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郵政民営化法等の改正に関する質問主意書

衆議院 第180回 第229号お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×1検討してまいりたい ×3

提出者
自由民主党・無所属の会
提出日
2012年5月8日
内閣転送 2012年5月14日
答弁書受領日
2012年5月18日
提出から10日
答弁の項目数
42
質問 3,785字/答弁 8,989字

質問本文

この度、「郵政民営化法等の一部を改正する等の法律」が成立し、平成十九年十月一日から開始された郵政民営化について、事業の現状を踏まえた現実的な見直しがなされたところである。ついては、郵政事業の現状及び、本法律による関係法律の改正の趣旨について確認の為、以下四十三項目にわたり質問する。

一 郵政事業の現状について

1 平成二十二年度の日本郵政グループ各社の決算において、東日本大震災の被害に係る損失として計上された金額をそれぞれ伺う。

2 郵便事業株式会社の社員数について、平成二十三年四月は、前年比正社員で五千六百二十五人の増、非正規社員で五千七百二人の増となっているが、正社員化によるものとJPエクスプレスからの移籍によるものに分けて、内訳を伺う。

3 取扱物数の減少傾向が否めない中ではあるが、郵便事業の維持発展のためには新たな商品開発が欠かせないものと考える。最近好調な「ゆうメール」を含め、取り組みの現状を伺う。

4 簡易郵便局の閉鎖状況については、平成二十年五月末の四百五十四から二十四年三月末には二百二十八局(震災一時閉鎖の二十九局含む。)へと減少しているが、内閣としての今後の方針を伺う。

5 簡易郵便局の閉鎖状況について過疎地など、とかくサービスが受けづらい地域への対応はどの程度改善しているのか、確認する。

6 昨年春、日本年金機構から委託を受けた年金加入記録の交付については、二百四局で試行実施し、本年一月までで百八十三件の利用に留まっているが、直近の時点の数を伺う。この取り組みについては、業務受託に伴う社員教育や広報等の準備にも見えない費用がかかっていることを理解しつつ、平成二十四年度の契約方針を伺う。

7 郵便局には、引き続き地域に親しまれる拠点としての役割を期待するものであるが、日本郵政グループにおける今後の取り組み方針を伺う。

8 一面、ワンストップ・サービスとしての郵便局の新規業務はなかなか良い案件がないようにも思うが、内閣の見解を伺う。

9 郵便局事業の収益性の維持・向上について、どのように考えているのか、内閣の見解を伺う。

10 株式会社ゆうちょ銀行においては、資金の運用の太宗は国債(平成二十二年度末百四十六.四兆円)・地方債(五.七兆円)となっている中、社債(十二.八兆円)、証書貸付(四.〇兆円)の運用決定に際し、リスク審査はどのように行っているのか、伺う。

11 株式会社ゆうちょ銀行の平成二十三年三月期の自己資本比率が七十四.八二%と約十七ポイント低下した原因は、保有外国証券の残高増によるものとのことであるが、今後、運用先を多様化していく考えか、伺う。

12 株式会社ゆうちょ銀行は、平成二十三年三月期に金銭信託に係る株式の下落により、百九十六億五千万円の減損処理を行ったが、今後、円高や欧州等の財政危機による影響は生じないのか、確認する。

13 株式会社ゆうちょ銀行は、平成二十一年一月に全銀システムに参加し、利用者へのサービスが向上しているが、本システムの今後の方針を伺う。

二 郵政民営化法の改正について

1 今次改正による郵政事業運営の改善の主眼点について政府の認識を確認する。

2 法第一条に規定する「郵政事業(法律の規定により、郵便局において行うものとされ、及び郵便局を活用して行うことができるものとされる事業)」の具体的な内容を伺う。

3 法第一条の改正により「郵政民営化」の定義、また、法の目的は変わったのか、確認する。

4 法第六条の二による郵便事業株式会社と郵便局株式会社の合併により、国民へのサービス向上の面で期待される効果を伺う。

5 システム統合等の二社の合併コストはどの程度か。また、合併の時期となる本法の施行日(公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日)はいつ頃を考えているのか、伺う。

