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年金記録漏れ問題に関する質問主意書
衆議院 第167回 第17号お答えすることは困難 ×2検討してまいりたい ×1
質問本文
宙に浮いた年金記録・消えた年金記録の実態と原因はまだ不透明な点が多い。ついては年金記録において以下の点を検証すべきと考えるがいかがか。
一 今までに第三者委員会で記録訂正が決まった二十数件についてなぜ記録が正しくなかったのか。それぞれのケースの原因をお示しいただきたい。
また、それらの原因が現時点で不明であるならば、それらひとつひとつのケースの原因を年金記録問題検証委員会で調査・検証すべきと考えるがいかがか。
なぜなら年金記録が違っていた原因が究明できない限り、的確な対策も立てられないと考えるからである。
二 基礎年金制度が導入された昭和六十一年から基礎年金番号の統合が始まった平成九年まで長い期間があった。なぜ基礎年金制度を導入してから基礎年金番号に統合を開始するまでにこれだけ長い期間かかったのか。
三 基礎年金番号導入後、速やかに基礎年金番号に統合を開始すれば、これほど多くの未統合の年金記録問題は発生しなかったのではないか。
四 なぜ、平成九年からの基礎年金番号への統合に際して、五十六歳以上の者を照会対象から除いたのか。
五 安倍総理は今年二月、民主党議員による予備的調査で基礎年金番号に未統合の五〇〇〇万件の年金記録の存在が明らかになった際、社会保険庁にその五〇〇〇万件の記録の精査を指示したとのことだが、具体的にはどのような精査の指示があったのか。
またもし精査の具体的な内容の指示がなかったとすれば、社会保険庁は具体的にどのような内容の精査を今進めているのか。精査している項目をお示しいただきたい。
さらに次の項目が精査に含まれているか否か回答願いたい。
(1) 五〇〇〇万件の年金記録保険料の総額
(2) 五〇〇〇万件の年金記録保険料の給付額
(3) 五〇〇〇万件の年金記録の人数
(4) 五〇〇〇万件の年金記録の人数中、死亡された方の人数
(5) 五〇〇〇万件の年金記録の人数中二十五年未満の受給資格のないもの
六 安倍総理は一年以内に照合を完了すると述べた。一年以内とはいつからの一年以内か。その期限はいつか。
七 五〇〇〇万件の中には名前や生年月日、性別が不正確あるいは入力されていない記録もある可能性があるが、五〇〇〇万件すべての照合は可能なのか。
あるいは五〇〇〇万件の中には照合が不可能な記録も存在する可能性はあるのかないのか。
八 七に関連して五〇〇〇万件の照合作業はスタートしているのか否か。すでにスタートしているのであれば、何月何日からスタートしているのか。
どのような作業がスタートしているのか。
九 七月五日に安倍総理が照合作業を前倒しできると述べたが、当初いつまでの予定だったのか。その予定がいつまでに前倒しとなったのか。前倒し前の終了予定日と前倒し後の終了予定日を明らかにされたい。
十 年金記録問題検証委員会、年金記録確認中央第三者委員会の委員会そのものや議事録、配布資料はなぜ公開しないのか。
社会保険審査会は個人の審査請求という意味では同じであるにもかかわらず、公開となっている。なぜ一方は非公開で、一方は公開なのか。その理由を明らかにされたい。
十一 社会保険庁職員が年金保険料や年金受給金を着服・不正受給した総額は、何件で、いくらと把握しているか。また社会保険料や社会保険給付金、障害基礎年金の着服・不正受給した総額は、それぞれいくらか。毎日新聞二〇〇七年八月三日付の報道によれば、一九九五〜二〇〇六年に「少なくとも二十四件」総額で「一億三千二百九十一万円」と報道されている。
この報道は、事実に相違ないか。
十二 この報道に対して柳澤伯夫厚生労働大臣は「全く報告を受けておりません。最悪だ」と「責任を追及する」と述べている。
(1) このような着服の実態を社会保険庁が把握したのはいつか。
(2) 新聞報道まで社会保険庁はこの実態を把握していて、柳澤大臣に報告しなかったのか。それとも把握していなかったのか。
(3) 懲戒処分していれば把握されているはずだが、大臣が報告を受けていないと答えているのはなぜか。
(4) 平成十一年二月五日、当時の宮下創平厚生大臣が九件の社会保険庁職員による着服等の事案を公表以後、同種事案は原則公表となっているはずだが、認識はいかがか。
(5) 懲戒処分をするのは社会保険庁長官(地方事務官時代の平成十四年までは厚生労働大臣)でよいか。
(6) 処分権者の社会保険庁自身は処分件数、内容を把握していて当然であるが、民主党議員の資料請求にも応じなかったのはなぜか。また「消えた年金」問題等に関する質問主意書に対する答弁書(内閣衆質一六六第四四八号)十三の回答では「当時の資料が残っていないため、把握できていない」として、件数も答えなかったのはなぜか。
(7) 柳澤大臣は「責任を追及する」と述べているが、退職者に対してはどのように責任を追及するのか。「責任を追及する」というのは、どの事例を指し、どのように行うのか。
右質問する。
政府答弁書
一について
