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北方領土への邦人の入域に関する質問主意書
衆議院 第175回 第21号
質問本文
本年七月二十四日から二十六日にかけて、北海道の水産加工措置メーカーの技術者ら邦人二名が、ロシアのビザを取得し、択捉島を訪問していたことが明らかになった。右につき、岡田克也外務大臣は同月三十日の記者会見で、事実関係を調査中とした上で、「ロシアの管轄権を前提にしたとすれば、北方領土に関する我が国の立場と相容れない」と指摘し、「当該企業に厳重抗議し、事業への関与の即刻中止を求める」と述べている。右を踏まえ、質問する。
一 前文で触れた、邦人の択捉島訪問問題に関し、現時点で外務省による事実関係の調査はどの程度進んでいるのか説明されたい。
二 一九八九年九月十九日、政府は、ソ連(当時)のビザ発給を受ける形で北方領土へ入域することを自粛する様、邦人に要請する閣議了解を決定している。その後も、右了解を基にして、一九九一年十月二十九日、一九九八年四月十七日、一九九九年九月十日にも同趣旨の閣議了解を決定しているが、この間、邦人による北方領土への入域はなされているか否か、政府として把握しているか。把握しているのなら、いつ、何人の邦人が北方領土のどこに何の目的で入域しているのか、詳細を明らかにされたい。
三 一九八九年の閣議了解は、「北方領土問題は存在しない」というスタンスをとり続けていた旧ソ連時代になされたものである。ソ連の後継国であるロシアは、北方領土問題の存在を認め、その後様々な声明、諸合意により、北方領土は日ロの係争地域であり、両国が話し合いによってそれに係る問題を解決する旨、両国の最高首脳が合意しており、文書でも明確にそのことが担保されている。このことを鑑みる時、ソ連時代と同様の認識で、ただ頑なに邦人に対して北方領土への入域を自粛することを今後とも求め続けても、「南クリル社会経済発展計画」により毎年猛烈な勢いでインフラ整備等が進められている北方領土において、ロシアの実効支配が強化されるのみではないのか。菅総理の見解如何。
四 三で指摘した様に、ソ連時代の閣議了解を頑なに守り続け、邦人に対して北方領土への入域を自粛することを求めるよりも、むしろ邦人が積極的に北方領土に進出し、現地で我が国が持つ高度な技術やノウハウを活用する方法を政府として確立した方が、北方領土返還に資するのではないか。例えば、ロシアのサハリン州を邦人が訪問する際も、ロシアのビザを取得する必要があるのであり、そのまま北方領土を訪問する形を取れば、特段問題はないと考える。何より、日ロの最高首脳が、北方領土を巡る問題が両国に存在し、話し合いで解決をすることに合意している中、例え邦人がロシアのビザを取得して北方領土に入域しても、それが即、我が国として北方領土の返還を諦め、北方領土に対するロシアの管轄権を認めたことにはならないと考えるが、菅総理の見解如何。
五 菅総理として、三と四で指摘した観点から、一九八九年及びそれを受けた一九九一年、一九九八年、一九九九年の閣議了解を見直し、邦人が積極的に北方領土に入域でき、ロシアによる実効支配強化に対応でき得る仕組みを作る、またはそのことを検討する考えはあるか。
右質問する。
政府答弁書
一について
外務省として、邦人二名がロシア連邦の出入域手続に従って択捉島を訪問したことを確認している。
二から五までについて
政府としては、ロシア連邦が北方四島を不法に占拠している現状において、あたかも北方四島に対するロシア連邦の管轄権を前提にしたかのごとき形で我が国国民が北方四島に入域し、又は北方四島における経済活動等に従事することは、北方領土問題に関する我が国の立場とは相容れないと考える。政府としては、御指摘の閣議了解に基づいて、我が国国民の北方領土への入域は、墓参、四島交流及び自由訪問の枠組みの下での訪問のみとし、これら以外の北方領土への入域については、北方領土問題の解決までの間、これを行わないよう、国民の理解と協力を要請してきており、これまで理解と協力を得られているものと認識している。政府としては、今後とも、御指摘の閣議了解の周知徹底に努めていく所存である。
また、外務省としては、邦人がロシア連邦の出入域手続に従って北方四島を訪問するといった事案に関する情報を含め必要な情報の収集を行ってきており、具体的事案が判明する場合には、その都度、申入れを行う等適切に対応してきているが、外務省が行っている情報収集の内容等について具体的にお答えすることは、今後の情報収集等に支障を来すおそれがあることから、差し控えたい。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。