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都市計画税に関する質問主意書
衆議院 第167回 第21号承知していない ×2
質問本文
都市計画税は、都市計画事業又は土地区画整理事業(以下、都市計画事業等という)の費用に充てるため、目的税として課されている地方税である。しかし納税者の立場からは、その使途や受益と負担の関係が必ずしも明らかではなく、固定資産税との違いも見えにくいのが現状であると考える。
従って、次の事項について質問する。
一 都市計画税は、使途が特定されている目的税である以上、徴税目的に従って適切に運用されることが当然である。この観点から、以下の点について明らかにしていただきたい。
1 二〇〇〇年以降の各年度における、以下の数字を具体的に示されたい。
�@ 都市計画税の使途目的とされる都市計画事業等の事業費総額
�A �@のうち、都市計画税を導入している自治体における事業費の総額
�B �Aのうち、国や都道府県の補助金等を除く、都市計画税課税団体の自己負担にかかる費用の総額
�C 都市計画税徴収額の総額
�D �Bに占める�Cの割合
2 都市計画税は目的税である以上、その使途目的に従い正しく充当されなければならない。そこでうかがうが、都市計画税が都市計画事業等以外の費用に流用されているケースはないか。もしあるならば、その市町村数および総額を明らかにされたい。
3 都市計画事業に充てるという徴税目的や、流用を防ぐ観点に照らし、原則として、都市計画税の税収が当該団体の都市計画事業等の事業量を超えて余剰を生じることは適当ではない。この点、余剰を生じているケースはないか、仮にあるならばそれはどれだけの市町村数・金額に上るのか、示されたい。
4 国は、2、3に挙げた違法充当や余剰の有無について、いつごろから課題として認識しているか。また、これを把握・解消するためにどのような措置を講じてきたか。
5 都市計画税は、その使途目的である都市計画事業等の範囲が広いこと、過去の事業の償還財源としても充当でき、単年度の事業量と税収は必ずしも比例しないことなどといった事情もあり、その充当状況を外部から知ることは、一般に容易ではない。従って、都市計画税課税団体自らとしても、その使途を明確にするための措置を講ずる必要があると考えるが、どうか。
6 都市計画税の使途を明らかにするのみならず、他の事業への流用を防止するためには、都市計画税についての特別会計を設けて、一般財源とは分別管理することがもっとも確実である。この点、このような特別会計を設けている自治体はどれだけあるか(下水道事業特別会計等の個別事業の特別会計は除く)。あわせて、このような特別会計を設けることについての国の見解をうかがいたい。
7 6のほか、予算・決算上、都市計画税の充当状況を明確にしている自治体がどれだけあり、それぞれどのような措置が講じられているか、示されたい。
8 国は、市町村による都市計画税の使途の明確化を促進するため、どのような措置を講じてきたか。
二 都市計画税は、そもそも、都市基盤整備が喫緊の課題であった時代において、都市計画事業等の実施による利益を受ける者に負担を求めるという、受益者負担の趣旨を徹底する観点から導入されたものである。
しかし今日においては、都市基盤の大規模新規創出や、災害復旧等の必要がある場合は別としても、一定の都市基盤整備が進んだ地域においては、通常の都市基盤の維持改良に伴う不動産の一般的な価値の向上という「受益」は、課税標準となる価格の上昇という形で、固定資産税の中で評価が尽くされているというべきである。とすれば、一般に、固定資産税と別に、都市計画税という税目を別途維持するだけの相当性は失われているとも思われる。以下、こうした観点からうかがいたい。
1 土地・家屋所有者を都市計画事業等の受益者とみなして、事業費を負担いただくという都市計画税の性質について、国は、国民にどの程度理解されていると考えているか。また、各市町村においては、住民への周知のため、どのような措置がとられているか、具体的措置の種類及びそれぞれの市町村数についてお答えいただきたい。
2 都市計画税の納税に関し、例えば納税通知書などは「固定資産税・都市計画税納税通知書」という形で一枚で送付されることが通常である。その他の課税明細・証明・説明等の書類においても、両者の区分は、表記上金額等を別に計上する程度にとどまることが多い。
しかし両者は、課税標準や課税方法の点で実質的に重なる点が多いとはいえ、建前上課税趣旨は異なり、一方は普通税、一方は目的税とその性質も異にしているはずである。