年金記録確認第三者委員会は、社会保険庁又は市町村(特別区を含む。以下同じ。)において、年金保険料の納付の事実等を確認することができる資料が現存せず、被保険者が納付の事実を証明する資料を所持していない等の場合に、総務大臣が決定した「年金記録に係る申立てに対するあっせんに当たっての基本方針」に従い、年金記録の訂正に関し公平な判断を示すものであり、その原因が明らかであるかどうかにかかわらず、年金記録を訂正する必要があるかどうかの判断を示すものである。
年金記録確認中央第三者委員会(以下「中央第三者委員会」という。)は、年金記録を訂正することが必要であるとのあっせん案を本年七月十三日に十五件、同月二十五日に八件決定しているが、これらのあっせん案のうち「国民年金 事案2」については、申立人から提出された国民年金保険料領収書等からみて、申立人は市町村に保険料を納付したが、当該保険料納付に係る期間が誤って未加入期間とされていたと考えられるものであるが、他の二十二件については、現存する資料からはお尋ねの原因についてお示しすることは困難である。
年金記録問題検証委員会(以下「検証委員会」という。)における調査・検証の進め方については、委員会の判断に委ねることとするのが適切であると考えているが、年金記録確認第三者委員会で記録訂正を行う旨のあっせん案の決定が行われた案件については、検証委員会としても、年金記録問題全般について、その発生の経緯・原因等の調査・検証を行うという観点から、必要な対応が行われるものと承知している。
二について
昭和六十一年の基礎年金制度の導入時においては、基礎年金番号の導入は決定されておらず、平成八年三月にその導入が閣議決定されたものである。基礎年金番号の導入に当たっては、すべての公的年金制度において一斉に導入を図らなければならないことから、社会保険庁においては十分に検討を行い、平成五年五月に「基礎年金番号設定のための基本計画」を策定し、同計画に基づき、更に関係機関とも十分に協議を重ねた上で、厚生年金保険被保険者の住所収録や共済組合の組合員・年金受給権者の情報収録、重複付番防止のための同一人確認調査等の必要な準備を行い、平成九年一月の導入となったものである。
三について
基礎年金番号が付されていない又は基礎年金番号に統合されていない年金手帳記号番号に係る記録を基礎年金番号へ統合するためには、被保険者及び受給権者について個々に年金制度の加入状況を把握する必要がある。
したがって、平成九年一月に約一億人の被保険者及び受給権者に基礎年金番号を通知した際、被保険者の方には、返信用はがきを同封した上で、「現在加入している制度以外の公的年金に加入したことがある」か、又は「2つ以上、年金手帳をもらったことがある」のいずれかに該当する場合は、その旨を申し出ていただくよう照会(以下「他制度加入照会」という。)を行い、回答を得たところである。
これにより、他制度加入照会の回答があった者については、被保険者記録に当該情報を収録し、それ以外の五十五歳以下(昭和十七年度以降生まれ)の者については、氏名、性別及び生年月日の三情報による名寄せを実施するなど、必要な準備を行った上で、平成十年十月から基礎年金番号が付されていない又は基礎年金番号に統合されていない年金手帳記号番号に係る記録の照会を行い、基礎年金番号への統合を開始したものである。
四について
五十六歳以上(昭和十六年度以前生まれ)の被保険者については年金の受給可能な年齢が間近に迫っており各自で社会保険事務所に記録の確認の申出をされるケースが多いこと、また、近い将来、年金請求手続に当たって記録の確認及び統合が行われると考えられたことから、照会の対象から除いたものである。
なお、既に年金を受給している五十六歳以上(昭和十六年度以前生まれ)の受給権者については年金請求時に記録の確認及び統合が行われていると考えられたことから、照会の対象から除いたものである。
五について
御指摘の安倍内閣総理大臣の指示については、本年二月十四日に衆議院厚生労働委員長に対し、「国民年金・厚生年金の納付した保険料の記録が消滅する事案等に関する予備的調査(松本剛明君外四十二名提出、平成十八年衆予調第四号)についての報告書」が提出され、社会保険オンラインシステムによって管理している基礎年金番号が付されていない又は基礎年金番号に統合されていない年金手帳記号番号に係る記録(以下「未統合の記録」という。)が約五千万件あることが報告され、この報告について、実態を詳しく精査するよう、厚生労働省に対して指示が行われたものである。
社会保険庁においては、年金記録問題について、年金記録の相談の状況及び結果から実態の把握に努めるとともに、本年五月十一日に、未統合の記録について年齢階層別のデータを公表したほか、本年七月五日に年金業務刷新に関する政府・与党連絡協議会において取りまとめた「年金記録に対する信頼の回復と新たな年金記録管理体制の確立について」に基づき、すべての年金受給権者又は被保険者の記録及び未統合の記録の名寄せ(以下「名寄せ」という。)と並行して、別途、死亡者や一時金受給者の状況等、その内容を解明して公表することとしている。
なお、精査する項目については、例えば、死亡者に係る記録、受給資格期間を満たさない者に係る記録及び今後受給資格期間を満たす可能性がある者に係る記録等が考えられるが、現在、更に具体的な内容について検討中である。
六及び九について
お尋ねの名寄せについては、当初、本年六月を始期として、期限を平成二十年五月末までとしていたものであるが、平成二十年三月までを目途に終了することとしたものである。
七について
