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高レベル放射性廃棄物の最終処分施設の設置可能性を調査する区域への高知県東洋町の応募に関する質問主意書
衆議院 第166回 第139号お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×1
質問本文
高レベル放射性廃棄物の最終処分施設の設置可能性を調査する区域の公募(以下「公募」と略す)に高知県東洋町長が応募書を提出したが、議会や町民の多数は反対の意思表示を行っている。町長の民主主義に反する行動は、公募制度が持っている問題点により引き起こされた疑念がある。また、今国会には、特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律などの改正案が提出されてもいる。よって、それらの問題につき、以下の質問をする。
一 平成十八年三月の応募書の提出について
�@ 報道によれば、高知県東洋町長は平成十八年三月二十日付けで応募書を提出したとされている。国は直ちに原子力発電環境整備機構から報告を受けてしかるべきだが、この事実をいつ把握したか。また、報告内容はどのようなものであったか。
�A 仮に直ちに報告を受けていないとすれば、国は指導責任を果たしていると言えるのか。
�B 平成十九年二月二十七日に開かれた東洋町議会特別委員会で資源エネルギー庁放射性廃棄物等対策室の吉野恭司室長は「事業内容を十分に検討せずに応募書を提出してきたケースは複数あった」と説明している。それからすれば、少なくとも現在は報告を受けていると思料される。応募書の提出があった以上、その情報は直ちに公開されるべきと考えるが、いかがか。吉野室長の言う複数のケースにつき、自治体名と提出日時、原子力発電環境整備機構の対応内容を明らかにされたい。
�C 報道によれば、原子力発電環境整備機構は「町民、議会のコンセンサスを得てから応募しても遅くはない」と指摘して平成十八年三月二十日付け応募書を差し戻したとされている。他方、市民団体への説明で同機構は「差し戻したのではなく、東洋町長が取り下げたものである」と述べたという。国としてどう把握しているか。差し戻しあるいは取り下げの理由は何か。
�D 仮に国が理由等に関して把握していないとすれば、指導責任を果たしていると言えるのか。
�E 原子力発電環境整備機構の差し戻しに関して、国は何らかの指導を行ったか。差し戻しに関して直ちに事実解明すべきであると考えるがいかがか。
�F 原子力発電環境整備機構は、これら一連の事実を公表せず、平成十八年三月二十日以降も「応募はない」と虚偽の説明を行ってきた。指導が必要と考えるがいかがか。
二 平成十九年一月の応募書の提出について
�@ 高レベル放射性廃棄物の処分施設に応募しないことを求める請願が東洋町議会に町民の過半数を超える署名と共に提出されていることを、国は把握しているか。また東洋町議会の多くの議員が請願紹介議員となっていることを把握しているか。
�A 原子力発電環境整備機構は、文献調査実施に先立ち地質的条件の事前確認を行っているが、事前確認の項目に住民、議会のコンセンサスも含めるよう指導すべきではないか。
�B 住民、議会のコンセンサスのないまま手続きを進めれば、原子力発電環境整備機構が公募に当たり示している「地域共生」など有り得ないことを示すことになるのではないか。また、原子力政策全体が民主主義に反して推進すると受け取れ、マイナスと考えるがいかがか。原子力発電環境整備機構の事業計画変更申請を認可すれば、民主主義に反する応募手続きを追認したことになると考える。いくら反対しても国は計画を強行するとの印象を与えることになるが、それでよいのか。
�C 高知県東洋町長は、文献調査に応募したが処分場は誘致していないと公言している。「文献調査に応募」という言い方はあやまりではないのか(応募書は「高レベル放射性廃棄物の最終処分施設の設置可能性を調査する区域について、下記のとおり応募します」としている)。「設置可能性あり」として選定されれば処分場の候補地となるというのが応募の前提ではないのか。
三 同意獲得のあり方について
