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児童虐待防止の徹底に関する質問主意書
衆議院 第175回 第47号検討してまいりたい ×3
質問本文
児童虐待防止法は平成一九年に改正され、児童の安全確認等の立入調査等に関する都道府県等の権限が強化された。また平成二〇年の児童福祉法改正により、生後四ヶ月までの新生児がいる全家庭を訪問する「乳児家庭全戸訪問事業」と、健診未受診児がいる家庭等に対する「育児支援訪問事業」が法定化され、平成二一年四月から施行されている。このように、児童虐待の発生予防、早期発見、早期対応に関する法制度は整備されてきているが、依然として児童虐待による痛ましい事件が後を絶たない。そこで、先の通常国会で私が提出した質問主意書(質問第二九七号児童虐待防止に関する質問主意書)に対する答弁書(内閣衆質一七四第二九七号)を踏まえ、以下の点についてうかがう。
一 改正児童虐待防止法では、都道府県知事からの出頭要求や立入調査を保護者に拒否された場合に、裁判所の許可状を得て臨検又は捜索を行うことが認められた。しかし実際に臨検又は捜索が実施された事例は、平成二〇年度では四万二六六四件に上る相談対応件数のうち二件、平成二一年度の速報値では四万四二一〇件のうちわずかに一件のみとなっており、制度がうまく機能していないことは明らかである。
1 制度が上手く機能していない原因としては、必要書類の作成に時間がかかることや手続が煩雑であること、客観的で明確な基準がないがゆえの判断の難しさがあると考えられる。前述の答弁書「一の1について」で、「臨検又は捜索(以下「臨検等」という。)を積極的に実施するよう、(中略)改めて周知徹底を図ったところである。」と述べているが、臨検又は捜索の実施率が極めて低いことの理由をどのように分析しているのか。また、現行制度の下で、必要な「臨検又は捜索」が行われるように取り組みは行われているのか。
2 現行のままで運用を促進するだけでなく、制度の使いにくさを改め、より実効的な「臨検又は捜索」が行えるようにするべきではないか。より実効的な制度とするために、どのような対策が必要だと考えているか。運用の改善策を考えておられるならば、具体的な実行の工程をお示し頂きたい。
3 同答弁書によれば、本年四月に全国の児童相談所長等を対象として臨時の会議が実施されたことになる。答弁を読むに、周知徹底を図る以外に具体的な内容は示されていないが、会議ではどのような議論がなされ、何が改善されたのか。七月末に大阪市で児童虐待の事件が発覚したが、会議の内容は十分に活かされたとお考えか。
二 児童福祉法によれば、正当な理由なく立入調査を拒否した保護者には罰則が科される。
1 同答弁書「二の5について」によれば、罰則の適用状況については把握していないようだが、効果的な制度運用のためにも、適用状況を把握した上で保護者に適切な指導をするべきではないか。これまで適用状況を把握しなかった理由及び今後調査する見込みの有無をうかがいたい。
2 七月末に大阪で発覚した児童虐待の事例では、児童相談所の市こども相談センターが数度にわたって現場の部屋を訪問したが、住民登録もなく、保護者と接触することができなかったという。このような事例では、同法の罰則規定は適用することができない。今後はこういった場合にも対応できる制度を設ける必要があると考えるが、政府の見解及び制度改正の見込みをうかがいたい。
右質問する。
政府答弁書
一の1及び2について
御指摘の臨検・捜索の制度は、平成十九年の児童虐待の防止等に関する法律及び児童福祉法の一部を改正する法律(平成十九年法律第七十三号)により創設されたものであるが、その際の国会審議において、臨検・捜索は、あくまでも例外的な措置として、従来の制度では対応困難な事例に限って実施することとされており、その実施に当たっては、個々の事例ごとに慎重な検討が必要であることから、御指摘の実施率のみをもって制度がうまく機能していないということはできないと考えるが、厚生労働省においては、都道府県等に対し、児童の安全確認ができていない事例がある場合には、対応方針を早急に見直し、その方針に応じて児童虐待の防止等に関する法律(平成十二年法律第八十二号。以下「法」という。)第九条の規定に基づく立入り及び調査又は質問を実施した上で、必要な臨検・捜索等を実施するよう要請しているところである。
また、厚生労働省としては、今後、児童の安全確認が困難な事例についての都道府県等における対応状況を具体的に把握することとしており、その結果も踏まえ、改善方策について検討してまいりたい。
一の3について
御指摘の会議においては、児童の安全確認の徹底を図るため、臨検・捜索の積極的な活用について改めて周知徹底を行ったほか、児童相談所の相談窓口の存在を広く住民へ周知することを要請するとともに、子どもの虹情報研修センター研究部長による虐待対応事例の講演等を行ったところであり、これらを踏まえ、都道府県等において必要な対応がなされているものと考えている。
また、御指摘の事件に関しては、今後、大阪市において、法第四条第五項に基づく分析・検証が行われると承知しており、同会議の内容が十分に活用されたかについては、当該分析・検証の中で明らかになるものと考えている。
二の1について
厚生労働省としては、「児童相談所運営指針」(平成二年三月五日付け児発第一三三号厚生省児童家庭局長通知)において、都道府県等に対し、保護者の立入調査の拒否の態様やそれまでの経過等も勘案し、当該保護者の行為が悪質であると認められる場合には、警察に告発することを検討するよう求めているところである。
また、御指摘の罰則の適用状況については、現在、統計上把握できる仕組みとなっていないが、必要に応じ、統計の取り方の見直しについて検討してまいりたい。
二の2について
お尋ねについては、一の1及び2についてで述べたとおり、厚生労働省としては、今後、児童の安全確認が困難な事例についての都道府県等における対応状況を具体的に把握することとしており、その結果も踏まえ、改善方策について検討してまいりたい。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。