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野田内閣が「なるべく早く」取り組もうとする諸課題に関する質問主意書
衆議院 第178回 第48号お答えすることは困難 ×1
質問本文
野田内閣が発足して最初の衆議院予算委員会において、内閣が当面する諸課題に関する各委員からの質問に対し、野田総理及び関係閣僚からは、「なるべく早く」取り組みたいとの答弁が多く見られたところである。野田総理は、喫緊の課題として、東日本大震災からの復旧・復興、福島第一原子力発電所の事態の収束、円高等経済危機への対応を挙げ、さらに以前からの内政・外交の重要課題に取り組む姿勢を表明したが、年末までの三か月を展望しても、第三次補正予算の編成をはじめ、処理すべき案件は多く、入念な「日程管理」と案件の取捨選択なしには乗り切れないものと思料する。ついては、内閣が「なるべく早く」取り組もうとする諸課題に関し、以下十項目にわたり質問する。
一 第三次補正予算について、安住財務大臣の答弁によれば、歳出内容の確定の後、印刷製本に三週間を要するとのことであるが、国会提出までの主要な事務工程を示されたい。現時点で最低三週間かかるとすれば、国会提出は早くて十月下旬と想定されるが、内閣の見解を伺う。
二 仮に今臨時会を閉会して再度臨時会を召集するとして、藤村官房長官は、次年度予算編成等のため、十二月中旬には閉会するのが通例と答弁した。第三次補正予算の審議を優先するとすれば、残る会期は一か月余りと見込まれ、内閣として成立を期する法案は自ずと絞り込まざるを得ないものと思料する。その中で、先に内閣衆質一七七第四二七号で「可能な限り早期に」提出すると答弁のあった第三号被保険者の不整合記録問題への対応のための所要の法律案の取り扱い方針を伺う。
三 野田総理の答弁によれば、前国会に菅内閣が提出した「国家公務員の給与の臨時特例に関する法律案」の早期成立を願うとのことであるが、本法律案について職員団体の同意はどの程度得られているのか、確認する。
四 三について、同意した職員団体の中には、前国会に菅内閣が提出した「国家公務員の労働関係に関する法律案」の同時成立を条件としたとも仄聞するが、確認する。また、野田内閣として、両法律案の同時成立を目指すとすれば、年末までの限られた期間では困難であると思料するが、内閣の方針を伺う。
五 人事院は、九月末にも給与改定の勧告を出すと仄聞するが、本質問に対する内閣の答弁の時点で、勧告が出されている場合、野田内閣として、勧告に基づく給与法の改正案を提出するのか、確認する。この場合、先に菅内閣が提出した「国家公務員の給与の臨時特例に関する法律案」との適用関係を野田内閣としてどのように整理する方針であるのか、伺う。
六 野田総理と米国オバマ大統領との初会談を受けて、総理は、環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉参加についてなるべく早く結論を出したいと答弁した。菅内閣においては、農林水産業の維持・強化策を取りまとめた上でTPP交渉参加の是非を判断するとの方針であったが、野田内閣もこの作業手順を踏襲する方針であるのか、確認する。
七 野田総理の「なるべく早く」との答弁は、結論をかなり急いで出したい意欲の表れともとれるが、この秋のアジア太平洋経済協力会議に間に合わせようという趣旨であるのか、確認する。六の手順で進めるとすれば、一ないし二か月で結論を得ることは困難であると思料するが、いかがか。
八 原子力発電所の再稼働の判断基準となるストレステストの手続きについて、枝野経済産業大臣は、「できるだけ早く」とは考えるが、具体的な判断時期は明示できないと答弁した。改めて、経済活動にも配慮した今冬の安定的な電力供給への取り組みと、国民の安心感にも配慮した原子力発電所の再稼働への取り組みをどのように進めていくのか、野田内閣の方針を伺う。
九 小宮山厚生労働大臣は、後期高齢者医療制度の取り扱いについて、平成二十二年十二月二十日の「高齢者医療制度改革会議最終取りまとめ」を踏まえて、「なるべく早く」法案を提出したいと答弁した。ついては、次期通常国会に法案を提出する方針であるのか、確認する。
十 以上、質問した案件の外、野田内閣とすれば、郵政改革法案や復興庁・復興特区を設けるための法律案等、国会審議を求める案件はかなりの分量に上ると推察する。また、年末には「社会保障・税一体改革」についても取りまとめる必要があることから、入念な「日程管理」と案件の取捨選択なしには乗り切れないものと思料する。また、立法府に対しては、前広な対応と審議日程の確保に努めていく必要があると考えるが、野田内閣の対処方針を伺う。
右質問する。
政府答弁書
一について
