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事故米不正転売問題に係る農林水産省の責任等に関する再質問主意書
衆議院 第170回 第85号
質問本文
「前回答弁書」(内閣衆質一七〇第一八号)を踏まえ、再質問する。
一 一九九三年のウルグアイ・ラウンド合意により、我が国が九五年度より一定量輸入することを義務付けられている外国産米(以下、「MA米」という。)のうち、農薬等により汚染され、食用ではなく工業用に限定して使用されるはずだった米(以下、「事故米」という。)が、大阪市の米加工販売会社三笠フーズにより不正に食用に転売され、大きな社会問題(以下、「事故米転売問題」という。)となっていることについて、前回質問主意書で、「事故米転売問題」が起きたそもそもの原因は何か、政府、特に農林水産省は、国民の食の安全を守る観点より、「MA米」の中から厳密に「事故米」を区別し、それが決して食用に転売されることのない様、厳格な監視を行う責務を負っているのに、政府、特に農水省が「事故米」の不正転売を未然に食い止めることができなかったのはなぜかと問うたところ、「前回答弁書」では「三笠フーズ株式会社(以下「三笠フーズ」という。)等が、用途を工業用に限定した売買契約に違反して、事故米穀を食用に販売していたことを把握できなかったことによるものである。」との答弁がなされている。政府、特に農水省が三笠フーズの不正転売を見抜けなかったことは既に承知しており、当方が問うているのは、なぜ見抜けなかったか、その原因、理由である。意味のない答弁をするのではなく、「事故米」の不正転売を政府、農水省が見抜けなかった訳を説明されたい。
二 本年九月十六日、農水省が記者会見を開き、三笠フーズによる「事故米」の流通先のリスト(以下、「リスト」という。)を個別具体的な企業名を明らかにした上で公表した理由を前回質問主意書で問うたところ、「前回答弁書」では「問題となった事故米穀の流通にかかわることとなった業者の名称については、当初、流通実態の解明を優先し、販売先等についての情報提供が円滑に行われるようにするため、その同意を得た上で公表することとしたところであるが、当該事故米穀が広く流通していることが明らかとなる中で、消費者の不安の解消と信頼の回復を図ることを最優先とする観点から、当該業者の名称を公表したところである。」との答弁がなされているが、今回農水省が「リスト」を公表するに当たり、「リスト」に名称が書かれている各企業に、それぞれの企業名を公表することについて事前に連絡、相談する、または同意を得ることはしたか。何の連絡、相談もなしに「リスト」公表に踏み切ったのか。
三 農水省は消費者の不安の解消と信頼の回復を図ることを最優先とする観点から、「事故米」の流通先企業の名称を明らかにしたと「前回答弁書」で述べているが、右の行為により、「リスト」に名を連ねていた企業の経営者の中から自殺者が出て、多くの商品引き取り騒ぎ等も起きており、実際にはむやみに混乱を招き、いたましい事件を引き起こしただけではないのか。せめて「リスト」にある企業に事前に相談し、農水省から一方的に公表するという方法は避ける等、他にとりうる手段はあったと考えるが、農水省の見解如何。
四 「リスト」公表には、「事故米転売問題」に対する国民の非難の目を、農水省からそらすという意図があったのではないか。
五 「リスト」に名称があり、公表された日の夜に自殺した奈良県の米穀販売会社の社長の遺族に対して、農水省から誰か弔問に行く等、何らかの対応をとったか。
六 五の社長の自殺について「前回答弁書」で農水省は「事故米穀の調査に御協力いただいた方が、亡くなられたことは残念であると考えている。」と述べているが、農水省は何らかの責任を感じているか。
七 「リスト」公表を決めた農水省の担当責任者の官職氏名を明らかにされたい。
八 農水本省が「事故米」の売却先として三笠フーズを地方出先機関に紹介していたことが新聞等で報じられていることにつき、「前回答弁書」で農水省は「事故米穀の売却を適切に行う観点から、すべての地方農政局等に対し、過去に事故米穀の購入実績のある事業者を連絡することはあったものと承知している。」と、その事実を認めているが、右答弁は、農水本省が三笠フーズ以外の業者を地方農政局等に紹介していたということか。確認を求める。
九 地方出先機関に「事故米」の売却先として三笠フーズを紹介した農水本省における担当責任者について、「前回答弁書」で農水省は「この連絡は事故米穀の売却を適切に行う観点から行われたものであり、担当責任者の官職氏名を明らかにすることは適切ではないと考えている。」と、その官職氏名を明らかにすることを拒んでいるが、「リスト」により個別具体的な企業名を明らかにし、流通の現場に混乱を招き、自殺者まで出しておきながら、自らの組織の人間については明らかにすることを拒むとはどういうことか。三笠フーズを地方農政局等に紹介したことは、「事故米転売問題」発生の根本に関係している可能性もあり、それを行った担当責任者を曖昧にすることは許されず、到底国民の理解を得られるものではないと考える。地方農政局等に三笠フーズを紹介した農水本省の担当責任者の官職氏名を明らかにすることを再度求める。
十 「前回答弁書」で農水省は「三笠フーズ以外の事故米穀の工業用としての販売先についても、調査を進めているところである。」と答弁しているが、三笠フーズによる事例以外に、過去に「事故米」が不正に食用として転売されていた事例があるかどうかについての調査は、現在どの様な進捗状況にあるか説明されたい。
右質問する。
政府答弁書
一について
三笠フーズ株式会社(以下「三笠フーズ」という。)等が事故米穀を加工したものの販売先として台帳に記載していた業者に対し調査を行わなかったことなど、農林水産省による調査方法等に問題があったことによるものと考えている。
二について
問題となった事故米穀の流通にかかわることとなった業者の名称の公表に当たっては、その旨を当該業者に対し、できる限りその公表の前に連絡したところである。
三及び四について
問題となった事故米穀の流通にかかわることとなった業者の名称については、当初、流通実態の解明を優先し、販売先等についての情報提供が円滑に行われるようにするため、その同意を得た上で公表することとしたところであるが、当該事故米穀が広く流通していることが明らかとなる中で、消費者の不安の解消と信頼の回復を図ることを最優先とする観点から、当該業者の名称を公表したところである。
五について
三笠フーズが販売した事故米穀の流通にかかわることとなった米穀販売業者の代表取締役が亡くなられたことについては、平成二十年九月十八日に開催された衆議院農林水産委員会において、太田誠一農林水産大臣(当時)から「心から御冥福をお祈り申し上げます」と述べたところである。
六について
三笠フーズ等が、用途を工業用に限定した売買契約に違反して、事故米穀を食用に販売していたことを把握できず、これを防止できなかったことについては、農林水産省に責任があると考えている。
七について
二についてで述べた公表の件については、農林水産省としてその公表を行うことを決めたものである。
八について
三笠フーズに限らず、過去に事故米穀の購入実績のある事業者を連絡することはあったものと承知している。
九について
八についてで述べた連絡については、事故米穀の売却を適切に行う観点から行われたものであり、担当責任者の官職氏名を明らかにすることは適切ではないと考えている。
十について
株式会社浅井及び島田化学工業株式会社について、工業用のり用として売却された事故米穀を食用に販売していた事実を確認し、公表を行ったところである。
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