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被災地における復興の大幅な遅れに関する質問主意書
衆議院 第177回 第418号検討してまいりたい ×1
質問本文
東日本大震災から五ヶ月過ぎたが、被災地では菅政権の復興に対する直向な姿勢が見えない弊害により、自分たちの街づくりの計画すら立てられず、未だに劣悪な環境の避難所では猛暑が襲い、本来入居完了である筈の仮設住宅は舗装や冷房などその環境改善も遅々として進んでいない状況である。
本格的な復旧・復興のための平成二十三年度第二次補正予算であったが、菅政権の功利的な思いつきの対応により小幅なものとなり、今年度第三次補正予算編成はこれからという悠長な事態となっている。あまつさえ、国の復興基本方針では、自然災害を未然に防ぐための「防災」から、高台移転などで被害を抑制する「減災」に転じており、港湾の湾口防波堤が完全に復旧されることを前提にしなければ、復興はあり得ないとする被災地もあり、街づくりの妨げとなっている。また報道によると、津波被害を受けた岩手、宮城、福島三県における沿岸市町村のうち、約七割が高台や内陸部などへの集団移転を検討し、国の財政負担割合を嵩上げしてほしいとの切なる声があることが分かった。
復興基本方針に盛り込まれた防災集団移転促進事業では、実質的な国の負担率は特別交付税の補填措置を含め九十四パーセントとするものの、その負担額には上限があり、これを超えた場合は自治体で負担することになる。被災地では今回の震災被害は想像を絶する規模になると見込まれ、国の補助拡大がなければ、破綻すると指摘している。更に、元々公有地に乏しく津波を免れた高台に多くの仮設住宅が建てられたため、復興住宅の用地確保が容易ではなく、復興計画の検討と同時に用地選定を進めなくてはならない地域もある。今後相当な需要が見込まれ、工期など考慮すると今年度内に着工しなければ、多くの被災者が仮設住宅を退去した後の復興住宅が確保できなくなる。地方交付税ゼロの不交付団体が今年度から前年度比二割減となった最中ではあるが、国として早急に被災地の意向を調査し、各自治体に対して具体的な方針を示すことが必要と考える。
従って、次の事項について質問する。
一 東日本大震災から五ヶ月過ぎたが、被災地では自分たちの街づくりの計画すら立てられず、未だに劣悪な環境の避難所では猛暑が襲い、本来入居完了である筈の仮設住宅は舗装や冷房などその環境改善も遅々として進んでいない状況について、どのように捉えているのか、菅内閣の見解如何。
二 本格的な復旧・復興のための平成二十三年度第二次補正予算であったが小幅なものとなり、この時期に及んで、今年度第三次補正予算編成はこれからという悠長な事態となっていることについて、どのように反省しているのか、菅内閣の見解如何。
三 国の復興基本方針では、自然災害を未然に防ぐための「防災」から、高台移転などで被害を抑制する「減災」に転じている。港湾の湾口防波堤が完全に復旧されることを前提にしなければ、復興はあり得ないとする被災地もあり、街づくりの妨げとなっているが、どのように対応していくのか、菅内閣の見解如何。
四 三に関連し、津波被害を受けた岩手、宮城、福島三県における沿岸市町村のうち、約七割が高台や内陸部などへの集団移転を検討し、国の財政負担割合を嵩上げしてほしいとの切なる声があるが、どのように支援していくのか、菅内閣の見解如何。
五 三及び四に関連し、防災集団移転促進事業では、実質的な国の負担率は特別交付税の補填措置を含め九十四パーセントとするものの、その負担額には上限があり、これを超えた場合は自治体で負担することになる。被災地では今回の震災被害は想像を絶する規模になると見込まれ、国の補助拡大がなければ、破綻すると指摘しているが、どのように対応していくのか、菅内閣の見解如何。
六 震災後、市内全域で地盤沈下した被災地では、膨大な広さの土地に盛り土や嵩上げを必要とし、その財政負担は計り知れないものがあるとして、都市計画事業について国の全面的な財政支援を期待する声があるが、どのように支援していくのか、菅内閣の見解如何。
七 復興特区も遅々として進まず、今年度第三次補正予算もいつできるかわからない状況は異常事態として政府のスピード感の欠落を指摘し、いくら被災地で復興計画を作っても、財源の裏付けがないため何も手が付けられないとの声があるが、菅内閣の見解如何。