6 合併により、概ね十万人規模の二社が一社となって、二十万人規模の新会社となるが、企業統治をどのように担保するのか、伺う。

7 内閣が志向してきた「総合担務」の実現について、日本郵便株式会社の下での可能性を伺う。

8 金融・保険業務のコンプライアンスを重視する観点から、「総合担務」には自ずと限界があるのではないかと思うが、内閣の見解を伺う。

9 法第七条の二の「あまねく全国において公平に利用できる」ユニバーサルサービスの内容として、「郵便の役務、簡易な貯蓄、送金及び債権債務の決済の役務」は理解できるところであるが、「簡易に利用できる生命保険の役務」については、真に必要なのか疑問に思うところである。内閣の見解を確認する。

10 先に菅内閣は、内閣衆質一七四第五二七号において、「世界各国において、銀行業務及び保険業務でユニバーサルサービスが法律上義務付けられている例はない」と答弁しているが、この事実は現時点でも変わらないか、確認する。なぜ我が国だけが特別な制度を志向するのか、見解を伺う。

11 逆に、ユニバーサルサービスを義務付けることで、銀行会社や保険会社の自由度を奪う危険はないのか、内閣の見解を確認する。

12 ユニバーサルサービスの対象を、銀行業務・保険業務にまで拡大したが、この新たなユニバーサルサービス提供のためのコストは全て日本郵政グループが負うのか、法第七条の三の規定により、国が財政上の支援を行うのか伺う。

13 法第十九条第一項第一号の改正により、郵政民営化委員会の事務は、三年ごとに郵政民営化の進捗について総合的な「見直し」から「検証」を行うことに変わるが、具体的な変化を伺う。

14 法第二十六条に定める郵政民営化推進本部及び郵政民営化委員会の設置期限は平成二十九年九月三十日から「移行期間の末日」に変更されるが、具体的な取り扱いを伺う。

三 日本郵政株式会社法の改正等について

1 社会・地域貢献基金は廃止されるが、現状、残高は幾らか、確認する。また、今後どのような取り扱いとなるのか、伺う。

2 法第十二条に規定する、日本郵政株式会社(以下、この項にて「会社」という。)が総務大臣に提出すべき「会社の財産、損益又は業務の状況を示す書類として総務省令で定める書類」の内容を伺う。

3 法第十六条第一項に規定する、会社が公表すべき「総務省令で定める情報」の内容を伺う。

4 法附則第二条の改正により、会社は、本来業務の遂行に支障のない範囲で、「当分の間」、貯金・簡保関連施設(メルパルク・かんぽの宿)の「運営又は管理」ができることとされるが、その趣旨について政府の認識を伺う。

5 日本郵便株式会社の業務となる銀行窓口業務及び保険窓口業務について、銀行代理業及び保険会社の事務代行のうち、総務省令で制限される役務の内容を伺う。

6 独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構が、郵便貯金管理業務及び簡易生命保険管理業務の一部を「委託することができる」となっていたのを、「委託しなければならない」と義務化した理由について政府の認識を伺う。

四 その他

1 先に菅内閣は、「郵政事業の経営基盤が脆弱になっている」との認識を示していたが、現時点での内閣の認識及び「脆弱性」の具体的な内容を伺う。

2 ユニバーサルサービスの提供について、「政府における財政上の支援は行わない」とされているが、NTTにおけるユニバーサルサービス料(番号当り月七円)の例もある中、内閣の見解を伺う。

3 NTTの民営化(昭和六十年)・分割(平成十一年)は、IT社会の到来と相まって大きな成果を挙げたものと理解する。ついては、現時点で、郵便事業の将来性について、内閣としてのビジョンがあれば示されたい。

4 地方自治法第二百三十五条第二項に定める市町村の指定金融機関について、郵便局以外の金融機関が存在しない自治体では、ゆうちょ銀行を指定金融機関とできるように、特例を設けてはと思料するが、内閣の見解を伺う。

5 株式会社ゆうちょ銀行の資金の運用について、審査機能の観点から、市中銀行と同じ方向を目指すことは容易でなく、望ましいことでもないのではと思料するが、内閣の見解を伺う。

6 株式会社かんぽ生命保険と市中保険会社との役割分担について、内閣の見解を伺う。

7 今回の郵政民営化法の改正に関連して、内閣府の石田副大臣は、平成二十四年四月十一日の衆議院郵政改革特別委員会で、米国通商代表部がTPPの交渉参加について簡易保険の取り扱いに懸念を示しており、改めてしかるべき時期に改正内容を説明する旨、答弁したが、今後の進め方を伺う。