�@ 知事が明確に反対している場合、文献調査を強行しても次の段階に進めないのではないか。したがって知事の意に反して文献調査を強行する意味はないと考えるが、いかがか。
�A 文献調査後の意見聴取で知事の同意を得ようとするなら、知事の意向に反して文献調査を強行することは、同意獲得にとって障害になるのではないか。
�B 当該自治体が県境に位置する場合は、知事意見の聴取は隣接県知事に対しても行われるべきと考えるが、いかがか。
�C 公有水面埋立法第三条第四項には「市町村長第一項ノ規定ニ依リ意見ヲ述ベムトスルトキハ議会ノ議決ヲ経ルコトヲ要ス」との規定がある。高レベル放射性廃棄物の最終処分地の選定にあたっても、その影響の大きさに鑑み、同様の規定をもうけるべきではないか。
四 文献調査に伴う手続きについて
�@ 文献調査をどこで行うかは、特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律(以下、「法」と呼ぶ)第四条第二項にいう「概要調査地区等の選定及び最終処分施設の設置に関する事項」に該当しないのか。理由を付して回答されたい。
�A 法第六条では、文献調査は「最終処分計画及び原子力発電環境整備機構の承認実施計画に従って実施しなければならない」旨の規定があるが、具体的には両計画のそれぞれどの定めないし記述に従うのか。
五 知事及び首長の意見を聴くことについて
�@ 国会答弁で国は「文献調査は知事や首長、住民が判断するための材料を提供するためのもの」とする趣旨の答弁をしているように見受けられる。文献調査の目的は概要調査地区として選定する条件を備えているかどうかの判断をすることではないのか。
�A 答弁の趣旨が、知事及び首長の意見は文献調査により提供された判断材料の範囲内で「科学的に」せよということであるとすれば、法に明記されていない枠をはめることとなり、とうてい首肯しがたい。答弁の真意を問う。
六 応募書の取り下げについて
�@ 仮に文献調査の途中で首長が原子力発電環境整備機構に応募の取り下げをした場合、どのような扱いとなるのか。その後の手続きの流れを示されたい。
�A 応募した自治体が原子力発電環境整備機構や国等と調査実施の協定を結んでいた場合においても、自治体の取り下げ申請が制限されることはないと考えるが、そのような場合のその後の手続きの流れを示されたい。
右質問する。
政府答弁書
一の�@、�A及び�Cから�Eまでについて
経済産業省においては、特定放射性廃棄物の最終処分施設の設置可能性を調査する区域についての応募書(以下「応募書」という。)が平成十八年三月ころに高知県東洋町から原子力発電環境整備機構(以下「機構」という。)に提出されたことについて、当該応募書が提出された直後に、機構から口頭で報告を受けている。
機構によると、その後、機構が高知県東洋町に対し、特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律(平成十二年法律第百十七号。以下「法」という。)の規定に基づいて行われる概要調査地区等の選定や最終処分等について説明を行ったところ、同町から当該応募書の返却の申出があったことから、機構は直ちに同町にこれを返却したとのことである。
一の�Bについて
御指摘の「自治体名と提出日時、原子力発電環境整備機構の対応内容」は、これを公にすることにより、地方公共団体における率直な意見の交換又は意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ等があることから、お答えすることは差し控えたい。
一の�Fについて
経済産業省としては、平成十八年三月ころに高知県東洋町から機構に対し応募書が提出されたものの、同町からの当該応募書の返却の申出に応じて機構が当該応募書を直ちに返却したことから、機構は「応募はない」との説明をしてきたものと承知しており、「虚偽の説明を行ってきた」との御指摘は当たらないと考えている。
二の�@について
御指摘の請願が、高知県東洋町の住民の過半数の署名を添えて高知県東洋町議会議員五名の紹介により高知県東洋町議会に対してなされたことは、承知している。
二の�Aについて