八 復興住宅の用地確保が容易ではなく、復興計画の検討と同時に用地選定を進めなくてはならない地域もある。工期など考慮すると今年度内に着工しなければ、多くの被災者が仮設住宅を退去した後の復興住宅が確保できなくなる恐れが生じるが、どのように分析しているのか、菅内閣の見解如何。
九 地方交付税ゼロの不交付団体が今年度から前年度比二割減となった最中ではあるものの、国として早急に被災地の意向を調査し、各自治体に対して具体的な方針を示すことが必要と考えるが、菅内閣の見解如何。
右質問する。
政府答弁書
一について
厚生労働省においては、東日本大震災により被害を受けた方々の避難所及び応急仮設住宅における生活環境の改善を図るため、避難所に関しては、暑さ対策を現場の実情に応じて適切に実施するよう関係各県に対して依頼し、応急仮設住宅に関しては、バリアフリー化の補修や敷地内通路の簡易舗装等の費用の一部について、災害救助法(昭和二十二年法律第百十八号)に基づく国庫負担の対象となる旨を関係各県に対して通知している。また、全ての応急仮設住宅にエアコンディショナー等を設置することにより、居住環境の確保に努めているところである。
引き続き、避難所及び応急仮設住宅における生活環境の改善に向け、必要な取組を進めてまいりたい。
二及び七について
平成二十三年度第二次補正予算においては、東日本大震災からの当面の復旧対策に万全を期すため、必要な財政措置を盛り込んだ結果、東日本大震災関係経費が約二兆円計上されている。東日本大震災関係経費が約四兆円計上されている平成二十三年度第一次補正予算と合わせて、復旧を強力に推進することとしている。
また、本格的な復興を総合的かつ計画的に進めるためには、必要となる復興施策の精査、復興事業に係る財源の確保等、国による復興のための取組の全体像を明らかにすることが必要であり、こうした観点から「東日本大震災からの復興の基本方針」(平成二十三年七月二十九日東日本大震災復興対策本部決定。以下「復興基本方針」という。)を策定したところである。
政府としては、現在、復興基本方針に沿って、平成二十三年度第三次補正予算を編成するための作業に着手しており、また、東日本大震災復興基本法(平成二十三年法律第七十六号)第十条において必要な法制上の措置を講ずるものと規定されている復興特別区域制度についても、所要の法案を早期に国会に提出するため、検討を進めているところである。
三について
政府としては、東日本大震災により被害を受けた湾口防波堤を復旧することを含め、被災地の地方公共団体が策定する復興計画を踏まえ、被災地の地方公共団体等とも連携を図りつつ、被災地域の復興を適切に支援してまいりたい。
四及び五について
お尋ねについては、復興基本方針において、「地域の実情に即して多様な用途の立地が可能となるよう、土地の買い上げ等も可能な「防災集団移転促進事業」を総合的に再検討する。」としているところであり、政府としては、被災地の地方公共団体の要望も踏まえつつ、必要な措置について検討してまいりたい。
六について
お尋ねについては、復興基本方針において、「地盤沈下等の現況も踏まえつつ、・・・ハード・ソフトの施策を柔軟に組み合わせ実施する。」としているところであり、政府としては、被災地の地方公共団体とも連携を図りつつ、被災地域の復興を適切に支援してまいりたい。
八について
御指摘の「復興住宅」の確保については、先の答弁書(平成二十三年八月五日内閣衆質一七七第三五一号)でお答えしたとおりである。
九について
お尋ねについては、復興基本方針において、「今後の復旧・復興に当たっては、国費による措置を講じてもなお、地方負担が地方債の償還や地域の実情に応じた事業を含めて生じることを踏まえ、・・・国・地方(公費分)合わせて少なくとも十九兆円規模の施策・事業に充てる財源を確保するとともに、あわせて、地方負担分について地方交付税の加算を行う等により確実に地方の復興財源の手当てを行う。」とするとともに、「各府省は、被災した地方公共団体の意向等を踏まえつつ、所管する復興施策についての当面の事業計画や業務の工程表を、可能な限り速やかに策定し、公表する。」としているところであり、政府としては、これらに基づいて適切に対応してまいりたい。
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