8 平成二十二年五月の総務省「日本郵政ガバナンス問題調査専門委員会報告書」等において、日本郵政株式会社のガバナンス体制の脆弱性が指摘されたところだが、現時点において、内閣としての認識を伺う。

9 平成二十年二月に日本郵政株式会社と株式会社ローソンとの間で、両社の総合的提携が合意されているが、その後の具体的な展開と今後の方針を伺う。

10 独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構については、内閣提出の郵政改革法案(施行後三年後に解散について検討。)の撤回により、取り扱いが定まらない状態となっているが、今後の方針を伺う。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一の1について

東日本大震災によりお尋ねの日本郵政グループ各社が受けた被害に係る平成二十二年度決算における損失額については、日本郵政株式会社からは、同社が約十五億三千万円、郵便事業株式会社が約十二億五千万円、郵便局株式会社が約二十三億六千万円、株式会社ゆうちょ銀行が約四億七千万円、株式会社かんぽ生命保険が約三千万円と聞いている。

一の2について

郵便事業株式会社からは、お尋ねの「前年比正社員で五千六百二十五人の増」の内訳については、非正規社員から正社員への登用による増加が六千五百三人、JPエクスプレス株式会社の宅配便事業の統合に伴う同社及び日本通運株式会社からの受入れ(以下「宅配便事業統合に伴う受入れ」という。)による増加が七百四十七人、その他の要因による減少が千六百二十五人と、お尋ねの「非正規社員で五千七百二人の増」の内訳については、宅配便事業統合に伴う受入れによる増加が三千三百六十三人、その他の要因による増加が二千三百三十九人と聞いている。

一の3について

お尋ねの「新たな商品開発」の取組については、郵便事業株式会社からは、郵便に関しては、平成二十二年四月に、信書を始めとする小型物品を専用の封筒に封入して差し出すことのできる特定封筒郵便物のサービスを開始したところであり、御指摘のゆうメールに関しては、中小口利用者に対しても営業活動の強化を図るとともに、インターネットを利用したオークションを営む事業者との提携により当該オークションで取引される小型物品を簡便に配送できる等のサービスを展開していると聞いている。

一の4について

簡易郵便局の設置については、郵便局株式会社(郵政民営化法等の一部を改正する等の法律(平成二十四年法律第三十号。以下「改正法」という。)の施行による承継会社の再編成(以下「改正法による再編成」という。)後は、日本郵便株式会社)の経営判断ではあるが、ユニバーサルサービス提供の維持に支障がないよう、郵便局株式会社(改正法による再編成後は、日本郵便株式会社)において、引き続き適切に対応していただきたいと考えている。

一の5について

お尋ねの過疎地における「簡易郵便局の閉鎖状況」については、郵便局株式会社からは、最大で平成二十年五月末時点においては百六十四局が一時閉鎖していたが、平成二十四年三月末時点においては九十一局(東日本大震災の影響により一時閉鎖中のものを含めると百三局)となっていると聞いている。

一の6について

郵便局株式会社からは、お尋ねの「直近の時点の数」については、平成二十四年三月末までで二百一件の取扱実績があり、お尋ねの「平成二十四年度の契約方針」については、平成二十三年度に引き続き、二百四局で試行を継続することとしているが、新たに、郵便局で開催している年金相談会への来訪者に対し、年金加入記録交付業務の利用を勧める等の取組を行う方針と聞いている。

一の7について

お尋ねの「今後の取り組み方針」については、日本郵政株式会社からは、郵便局株式会社(改正法による再編成後は、日本郵便株式会社)において、郵便局が地域の重要な拠点としてその役割を引き続き果たすことができるよう、地域住民の需要等を踏まえ、住民票の写しの交付等の証明書交付事務の受託等、ワンストップ機能の充実に取り組むほか、カタログ販売事業、店頭販売事業、引っ越しや携帯電話の手続等を取り次ぐ「総合生活取次ぎサービス」等の充実を図ることにより、利用者の利便を向上させることを目指すと聞いている。