平成二十三年度第三次補正予算の国会提出までの主要な事務工程としては、施策・事業の歳出内容を確定した後、所管・組織・項・事項・目等に区分した歳出予算額の確定、事項の説明内容の検討、予算書の原稿の作成及び校正並びに印刷製本等の一連の作業があり、これら作業のため最低でも三週間程度を要すると見込んでいる。
平成二十三年度第三次補正予算の早期提出は、被災地の復旧・復興にとって重要であると考えているが、現時点でその時期について具体的に申し上げることは困難である。
二について
御指摘の答弁書(平成二十三年九月六日内閣衆質一七七第四二七号)一、二及び五についてでお答えしたとおり、第三号被保険者の不整合記録問題への対応については、平成二十三年五月に社会保障審議会第三号被保険者不整合記録問題対策特別部会が取りまとめた報告書の内容を踏まえ、立法措置の具体的内容の検討を進めているところであり、可能な限り早期に所要の法律案を国会に提出したいと考えている。
三について
国家公務員の給与の臨時特例に関する法律案の検討に際しては、給与の減額措置について、公務員労働組合連絡会及び日本国家公務員労働組合連合会と交渉を行い、公務員労働組合連絡会との間で合意したが、日本国家公務員労働組合連合会との間では合意に至らなかった。
四について
公務員労働組合連絡会との交渉過程においては、同連絡会から、合意した場合には、給与引下げのための法律案と労働基本権の回復を実現するための法律案は、同一日に閣議決定と国会提出を行い、両法律案を同時に成立させることを約束されたい旨の発言があり、片山総務大臣(当時)から、政府としては、両法律案とも第百七十七回国会で同時に成立させることができるよう中野公務員制度改革担当大臣(当時)と協力して全力を尽くしたい旨回答したところである。
政府としては、国家公務員の労働関係に関する法律案を含む国家公務員制度改革関連法案と国家公務員の給与の臨時特例に関する法律案を本年六月三日に国会に提出しているところであり、これらの早期成立に向けて努力してまいりたい。
五について
本年の人事院勧告の取扱いについては、現在、政府において鋭意検討を行っているところである。
六及び七について
政府としては、環太平洋パートナーシップ(以下「TPP」という。)協定交渉への参加については、「政策推進の全体像」(平成二十三年八月十五日閣議決定)等に基づき、しっかりと議論し、できるだけ早期に結論を出す方針である。
農林漁業の再生については、TPP協定交渉への参加の判断のいかんにかかわらず、取り組んでいく必要がある。政府としては、「我が国の食と農林漁業の再生のための中間提言」(平成二十三年八月二日食と農林漁業の再生実現会議取りまとめ)に沿って、早急に農林漁業の再生のための具体策をまとめる考えである。
八について
今冬の電力需給対策については、電力需給バランスの精査を行った上で、経済活動への影響を最小限に抑えられるよう需給両面の対策を検討し、実行してまいりたい。
また、安全性を徹底的に検証・確認された原子力発電所については、地元自治体との信頼関係を構築することを大前提として、運転再開を進めてまいりたい。具体的には、原子力発電所の更なる安全性の向上と、安全性についての国民・住民の安心と信頼の確保のため、欧州諸国で導入されたストレステストを参考に、新たな手続やルールに基づく安全評価を事業者が行い、これを経済産業省原子力安全・保安院が評価し、更にその妥当性を原子力安全委員会が確認した上で、内閣総理大臣、内閣官房長官、経済産業大臣及び原発事故の収束及び再発防止担当大臣が、住民の理解や国民の信頼が得られているかという点も踏まえ、運転再開の可否を判断していくこととしている。特に、地元自治体に対しては、政府が前面に立って安全対策等について丁寧に説明し、その理解を得るべく努めてまいりたい。
九について
高齢者医療制度の見直しについては、「社会保障・税一体改革成案」(平成二十三年六月三十日政府・与党社会保障改革検討本部決定)において示された「税制抜本改革とともに、二〇一二年以降速やかに法案提出」との工程に従い、進めていく方針である。
十について
政府としては、東日本大震災からの復旧・復興は、野田内閣が取り組むべき最大、かつ最優先の課題であると認識しており、必要な措置について検討を行い、可能な限り早期に所要の法律案を国会に提出したいと考えている。
継続審議とされている郵政改革法案については、虚心坦懐に野党を始めとする各方面の御意見を伺いながら、早期の御審議及び御可決をお願いしてまいりたいと考えている。
「社会保障・税一体改革」については、「社会保障・税一体改革成案」を土台とし、真摯に与野党での協議を積み重ね、次期通常国会に所要の法律案を提出したいと考えている。
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