にもかかわらず、課税の便宜のみを優先し両者を一括して通知・課税するような扱いは、納税者にとってはもちろん、課税する市町村側においても、都市計画税を固定資産税の上乗せ税程度にしか認識していない結果ではないか。国は、この状況をどのように認識しているか、なぜ市町村におけるこのような取り扱いを放置しているのか、うかがいたい。
3 都市計画税徴収団体のうち、制限税率の上限税率を適用している自治体はどれだけあるか。
4 地方分権の観点からは、地方税の自由度、課税自主権は拡大されていくことが望ましいが、都市計画税は、受益者負担の考え方に立つものであって、都市計画事業等の事業量に応じて定められるべきものであって、事業量と全く関係なく税率を設定することは、その制度趣旨に反すると理解するが、どうか。
5 現実には、多くの都市計画税徴収市町村において、半ば漫然と上限税率が適用され、適切な税率の見直しが行われていない状況が見られると考えるが、この点、政府の認識をうかがいたい。
6 関連して、現在及び過去を問わず、都市計画税の賦課を軽減することで、地方債の起債、地方交付税交付金の配分等において、事実上、自治体が不利益を蒙るという事態がありうるか否か、うかがいたい。
7 都市計画税が改めて導入されてから半世紀以上経過しながら、その趣旨目的が国民にも自治体にも十分理解されていないこと、目的に応じた柔軟な課税がなされているといいがたいこと等の現状に鑑みれば、都市計画税は基本的にその役割を見直すべき時期に来ていると考えるべきではないか。固定資産税と一本化し、市町村に説明責任を尽くさせる中で現在の都市計画税分も含めた妥当な課税水準・税率を決めさせる方が、地方の自由度も増し、土地・家屋に対する課税への国民の理解も得られるのではないか。政府の見解をうかがいたい。
右質問する。
政府答弁書
一の1の�@について
平成十二年度以降の各年度の都市計画事業及び土地区画整理事業の事業費総額は以下のとおりである。ただし、都市計画事業においては都道府県、土地区画整理事業においては市町村以外の主体が施行する事業が含まれており、過去においてこれらの事業に充てるために発行した地方債等の元利償還金は含まれていない。
平成十二年度 七兆七千三百三十七億五千二百万円
平成十三年度 六兆八千七百七十億八千七百万円
平成十四年度 六兆四千六百八十八億八千四百万円
平成十五年度 五兆八千百九億四千百万円
平成十六年度 五兆千四百五億五千三百万円
平成十七年度 五兆千百十九億二千万円
一の1の�Aについて
平成十二年度以降の各年度の都市計画税を課税している市町村(特別区の存する区域において都市計画税を課税する東京都を含む。以下同じ。)における都市計画事業及び土地区画整理事業の事業費の総額は以下のとおりである。ただし、過去において都市計画事業に充てるために発行した地方債等の元利償還金は含まれていない。
平成十二年度 四兆二千九百四十四億五百万円
平成十三年度 三兆八千六百七十五億二千九百万円
平成十四年度 三兆六千七百七億五千四百万円
平成十五年度 三兆四千四百四十億三千九百万円
平成十六年度 三兆千二百八十三億六百万円
平成十七年度 三兆八十六億五千九百万円
一の1の�Bについて
平成十二年度以降の各年度の都市計画税を課税している市町村の自己負担額(地方債発行額を除く。)の総額は以下のとおりである。ただし、自己負担額には過去において都市計画事業等に充てるために発行した地方債の元利償還金に充てられた額を含んでいるため、一の1の�Aについてで示した金額の内数ではない。
平成十二年度 三兆二千百二十五億五千五百万円
平成十三年度 三兆千二百二十二億八千二百万円
平成十四年度 三兆千六百四十八億千四百万円
平成十五年度 三兆千二百八十九億八千七百万円
平成十六年度 三兆八百五十九億五千三百万円
平成十七年度 三兆五百五十二億円
一の1の�Cについて
平成十二年度以降の各年度の都市計画税徴収額の総額は以下のとおりである。
平成十二年度 一兆三千百七十九億六千八百万円
平成十三年度 一兆三千二百一億五千四百万円
平成十四年度 一兆三千四十九億七千五百万円
平成十五年度 一兆二千三百九十二億千百万円
平成十六年度 一兆二千三百六十一億二千九百万円
平成十七年度 一兆二千三百三十億三千五百万円
一の1の�Dについて
平成十二年度以降の各年度における御指摘の「�Bに占める�Cの割合」は以下のとおりである。
平成十二年度 四十一・〇パーセント
平成十三年度 四十二・三パーセント
平成十四年度 四十一・二パーセント
平成十五年度 三十九・六パーセント
平成十六年度 四十・一パーセント
平成十七年度 四十・四パーセント
一の2について
都市計画税が都市計画事業等以外の費用に流用されているケースは承知していない。
一の3について
平成十七年度決算において余剰金が生じている市町村は二団体、金額は一億六千八百万円であると承知している。