一の8について

お尋ねの「ワンストップ・サービスとしての郵便局の新規業務」については、郵政民営化当初から実施している住民票の写しの交付等の証明書交付事務の受託等に加えて、日本年金機構からの委託を受け、年金加入記録交付業務を平成二十二年度から開始しているほか、今後については、地域住民の需要や地方公共団体の要望等を踏まえて、郵便局株式会社(改正法による再編成後は、日本郵便株式会社)において開拓していくこととなるが、総務省としても、郵便局ネットワークの活用において公益性・地域性が十分発揮されるよう、郵便局株式会社等と意見交換等を行いながら、関係機関との調整など必要な支援を行ってまいりたい。

一の9について

お尋ねの「郵便局事業の収益性の維持・向上」については、郵便局株式会社からは、今後、渉外社員が配置されている郵便局における積極的な営業活動の促進や郵便局利用者の拡大施策の展開等による収益向上に取り組むと聞いているが、総務省としては、郵便局ネットワークの維持は重要な政策課題であることから、同社(改正法による再編成後は、日本郵便株式会社)において、収益性の向上や適正な要員配置等を通じた費用削減等を図り、自律的な経営が維持できるよう適切に監督してまいりたい。

一の10について

株式会社ゆうちょ銀行からは、リスク管理態勢について、各業務部門から独立したリスク管理部門を設置し、市場リスクや信用リスクを計量化し、管理する態勢を整備していると聞いている。

一の11について

株式会社ゆうちょ銀行からは、資産及び負債の総合管理、いわゆるALMの高度化を通じた適切なリスクコントロールの下、運用手段の多様化を通じて、資産の分散と安定的な期間収益の確保に努めていくと聞いている。

一の12について

今後の「円高や欧州等の財政危機による影響」について予見することは困難であると考えるが、株式会社ゆうちょ銀行からは、有価証券で時価のあるもののうち、当該有価証券の時価が取得原価に比べて著しく下落しており、時価が取得価額まで回復する見込みがあると認められないものについては、引き続き減損処理を行うこととしていると聞いている。

一の13について

全国銀行データ通信システム(全銀システム)は、現在、一般社団法人全国銀行資金決済ネットワークが運営しており、同システムの「今後の方針」については、同法人において定められるものと承知している。

二の1について

お尋ねについては、改正法の提案理由説明において、「郵政民営化について、内外の社会経済情勢の変化等に鑑み、郵便局株式会社及び郵便事業株式会社の再編成、郵政事業に係る基本的な役務の確保のための措置その他株式会社に的確に郵政事業の経営を行わせるための措置を講じることにより、その見直しを図ろうとするものであります」との説明がなされているものと承知している。

二の2について

改正法による改正後の郵政民営化法(平成十七年法律第九十七号。以下「新郵政民営化法」という。)第一条に規定する「郵政事業」については、「法律の規定により、郵便局において行うものとされ、及び郵便局を活用して行うことができるものとされる事業」とされており、例えば、日本郵便株式会社が営むこととされている郵便の業務、銀行窓口業務、保険窓口業務等のほか、同社が営むことができることとされている郵便局を活用して行う地域住民の利便の増進に資する業務等を行う事業をいうと理解している。

二の3について

「郵政民営化」の定義については、改正法による改正前の郵政民営化法第一条の「平成十六年九月十日に閣議において決定された郵政民営化の基本方針に則して行われる改革」から新郵政民営化法第一条の「株式会社に的確に郵政事業・・・の経営を行わせるための改革」に改められ、「法の目的」については、同条に規定する郵政民営化の「実施に必要となる事項を定めることにより、これを集中的かつ計画的に推進すること」とされたものと承知している。

二の4について

日本郵便株式会社が郵便の業務、銀行窓口業務及び保険窓口業務を行うものとされることにより、例えば、一人の社員が郵便・貯金・保険の三業務を担当する総合担務を行うことが困難となったこと、郵便局株式会社の社員による貨物自動車運送事業法(平成元年法律第八十三号)の規制対象である自動車を使用する郵便物の取集が困難となったことといった分社化の弊害が解消され、いわゆる金融業務を含めた郵政事業に係る基本的な役務が郵便局で一体的に利用できるようになることが確保されることとなるものと考えている。

二の5について

日本郵政株式会社からは、「システム統合等の二社の合併コスト」は、現時点では算定していないと聞いている。

また、改正法の施行日については、改正法による再編成を早期に実施するため、可能であれば平成二十四年十月一日にも施行したいと考えており、今後、改正法による再編成に向けた準備状況を把握し、最終的に判断することとしている。

