫として所有する事業者を主な対象とするものであることなどから、現時点においては、実施される期間を六か月間としており、経済産業省としては、できる限り事業者の要望に適切にこたえられるよう努めてまいりたい。
九について
一般に、都道府県等の公設試験所における検査機器の貸出し等については、有料であり、また、電気用品安全法(昭和三十六年法律第二百三十四号。以下「法」という。)第四条第一項に規定する届出事業者であれば、すべての者がその対象となるものと承知している。
十について
経済産業省としては、「「代替することができないものであって」、「かつ、希少価値が高い」」に係る判断については、有識者の意見等を十分に踏まえつつ行っているところである。また、「対象範囲を「一九八九年以前に生産中止になった製品とする」」ことを決定した事実はない。
十一及び十二について
中古の電気用品の販売についても、法第二十七条第一項の適用を受けるものであり、また、既に経過措置の一部終了に向けた対応を行っている事業者も存在することなどから、経済産業省としては、経過措置の期間を延長することは適当ではないと考えている。経済産業省としては、事業者の要望も踏まえ、経過措置終了対策に基づく支援が適切に行われるよう努めてまいりたい。
十三について
経済産業省としては、経過措置終了対策に基づく支援を実施することにより、法第十条第一項の規定による表示が付された電気用品が流通することから、消費者による電気用品の安全な再使用が促進されると考えている。
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