一の4について
余剰について、いつごろから課題として認識していたかは定かでないが、平成八年度に運用の実態を調査し、その結果を踏まえて自治省税務局固定資産税課長名の文書により注意喚起を行うとともに、平成九年度に「地方税法及び同法施行に関する取扱についての依命通達(市町村税関係)」を改正し、「都市計画税を都市計画事業又は土地区画整理事業に要する費用に充てた後にやむを得ず余剰金が生じた場合には、これを後年度においてこれらの事業に充てるために留保し、特別会計を設置している場合には繰越しをし、設置していない場合にはこのための基金を創設することが適当であること、余剰金が数年にわたって生じるような状況となった場合においては、税率の見直し等の適切な措置を講ずべきものである」と各地方公共団体に通知した。また、余剰金の有無やその処理の状況について、毎年度調査を行っている。
一の5及び一の8について
一の4についてで述べた通知と併せて、「都市計画税は、都市計画事業又は土地区画整理事業に要する費用に充てるものであることを明らかにする必要があるので、特別会計を設置しないで、一般会計に繰り入れる場合においては、都市計画税をこれらの事業に要する費用に充てるものであることが明らかになるような予算書、決算書の事項別明細書あるいは説明資料等において明示することにより議会に対しその使途を明らかにするとともに、住民に対しても周知することが適当である」と各地方公共団体に通知した。また、議会及び住民に対する使途の明確化の状況について、毎年度調査を行っている。
一の6について
下水道事業特別会計、土地区画整理事業特別会計等の個別事業に係る特別会計を設置している市町村の数は把握しているが、御指摘のような特別会計を設置している市町村の数は把握していない。
また、特別会計の設置については、下水道事業のように地方財政法(昭和二十三年法律第百九号)上設置が義務付けられているものを除き、各市町村の判断にゆだねられているものであって、必ずしもその設置を行うべきと認識しているわけではない。
一の7について
平成十八年度において、都市計画税を課税している六百七十八団体のうち百十三団体が議会に対して充当状況の明示を行っており、そのうち財源内訳の特定財源欄に明記しているのが三十団体、備考等の欄に充当額を明記しているのが七団体、充当調書を作成しているのが五十二団体、事務事業報告書への明記その他の方法によるものが二十四団体となっている。
二の1について
各市町村は、都市計画税についての理解を得るため、住民への周知をさらに図っていく必要があると考えている。各市町村の状況は、平成十八年度においては、都市計画税を課税している六百七十八団体のうち約六割の四百四団体が住民に対して都市計画税の概要の周知を行っているところであり、具体的措置としては、広報誌によるものが百三十四団体、パンフレットによるものが百三十九団体、説明会開催によるものが十八団体、納税通知書によるものが百二団体、インターネットその他の方法によるものが九十四団体となっている。
二の2について
都市計画税は、都市計画事業又は土地区画整理事業に要する費用に充てるために課する市町村の目的税であり、普通税である固定資産税とはその性格が異なるものであることは、当然市町村も認識しているものと考えている。
また、都市計画税の賦課徴収については、地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第七百二条の八第一項において、「都市計画税の賦課徴収は、固定資産税の賦課徴収の例によるものとし、特別の事情がある場合を除くほか、固定資産税の賦課徴収とあわせて行うものとする。」と規定されているところである。
二の3について
平成十八年度において、都市計画税を課税している六百七十八団体のうち三百四十団体が、制限税率である〇・三パーセントの税率を採用している。
二の4及び5について
現状において、単年度の事業費との比較で見れば一部余剰を生じている市町村もあるが、各市町村は、制限税率の範囲内で、事業の状況を勘案した適切な税率を設定しているものと考えている。
二の6について
都市計画税の軽減により、地方債の起債及び地方交付税の算定において、市町村が不利益を被ることはない。
二の7について
都市計画税は、都市計画事業又は土地区画整理事業の費用に充てるため、一定の区域内に所在する土地及び家屋の所有者に負担を求めるものであるが、これらの事業は今後とも行われるものであり、一般的な財政需要を賄うために課税される固定資産税とは別に、これらの事業から利益を受ける者に対して課税する制度として、引き続き必要なものと考えている。
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