二の6について

お尋ねについては、一義的には、日本郵便株式会社の経営陣の責務であると考えるが、総務省としても、同社の運営状況について把握に努めるなど適切に監督してまいりたい。

二の7及び8について

お尋ねの総合担務については、郵便事業といわゆる金融業務を併せ営む日本郵便株式会社においては、例えば郵便物の集配業務に従事する社員が当該業務の途上で預金者から預金通帳を預かることができない等の弊害の解消が図られるものと認識しているが、その具体的な実施方法については、関係法令にのっとり、同社の経営判断により決定されるものと考えている。

二の9について

簡易に利用できる生命保険の役務についてもユニバーサルサービスの提供を義務付けることについては、当該役務が国民に広く普及し、特に地方部や高齢者層においては利用度が高くなっており、また、インターネットを通じた保険加入も現時点では普及しているとは言い難い状況であり、郵便局の窓口は利用者にとって重要な存在となっていることを踏まえれば、今後とも引き続き、郵便の役務、簡易な貯蓄、送金及び債権債務の決済の役務と同様、郵政事業に係る基本的な役務として利用者本位の簡便な方法により郵便局で一体的に利用できるようにするとともに将来にわたりあまねく全国において公平に利用できることを確保することが必要であると考えており、内閣としても新郵政民営化法第七条の二第一項の規定と同様の内容を内閣が第百七十六回国会に提出した郵政改革法案第八条において定めていたところである。

二の10について

現時点で把握している限りでは、世界各国において、銀行業界及び保険業界全般でユニバーサルサービスの提供が法律上義務付けられている例はないものと承知しているが、フランスにおいては、郵便局ネットワークを活用した金融のユニバーサルサービスとして、不可欠な地方サービスがあまねく利用できるような社会的地理的範囲をカバーするものとされる郵便局の設置を義務付けられているラ・ポスト社に対し、リブレAという利子非課税の貯蓄商品の提供を法令上義務付けており、また、英国においては、銀行口座を開設できない者の救済策として、郵便局を通じて「基礎的銀行口座」等の金融サービスが全国的に提供されているものと承知している。

郵便局ネットワークは、世界の七割を超える国において、金融サービスの提供手段として活用されており、フランスや英国の例のようにその提供が重要な役割を果たしているものもあり、我が国だけが「特別な制度を志向する」ものではないと考えている。

二の11について

日本郵便株式会社と銀行窓口業務契約及び保険窓口業務契約を締結するかどうかは、銀行及び保険会社の判断に委ねられているものであり、「銀行会社や保険会社の自由度を奪う」との御指摘は当たらないものと考えている。

二の12について

お尋ねの「新たなユニバーサルサービス提供のためのコスト」については、改正法の国会審議において、その提案者から「金融ユニバの責務を負う日本郵政株式会社及び日本郵便株式会社、また、銀行、保険のサービスを提供する金融二社がグループ全体として負担することとなります」との答弁がなされているものと承知している。

また、お尋ねの「財政上の支援」については、改正法の国会審議において、その提案者から「一般論として申し上げれば、特殊会社は国が一定の政策目的を持って設立しているものであることですから、仮に日本郵政の経営が危機に陥り、その時点においても日本郵政による政策目的の達成が必要であると判断される場合には、政府の日本郵政に対する資金負担が否定されるものではありません」との答弁がなされているものと承知しているが、政府としては、将来においても財政負担が生じることのないよう日本郵政グループの経営努力を促す等適切に監督することが重要であると認識している。

二の13について

お尋ねについては、改正法の国会審議において、その提案者から「見直しというのは、実際に見直して変更を実行することでございます。検証は、現実のどこにどういう問題点があって、これをどういうふうに改正すればいいかという意見を言うまで、こういうふうな違いを我々認識しております。見直しはあくまでも国会がやること、やはり郵政民営化委員会としては検証というところまでが本来の業務、仕事ではないかと。ただし、その検証においてこういうふうに見直すべきだという意見を言うことについては、これは当然していただきたいと期待するところでございます」との答弁がなされているものと承知している。