未統合の記録の中には、名寄せを実施することができないものが含まれている可能性は否定できないが、氏名、生年月日又は性別が収録されていない記録については、社会保険事務所に現存している年金手帳記号番号払出簿等の記録に基づき整備した上で、生年月日が一致したものと判定する条件を緩和するなど様々な工夫を施した名寄せを実施することにより、未統合の記録の基礎年金番号への統合を進めることとしている。
八について
名寄せについては、現在、これに必要なシステム開発の検討等を行っているところであり、本年十二月から、その開発したシステムにより実施することとしている。
十について
検証委員会については、その性質上、その議事の過程を公表することが、率直な意見の交換や意思決定の中立性を損なうおそれがある等の理由から、検証委員会の判断として、委員会は非公開とし、議事録は公表しないこととされている。なお、検証委員会の議事については、座長が、検証委員会開催後に原則として記者会見を行うとともに、議事要旨により公表することとされている。また、検証委員会における配付資料については、座長が公表すると判断したものは公表することとしている。
中央第三者委員会については、個別事案を基に検討している過程を公表することが率直な意見の交換や意思決定の中立性を損なうおそれがあることから、年金記録確認中央第三者委員会運営規則(以下「運営規則」という。)において、会議及び議事録を非公開とすること、議事要旨を作成し公開することとされている。また、運営規則において「この規則に定めるもののほか、委員会の運営に関し必要な事項は、それぞれ委員長が定める」と規定されており、配付資料については、委員長が差し支えないと判断したものは公開することとしている。
社会保険審査会(以下「審査会」という。)についても、意思決定の中立性の確保という観点から、社会保険審査官及び社会保険審査会法(昭和二十八年法律第二百六号)第四十二条において、裁決を行うための合議は、公開しないこととされている。なお、同法第三十七条においては、審査会の審理は公開しなければならないこととされているが、当事者が自己の秘密を知られたくないこともあることから、同条ただし書において、当事者から非公開の申立てがあり、審査会が必要と認めたときは、審理を非公開とすることができることとされている。
十一について
社会保険庁が発足した昭和三十七年度から平成十八年度までの間に社会保険庁職員(地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律(平成十一年法律第八十七号)第一条の規定による改正前の地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)附則第八条の規定に該当する職員(以下「地方事務官」という。)を含む。以下同じ。)による年金給付金の不正受領の件数及び総額、年金保険料等の着服・不正受領の件数及び総額については、現在調査中であり、現時点でお答えすることは困難である。
なお、御指摘の新聞報道に係る事案(以下「新聞報道事案」という。)については、平成七年から平成十八年までの間の社会保険庁職員による社会保険料等の着服及び年金給付金の不正受領の件数は、二十六件であり、総額は、一億一千二百九十七万五千二百七十六円である。
十二の(1)から(3)までについて
新聞報道事案については、社会保険庁が過去に把握し、すべて公表されているものであり、その公表に際し、その時々の厚生大臣又は厚生労働大臣に報告してきているところである。
また、新聞報道事案のうち、平成十八年十月に告発した小倉南社会保険事務所の事案については、処分後、柳澤大臣に報告したが、それ以外の事案については、大臣就任以前のものであり、柳澤大臣には報告していないことから、柳澤大臣は報告を受けていないと答えたものである。
十二の(4)について
平成十一年二月五日に横領等の重大な不正事案を公表して以降、同種事案については、すべて公表してきている。
十二の(5)について
お尋ねの懲戒処分については、任命権者である社会保険庁長官並びに国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第五十五条第二項の規定により社会保険庁長官から任命権を委任された社会保険大学校長、社会保険業務センター所長及び各地方社会保険事務局長がこれを行うものである。なお、地方事務官時代の平成十一年度以前については、各地方社会保険事務局長ではなく、都道府県社会保険管理課長、保険課長又は国民年金課長に任命権が委任されていた。
十二の(6)について
本年八月一日に、民主党議員から「社会保険庁発足以来これまでの年金保険料の横領事件の件数、職員数、職員の処分の状況、被害金額、被害者数」について資料要求を受けたが、精査に時間を要するため、提出期限として示された日時までに提出できなかったものである。
また、御指摘の答弁は、市町村職員による年金保険料の横領に係る質問に対するものであり、当時の資料が残っていないため件数についても把握できていないと述べたものである。
十二の(7)について
御指摘の発言は、新聞報道事案について適切に処分の判断がなされていないのであれば、厳しく責任を追及するという趣旨でなされたものである。
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