御指摘の事前確認は、特定放射性廃棄物の最終処分施設の設置可能性を調査する区域についての応募があった地区の地質の状況を確認するものであると承知しており、御指摘のような指導を行うことは考えていない。
二の�Bについて
法第四条第五項は、特定放射性廃棄物の最終処分に関する計画(以下「最終処分計画」という。)において概要調査地区等の所在地を定めようとするときは、当該概要調査地区等の所在地を管轄する都道府県知事及び市町村長の意見を聴き、これを十分に尊重すべきものと規定している。このように、概要調査地区等の選定に当たっては、地元の理解と協力が不可欠であることから、政府、機構及び発電用原子炉設置者は、地元の理解等を得るべく最大限の努力を行うこととしている。それでもなお、地元の理解等が得られず、当該都道府県知事又は市町村長が概要調査地区等の選定につき反対の意見を示している状況においては、当該都道府県知事又は市町村長の意見に反しては、概要調査地区等の選定は行われないものと考えている。
二の�Cについて
公募という手続は、法第六条第一項に規定されている文献その他の資料による調査(以下「文献調査」という。)の前提として機構が行っているものと承知しており、「文献調査に応募」という表現は、そうした事実を踏まえたものと思われる。また、御指摘の「処分場の候補地」の意味するところが必ずしも明らかではないが、いずれにせよ、文献調査の実施が最終処分施設建設地の選定に直ちに結びつくものではないと考えている。
三の�@及び�Aについて
法第四条第五項は、最終処分計画において概要調査地区等の所在地を定めようとするときは、当該概要調査地区等の所在地を管轄する都道府県知事及び市町村長の意見を聴き、これを十分に尊重すべきものと規定している。このように、概要調査地区等の選定に当たっては、地元の理解と協力が不可欠であることから、政府、機構及び発電用原子炉設置者は、文献調査の期間を通じても、地元の理解等を得るべく最大限の努力を行うこととしている。
三の�B及び�Cについて
法第四条第五項は、隣接都道府県知事の意見を聴くことや議会の議決を経ることは求めていないが、政府、機構及び発電用原子炉設置者は、地元の理解等を得るべく最大限の努力を行うこととしている。
四の�@について
文献調査は、機構が概要調査地区を選定しようとするときにあらかじめ行う調査であり、文献調査をどこで行うかについては、法第四条第二項に基づき最終処分計画において定めなければならない事項であるとは考えていない。
四の�Aについて
特定放射性廃棄物の最終処分に関する計画(平成十七年経済産業省告示第二百八十二号)の「第3 概要調査地区等の選定及び最終処分施設の設置に関する事項」の1に規定されている事項及び承認実施計画(平成十八年一月三十一日付けで経済産業大臣による法第五条第一項の規定に基づく変更の承認がなされた計画をいう。)の「三 概要調査地区等の選定及び最終処分施設の設置に関する事項」の1に規定されている事項に従い、機構は文献調査を行うこととなる。
五について
機構が概要調査地区を選定しようとするときは、特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律施行規則(平成十二年通商産業省令第百五十一号)第五条第一項の規定に基づき文献調査の結果に関する報告書を作成し、同規則第六条の規定に基づき当該報告書を文献調査の対象となった地区の所在地の属する都道府県知事及び市町村長に送付することとされていることから、文献調査の結果は、法第四条第五項の規定に基づき当該都道府県知事及び市町村長が意見を述べる際の基礎資料になり得るものと考えているが、同項に基づく当該都道府県知事及び市町村長の意見がそれぞれの主体的な判断に基づいてなされることは当然である。
六の�@について
市町村長から応募の取下げの申出があれば、機構としては、これを尊重することとしているものと承知している。機構が文献調査を取りやめる場合には、機構は法第六十四条に基づく事業計画の変更の認可の申請を経済産業大臣に行うこととなる。
六の�Aについて
御指摘の「協定」の内容が明らかでないことから、お答えすることは困難である。
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