二の14について

新郵政民営化法第二十六条に規定する郵政民営化推進本部及び郵政民営化委員会の設置期限については、日本郵政株式会社が郵便貯金銀行の株式の全部を処分した日若しくは内閣総理大臣及び総務大臣が、郵便貯金銀行について、新郵政民営化法第八章第三節の規定を適用しなくても、郵便貯金銀行と他の金融機関等との間の適正な競争関係及び利用者への役務の適切な提供を阻害するおそれがないと認めるときに、その旨の決定をした日のいずれか早い日又は日本郵政株式会社が郵便保険会社の株式の全部を処分した日若しくは内閣総理大臣及び総務大臣が、郵便保険会社について、新郵政民営化法第九章第三節の規定を適用しなくても、郵便保険会社と他の生命保険会社との間の適正な競争関係及び利用者への役務の適切な提供を阻害するおそれがないと認めるときに、その旨の決定をした日のいずれか早い日のいずれか遅い日以後の最初の三月三十一日までとされている。

三の1について

お尋ねの社会・地域貢献基金の残高については、日本郵政株式会社からは、平成二十四年三月末時点において、六百二億円であると聞いており、お尋ねの今後の「取り扱い」については、同基金は改正法の施行と同時に廃止されることとなるが、その具体的な取扱いについては、改正法の国会審議において、その提案者から「新しいこの法律が施行される期日の年度において益金として取り扱い、きちんとした払うべき税金を払い、その後は日本郵政株式会社において事業資金として自由に使えるという形になります」との答弁がなされているものと承知している。

三の2について

お尋ねについては、現時点では具体的には定まっていないが、例えば、連結財務諸表、株式資本等変動計算書、キャッシュ・フロー計算書、附属明細表等を規定することを検討している。

三の3について

お尋ねについては、現時点では具体的には定まっていないが、例えば、改正法による改正後の日本郵政株式会社法(平成十七年法律第九十八号)第十二条の規定により日本郵政株式会社が総務大臣に提出することとされている、毎事業年度の貸借対照表、損益計算書及び事業報告書その他会社の財産、損益又は業務の状況を示す書類等を規定することを検討している。

三の4について

お尋ねについては、改正法の国会審議において、その提案者から「この法案では、業務を続けるとか、また、やめるとかいうことをこちら側が強制するということではなくて、会社側の経営判断に委ねるということにしております」との答弁がなされているものと承知している。

三の5について

現時点では具体的には定まっていないが、改正法による改正後の日本郵便株式会社法(平成十七年法律第百号)第二条第二項の総務省令で定める銀行代理業並びに同条第三項の総務省令で定める保険募集及び関連保険会社の事務の代行としては、国民生活に定着している役務に係るものとして、その取扱件数が多いもの等を規定することを検討している。

三の6について

新郵政民営化法によりユニバーサルサービスの対象として金融サービスが含まれることとされた一環として、独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構が日本郵政公社から承継した郵便貯金及び簡易生命保険は、新郵政民営化法第七条の四の規定により、確実に郵便局において取り扱われるものとするとされたことに伴い、同機構が行う郵便貯金管理業務及び簡易生命保険管理業務についてその一部の委託を義務付けることとされたものと理解している。

四の1について

郵政事業の実施主体が日本郵政株式会社、郵便事業株式会社、郵便局株式会社等に分割され各社の業務が法律に規定されたこと等の結果、郵政事業の経営基盤が脆弱となっており、具体的には、郵政事業の物的・人的資源が分割され、それらの複合的・効率的な活用が困難となり、収益性が損なわれているものと認識している。

四の2について

郵便のユニバーサルサービスの確保については諸外国では基金を導入しその確保を図っている事例があることは承知しているが、我が国では長年にわたり郵便事業が独立採算で営まれてきたところであり、郵便のユニバーサルサービスの提供については、日本郵便株式会社が、政府や他の事業者から財政上の支援を受けることなく、今後も引き続きその事業の中で経費を賄うことを維持することが必要と考える。

四の3について

郵便事業は、郵便物数の減少により収益の減少傾向が継続しているが、郵便事業株式会社においては、郵便の役務の安定的な提供を確保するため、平成二十四年度における単年度営業黒字の確保を目指して収支改善に取り組んでいるところである。

政府としては、郵便事業を取り巻く環境は厳しいものと考えるが、郵便サービスは、国民の日常生活に欠くことのできない基本的な通信手段であることから、今後もなるべく安い料金で、あまねく、公平に提供されることが必要であり、より効率的な業務運営に加え、同社(改正法による再編成後は、日本郵便株式会社)における既存サービスの見直しや新規サービスの開発等の取組を通じて、郵便利用者の利便性の維持・向上が図られ、郵便の利用が拡大していくことを期待している。

