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農地法に関する質問主意書
衆議院 第19回 第12号
質問本文
衆議院議長 堤 康次※(注) 殿
農地法に関する質問主意書
一 政府は、農地法に基く買収、売渡は単なる行政処分と認めるか。
二 単なる行政処分と認めるならば、処分取消の行政措置によつていつでも買収、売渡を取消すことができるか。
三 売渡計画に基き、売渡通知書を知事より交付すれば、当該通知書に記載した売渡の時期に、農地の所有権は相手方に移転することは法の明示するところである。しからば
イ 所有権移転後、相手方より対価の支払を受けて後においても売渡を取消すことができるか。
ロ 取消ができるとせば農地はいつまでも不確定の状態におかれ、農民の地位は不安定で、法第一条の耕作者の地位は安定しないと思うが如何。
四 埼玉県に、売渡通知書を昭和二十三年三月二日、売渡時期を昭和二十二年十月二日と定め完全なる農地を従来の小作者に交付し、相手方たる耕作者は、対価の支払を了したるにかかわらず満六箇年を経過したる昭和二十九年二月三日に至り、売渡を取消す旨一片の通知をなし、該農地を工場の敷地にせんとする事例がある。政府は、かかる取消処分を正当なりと思いするか。
五 農地の売渡通知は知事をして代行せしむるも、もともと主管大臣たる農林大臣の所管であるから、売渡通知書の責任は農林大臣にある。
しからば、これが取消も農林大臣でなければならぬ。売渡通知書を交付した後、また対価を受領後、これを不当に取消した場合にだれがその責任をおびるか。
六 農地の買収も政府なら、売渡もまた政府である。買収の取消も売渡の取消も政府以外にはできないものと信ずるが、政府以外に取消権限を有するものがあるか。
七 県農業委員会、町村農業委員会は、買収計画、売渡計画をなす権限を有するが、買収売渡の当事者ではない。従つて、売渡の取消も取消の承認もできないことは当然だ。政府は、かかる権限なき取消を認めるか。
右質問する。
政府答弁書
一 農地法に基く農地の買収及び売渡は行政処分と解する。
二 国の行う農地の買収及び売渡が行政処分であるからといつて、行政庁がいつでもその買収又は売渡処分を取り消すことができるのではなく、その買収又は売渡処分に取消を必要とするようなかしが存在する場合にのみ処分行政庁は、その買収又は売渡処分を取り消すことができる。
三 国の行う売渡処分は、国民に対する利益処分であり、その売渡の取消によつて売渡の相手方の既得の権利利益を侵害することとなるから、その取消は、単にその売渡処分にかしがあつたからということのみでは行うことができず、その取消によつて売渡の相手方に与える権利、利益の侵害を正当化するだけの公益上の必要性がある場合にのみ行いうると解されている。
売渡の取消は、以上述べたとおりきわめて限られた場合にのみ行い得るものであり、一般的に売渡の相手方である耕作者の地位を不安定にするものではない。
四 埼玉県における売渡の取消事案については、その内容が明らかでないから質問書のみによりその当否を判断しがたい。
五及び六 国の行う農地の買収及び売渡は、都道府県知事の機関委任事務としてもつぱらその権限に属さしめているからその買収及び売渡の取消も原則としてもつぱら都道府県知事が行うべきものと解する。
都道府県知事がその取消をした場合、都道府県知事は、国の機関としてのその取消処分を行うものであり、従つてその最終的な責任は国に属するが、その売渡の取消処分を違法としてその取消を求める訴は、行政事件訴訟特例法第三条の規定により都道府県知事を相手方として提起されなければならない。
七 旧自作農創設特別措置法に基き、都道府県、農業委員会、市町村農業委員会は、農地等の買収計画、売渡計画を樹立、公告する権限を有したが、その権限に基き作成した買収計画又は売渡計画について取消を行う必要のあるかしその他取消を相当とする事情等があつた場合には、農業委員会法第四十九条の規定に基き、その取消につき都道府県知事の確認をうけて買収計画又は売渡計画を取り消すことができる。
右答弁する。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。