四の4について

郵政民営化法等の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令(平成十九年政令第二百三十五号)附則第十一条第二項の規定により、郵政民営化法第七条第二項に規定する移行期間においては地方公共団体は郵便貯金銀行を指定金融機関として指定することはできないこととされ、また、同法第百八条の規定により、郵便局以外の金融機関がその区域内に存在しない市町村については同法第百七条の規定による預入限度額が適用されないこととされているところであるが、新郵政民営化法第八条に規定する移行期間の終期は具体的には確定していないこととなることに鑑み、郵便局以外の金融機関がその区域内に存在しない市町村が郵便貯金銀行を指定金融機関として指定できる特例を設けることについては、当該市町村の意向も踏まえ、必要に応じ、改正法の施行のための政令の整備等の中で検討してまいりたい。

四の5について

お尋ねについては、株式会社ゆうちょ銀行は、銀行法(昭和五十六年法律第五十九号)等の業法が適用される一般の株式会社であり、同行の自主的な経営判断により行われるものと考えている。

四の6について

お尋ねの「株式会社かんぽ生命保険と市中保険会社との役割分担」の意味するところが必ずしも明らかではないが、株式会社かんぽ生命保険は、他の生命保険会社と同様、保険業法(平成七年法律第百五号)等の業法が適用される生命保険会社である。

四の7について

石田内閣府副大臣は、本年四月三日から同月六日まで(現地時間)、環太平洋パートナーシップ協定交渉に関する情報収集及び意見交換を行うため訪米し、米国の政府関係者、有識者、業界団体の関係者等と意見交換を行った。その際、米国側から、自動車、保険等の個別論点について、米国議会や利害関係者が強い関心を有しているとの説明があったところである。

お尋ねの改正法に関する米国側への説明については、日米両国の政府関係者の接触の機会等を利用して、随時行ってきているところである。

四の8について

お尋ねについては、日本郵政株式会社は、御指摘の日本郵政ガバナンス問題調査専門委員会報告書等を受け、法定の取締役会専決事項以外の重要な業務執行決定についても取締役会決議事項とする等の取締役会決議事項の拡大や契約の公平性、透明性等の確保を目的とした調達審査会の設置等の改善措置を講じているところであり、当時指摘されたガバナンス体制の脆弱性の多くの部分が改善されたものと評価している。総務省としては、内部統制が正常に機能することは適正な事業運営を行う上で必要不可欠な条件の一つであることから、今後も、同社の法令遵守等、ガバナンス体制の状況については、注視していくこととしている。

四の9について

お尋ねについては、郵便局株式会社からは、平成二十年四月に、株式会社ローソンとのフランチャイズ契約を締結して、郵便局株式会社の直営店舗の営業を開始し、平成二十四年四月末時点では九店舗で営業を行っており、今後については、利用者の需要等を考慮して、新規店舗の出店も検討しているところと聞いている。

四の10について

独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構の取扱いについては、「独立行政法人の制度及び組織の見直しの基本方針」(平成二十四年一月二十日閣議決定)及び今国会に提出している独立行政法人通則法の一部を改正する法律案等を踏まえ、今後検討してまいりたい。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×1検討してまいりたい ×3

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提出 2011年8月29日 橘 慶一郎(自由民主党・無所属の会) 答弁 2011年9月6日
衆議院 第177回 第433号お答えすることは困難 ×2
提出 2011年2月2日 木村 太郎(自由民主党・無所属の会) 答弁 2011年2月10日
衆議院 第177回 第36号
提出 2003年9月26日 島聡(民主党・無所属クラブ) 答弁 2003年10月7日
衆議院 第157回 第6号お答えすることは困難 ×1
提出 2008年10月23日 鈴木 宗男(国民新党・大地・無所属の会) 答弁 2008年10月31日
衆議院 第170回 第156号

件名の語が重なる質問主意書

提出 2013年12月6日 牧山 ひろえ 答弁 2013年12月17日
参議院 第185回 第94号
提出 2013年4月15日 小池 政就(みんなの党) 答弁 2013年4月23日
衆議院 第183回 第51号
提出 2012年5月14日 中川 秀直(自由民主党・無所属の会) 答弁 2012年5月22日
衆議院 第180回 第243号

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